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June 17, 2010

レポゼッション・メン

監督:ミゲル・サポチニク
製作総指揮:ジョナサン・モーン、マイク・ドレイク、ヴァレリー・ディーン、アンドリュー・Z・デイヴィス、ミゲル・サポチニク
原作:エリック・ガルシア
音楽:マルコ・ベルトラミ
脚本:エリック・ガルシア、ギャレット・ラーナー
出演:ジュード・ロウ、フォレスト・ウィッテカー、リーヴ・シュレイバー、アリシー・ブラガ、カリス・ファン・ハウテンほか

「血だらけ」

「レポゼッション・メン」です。早い話が回収屋。だったら回収屋でいいじゃん、という類の映画の感想。「過剰なネタばれはなきよう」とのことなので、真綿で首を絞める感じで気をつけて書きます。

この映画、とにかく血だらけです。血が苦手な人は注意したほうがいいです。かといって普段からシアターN渋谷に出入りしているようなB級ホラーファンが楽しめる感じでもありません。

でも、出来はB級。

評価に移ります。

【基礎点】

一般の洋画(15点)
・15点

【技術点】

テーマははっきりしているか(10点)
(一言で説明出来るか/魅力的だったか)
・8点
人口臓器の回収屋が自分自身も追いかけられる話。

そのテーマは時代にマッチしているか(10点)
(今の時代に当てはまるような要素があるか)
・6点
現在との接点がない近未来の設定の映画は感情移入が困難なクソ映画になることが多いが、この映画は人工臓器という「そんな時代も来るかもね」という設定なので意外とストーリーが破綻していない。

観光要素はあったか(10点)
(何か目新しく感じられる要素はあったか)
・4点
人工臓器が全ての世の中。

観光要素は魅力的だったか(10点)
(その観光要素は魅力的なものだったか)
・4点
全くナシではないが、積極的にアリというほどでもないような設定。

主人公に貫通行動があるか(10点)
(主人公の目的=欲望がはっきりしているか)
・4点
愛人?と逃避行をする後半以降は主人公の行動にそこそこ一貫性がある。一方で前半は糸が切れた凧のようにフラフラした感じなのが残念。

【芸術点】

印象に残る人物はいたか(10点)
(多くても1、2名に限る。それ以上いたら逆効果なので減点)
・6点
主人公の愛人?は、見た目も設定も味がある。

印象に残るシーンはあったか(10点)
(多くても1、2シーンに限る。それ以上だと逆効果なので減点)
・8点
終盤に主人公と愛人?が2人で人工臓器をスキャンするシーンは印象的。名シーンと言っても過言ではない。ここで退屈な空気が一気に吹き飛ぶが、その後に致命的な欠陥を含んだストーリー展開になってしまうので、せっかくの名シーンが打ち消されてしまうのが残念(下段も参照下さい)。

泣けたか(10点)
(ストーリーの流れで泣けた部分はあったか=単に人が死んだとか、物理的な悲しさは評価外)
・3点
問題のストーリー展開とは、涙を誘おうとするあざとさがある上にこの映画で唯一と言っていいほど良いシーンを全否定してしまっている。しかもシックスセンスなどの映画や世にも奇妙な物語などのテレビドラマで使い古された手法で。製作総指揮の人数が多い映画は、いろんな横槍が入るのかバロック音楽のエンディングのような締まりのない展開になりがち。

笑ったか(10点)
(ストーリーの流れで笑った部分はあったか=主人公の仕草とかで笑いを誘った場合は評価外)
・2点
人工臓器のローンが払えないから回収するという設定自体はユニーク。

怒りを覚えたか(10点)
(ストーリーの流れで怒りを覚えた部分はあったか)
・3点
人工臓器屋の社長の考えも一理あり、主人公も結構悪い。いま流行りの全員悪人の映画。ただしどの悪人も中途半端。

【減点項目】

・減点なし。
ジュード・ロウの肉体美も中途半端で相方の洋風鶴瓶の設定も中途半端。

基礎点(15)+技術点(26)+芸術点(22)×1.5(0)-減点=CinemaX指数(74)

「D」評価(70~79点)

終盤に印象的なシーンがあるだけに残念な映画です。白い工場?の中に飛び散る赤い血も鮮烈でしたが、やはり血が苦手な人は気を付けたほうがいいでしょう。

2009年6月17日/東宝東和試写室
Repo


ブログネタ: 『レポゼッション・メン』試写会、感想を教えて!参加数拍手

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June 06, 2010

川の底からこんにちは

監督:石井裕也
音楽:今村左悶、野村知秋
脚本:石井裕也
出演;満島ひかり、遠藤雅、相原綺羅、志賀廣太郎、岩松了ほか

「300円弁当」

「川の底からこんにちは」です。最初に言いますが、この映画、絶対に観たほうがいいです。ユーロスペースで上映される映画には極めて珍しく、内容では大ヒットの映画です。

タイトルはホラーっぽい感じですが、まるで違います。テーマは「中の下」。かつて日本人の生活レベルを示すのに「中流」という言葉がありました。ところが、格差社会になり、中流の中から抜きん出た人、地の底に落ちた人に分かれ、多くの人は少しだけランクダウンして「中の下」になっています。それを見事に描ききった、まさに万人ウケする映画です。日本人は自虐的で湿っぽくなければ悪い話に喜んで飛びつきますから、低予算で大ヒットの要素を兼ね備える極めて効率的な映画と言えます。

残念なのは、公開されている劇場が極めて少ないこと。「川の底…」は「いけちゃんとぼく」のように地方の劇場を回りながら長く上映されることと思いますが、アカデミー賞にノミネートされるなど外部からの評価がなければ、「おくりびと」のような映画になることはないと思います。それでも多くの人に観て欲しい映画です。ナントカ美容室とか、満を持した最終作で大コケの予感のあの映画とか、大人の事情で大ヒットを演出するより「川の底…」のようなマイナーでも実力のある映画をきちんと評価してもらいたいものです。

その一方でミニシアター作品にはそこらへんを旅するだけとか、1アイデアで1作やっつけたような映画が多いのも事実ですが。

この映画は「イライラする」という評価もありますが、確かに前半はやや停滞気味で展開が遅いのですが、どのシーンも主人公のフラストレーションを蓄積する重要な部分です。この映画の肝は主人公の爆発ですから、爆発後に一転する主人公の人生(といっても中の下の範囲で)を楽しめれば、この映画がいかに秀作であることが分かるはずです。

主人公を演じた満島ひかりも魅力的でした。「あっ、えーと…」とか癖のある主人公のセリフは彼女だからこそ演じきれたと言っても過言ではありません。竹内結子を初めて観た時「凄い女優が出てきたな」と思ったものですが、その時と同じような衝撃を感じました。これからが楽しみです。

評価に移ります。

【基礎点】

一般の邦画(20点)
・20点

【技術点】

テーマははっきりしているか(10点)
(一言で説明出来るか/魅力的だったか)
・10点
中の下の女性が、父親の工場を継いで、中の下なりを立て直す話。

そのテーマは時代にマッチしているか(10点)
(今の時代に当てはまるような要素があるか)
・10点
共感出来るのではないかというテーマ。

観光要素はあったか(10点)
(何か目新しく感じられる要素はあったか)
・2点
しじみ工場程度で観光要素はない。

観光要素は魅力的だったか(10点)
(その観光要素は魅力的なものだったか)
・8点
中の下を演出する要素にはなる。

主人公に貫通行動があるか(10点)
(主人公の目的=欲望がはっきりしているか)
・10点
流されパターンの主人公だが、爆発前、爆発後も一貫して「中の下」の姿勢を貫いており人格として破綻はしていない。

【芸術点】

印象に残る人物はいたか(10点)
(多くても1、2名に限る。それ以上いたら逆効果なので減点)
・8点
主人公の父親と叔父さん。特に叔父さんはコメディリリーフとして強烈な存在であり、父親は主人公との葛藤が美味く描けている。

印象に残るシーンはあったか(10点)
(多くても1、2シーンに限る。それ以上だと逆効果なので減点)
・9点
パートさん全員で「私たちがあんたのお母さんだよ」と言うシーン。主人公が川原で遺骨を投げつけながら喧嘩をするシーンはそれなりに楽しかったが、ここで終わってもいいぐらいだった。

泣けたか(10点)
(ストーリーの流れで泣けた部分はあったか=単に人が死んだとか、物理的な悲しさは評価外)
・9点
上記のシーン。コメディリリーフで締めてしまうところは賛否両論あると思われるが、逆にアクセントになっているように思える。

笑ったか(10点)
(ストーリーの流れで笑った部分はあったか=主人公の仕草とかで笑いを誘った場合は評価外)
・9点
フラストレーションをいかに蓄えて、主人公を爆発させるかにかかっている映画だが、爆発後にヤケクソになって結婚することを決意したり、会社の立て直しに躍起になるあたりは、ストーリー上の面白さとしては上質。ちなみに主人公が喪服で肥を撒くシーンは、対位法のお手本のよう。

怒りを覚えたか(10点)
(ストーリーの流れで怒りを覚えた部分はあったか)
・3点
フラフラしている主人公の彼氏の行動に怒りの要素はある。ちなみに中の下の怒りを込めた新しい社歌の歌詞は強烈過ぎて商品化して欲しいぐらい。

【減点項目】

・減点なし

基礎点(20)+技術点(40)+芸術点(38)×1.5-減点=CinemaX指数(117)

「B」評価(100~119点)

A評価まであと一歩ですが、おすすめです。劇中歌も新旧の社歌2つ。キャストにもお金をかけず、低予算でこれだけの映画が作れるのですから、邦画も捨てたものではありません。存分に予算を継ぎこめるハリウッド映画が1万円のステーキを焼けるのなら、邦画は1000円でラーメンを作れという考え方があります。その中で1000円でステーキを作ろうとして惨敗する邦画や、500円ぐらいの出来の映画を一生懸命宣伝して1000円に見せかけて観客を落胆させる邦画が後を絶たない中で、1000円どころか300円で1000円分の満足を得られる弁当のような映画が「川の底からこんにちは」と言えるでしょう。

劇場でもDVDでも這ってでも観ることをおすすめします。

2010年5月29日/ユーロスペース
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June 04, 2010

アリス・イン・ワンダーランド

監督:ティム・バートン
製作総指揮:クリス・レベンゾン
原作:ルイス・キャロル
音楽:ダニー・エルフマン
脚本:リンダ・ウールヴァートン
出演:ミア・ワシコウスカ、ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーター、アン・ハサウェイほか

「忙しい人たちのやっつけ仕事」

アリス・イン・ワンダーランドです。ティム・バートン×ジョニー・デップという一部の映画ファンには鉄板の組み合わせといえるのですが、両者とも多忙につきやっつけ仕事のような映画になっていました。

知名度は高くても、実際はどんな話だったか知っている人が意外と少ないAlice in Wonderland(不思議の国のアリス)を題材にした映画です。日本では舌切り雀と混同している人が多いかもしれませんね。そうでもないか。

西洋のおとぎ話はオチがないものが多いのですが、不思議の国のアリスもそんな感じです。それを無理矢理オチをつけて、3Dで小銭を稼げるようにしたのが「アリス・イン・ワンダーランド」なわけです。

評価に移ります。

【基礎点】

一般の洋画(15点)
・15点

【技術点】

テーマははっきりしているか(10点)
(一言で説明出来るか/魅力的だったか)
・6点
アリスが穴に落ちて不思議の国を冒険する話。

そのテーマは時代にマッチしているか(10点)
(今の時代に当てはまるような要素があるか)
・3点
大人でもおとぎ話の世界には憧れるが、どうもこの映画の中の世界には「そのシチュエーションの中に居たい」感が感じられない。

観光要素はあったか(10点)
(何か目新しく感じられる要素はあったか)
・2点
おとぎ話本来の設定を大人の想定の範囲内でデフォルメしただけ。

観光要素は魅力的だったか(10点)
(その観光要素は魅力的なものだったか)
・2点
従って魅力はあまり感じられない。

主人公に貫通行動があるか(10点)
(主人公の目的=欲望がはっきりしているか)
・2点
目的もなく落ちたので仕方ないが、とにかく主人公がフラフラしすぎ。

【芸術点】

印象に残る人物はいたか(10点)
(多くても1、2名に限る。それ以上いたら逆効果なので減点)
・1点
ネコとかウサギとか、ネズミみたいなやつとか。

印象に残るシーンはあったか(10点)
・0点
印象に残るシーンもなければ、終始紗がかかったような映像がとにかく見辛い。

泣けたか(10点)
(ストーリーの流れで泣けた部分はあったか=単に人が死んだとか、物理的な悲しさは評価外)
・1点
不思議の国の生い立ちとそこを離れなければならないアリスの感情にはややカタルシスが感じられる。

笑ったか(10点)
(ストーリーの流れで笑った部分はあったか=主人公の仕草とかで笑いを誘った場合は評価外)
・1点
ネコやウサギ、ネズミみたいなやつの仕草は滑稽だが、ストーリーにはあまり関係ない。

怒りを覚えたか(10点)
(ストーリーの流れで怒りを覚えた部分はあったか)
・1点
対立の構図の基本はいがみ合っている姉妹だけで、そこに存在する怒りの要素は極めて小さい。

【減点項目】

・減点なし。
見た目通りの映画。悪い映画ではないが、3D料金を払って観る映画でもない。観客に2Dを選択する自由を与えるべき。

基礎点(15)+技術点(15)+芸術点(4)×1.5-減点=CinemaX指数(36)

「F」評価(59点以下)

評価は最悪ですが、観ればそれなりに楽しい映画です。

2010年5月22日/シネプレックス新座
Alicealiceinwonderlandcakecupcuteda

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June 03, 2010

一生お供をする、大事な自分のからだ。ひとつの部位だけ、科学の力で機能強化できるとしたらどれを選ぶ?


ブログネタ: 『レポゼッション・メン』の試写会に50名様ご招待!参加数拍手

一生お供をする、大事な自分のからだ。ひとつの部位だけ、科学の力で機能強化できるとしたらどれを選ぶ?

『アルコールを素早く分解する肝臓』です。下戸なので。

※これは試写会応募のために作成したブログです。首尾良く当選して鑑賞出来れば、感想を書く予定です。

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June 02, 2010

オーケストラ!

監督:ラデュ・ミヘイレアニュ
音楽:アルマン・アマール
脚本:ラデュ・ミヘイレアニュ、アラン=ミシェル・ブラン、マシュー・ロビンス
出演:アレクセイ・グシュコフ、メラニー・ロラン、フランソワ・ベルレアンほか

「イデオロギー」

オーケストラ!を観てきました。人生で最も長くやっていたのは吹奏楽なので、音楽を題材にした映画は割と好きです。

オーケストラ!は、予告編では音楽を満喫出来る映画のような印象を受けますが、実は微妙に観客の期待を逸らす内容になっています。

シャッターアイランドの期待はがっかりな方に逸れましたが、オーケストラ!は趣が異なるという良い意味での逸れ方。

この映画の肝は「ソ連」です。多くの、というか大作曲家の大半を生み出したのもロシア(帝国)やソ連ですし、いまソ連のイデオロギーを引っ張り出したらどうなるかという落差を巧みに引き出しています。

つまり、ソ連とロシア(連邦)あるいは社会主義と社会主義崩壊後の境目を扱った映画なわけです。

個人的には時代や地域、物事の境目にこそカタルシスが存在すると考えているので、この映画の素材は鉄板といえます。昔は支持率100%、今はサクラをかき集めてやっと成立する共産党集会あたりも見物です。

オーケストラ!は構成や特に伏線の張り方は粗っぽくてクソ映画になりかねない感じなのですが、何せ素材が鉄板なので何をやっても許されるわけです。

楽団など大人数を扱う映画は群像劇になりがちで、結局時間が足りなくて薄っぺらになってしまうのですが、この映画は指揮者とソリストに絞り込んでいるのでストーリーは比較的濃厚でした。

ここから少しネタばれです。

この映画のもう一つの肝は「親子」なのですが、確かに親子は親子でも観客の思い込みを良い意味で裏切っています。

実の親子ならわざとらしい涙に囲まれた映画に終わっていたのですが「みんなの子」ということで、そこにソ連のイデオロギーが加わって生き生きとした涙を誘う映画に仕上がっています。

鑑賞後はさわやかで、主人公のマリーを演じたメラニー・ロランも良くも悪くもバカみたいな映画、イングロリアス・バスターズとは違った魅力がありました。もし歌が達者なら、彼女の主演でオペラ座の怪人を観てみたいものです。

【基礎点】

日本・アメリカ以外の映画(25点)
・25点

【技術点】

テーマははっきりしているか(10点)
(一言で説明出来るか/魅力的だったか)
・8点
ソ連時代に解雇されたオーケストラのメンバーが「なりすまし」で海外でのコンサートを成功させる話。

そのテーマは時代にマッチしているか(10点)
(今の時代に当てはまるような要素があるか)
・7点
辛い時こそ物事をやり抜く「気持ち」が必要。

観光要素はあったか(10点)
(何か目新しく感じられる要素はあったか)
・8点
ソ連時代に民衆を虐げた様々な弾圧。

観光要素は魅力的だったか(10点)
(その観光要素は魅力的なものだったか)
・8点
革命的なイデオロギーの変化は、それを経験していない日本人には奇異な現象で観光要素になりやすいといえる。

主人公に貫通行動があるか(10点)
(主人公の目的=欲望がはっきりしているか)
・10点
主人公をはじめメンバーたちの再び大舞台で演奏したいという欲望と、ある理由でマリーを助けたいという動機の二重構造が成立している。

【芸術点】

印象に残る人物はいたか(10点)
(多くても1、2名に限る。それ以上いたら逆効果なので減点)
・8点
マリーのマネージャ的存在のギレーヌ。彼女はマリーの身の回りの世話までするので、実母ではないかと思った方も多いはずですが、真相やいかに。

印象に残るシーンはあったか(10点)
(多くても1、2シーンに限る。それ以上だと逆効果なので減点)
・7点
久々の大舞台で音程もメチャクチャな楽団が心が一つになることでガラッと変わるシーン。これは指揮者のカリスマ性などであり得なくはないが、ボロボロだったチューニングまで治るのは現実的ではないと感じた。まあ、これは映画なので。

泣けたか(10点)
(ストーリーの流れで泣けた部分はあったか=単に人が死んだとか、物理的な悲しさは評価外)
・6点
マリーが「みんなの子」だと分かる部分。

笑ったか(10点)
(ストーリーの流れで笑った部分はあったか=主人公の仕草とかで笑いを誘った場合は評価外)
・6点
マリーが、見た目や楽器がみすぼらしくても腕が良いことが分かり態度を改めるあたりは、水戸黄門にも似た爽快感がある。

怒りを覚えたか(10点)
(ストーリーの流れで怒りを覚えた部分はあったか)
・3点
ソ連時代の弾圧などやり場のない怒りもあるが、一時代前の話のせいか怒りのツボ自体は小さい。

【減点項目】
・減点なし
オーケストラや吹奏楽団を扱う映画は話に絡むキャラクターが多すぎて話が薄っぺらくなるという欠点があるが、オーケストラ!は例外。この部分で加点したいぐらい素晴らしい設定。

基礎点(25)+技術点(41)+芸術点×1.5(30)−減点(0)=CinemaX指数(111)

「B」評価(100〜119点)

シネスイッチ銀座には珍しく、イメージだけで誤魔化されないまともな映画です。

2010年5月21日/シネスイッチ銀座
Le_concert

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June 01, 2010

シャッターアイランド

監督:マーティン・スコセッシ
製作総指揮:クリス・ブリガム、レータ・カログリディス、デニス・ルヘインほか
原作:デニス・ルヘイン
脚本:レータ・カログリディス
出演:レオナルド・ディカプリオ、マーク・ラファロ、ベン・キングズレー、ミシェル・ウィリアムズほか

「悪い人じゃないんだけど…」

シャッターアイランド、ようやく更新です。予告編を観て興味を持った方も多いはずです。ガラガラと先入観を崩されるような錯覚を利用した映画かと思ったのですが、少し物足りなさが残りました。

悪い映画じゃないけど、どこか物足りない。 あなたの周りにもいる「悪い人じゃないんだけど…」というような映画。ところが、この手の人が一番厄介だったりします。

悪い人じゃないだけに、面と向かって注意も出来ませんし、本人もそういう人がいませんから、妙な自信を持って聞く耳を持たなくなる。実は極悪人のような人って滅多にいなかったりします。

シャッターアイランドはそんな映画です。

雰囲気とかはいいのですが、他の映画のように感情移入を持って観ようとするとあまり面白くない。特に前半は寝てしまうぐらい退屈でした。

思考回路を停止させて観れば楽しめない映画じゃないのですが、映画の冒頭に観客の思考回路を停止させるようなからくりもない。ロボトミーをもっと題材として扱っても良かったように思います。

鉄腕アトムでさえロボトミーを扱った巻は欠番になるほどのタッチーなものですが、シャッターアイランドでも観光要素として利用にしつつも内容には出来るだけ触れないようにしている印象を受けました。

表現は適当ではないかもしれませんが、ロボトミーはアスベストなどのように、当時は最善の選択肢として使われた技術のはずです。その単語を取り上げたにもかかわらず、核心に触れないままでいるのも問題があるような気がします。登場人物の何人かはこの手術を受けているようですし、主人公も…なのですから。

評価に移ります。

【基礎点】

一般の洋画(15点)
・15点

【技術点】

テーマははっきりしているか(10点)
(一言で説明出来るか/魅力的だったか)
・6点
表向きには2人の刑事が行方不明者を探しに精神病院だけしかない島を訪れる話。

そのテーマは時代にマッチしているか(10点)
(今の時代に当てはまるような要素があるか)
・5点
不思議とイラク戦争後の捕虜収容所を連想させる。

観光要素はあったか(10点)
(何か目新しく感じられる要素はあったか)
・8点
1950年代にこのような場所が存在したことは興味深い。

観光要素は魅力的だったか(10点)
(その観光要素は魅力的なものだったか)
・8点
映画全体のテイストになっている。

主人公に貫通行動があるか(10点)
(主人公の目的=欲望がはっきりしているか)
・8点
表向きには行方不明者を探し出そうとする。

【芸術点】

印象に残る人物はいたか(10点)
(多くても1、2名に限る。それ以上いたら逆効果なので減点)
・8点
「もう1人の主人公」に対する評価として。

印象に残るシーンはあったか(10点)
・8点
ラストシーン。観客に「テディ、もしかして?」と思わせる終わり方は面白い。

泣けたか(10点)
(ストーリーの流れで泣けた部分はあったか=単に人が死んだとか、物理的な悲しさは評価外)
・3点
主人公の境遇は悲しい。

笑ったか(10点)
(ストーリーの流れで笑った部分はあったか=主人公の仕草とかで笑いを誘った場合は評価外)
・1点
笑いの要素はほとんどない。

怒りを覚えたか(10点)
(ストーリーの流れで怒りを覚えた部分はあったか)
・1点
絶対的な敵はいない映画。

【減点項目】

筋違いのPRが行われている(-10点)
・-10点
あたかもシックスセンスや誘拐のような映画のように過度に期待を持たせるPRの仕方があざとい。

寝てしまった(-30点)
・-10点
前半はかなりまどろっこしい。半分の時間でもまとめられるような内容のように思われた。

基礎点(15)+技術点(35)+芸術点(21)×1.5-減点(20)=CinemaX指数(62)

「E」評価(60~69点)

孤島で展開する独特の雰囲気は悪くはありませんが、やはり内容がおとなしすぎたような感じがします。

2010年5月3日/シネプレックス新座
Untitled

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