« June 2010 | Main | September 2010 »

August 27, 2010

キャタピラー

監督:若松孝二
音楽:サリー久保田、岡田ユミ
脚本:黒沢久子、出口出
出演:寺島しのぶ(黒川シゲ子)、大西信満(黒川久蔵)、吉澤健(黒川健蔵)、粕谷佳五(黒川忠)、増田恵美(黒川千代)

「黒い雨とともに」

「キャタピラー」です。ベルリン国際映画祭で寺島しのぶが最優秀女優賞を受賞したことで注目されている映画です。日本人は海外の評価に弱いので、映画そのものまで大絶賛する人が多いと思いますが、キャタピラーは、エンターテインメントとしては大したことがないように思えます。

冒頭シーンは、日本軍の「略奪強姦勝手次第」のシーンです。歴史上、多くの戦争で占領された側は、金品や女を奪われます。日本軍は一般人に辱めを受けるなら自決しろという一方で、多くの占領地で同じことをやっていたわけです。はっきりとは表現していませんが、主人公、シゲ子の夫、久蔵は占領地で勝手次第中に四肢を失ってしまったようです。

それが国を挙げて「生ける軍神」として奉られ、地域でも崇拝される一方で不自由な身体で妻の身体を求め続けます。何が正義で、何が美徳なのか、裏と面が垣間見えるという点では、興味深い映画だと言えます。お国のためと言いながら、終戦でお国を失った人々はどうしているのか、久蔵とアホの(ふりをしていた?)村人の行動などをもっと描くと面白かったのかもしれません。

この映画、終盤は趣が変わることがわかります。実際には日本の敗色が濃厚になってもマスコミは勝利を伝え続け、沖縄戦、原爆投下、終戦を映像や数字と交えて伝えます。何せ海外で評価された映画なので現在の介護問題などと絡めて無理に持ち上げる人が多いかもしれませんが、これは四肢を失った人とその家族の物語を隠れ蓑にした反戦映画です。

ちょうど、広島での慰霊祭に連合国側の方々が出席しましたが、戦後65年が経過し、明らかに第二次世界大戦への見方が変わってきています。一昔前なら、きのこ雲を映しながら犠牲者の人数を出すだけで海外でははじかれていたでしょう。それが受け入れられるようになったのです。

同様に日本国内でも太平洋戦争に対する見方が変わってきています。若者の中には美談のように讃える人もいるようですが、この映画は戦争の真実を描いています。だからこそ、教育映画として日本各地の学校で上映して欲しいものです。「黒い雨」のように。上映の障壁は多すぎる性描写なのですが、この部分をカットしてしまっては、侵略戦争の真実や久蔵の心の変化がわからなくなるので、是非ノーカットで。

【基礎点】

一般の邦画(20点)
・20点

【技術点】

テーマははっきりしているか(10点)
(一言で説明出来るか/魅力的だったか)
・10点
戦争で四肢を失った夫を介護する妻の話。

そのテーマは時代にマッチしているか(10点)
(今の時代に当てはまるような要素があるか)
・5点
深読みすれば、介護問題になるが、それ以前に美談だけ残りつつある太平洋戦争の真実のごく一部を伝える上で現代に必要な映画。

観光要素はあったか(10点)
(何か目新しく感じられる要素はあったか)
・5点
設定自体が観光要素。

観光要素は魅力的だったか(10点)
(その観光要素は魅力的なものだったか)
・5点
魅力的であり、おぞましい。

主人公に貫通行動があるか(10点)
(主人公の目的=欲望がはっきりしているか)
・8点
妻は夫を介護しながら、今までは否定していた食べて、寝て、食べて、寝ての考えを肯定し始める。

【芸術点】

印象に残る人物はいたか(10点)
(多くても1、2名に限る。それ以上いたら逆効果なので減点)
・10点
久蔵。回想などを交えて心理描写などが巧みに描かれている。

印象に残るシーンはあったか(10点)
(多くても1、2シーンに限る。それ以上だと逆効果なので減点)
・10点
冒頭シーン、勝手次第の後の現地の女性の眼。

泣けたか(10点)
(ストーリーの流れで泣けた部分はあったか=単に人が死んだとか、物理的な悲しさは評価外)
・2点
泣きの要素は少ない。

笑ったか(10点)
(ストーリーの流れで笑った部分はあったか=主人公の仕草とかで笑いを誘った場合は評価外)
・5点
シゲ子の「芋虫ごろごろ」はそれなりにカタルシスがある。

怒りを覚えたか(10点)
(ストーリーの流れで怒りを覚えた部分はあったか)
・2点
シゲ子の戦争や夫の介護に対する怒りがもっと伝わってくれば、映画に厚みが出ていたかもしれない。

【減点項目】

・減点なし。

基礎点(20)+技術点(33)+芸術点(29)×1.5-減点(0)=CinemaX指数(97)

「C」評価(80~99点)

賞をとるかとらないかは紙一重。海外で評価されたからといって過度に持ち上げないことを祈ります。

2010年8月20日/ヒューマントラストシネマ有楽町
Caterpillar01main_large

| | Comments (9) | TrackBack (1)

August 23, 2010

お墓に泊まろう!

監督:伊藤隆行
脚本:大場剛、桜野太紀
出演:金田哲、河本準一、川田広樹、杉原杏璃、大橋未歩、大鶴義丹、松方弘樹ほか

「安普請」

「お墓に泊まろう!」です。吉本興業が沖縄国際映画祭を開催し、そこに出品された作品の1つらしいです。どの映画もお笑い芸人を起用した安普請な映画のような気がしたのですが、お墓にとまろう!だけは自虐的な面白さを感じたので観て来ました。

上映は基本的に吉本の劇場なので、いつもの映画館のように予告編も流れるのですが、芸人の前説がつきます。たった数館での上映とはいえ、毎回こんなことをやっているのかと驚かされます。この日は平日真昼間、8人の観客に対してカナリアのお2人が前説をやりました。

自虐的というのは、テレビ東京の放送当時を描いた小説を思い出したからです。タイトルは失念しましたが、1964年に教育専門局として開局した現在のテレビ東京は一時期、大赤字を抱えて1日に5時間半しか放映出来ない時期がありました。赤字になるのも当然で、既にNHK教育と日本教育テレビ(現在のテレビ朝日)が存在する中で棲み分けをしろというのが無茶なもので、例えばほんの少し前に省庁の管轄の違いというだけで宇宙開発に関する組織がいくつもあったように、明らかに縦割り行政が産んだ悲劇といえるでしょう。

その頃の状況を皮肉ったのではないようですが、広告収入が激減する中でテレビ局が葬儀会社に買収されたという設定がいかにもシニカルです。かつては番組内容に対して対価を求めてはいけないというテレビ局が作った自主ルールみたいなものは何処吹く風、番組全体が一企業のCMのようなテレビはザラですし、深夜はもちろん午後の枠も通販番組が占拠するようになりました。

マスコミ全体で広告収入が激減しています。テレビ局が夏休みに合わせて開催していたイベントは、最初は小銭稼ぎ程度だったのが、血眼になって商売するようになった頃には若者を中心としたテレビ離れが進んでしまい、逆に足かせになってしまうという悪循環を生んでいます。

本題に戻ります。

お墓に泊まろう!は、前半はどうでもいい話です。今さら業界の中身を見せられても観光要素にすらならない時代です。何よりも最悪なのは、社長の葬儀をバラエティー番組にするのですが、それに向けた企画会議はそこそこおもしろかったのですが、劇中劇、つまり映画内の番組が極めて面白くなく、それでいて映画の中の参列者やスタッフは大笑いしているので、観る側としては呆れるしかなくなります。

漫才コンビを扱ったドラマで劇中の観客が大笑いしているのに、ネタがちっとも笑えないのと同じです。トム・ハンクスが無名の頃の「パンチライン」という映画がありますが、これが隠れた名作と言われるのは、コメディアンが繰り出すネタが面白いからです。笑ったからといって、劇中の観客が笑えば、その漫才や落語は面白いんだと実際の観客が思うと感じて映画を作ったとすれば、大きな間違いです。

評価に移ります。

【基礎点】

一般の邦画(20点)
・20点

【技術点】

テーマははっきりしているか(10点)
(一言で説明出来るか/魅力的だったか)
・10点
限られた条件で自分のやりたい仕事をやろう。

そのテーマは時代にマッチしているか(10点)
(今の時代に当てはまるような要素があるか)
・8点
尻すぼみの社会においては結構重要なテーマ。

観光要素はあったか(10点)
(何か目新しく感じられる要素はあったか)
・2点
番組作りのシーンがもっと入れば楽しかった。

観光要素は魅力的だったか(10点)
(その観光要素は魅力的なものだったか)
・2点
同上。

主人公に貫通行動があるか(10点)
(主人公の目的=欲望がはっきりしているか)
・2点
周りの人物がしっかりしていて、主人公はフラフラしすぎるというのは、シナリオ自体に難があると思われる。

【芸術点】

印象に残る人物はいたか(10点)
(多くても1、2名に限る。それ以上いたら逆効果なので減点)
・8点
劇中、実際を問わずテレビ東京の社長。

印象に残るシーンはあったか(10点)
(多くても1、2シーンに限る。それ以上だと逆効果なので減点)
・6点
テレビ東京社長の生前(劇中での)挨拶、実際の社長本人が掲げるモットーがこの映画の肝。「自分が作りたいものを作れなければ、死んだほうがましだ」「自分の作りたいものを作り、世の中に問え」などの考え方は、心に響くものがある。

泣けたか(10点)
(ストーリーの流れで泣けた部分はあったか=単に人が死んだとか、物理的な悲しさは評価外)
・6点
上記に関連。他局がクイズ作家を大量起用して既に問題が枯渇しつつある中でもクイズ番組を続ける一方、どうしてテレビ東京には単なるクイズ番組が存在しないのか、映画の最後の10分を観れば理解出来る。少ない予算で他のテレビ局とは一味違う面白い番組を作る姿勢は、判官びいきの日本人には響く。

笑ったか(10点)
(ストーリーの流れで笑った部分はあったか=主人公の仕草とかで笑いを誘った場合は評価外)
・0点
劇中のテレビ東京社長(松形弘樹)の生前の写真、本人そのまんまの写真を使っていたのが笑えたが、ストーリーとは関係ないのでここでは考慮しない。

怒りを覚えたか(10点)
(ストーリーの流れで怒りを覚えた部分はあったか)
・3点
どのチャンネルを回しても同じような番組ばかりのテレビ業界に一石を投じる映画だが、それだけに怒りのようなものも感じる。

【減点項目】

筋違いのPRが行われている(-10点)
・-5点
くれぐれも、お墓に泊まる映画ではない。


基礎点(20)+技術点(24)+芸術点(23)×1.5-減点(5)=CinemaX指数(74)

「D」評価(70~79点)

他の安普請の映画とともにそのうちDVD化されるでしょうから、そこで観てもOKだと思います。

2010年8月19日/神保町花月
Tnr1004290758001p1

| | Comments (7) | TrackBack (1)

August 19, 2010

トイレット

監督:荻上直子
音楽:ヴードゥー・ハイウェイ
脚本:荻上直子
出演:アレックス・ハウス(次男レイ)、タチアナ・マズラニー(長女リサ)、デヴィッド・レンドル(長男モーリー)、もたいまさこ(ばーちゃん)ほか

「垂れ流し」

中途半端にアップして評価を忘れてました。

外国の外国人の家庭に謎の日本人ばあちゃんがやって来るという設定はなかなか面白いと思ったのですが、それだけに酔いしれてしまった映画という印象です。

例えばベンチに座っている意味不明の女性にもいちいち「謎の女性」という役名を与えていたりとか。脇役や端役にも愛着を抱く気持ちは分からんでもないですが、それを観客にまで押し付けるのはどうかと。

評価に移ります。

【基礎点】

一般の邦画(20点)
・20点

【技術点】

テーマははっきりしているか(10点)
(一言で説明出来るか/魅力的だったか)
・10点
外国人兄弟の家に日本人のばあちゃんが来た。

そのテーマは時代にマッチしているか(10点)
(今の時代に当てはまるような要素があるか)
・5点
ある意味国際化。

観光要素はあったか(10点)
(何か目新しく感じられる要素はあったか)
・3点
ばあちゃんが頑なに喋らないところ。

観光要素は魅力的だったか(10点)
(その観光要素は魅力的なものだったか)
・0点
謎だけ撒いてあとはほったらかしだった。

主人公に貫通行動があるか(10点)
(主人公の目的=欲望がはっきりしているか)
・0点
行き当たりばったりだった。

【芸術点】

印象に残る人物はいたか(10点)
(多くても1、2名に限る。それ以上いたら逆効果なので減点)
・2点
喋らないばあちゃんは、それなりに魅力はあったが、その謎をほったらかして終わってしまった。

印象に残るシーンはあったか(10点)
(多くても1、2シーンに限る。それ以上だと逆効果なので減点)
・2点
ばあちゃんがトイレから出てくるとつくため息を、長男の友人が日本人の民族性にかけて分析するシーン。面白く膨らむと思ったが、後はほったらかしだった。

泣けたか(10点)
(ストーリーの流れで泣けた部分はあったか=単に人が死んだとか、物理的な悲しさは評価外)
・0点
突然死にすぎる。

笑ったか(10点)
(ストーリーの流れで笑った部分はあったか=主人公の仕草とかで笑いを誘った場合は評価外)
・1点
「ばあちゃんカモン」というセリフは面白かった。

怒りを覚えたか(10点)
(ストーリーの流れで怒りを覚えた部分はあったか)
・0点
悪人は出ない。

【減点項目】

筋違いのPRが行われている(-10点)
・ー5点
猫はあんまり関係ない。

基礎点(20)+技術点(18)+芸術点(5)×1.5-減点(5)=CinemaX指数(41)

「F」(59点以下)

ばあちゃんが喋らない謎、兄弟たちの夢など全てほったらかし。トイレットだけに流しっぱなしの映画でした。

2010年8月18日/新宿明治安田生命ホール
E4d97f4aad49ce62fd37f6cf1ad6f5fb

| | Comments (0) | TrackBack (0)

フローズン

製作総指揮:ティム・ウィリアムズ 、ジョン・ペノッティ、マイケル・ホーガン
音楽:アンディ・ガーフィールド
出演ケヴィン・ゼガーズ(ダン・ウォーカー)、ショーン・アシュモア(ジョー・リンチ)、エマ・ベル(パーカー・オニール)ほか

「痛怖い」

フローズンです。名前の通り寒い映画。分類はホラーになるのでしょうか。ホラーには2通りあるようです。

1つは、痛怖いホラー。もう1つは、人為的に怖がらせるホラー。遊園地のお化け屋敷のようなホラーです。いわゆるジャパニーズホラーは後者が多いように思います。

例えばソウは、設定で極めて痛怖いホラーですが、ソウ2以降は単に観客を驚かせるだけのホラー。ジャパニーズホラーの元祖といわれるリングは、原作は設定で怖いホラー、最初にドラマ化されたNHK版は原作のテイストが残っている一方、映画は観客を怖がらせることだけに終始してしまいました。

評価に移ります。

【基礎点】

一般の洋画(15点)
・15点

【技術点】

テーマははっきりしているか(10点)
(一言で説明出来るか/魅力的だったか)
・8点
極寒の空に取り残された3人が生き延びようとする話。

そのテーマは時代にマッチしているか(10点)
(今の時代に当てはまるような要素があるか)
・8点
生への執着は人間の不変の欲望。

観光要素はあったか(10点)
(何か目新しく感じられる要素はあったか)
・8点
都市部でも辺境はあるという設定。

観光要素は魅力的だったか(10点)
(その観光要素は魅力的なものだったか)
・8点
高山でも深海でも密林でもないところが面白い。

主人公に貫通行動があるか(10点)
(主人公の目的=欲望がはっきりしているか)
・10点
生き抜こうともがき苦しむ。

【芸術点】

印象に残る人物はいたか(10点)
(多くても1、2名に限る。それ以上いたら逆効果なので減点)
・6点
主要キャストは3人だけ。それぞれが生への執着をみせる。

印象に残るシーンはあったか(10点)
(多くても1、2シーンに限る。それ以上だと逆効果なので減点)
・1点
印象的なシーンやセリフが1つでもあればこの映画は名作になる。

泣けたか(10点)
(ストーリーの流れで泣けた部分はあったか=単に人が死んだとか、物理的な悲しさは評価外)
・0点
上記と同様に泣けるシーンがあれば、この映画は名作になる。

笑ったか(10点)
(ストーリーの流れで笑った部分はあったか=主人公の仕草とかで笑いを誘った場合は評価外)
・5点
何故かオオカミが…。

怒りを覚えたか(10点)
(ストーリーの流れで怒りを覚えた部分はあったか)
・3点
オオカミが…。

【減点項目】

・減点なし。

基礎点(15)+技術点(42)+芸術点(15)×1.5-減点(0)=CinemaX指数
(80)

「C」評価」(80~99点)

2010年8月10日/シネクイント
249_1

| | Comments (726) | TrackBack (0)

August 17, 2010

ゾンビランド

監督:ルーベン・フライシャー
製作総指揮:ライアン・カヴァナー、レット・リース、エズラ・スワードロウ、ポール・ワーニック
音楽:デヴィッド・サーディ
脚本:レット・リース、ポール・ワーニック
出演:ウディ・ハレルソン、ジェシー・アイゼンバーグ、アビゲイル・ブレスリン、ビル・マーレイほか

「意外と真面目」

ゾンビランドです。元祖ゾンビを鑑賞以来、意外と奥の深さを感じるゾンビ映画。気が付くと前売券を買っていました。

ゾンビランドの舞台は、ゾンビウイルスが蔓延したアメリカ。第9地区では「どうして南アフリカなんだ」と言っていましたが、やはり事件や事故に巻き込まれるのはアメリカが似合っています。

ゾンビ映画も回を重ねるごとに工夫が必要になります。ゾンビの怖さを徹底的に追求した映画。ゾンビをペットにした映画。そしてゾンビランドはゾンビを遊園地に集めました。

…実はそれだけだったりします。

ところがゾンビランドは、ストーリーの薄っぺらさを人物設定でカバーしています。ゾンビに襲われない自主ルールを作り行動する童貞の主人公。レスラーのようにが体がデカいものの寂しい過去を抱える男。生きるために窃盗を重ねる姉妹。

そして、ビル・マーレイ。

実はゾンビランドは、ビル・マーレイ以外の人物が次第に親しくなる心理を描いた人間ドラマだったりします。ゾンビはおまけ。

ということでゾンビランドは、ゾンビが遊園地に集まるクライマックスは意外と見せ場じゃなかったりするのです。

評価に移ります。

【基礎点】

一般の洋画(15点)
・15点

【技術点】

テーマははっきりしているか(10点)
(一言で説明出来るか/魅力的だったか)
・10点
ゾンビいない遊園地を目指す男女の話。

そのテーマは時代にマッチしているか(10点)
(今の時代に当てはまるような要素があるか)
・8点
世の中どこに行っても地獄ということか。

観光要素はあったか(10点)
(何か目新しく感じられる要素はあったか)
・2点
ビル・マーレイ。

観光要素は魅力的だったか(10点)
(その観光要素は魅力的なものだったか)
・5点
大御所が割と話に絡んで出てくることで映画に妙な重厚感が出ているように思える。

主人公に貫通行動があるか(10点)
(主人公の目的=欲望がはっきりしているか)
・10点
自主ルールを守りながら生き抜こうとする。

【芸術点】

印象に残る人物はいたか(10点)
(多くても1、2名に限る。それ以上いたら逆効果なので減点)
・6点
姉妹の生き方にはややカタルシスがある。

印象に残るシーンはあったか(10点)
(多くても1、2シーンに限る。それ以上だと逆効果なので減点)
・3点
童貞の主人公が仲間との離別を思いとどまるシーン。

泣けたか(10点)
(ストーリーの流れで泣けた部分はあったか=単に人が死んだとか、物理的な悲しさは評価外)
・3点
主人公を何度も裏切る姉妹が最後にまた裏切るのかなぁ…というシーンは爽やかな感動っぽいものも込められている。

笑ったか(10点)
(ストーリーの流れで笑った部分はあったか=主人公の仕草とかで笑いを誘った場合は評価外)
・5点
ビル・マーレイの消え方は笑える。

怒りを覚えたか(10点)
(ストーリーの流れで怒りを覚えた部分はあったか)
・3点
姉妹が抱える生い立ちには怒りの要素がある。

【減点項目】

・ 減点なし。
ビル・マーレイが出るあたりからストーリーのテンポが落ちるので、彼の出演には賛否両論あるのだと思う。

基礎(15)点+技術点(35)+芸術点(20)×1.5-減点=CinemaX指数(80)

「C」評価(80~99点)

意外としっかりした映画です。映像効果が結構面白い。

2010年8月3日/池袋テアトルダイヤ
Zombie

| | Comments (85) | TrackBack (1)

August 14, 2010

プレデターズ

監督:ニムロッド・アーントル
製作総指揮:アレックス・ヤング
音楽:ジョン・デブニー
脚本:アレックス・リトヴァク、マイケル・フィンチ
出演:エイドリアン・ブロディ、ダニー・トレホほか

「救いようがない話について」

プレデターズです。シュワルツネッガーのバージョンはもちろんシリーズは観たことがなく、予備知識は亜流のプレデターズVSエイリアンで得た情報だけ。果たしてCinemaXの評価やいかに。

【基礎点】

一般の洋画(15点)
・15点

【技術点】

テーマははっきりしているか(10点)
(一言で説明出来るか/魅力的だったか)
・8点
主人公たちが変な星から逃げる話。

そのテーマは時代にマッチしているか(10点)
(今の時代に当てはまるような要素があるか)
・4点
アバターのの二番煎じ感が否めない。

観光要素はあったか(10点)
(何か目新しく感じられる要素はあったか)
・2点
LOSTっぽい。

観光要素は魅力的だったか(10点)
(その観光要素は魅力的なものだったか)
・2点
それなりの緊迫感はある。

主人公に貫通行動があるか(10点)
(主人公の目的=欲望がはっきりしているか)
・6点
変な星から逃げようとする。

【芸術点】

印象に残る人物はいたか(10点)
(多くても1、2名に限る。それ以上いたら逆効果なので減点)
・4点
意思疎通出来た唯一の怪物は、主人校との会話こそないが行動は印象に残った。

印象に残るシーンはあったか(10点)
(多くても1、2シーンに限る。それ以上だと逆効果なので減点)
・2点
敢えて印象的にしようとするあざといシーンが多い映画。

泣けたか(10点)
(ストーリーの流れで泣けた部分はあったか=単に人が死んだとか、物理的な悲しさは評価外)
・4点
意思疎通出来た唯一の怪物の行動に僅かに感涙ポイントあり。

笑ったか(10点)
(ストーリーの流れで笑った部分はあったか=主人公の仕草とかで笑いを誘った場合は評価外)
・1点
登場人物はちょくちょくジョークを言うのだが、真面目に作り過ぎているせいか笑えない。

怒りを覚えたか(10点)
(ストーリーの流れで怒りを覚えた部分はあったか)
・0点

【減点項目】

話に絡むキャラクターが多すぎる(-10点)
・ー3点
この手の映画につきものだが、「殺される要員」で帯同する登場人物は多くなる。

基礎点(15)+技術点(22)+芸術点(11)×1.5-減点(3)=CinemaX指数(49)

「F」評価(59点以下)

この映画は主人公が元の世界に帰れない映画です。アバターのように帰らない道を選ぶ映画は
それなりのカタルシスがあるのですが、戦国自衛隊のようにシチュエーション的に帰れない映画は救いようがないので、悲しさよりも徒労が増してしまいます。

LOSTとアバターを足して何年間か放置したような映画でした。

2010年7月31日/シネプレックス新座
Prede

| | Comments (21) | TrackBack (0)

August 11, 2010

ヒックとドラゴン

監督:クリス・サンダース、ディーン・デュボア
製作総指揮:クリスティン・ベルソン、ティム・ジョンソン
原作:クレシッダ・コーウェル
音楽:ジョン・パウエル
脚本:クリス・サンダース、ディーン・デュボア、ウィル・デイヴィス
声の出演(字幕版):ジェイ・バルシェル、ジェラルド・バトラー、アメリカ・フェレーラほか

「ちょいアバター」

ヒックとドラゴンです。原題は「How to Train Your Dragon」ドラゴン訓練法って感じでしょうか。主人公が野生のドラゴンを手懐けて、アバターみたいに活躍する話です。選択肢は吹替3Dもしくは2D、一部の劇場で字幕3Dが上映されていますが、相変わらず字幕2Dの選択肢がないのが残念です。

ただし、芸能人がよってたかって声優を務めた「トイ・ストーリー3」に比べ、プロの声優で固められた「ヒックとドラゴン」は全く違和感なく観ることが出来ました。非情なのは、吹替版の声優の情報がネット上にほとんどないこと。まさに現実をうかがわせます。

早速、評価に移ります。

【基礎点】

アニメーション(ジブリ以外)(5点)
・5点
【技術点】

テーマははっきりしているか(10点)
(一言で説明出来るか/魅力的だったか)
・10点
幻のドラゴンと出会った少年が、ドラゴンを手懐けて活躍する話。

そのテーマは時代にマッチしているか(10点)
(今の時代に当てはまるような要素があるか)
・10点
バイキングとドラゴンとの信頼関係の確立の過程は、世の中のあらゆる争いにおいてのテーマともいえる。

観光要素はあったか(10点)
(何か目新しく感じられる要素はあったか)
・6点
さまざまな種類のドラゴンが出るのは楽しい。

観光要素は魅力的だったか(10点)
(その観光要素は魅力的なものだったか)
・6点
上記の通り。ただしもっと個性あるドラゴンがたくさん見たかったような気もする。

主人公に貫通行動があるか(10点)
(主人公の目的=欲望がはっきりしているか)
・10点
ヒックはドラゴンたちを信頼し始め、守ろうとする。

【芸術点】

印象に残る人物はいたか(10点)
(多くても1、2名に限る。それ以上いたら逆効果なので減点)
・4点
主人公の少年とドラゴン以外は登場人物たちのカラーに乏しい映画だった。だからこそ観客はドラゴン訓練法に集中できたのかもしれないが。

印象に残るシーンはあったか(10点)
(多くても1、2シーンに限る。それ以上だと逆効果なので減点)
・8点
ドラゴンを再び飛べるようにする過程は、尾びれを失ったイルカを再び泳げるようにする水族館の飼育員を連想させる。

泣けたか(10点)
(ストーリーの流れで泣けた部分はあったか=単に人が死んだとか、物理的な悲しさは評価外)
・2点
ドラゴンの行動には泣ける部分があるが、号泣するオードリーの2人の涙腺はおかしい。

笑ったか(10点)
(ストーリーの流れで笑った部分はあったか=主人公の仕草とかで笑いを誘った場合は評価外)
・2点
笑いのツボも少ない。

怒りを覚えたか(10点)
(ストーリーの流れで怒りを覚えた部分はあったか)
・2点
バイキングの村を襲うドラゴンも結局はもっと大きなドラゴンに搾取されていたのは、怒りのエッセンスがある。

【減点項目】

筋違いのPRが行われている(-10点)
・-5点
ドラゴンの名前はトゥースなので、多くの人がどうせオードリーを引っ張り出すのだなあと思ったらそのまんまだった。駄洒落のようなPRをするのだったら、その販促費を頑張った声優の方々に配分して欲しい。

基礎点(5)+技術点(38)+芸術点(18)×1.5-減点(5)=CinemaX指数(65)

「E」評価60~69点)

3Dの魅力を引き出せるのはアニメしかないと思うので、そこそこ迫力を感じながら観ることが出来ました。

2010年8月7日/ワーナーマイカルシネマズ板橋
F1000201

| | Comments (87) | TrackBack (0)

August 08, 2010

ぼくのエリ200歳の少女

監督;トーマス・アルフレッドソン
原作:ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト
音楽:ヨハン・セーデルクヴィスト
脚本:ヨン・アイヴィデ・リンドクヴィスト
出演;カーレ・ヘーデブラント、リーナ・レアンデションほか

「猟奇的サザエさん」

「ぼくのエリ200歳の少女」です。事前情報なしに観るといま流行りの100歳超え所在不明老人の話だと思いがちですが、バンパイア映画です。200歳という具体的な設定も出ないので、だいたい200歳といった感じです。「17歳のカルテ」もあざとい邦題でしたが、かけ離れてはいませんでした。「ぼくのエリ200歳の少女」は、観客を混乱させるギリギリのかなり際どい邦題といえるでしょう。

ちなみに原題は「LAT DEN RATTE KOMMA IN」あるいは「LET THE RIGHT ONE IN」で「直着物を中に入れよ」とか。スウェーデンの故事成語かもしれませんが、いくら日本には通用しない内容だからといって、この邦題はあざとすぎるような感じがします。おまけに金髪の少女のような画像は主人公の少年。原作の原題は「モールス」で本編中にモールス信号を使うシーンがあるのですが、2アウト1塁で4番打者にバントをさせるぐらいの意味のない使われ方をしています。

物語の展開は、最初はのんびりしていてまどろっこしいのですが、やがてホラーっぽい要素が見え隠れし始めます。サザエさんのようなホームドラマが展開されていると思いきや、タマが怪死したり、釣りに行ったはずの波平がノリスケの家の押入れから発見されるような木に竹を接いだような展開となります。

それでもこの映画が映画として成り立っているのは、終盤のプールのシーンがあるからでしょう。このシーンは、見方によっては映画のこれまでの雰囲気をぶち壊すような感じなのですが、あまりにも衝撃的で、涙も笑いを含んだ興味深いシーンに仕上がっています。

評価に移ります。

【基礎点】

日本・アメリカ以外の映画(25点)
・25点

【技術点】

テーマははっきりしているか(10点)
(一言で説明出来るか/魅力的だったか)
・6点
金髪少年のオスカーが、バンパイアの少女、エリに恋する話。

そのテーマは時代にマッチしているか(10点)
(今の時代に当てはまるような要素があるか)
・6点
愛は不変だが、乱発気味のバンパイア映画に目新しさは感じられない。

観光要素はあったか(10点)
(何か目新しく感じられる要素はあったか)
・2点
北欧の街や人々の生活があまり描かれていないのが残念。

観光要素は魅力的だったか(10点)
(その観光要素は魅力的なものだったか)
・2点
モザイクのシーンは、性大国スウェーデンを象徴しているのだろうか。

主人公に貫通行動があるか(10点)
(主人公の目的=欲望がはっきりしているか)
・6点
オスカーはずっとエリを追い続ける。

【芸術点】

印象に残る人物はいたか(10点)
(多くても1、2名に限る。それ以上いたら逆効果なので減点)
・8点
エリ。

印象に残るシーンはあったか(10点)
(多くても1、2シーンに限る。それ以上だと逆効果なので減点)
・10点
プールのシーン。このシーンがなければこの映画の存在価値がないぐらい重要なシーン。

泣けたか(10点)
(ストーリーの流れで泣けた部分はあったか=単に人が死んだとか、物理的な悲しさは評価外)
・8点
プールのシーンは水中からのアングルのために実際に外で何が起こったかは映像で観ることは出来ないが、エリの叫び声、水面で繰り広げられる「事件」は、充分に感涙ポイントがある。

笑ったか(10点)
(ストーリーの流れで笑った部分はあったか=主人公の仕草とかで笑いを誘った場合は評価外)
・6点
プールのシーンは、笑いの要素も含まれている。

怒りを覚えたか(10点)
(ストーリーの流れで怒りを覚えた部分はあったか)
・3点
プールのシーンのオスカーの友人たちの行動に集約されるように、オスカーのいじめに対しては怒りのポイントはある。

【減点項目】

筋違いのPRが行われている(-10点)
・-10点
あざとい邦題に対して敢えて減点。

基礎点(25)+技術点(22)+芸術点(35)×1.5-減点(10)=CinemaX指数(90)

「C」評価(80~99点)

プールのシーンに集約される映画ですが、そのシーンの中でエリの瞳のアップは特に印象的です。

2010年8月6日/銀座テアトルシネマ
Ieri_2

| | Comments (3) | TrackBack (0)

August 04, 2010

告白

監督:中島哲也
原作:湊かなえ
脚本:中島哲也
出演:松たか子、木村佳乃、岡田将生、西井幸人、藤原薫、橋本愛ほか

「スタートダッシュ」

巷で話題の「告白」です。「おくりびと」ほどではないものの、ロングランが予想される邦画です。原作を買い今まさに読み始めたところですが、やはりストーリーもさることながら、監督と脚本を務める中島哲也氏の力量によるところが多いのでしょう。

映画そのものは、殺人事件をとりまく複数の人間の証言をもとに展開されます。物事を多角的にとらえることで立体的なストーリーを成す手法は「藪の中」や「指輪と本」など過去の文芸作品にもみられますが、「告白」は結論を得るということで差別化が図られ、世に受け入れられたのでしょう。

この映画は、中島氏の力量も去ることながら、最初の告白をする森口悠子を演じる松たか子の演技力が全てを左右しています。彼女のひとり芝居とも言うべき熱演は、カラフルだった中島氏の過去の作品とは大きくことなるブルーを基調としたまるでモノトーンのような映像を強烈に印象付けます。

物事を多角的にとらえたドラマで印象的だったのは、テレビ朝日の夜ドラ「ハガネの女」でした。学級崩壊、いじめ、モンスターペアレントなど教育現場で抱える数々の問題を紋切り型にするのではなく、それぞれに理由があることを描いたことで実に深みがありました。漫画原作ですが、ドラマ化に当たっても丁寧な映像作りが感じられました。

評価に移ります。

【基礎点】

一般の邦画(20点)
・20点

【技術点】

テーマははっきりしているか(10点)
(一言で説明出来るか/魅力的だったか)
・10点
登場人物たちが(観客とともに)殺人事件の真相を明らかにしていく話。

そのテーマは時代にマッチしているか(10点)
(今の時代に当てはまるような要素があるか)
・10点
物事を多面的に捕えて表現していくことは、映像や文章問わずこれからの課題かもしれない。

観光要素はあったか(10点)
(何か目新しく感じられる要素はあったか)
・4点
教育現場が抱える問題を多面的に捉えたことは既に目新しくはないが、よく出来ていた。

観光要素は魅力的だったか(10点)
(その観光要素は魅力的なものだったか)
・4点
問題を抱えたそれぞれの人物には魅力があった。

主人公に貫通行動があるか(10点)
(主人公の目的=欲望がはっきりしているか)
・10点
主人公、森口悠子の行動は一貫している。

【芸術点】

印象に残る人物はいたか(10点)
(多くても1、2名に限る。それ以上いたら逆効果なので減点)
・9点
件の牛乳を飲んだ2人の男子学生と美月。

印象に残るシーンはあったか(10点)
(多くても1、2シーンに限る。それ以上だと逆効果なので減点)
・10点
本編での最後の一言は、大学が本当に爆破されたのか否かを観客の判断に任せる効果がある。

泣けたか(10点)
(ストーリーの流れで泣けた部分はあったか=単に人が死んだとか、物理的な悲しさは評価外)
・3点
主役級の人物が抱える人間関係にはそれなりの悲しさがあった。

笑ったか(10点)
(ストーリーの流れで笑った部分はあったか=主人公の仕草とかで笑いを誘った場合は評価外)
・3点
松たか子の演技力によるものが大きいが、森口悠子の狂ったような笑いは見もの。

怒りを覚えたか(10点)
(ストーリーの流れで怒りを覚えた部分はあったか)
・5点
殺人事件の犯人たちには当初は怒りを覚えるが、やがて違った印象になってくる。観客にこういう感情を抱かせるのは、作り手側の勝ちだと思われる。

【減点項目】

・減点なし
登場人物が多く、加えて藪の中方式のストーリー展開は散逸しがちになるのだが、殺人事件やその家族の執念を根幹に置くことで1本筋の通った展開となっている。

基礎点(20)+技術点(38)+芸術点(30)×1.5-減点(0)=CinemaX指数(103)

「B」評価(100~119点)

2010年7月18日/ワーナーマイカルシネマズ板橋
Kokuhaku

| | Comments (3) | TrackBack (0)

August 03, 2010

FURUSATO-宇宙からみた世界遺産-

構成:小山薫堂
監督:日下宏美
音楽監修:清水靖晃
出演:下條アトム(ナレーション)、内田伽羅、マット・レイワードほか

「写真以上プラネタリウム未満」

3D映画が全盛になりつつあります。配給側や劇場にとっては、ちょっと手間をかけるだけで別料金を徴収できるのですから、ちょっとした打出の小槌のようなものなのでしょう。ところが、試行錯誤が繰り返されるうちに、3Dに向いているジャンルとそうでないジャンルが分かれてきているように思います。

例えば風景はさぞかし3Dだと迫力があるのだろうなあと思いがちですが、実は違います。擬似的ではあれど異星の様々な風景を描いた「アバター」を観ていても感じたのですが、風景を3Dにしても、日常生活のように視野に入る全てのものがリアルに表現出来るわけではないですから、ストーリーに集中出来ないと気が散りすぎてしまいます。

幸いにも「アバター」はストーリーが魅力的だったので大丈夫だったのですが、この映画は最悪でした。宇宙から世界遺産をとらえたアングルは迫力はあるもののごく僅かで、取り上げた世界遺産の数自体も僅か。世界の子供達による中途半端なストーリーがさらに邪魔をして最低の映画に仕上げてしまいました。風景だけならプラネタリウムでも上映できるのかなと思いましたが、余計なストーリーが加わったことで上映しても魅力は半減してしまうことでしょう。

評価に移ります。

【基礎点】

一般の邦画(20点)
・20点

【技術点】

テーマははっきりしているか(10点)
(一言で説明出来るか/魅力的だったか)
・3点
宇宙から世界遺産をみてみよう!という感じだが、宇宙からのアングルがあまりにも少なく看板に偽りあり。

そのテーマは時代にマッチしているか(10点)
(今の時代に当てはまるような要素があるか)
・3点
あらためて地球の自然や人類の英知の偉大さを感じるという点は意義がある。

観光要素はあったか(10点)
(何か目新しく感じられる要素はあったか)
・3点
宇宙からのアングルは興味深かったが、シーンが少なすぎた。

観光要素は魅力的だったか(10点)
(その観光要素は魅力的なものだったか)
・3点
宇宙からのアングルが多ければもっと魅力的だった。

主人公に貫通行動があるか(10点)
(主人公の目的=欲望がはっきりしているか)
・0点
子供たちのストーリーは良い事ばかり描きすぎて映画に集中出来なかった。

【芸術点】

印象に残る人物はいたか(10点)
(多くても1、2名に限る。それ以上いたら逆効果なので減点)
・1点
北欧のド田舎に住む(たぶん)子供の生活は日本とかけ離れすぎて僅かだがカタルシスが感じられた。

印象に残るシーンはあったか(10点)
(多くても1、2シーンに限る。それ以上だと逆効果なので減点)
・3点
僅かしかない宇宙からのアングル。

泣けたか(10点)
(ストーリーの流れで泣けた部分はあったか=単に人が死んだとか、物理的な悲しさは評価外)
・0点
付け焼刃のストーリーで感動させられるほど観客は甘くない。

笑ったか(10点)
(ストーリーの流れで笑った部分はあったか=主人公の仕草とかで笑いを誘った場合は評価外)
・0点

怒りを覚えたか(10点)
(ストーリーの流れで怒りを覚えた部分はあったか)
・0点

【減点項目】

筋違いのPRが行われている(-10点)
・-8点
シーンの少なさからすると「宇宙からみた」というタイトルには疑問。

寝てしまった(-30点)
・-30点
退屈で寝てしまった。時間が短い(38分)なのが救い。

基礎点(20)+技術点(12)+芸術点(4)×1.5-減点(38)=CinemaX指数(-2)

評価なし(0点以下)

3Dが生き残る道はアニメーションしかないでしょう。

2010年7月3日/ワーナーマイカルシネマズ板橋
3284

| | Comments (9) | TrackBack (0)

« June 2010 | Main | September 2010 »