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November 15, 2008

パンダフルライフ

CinemaXは評価方法の見直しなどを行い、次回「252」から再開します。

「パンダフルライフ」
監督:毛利匡
撮影:金沢裕司     
音楽:鈴木さえ子 with TOMISIRO
キャラクターデザイン:くらもちふさこ
ナレーション:菅野美穂

「客寄せパンダはもういない」

ドキュメンタリー映画です。ドキュメンタリーといえども撮影した映像をそのまま垂れ流すわけではなく、多くのこの手の映画は、構成を考えて恣意的な演出もするので、ドキュメンタリー風映画といったほうが正しいのかもしれません。

主人公は、アドベンチャーワールドで産まれた秋浜と隆浜という双子のパンダ。世界で初めて、母親が双子を一度に育てたことで知られるパンダです。弟の秋浜が主役。この双子が中国に戻る過程と戻ってからの葛藤、やがて兄弟の間にも縄張り意識が芽生え、大人の階段を上る姿を描いています。

日本には、神戸、和歌山の動物園にパンダがいますが、いずれも日本国籍ではありません。研究目的のレンタルということになっているので、一定期間を過ぎると、中国に帰らなければなりません。ちなみに今のところ最後の日本国籍のパンダはリンリン。今年4月、中国の国家主席が来日する絶妙のタイミングで死去したので、当時は暗殺説も飛び交いました。

この時の首脳会談で上野動物園へのパンダのレンタルがほぼ決まっているはずなのですが、年間一億円という高額なレンタル料と石原都知事の思想信条でこの人が知事である限りは実現しないでしょう。全盛時はフェイフェイ、ホアンホアン、トントン、リンリンが暮らしていた上野動物園のパンダ舎は、同じパンダということでレッサーパンダに占領されています。

まさに客寄せパンダを失った上野動物園は、北国の小さな小さな旭山動物園に来場者数でも敗北するほど。旭山動物園の人気の秘密である動態展示を積極的に導入して巻き返しを図っていますが、やはりパンダがいないと挽回は厳しいでしょう。都営地下鉄で見かける東京案内のポスターにもいまだにパンダの写真を使っていますから、ちょっとした詐欺みたいなものです。

さて、映画の本編ですが、双子パンダが中国に帰ってからは、成都にあるパンダ繁殖基地が舞台となります。地震で混乱する前は、こうした基地が何箇所かあって、テレビでよく出てくるのは、別の繁殖センターです。ドキュメンタリーそのものは、過去テレビなどで取り上げられた内容と大差なく、可愛いパンダにこそ見入ってしまいますが、話そのものの面白みは全くありません。あたりさわりなく、良く言えば子供も安心して見られるような内容です。

「最終評価C」

秋浜と隆浜に絞れば、もっと面白い映画になったのかもしれません。尺が余るのなら、双子パンダが子供の頃の映像を集めるとか、いろんな方法があったはずです。一番の見所は、中国に帰った直後に秋浜に「シュウヒン」と呼ぶと振り返るのと、後に「シュウヒン」と呼んでも振り返らず、中国読みの「チュウバン」で呼ぶと反応するところ。このあたりは恣意的な演出といえるのですが、他の部分はテレビのドキュメンタリーなどと大差ない以上、面白みがあるのはここぐらしいかありません。

パンダの映像は文句なく可愛いのですが、中国でのパンダの人工繁殖が進むのと比例するように日本でも映像が氾濫したため、パンダを取り上げても、かつてのような客寄せパンダの効果はないのかもしれません。その証拠に、初日だというのに劇場はガラガラ。途中でフィルムが切れて映写が止まっても、スタッフが気付くまで結構時間がかかりました。お詫びに無料鑑賞券をもらいました♪

2008年8月/ワーナーマイカルシネマズ板橋

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