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August 28, 2009

13日の金曜日

最近の試写会には、劇場公開を前にした試写だけでなく、DVD発売を記念してという風変わりなものもありますが、今回行ってきたのはブルーレイディスク発売記念イベント『13日の金曜日新・旧対決!超豪華13金マニアによる副音声試写会』です。単なる試写会ではなく、コメンテーターが最前列であれこれ薀蓄を垂れながら、映画を観るという世界初(?)の試みです。果たしてCinemaXやいか…といいたいところですが、CinemaXではリバイバル上映を含む劇場公開の映画を対象にしているので、今回は前例にならって番外編ということでご紹介します。

「副音声」を発信するコメンテーターは、清水崇、山口雄大、石原まこちん、須田剛一、ジャンクハンター吉田の各氏。彼らが最前列に座り、13日の金曜日(以下、13金)の全シリーズにわたる薀蓄が語られるわけですが、実はシリーズに出演予定で話が途中まで進んでいたとか、瞬間的に監督としてのオファーが来ていたとか、コメンテーターの方々がきっとこの日まで温めてきたのであろう爆弾発言も飛び出しました。

肝心の本編は、2009年にリメイクされた13金を上映、13分の休憩を挟んで1980年のオリジナル版を上映するという強行スケジュールでした。マニアの方にとっては、劇場の大画面でオリジナルの13金を観る最後のチャンスかもしれないということで満席になるかと思いきや…5分の1も埋まっていない程度。オークションの出品状況(違反です!)をみても人気があるとは思えない落札水準…ということで、13金ファンの方にはたまらないが、一般には浸透しないという相当マニアックなイベントだったといえるでしょう。

シリーズ通じて13金を観たのは初めてなので、「副音声」付きで観るのは不安だったのですが、内容があまりにもマニアックすぎて全くついていけず、逆に映画に集中出来てしまいました。リメイク版は若者のノリの軽さとシリーズとしての存在感を示したい意気込みが感じられるのですが、一方でさまざまな制約があるためか、殺戮シーンは何となく歯切れが悪いように感じられました。それでも女性が桟橋の下で息を潜め、殺されていくシーンは圧巻です。

オリジナル版は、後にホラー映画の金字塔を打ち立てただけあって、見ごたえがありました。低予算で作られたオリジナル版は、リメイク版に比べて照明やセットなど貧相な感じがするのですが、逆にそれがスリリングな雰囲気を助長しているようでした。加えて、オリジナル版は音楽を絡めて恐怖心を煽る手法が巧みにとられているうえに、当時の観客は犯人がジェイソンだとは知らないまま次々と登場人物が殺されていくので、かなりの迫力だったことと思います。

また、「副音声」ではペギー葉山に似ていると連発していたジェイソンの母親の微妙な強さも印象的でしたが、主人公がやっとのことで生き延びて朝を迎えた後の展開は、初めて小説で「リング」を読んだ後の恐怖心に似たようなものを感じました。「らせん」や「リング2」などリング以降のシリーズはどれも微妙ですが、ある種の時代を作り、その後もシリーズ化されていくようなホラー映画の源流は、出来合いの演出だけで恐怖心を煽るものではないのだなということが分かりました。

2009年版
監督マーカス・ニスペル
製作総指揮:ブライアン・ウィッテン、ウォルター・ハマダ、ガイ・ストーデル
音楽;スティーヴ・ジャブロンスキー
脚本:ダミアン・シャノン、マーク・スウィフト
出演:ジャレッド・パダレッキ、ダニエル・パナベイカー、アマンダ・リゲッティほか

1980年版
監督:ショーン・S・カニンガム
製作総指揮:アルヴィン・ゲイラー
音楽:ハリー・マンフレディーニ
脚本:ヴィクター・ミラー
出演:ベッツィ・パルマー、エイドリアン・キング、ハリー・クロスビー、ケヴィン・ベーコンほか

せっかくなので採点してみましょう。必ずしもリメイク版はオリジナル版をそのままリメイクしたものではないので①リメイク版(2009年版)②オリジナル版(1980年版)に分けて評価します。

【基礎点】

一般の洋画(15点)
①15点
②15点

【技術点】

テーマははっきりしているか(10点)
(一言で説明出来るか/魅力的だったか)
①7点…キャンプに来た人々が次々と謎の男、ジェイソンに襲われる話。
②9点…キャンプに来た人々が、何者かに次々と襲われていく話。

恐怖心は犯人が分からない②のほうが勝る。例えば、貞子の存在を知らないまま展開を見守らなければならないリングと、ネタばれして恐怖心を煽るだけのその後のシリーズのような違いがある。

そのテーマは時代にマッチしているか(10点)
(今の時代に当てはまるような要素があるか)
①3点
②3点

①②とも、キャンプ場によそ者が来て荒らすなと警告するという動機がある。一方で現実世界では動機のはっきりしない事件も多く、まさに事実は小説より奇なり。

観光要素はあったか(10点)
(何か目新しく感じられる要素はあったか)
①0点
②2点

キャンプに訪れた若い男女が何者かに殺されていくという設定は、今では使い古された展開だが、オリジナル版の当時は目新しかったのではないか。コメンテーター曰く「13金は、ホラー映画の地位を上げた初めての映画」とも。

観光要素は魅力的だったか(10点)
(その観光要素は魅力的なものだったか)
①0点
②2点
キャンプがどれほどの娯楽だったかは分からないが、オリジナル版の当時は、若い男女が連れ立ってキャンプに行くという設定だけで魅力的だったはず。

主人公に貫通行動があるか(10点)
(主人公の目的=欲望がはっきりしているか)
①3点…ジェイソンに囚われた妹を探し出し、救出する。
②1点…逃げる。時に戦う。

【芸術点】

印象に残る人物はいたか(10点)
(多くても1、2名に限る。それ以上いたら逆効果なので減点)
①4点…桟橋の下で殺される若い女性。この部分の殺され方はオリジナルより衝撃的。
②6点…何といってもジェイソンの母親。これで若い男を殺したのかと思えるほど動きが…。

印象に残るシーンはあったか(10点)
(多くても1、2シーンに限る。それ以上だと逆効果なので減点)
①5点…前述の若い女性が桟橋の下で殺されるシーン。
②6点…ケビン・ベーコンがベッドの上で殺されるシーン、そして、誰もが驚く最後の湖上のシーン。

泣けたか(10点)
(ストーリーの流れで泣けた部分はあったか=単に人が死んだとか、物理的な悲しさは評価外)
①0点
②0点
主要人物の多くが恋人や兄妹がいるのだが、オリジナル版よりリメイク版の方が相手を思う情のようなものが薄れている感じがして興味深い。

笑ったか(10点)
(ストーリーの流れで笑った部分はあったか=主人公の仕草とかで笑いを誘った場合は評価外)
①2点
③4点
リメイク版は、別荘の持ち主の息子であり潔癖で高飛車な男が登場するが、観客に「こいつ、ひどい死に方をすればいい」という気持ちを抱かせるような描写をしているのが巧み。ところが殺され方は拍子抜け。これは直接的な笑いではない、ホラーならではの笑いの要素なのかもしれない。
オリジナル版は、何といってもジェイソンの母親。恐ろしく動きが鈍く、ヒロインとの白兵戦?は、これで何人もの男女を殺したの?と突っ込みどころ満載で笑える。ただし、これには裏があるわけで…。

怒りを覚えたか(10点)
(ストーリーの流れで怒りを覚えた部分はあったか)
①0点
②0点

【減点項目】

①0点
②0点

①基礎点(15)+技術点(13)+芸術点(11)×1.5-減点(0)=CinemaX指数(45)

②基礎点(15)+技術点(17)+芸術点(16)×1.5-減点(0)=CinemaX指数(56)

①②とも「F」評価(59点以下)。

ホラー映画は、CinemaXでは評価が低くなりがちです。リメイク版は、銀座シネパトス風味の映画なのですが、オリジナル版はやはりこれから歴史が始まるのだなという重厚さのようなものを感じました。

2009年8月21日/シネマート六本木
Img_6144

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