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November 01, 2008

レッドクリフPartⅠ

CinemaXは評価方法の見直しなどを含めて再開に向け作業中ですが、ここで休止直後から現在までに鑑賞した映画をいくつか紹介していきます。

「レッドクリフPartⅠ」

監督:ジョン・ウー
製作総指揮:ハン・サンピン、松浦勝人ほか
音楽:岩代太郎
脚本:ジョン・ウー、カン・チャンほか
出演、トニー・レオン、金城武、チャン・フォンイーほか

「銀幕の北京五輪」

三国志の中の赤壁の戦いを扱った映画です。赤壁=レッドクリフというそのまんまのタイトルです。思えば中国には長い歴史と三国志や西遊記、金瓶梅、水滸伝とバリエーションあふれる壮大な作品があるので、そこに経済力が加われば、このような時間と金と人を存分に使った作品が出てくるのは必然的といえます。ネタ切れに苦しむハリウッドもこうした海外のソフトに触手を伸ばす傾向にあるので、米中日台韓による壮大な大同団結により実現したレッドクリフは、銀幕のAPECとでもいった感じでしょう。

レッドクリフは三国志の山場の1つともいえる、赤壁の戦いを扱っています。本編はというと、戦いのシーンが多くボッコボコの人殺しまくり。これで何の規制もないのが不思議なぐらい、身体がちぎれたり血しぶきが飛び散ったりします。孔明が繰り出す戦術だけに目を向ければ面白いのですが、無駄に長い殺戮シーンは観ていてくたびれてしまいます。もう少し人間ドラマを観たいと思うのですが、恐らくそういった部分は劉備が仲間を集める序盤に集中していること、映像では戦いのシーンのほうが盛り上がることなどでこんなことになったのでしょう。

時間配分という概念があるのか分からないぐらいのゆったり感や、撮影中に人の1人や2人死んでいても分からないぐらいの壮大なスケールは、まさに北京五輪の開会式を彷彿とさせます。あの時もいつ終わるんだろうとくたびれながらテレビを観ていましたし、出演者はちゃんとトイレに行ってるんだろうかとか、花火で1人や2人死んでいるんじゃないかとか、余計な心配をしてしまいました。

レッドクリフPartⅠは、赤壁の戦いの前で終わります。物足りないことこの上ないのですが、曹操が別の女と勘違いしている美女は一体どうなってしまうのか、金城武演じる孔明はPartⅡも存在感ある演技を見せるのか、食傷気味になってきた中村獅童の「デヘヘ」演技はPartⅡでも観なければいけないのか、不思議な不安と期待をばら撒きながら、レッドクリフはPartⅡへと続きます。

最終評価「C」

ちょっと面白いのは、配役です。日本では三国志のキャラクターのイメージについて、古くは吉川英治の小説でイメージを膨らませたり、、横山光輝の漫画、恐らく最も影響を与えたであろうNHKの人形劇、もう少し時代は下ってKOEIのシミュレーションゲームからアクションゲームまで、いろいろな方法で固定化することが出来たのですが、多くに共通するのは劉備は凛としてハンサムな男、孔明は色白で聡明、顔立ちが整っているというつきまといます。

レッドクリフでもたいがいのキャラクターがそのイメージ通りのような気がしますが、劉備だけはただのおっさんのようなキャストです。ただ、前漢の皇帝の血筋を汲みながら、野に下っている武将という点で考えれば、こちらのほうがしっくりきます。恐らくこれが、中国の一般的な劉備像なのかもしれません。

合作映画でありながら、意外と金城武が孔明を演じているのが意外でしたが、彼は日本と台湾のハーフであり、もはやアジアの架け橋な俳優なので、妥当なのかもしれません。ちなみに孔明は俗に臥龍と呼ばれ、中国四川省の地名でパンダ飼育施設の名称でも知られるようになりました。三国志ではこの臥龍と鳳雛と呼ばれた龐統のいずれかを召抱えれば天下を取れると言われ、劉備は2人とも召抱えるのですが、天下は取れず、しかも曹操、孫権も天下はとれず、漁夫の利のように曹操に仕える司馬懿の子孫が天下統一を果たします。

主要な武将が次々と死んでいって、だんだんと小粒になっていく三国志のストーリーは、谷口から丸井、五十嵐兄、近藤、五十嵐弟と主人公が段々と小粒になっていって人気が低迷し終了していったキャプテン(ちばあきお)に共通するかもしれません。三国志で主要な武将が揃っているのは赤壁の戦いあたりまでなので、その点を踏まえると、横軸である壮大な時代を追うのではなく、ピンポイントに赤壁の戦いをターゲットにしたレッドクリフの戦略が見えてきます。

鑑賞日2008年10月7日/よみうりホール

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Tracked on November 01, 2008 at 06:50 AM

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