レポゼッション・メン
監督:ミゲル・サポチニク
製作総指揮:ジョナサン・モーン、マイク・ドレイク、ヴァレリー・ディーン、アンドリュー・Z・デイヴィス、ミゲル・サポチニク
原作:エリック・ガルシア
音楽:マルコ・ベルトラミ
脚本:エリック・ガルシア、ギャレット・ラーナー
出演:ジュード・ロウ、フォレスト・ウィッテカー、リーヴ・シュレイバー、アリシー・ブラガ、カリス・ファン・ハウテンほか
「血だらけ」
「レポゼッション・メン」です。早い話が回収屋。だったら回収屋でいいじゃん、という類の映画の感想。「過剰なネタばれはなきよう」とのことなので、真綿で首を絞める感じで気をつけて書きます。
この映画、とにかく血だらけです。血が苦手な人は注意したほうがいいです。かといって普段からシアターN渋谷に出入りしているようなB級ホラーファンが楽しめる感じでもありません。
でも、出来はB級。
評価に移ります。
【基礎点】
一般の洋画(15点)
・15点
【技術点】
テーマははっきりしているか(10点)
(一言で説明出来るか/魅力的だったか)
・8点
人口臓器の回収屋が自分自身も追いかけられる話。
そのテーマは時代にマッチしているか(10点)
(今の時代に当てはまるような要素があるか)
・6点
現在との接点がない近未来の設定の映画は感情移入が困難なクソ映画になることが多いが、この映画は人工臓器という「そんな時代も来るかもね」という設定なので意外とストーリーが破綻していない。
観光要素はあったか(10点)
(何か目新しく感じられる要素はあったか)
・4点
人工臓器が全ての世の中。
観光要素は魅力的だったか(10点)
(その観光要素は魅力的なものだったか)
・4点
全くナシではないが、積極的にアリというほどでもないような設定。
主人公に貫通行動があるか(10点)
(主人公の目的=欲望がはっきりしているか)
・4点
愛人?と逃避行をする後半以降は主人公の行動にそこそこ一貫性がある。一方で前半は糸が切れた凧のようにフラフラした感じなのが残念。
【芸術点】
印象に残る人物はいたか(10点)
(多くても1、2名に限る。それ以上いたら逆効果なので減点)
・6点
主人公の愛人?は、見た目も設定も味がある。
印象に残るシーンはあったか(10点)
(多くても1、2シーンに限る。それ以上だと逆効果なので減点)
・8点
終盤に主人公と愛人?が2人で人工臓器をスキャンするシーンは印象的。名シーンと言っても過言ではない。ここで退屈な空気が一気に吹き飛ぶが、その後に致命的な欠陥を含んだストーリー展開になってしまうので、せっかくの名シーンが打ち消されてしまうのが残念(下段も参照下さい)。
泣けたか(10点)
(ストーリーの流れで泣けた部分はあったか=単に人が死んだとか、物理的な悲しさは評価外)
・3点
問題のストーリー展開とは、涙を誘おうとするあざとさがある上にこの映画で唯一と言っていいほど良いシーンを全否定してしまっている。しかもシックスセンスなどの映画や世にも奇妙な物語などのテレビドラマで使い古された手法で。製作総指揮の人数が多い映画は、いろんな横槍が入るのかバロック音楽のエンディングのような締まりのない展開になりがち。
笑ったか(10点)
(ストーリーの流れで笑った部分はあったか=主人公の仕草とかで笑いを誘った場合は評価外)
・2点
人工臓器のローンが払えないから回収するという設定自体はユニーク。
怒りを覚えたか(10点)
(ストーリーの流れで怒りを覚えた部分はあったか)
・3点
人工臓器屋の社長の考えも一理あり、主人公も結構悪い。いま流行りの全員悪人の映画。ただしどの悪人も中途半端。
【減点項目】
・減点なし。
ジュード・ロウの肉体美も中途半端で相方の洋風鶴瓶の設定も中途半端。
基礎点(15)+技術点(26)+芸術点(22)×1.5(0)-減点=CinemaX指数(74)
「D」評価(70~79点)
終盤に印象的なシーンがあるだけに残念な映画です。白い工場?の中に飛び散る赤い血も鮮烈でしたが、やはり血が苦手な人は気を付けたほうがいいでしょう。
ブログネタ: 『レポゼッション・メン』試写会、感想を教えて!
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