幼獣マメシバ
監督:亀井亨
音楽:野中“まさ”雄一
脚本:永森裕二
出演:佐藤二朗、安達祐実、渡辺哲、高橋洋、志賀廣太郎ほか
「ネコマタギ」
動物と子供を扱った映画は必ず当たるいわれるほど鉄板の要素なのですが、この「幼獣マメシバ」は少し様相が異なるようです。果たしてCinemaXの評価やいかに。
「幼獣マメシバ」は「ネコナデ」のスタッフや脚本で製作されたようです。「幼獣マメシバ」も「ネコナデ」もメジャーの系列に属さないローカル局が集って雑草根性で頑張って、まるで田舎の高校球児が甲子園で準々決勝ぐらいまで勝ち上がったような映画です。ちなみに「ネコナデ」は、テレビ版は堅物サラリーマンや周辺の人々がたった1匹の子猫に振り回されるという見応えのあるものだったのですが、映画版になるとストーリーを変にいじりすぎて駄作になってしまった感があります。
早速、評価に移りましょう。
【基礎点】
動物や子供を扱った映画(10点)
・10点
【技術点】
テーマははっきりしているか(10点)
(一言で説明出来るか/魅力的だったか)
・8点
35歳の親離れ、子離れ。
そのテーマは時代にマッチしているか(10点)
(今の時代に当てはまるような要素があるか)
・8点
親離れ出来ない子、子離れ出来ない親が増えているといわれる中で1つのヒントにはなる。
観光要素はあったか(10点)
(何か目新しく感じられる要素はあったか)
・2点
諏訪湖周辺、富士山などの雰囲気は味わえた。
観光要素は魅力的だったか(10点)
(その観光要素は魅力的なものだったか)
・1点
そうでもない。
主人公に貫通行動があるか(10点)
(主人公の目的=欲望がはっきりしているか)
・7点
母親を探し続ける。
【芸術点】
印象に残る人物はいたか(10点)
(多くても1、2名に限る。それ以上いたら逆効果なので減点)
・3点
メチャクチャな行動をする登場人物が多い中で、安達祐実演じる女性は、それなりの過去を背負っていて行動にも説得力があった。
印象に残るシーンはあったか(10点)
(多くても1、2シーンに限る。それ以上だと逆効果なので減点)
・1点
強いて言えばうまい棒だらけの主人公の部屋。
泣けたか(10点)
(ストーリーの流れで泣けた部分はあったか=単に人が死んだとか、物理的な悲しさは評価外)
・0点
行き当たりばったりのストーリーでは泣けない。
笑ったか(10点)
(ストーリーの流れで笑った部分はあったか=主人公の仕草とかで笑いを誘った場合は評価外)
・4点
主人公の35歳のニートの行動やセリフは笑えるが、主人公の設定に微妙な部分を含むためテレビで放映されることは絶対にないと思う。
怒りを覚えたか(10点)
(ストーリーの流れで怒りを覚えた部分はあったか)
・0点
悪い人が1人も出ない子供用はみがきのような設定。
【減点項目】
寝てしまった(-30点)
・-30点
前半から中盤にかけてかなりテンポが落ちる。冒頭と終盤だけを見れば事足りてしまう映画。
基礎点(26)+技術点+芸術点(8)×1.5-減点(30)=CinemaX指数(8)
「F」評価(59点以下)
35歳の親離れ、子離れという視点は面白く、行き当たりばったりのストーリーはくたびれるもののそれなりに魅力はあり、子犬にかき回される登場人物たちの行動も別に面白くないわけではないのですが、主人公の設定が先天的なものなのか、親が子供を抑圧するが故に陥ったことなのかがよく分かりませんでした。ここの設定の中途半端さがこの映画の致命的欠陥のような気がします。前者ならタッチーであり、投げかけた問題を拾って観客に考えさせるような要素が必要で、後者なら、両親の性格をもっと描き込むとか、あるいはニートという設定だけが必要だったのなら他の描き方もあったはずです。
いずれにしてもメジャー系の映画では絶対に扱わない設定なので、勇気は評価出来るのですが、例えば周りの人々が自分のことを軽蔑していると思い込んでしまうという、向こう側から見たこちら側の世界は良く描けていたのに、ここを中途半端に扱ったために、重要な設定が単なる道具のようになくなってしまった感がありました。これでは恋愛ドラマのカリスマと称されるあの女性脚本家のいくつかのテレビドラマと同じです。残念。



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