エクスペンダブルズ
監督:シルヴェスター・スタローン
製作総指揮:ダニー・ディムボート、ボアズ・デヴィッドソン、トレヴァー・ショート、レス・ウェルドン
音楽:ブライアン・タイラー
脚本:シルヴェスター・スタローン、デヴィッド・キャラハム
出演:シルヴェスター・スタローン、ジェイソン・ステイサム、ジェット・リー、ミッキー・ローク、ブルース・ウィリス、アーノルド・シュワルツェネッガーほか
「スタローン自由自在」
エクスペンダブルズです。直訳すると消耗品。傭兵部隊の話なのですが、ストーリーまで消耗してしまったのか、話の筋がまったく見えません。それでもポカンと口を開けて観ていると、俳優のオーラを失ったシュワルツェネッガー翁が出てきたり、ブルース・ウィリスが別撮りのように不自然に登場したりと意外な見せ所があります。
特に見所は、スタローン翁が飛んだり跳ねたりする奇跡のシーン。吹き替えがほとんどかもしれませんが、還暦を過ぎたスタローン翁の全力疾走はある意味ホラーでした。ガチンコでやるにはボクシング映画のくせに1戦しか行わなかったロッキー・ザ・ファイナルあたりが限界だったのかもしれません。
それでも音とか取り方で迫力を出す工夫が満載で、映像をやっている人は観るだけでもそれなりに勉強になるのかもしれません。くれぐれも、ストーリーはさっぱり分かりませんが。
【基礎点】
一般の洋画(15点)
・15点
【技術点】
テーマははっきりしているか(10点)
(一言で説明出来るか/魅力的だったか)
・5点
傭兵部隊のリーダーが惚れた女を助けるために仲間を巻き込む話。
そのテーマは時代にマッチしているか(10点)
(今の時代に当てはまるような要素があるか)
・5点
人間、色恋が生き死にを左右する行動の動機になることはままある。
観光要素はあったか(10点)
(何か目新しく感じられる要素はあったか)
・3点
シュワルツェネッガーは「おおーっ」という感じになる。
観光要素は魅力的だったか(10点)
(その観光要素は魅力的なものだったか)
・3点
されど往年のオーラは感じられなかった。
主人公に貫通行動があるか(10点)
(主人公の目的=欲望がはっきりしているか)
・3点
主人公の行動は女を助けるということで一貫しているが、そこに都合よく絡んでくる傭兵部隊の設定がわざとらしい。
【芸術点】
印象に残る人物はいたか(10点)
(多くても1、2名に限る。それ以上いたら逆効果なので減点)
・2点
普通のおっさんになったジェット・リー。
印象に残るシーンはあったか(10点)
(多くても1、2シーンに限る。それ以上だと逆効果なので減点)
・2点
スタローン翁の全力疾走。
泣けたか(10点)
(ストーリーの流れで泣けた部分はあったか=単に人が死んだとか、物理的な悲しさは評価外)
・0点
スタローン翁の若作りは泣けてくるが、ストーリーとは関係ないのでここでは加味しない。
笑ったか(10点)
(ストーリーの流れで笑った部分はあったか=主人公の仕草とかで笑いを誘った場合は評価外)
・0点
タトゥー屋のミッキー・ロークをはじめキャラクターは減らず口を叩くが、笑えるセリフがひとつもなかった。
怒りを覚えたか(10点)
(ストーリーの流れで怒りを覚えた部分はあったか)
・1点
架空のアフリカの国(たぶん)が米国人の介入によってズタズタになる設定は多少怒りの要素はあるが、米国人のキャラは巨悪ってほどでもなかったので怒りの要素には乏しかった。
【減点項目】
・減点なし。
スタローン翁のアクションがあまりにも痛々しいので、むしろ「スタローン自由自在」とかキャッチフレーズをつけるべき。今回は許す。
基礎点(15)+技術点(19)+芸術点(5)×1.5-減点(0)=CinemaX指数(42)
「F」評価(59点以下)
消耗品という割には傭兵部隊のメンバーが誰も死なないのは、作り手のスタローン翁の優しさでしょうか。ヒロインがあんまり綺麗じゃないのもスタローン翁の映画の特徴かもしれません。
Recent Comments