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November 21, 2008

デス・レース

デス・レース

監督:ポール・W・S・アンダーソン
製作総指揮:ロジャー・コーマン、デニス・E・ジョーンズほか
音楽:ポール・ハスリンジャー
脚本:ポール・W・S・アンダーソン
出演:ジェイソン・ステイサム、イアン・マクシェーン、ナタリー・マルティネスほか

「有効」

デス・レースです。1975年に公開されたデスレース2000のリメイク版?続編?です。オリジナルがマニアックなのと、アクション映画は意外と触手が伸びないので、試写会でなければ恐らく見なかったであろう映画です。この監督はエイリアンVSプレデターも作っていますが、このバッタモノみたいなこの作品が意外に面白くて、CSで見入ったことがあります。そう、侮るなかれ、このデス・レースも…。

舞台は近未来の米国。不景気で刑務所は民営化され、収入を得るために囚人にいろんなことをさせていました。主人公が収監されたのは、命がけの自動車レースを強いる刑務所。いろんなマシンが登場して、命がけでレースをするという設定は特に珍しくもなく、刑務所が舞台という映画もそこら辺に転がっています。

ブルース・ウイリスみたいな主人公の隣に座るのが、スカーレット・ヨハンソンっぽい感じもする女性、メカニックは、アル・パチーノを太らせたような男とアメフト映画の脇役のような男、そして、ラッセル・クロウを中学生にしたような男。刑務所を経営するのは、キャメロン・ディアスを管理職にしたような女性。よく見れば誰かに似ているようなキャストがずらっと揃っているところもB級臭を強めることになっているようなのですが、見た目に反してストーリーはきちんとしていました。

まずは、観ている側が感情を揺さぶられるということ。主人公が何故、収監されているかは、もしかするともっともっと端折ってもいいのかもしれませんが、家族を殺した濡れ衣を着せられるという流れを丁寧に書くことで、この主人公の貫通行動が際立つ結果となっています。その部分を根拠とした「怒り」があるからこそ、後で繰り広げられる残虐な行為も納得出来るものとなっています。むしろレッドクリフPartⅠの必要以上に盛りだくさんの殺戮シーンのほうが残酷なように感じます。

さて、評価に入ります。デス・レースはオチがしっかりしていますが、もう一歩手前で終われば「鮮やか」な映画になったことでしょう。

【基礎点】

一般の洋画(15点)
  ・15点

【技術点】(各10点)

テーマははっきりしているか
(一言で説明出来るか/魅力的だったか)
  ・8点
  命知らずの凶悪犯たちが自動車レースで勝とう(勝てば出獄出来る)とする話。

そのテーマは時代にマッチしているか
(今の時代に当てはまるような要素があるか)
  ・3点
  不況で刑務所が民営化され、エスカレートし過ぎてしまうというのは、米国ではあり得ると思う。

観光要素はあったか
(何か目新しく感じられる要素はあったか)
  ・2点
  刑務所での自動車レースが観光要素となりそうだが、それ自体に目新しさはあまり感じられなかった。

観光要素は魅力的だったか
(その観光要素は魅力的なものだったか)
  ・2点
  あまり感じられなかった。

主人公に貫通行動があるか
(主人公の目的=欲望がはっきりしているか)
  ・8点
  子供に逢いたい。妻の仇を討ちたい。その思いが主人公をさらに強くする。

【芸術点】(各10点)

印象に残る人物はいたか
(多くても1、2名に限る。それ以上いたら逆効果なので減点)
  ・5点
  主人公の感情の動きは飛び抜けている。主人公の助手席に乗る女性も魅力はあるが、印象は薄い。 

印象に残るシーンはあったか
(多くても1、2シーンに限る。それ以上だと逆効果なので減点)
  ・3点
  アル・パチーノを太らせたようなメカニックが、最後に爆発の前で笑うシーン。ここで終われば鮮やかな映画だった。

泣けたか
(ストーリーの流れで泣けた部分はあったか=単に人が死んだとか、物理的な悲しさは評価外)
  ・2点
  主人公が子供にこだわるシーン。写真をちぎる映像は人によっては泣けるのかもしれない。  

笑ったか
(ストーリーの流れで笑えた部分はあったか=主人公の行動とかで笑いを誘った場合は評価外)
  ・3点
  終盤、アル・パチーノを太らせたようなメカニックが大爆発の炎の前で笑うシーン。これは面白いと思ったが、この先も映画が続いてしまったのが悔やまれる。

怒りを覚えたか
(ストーリーの流れで怒りを覚えた部分はあったか)
  ・9点  
  妻を殺され、子供を奪われた主人公の怒りは大きい。しかも設定倒れになるところを、あちこちのシーンできちんと拾うことで怒りは増幅されている。

【減点項目】

余計なシーンやキャラクターが多すぎる。
  ・-2点
  本当にもう一歩手前で終われば鮮やかだった。そこで終わっていれば、柔道の一本勝ちのような鮮やかなエンディングになったと思う。その後のシーンがだらだらしているために、技をすかされて有効にとどまってしまったような印象を受けた。

暗すぎる映像が見辛かった。刑務所の陰湿さやCGのボロを隠すための効果なのかもしれないが、快晴でデス・レースをやったほうが残虐性はさらに強まるかもしれない。
ポスターやチラシには、黒い服を着たヘソ出しのお姉さんの写真があるが、主人公の助手席に乗る女性。客寄せの雰囲気が漂うが、きちんと話に絡む重要なキャラクターなので許せる。
ちなみに、チラシの裏などに掲載されている白い下着のようなものを着た女性は話には絡まないので、この写真が前面に出てくるようなPRをしていれば、CinemaXでは減点対象となっていた。

【総合判定】

基礎点15+技術点22+芸術点22×1.5=70点、減点は-2点。
CinemaX指数68、「E」評価(61~69)。

CinemaXの評価基準を満たさない要素が多いため評価は低いが、個人的にはおすすめ。一昔前なら、もっともっと評価されていたであろう作品。

2008年11月17日/科学技術館

11月29日、有楽座ほか全国ロードショー

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