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October 29, 2008

彼が二度愛したS

CinemaXは評価方法の見直しなどを含めて再開に向け作業中ですが、ここで休止直後から現在までに鑑賞した映画をいくつか紹介していきます。

「彼が二度愛したS」
監督:マーセル・ランゲネッガー
製作総指揮:マージョリー・シク
音楽:ラミン・ジャヴァディ
脚本:マーク・ボンバック
出演:ヒュー・ジャックマン、ユアン・マクレガー、ミシェル・ウィリアムズほか

「バラバラ漫画」

自分でお金を出したのならともかく、試写会でタダで観させてもらっておいてコケにするのはいかがなものかと思うのですが、心を鬼にして言うと、残念な映画です。今年は恐らく10本ぐらいしか映画を観ることがないと思いますが、間違いなくワースト1の映画です。

まず冒頭から意味不明です。主人公が笑うシーンが何度かあるのですが、観ている側はさっぱり笑えません。これだけ観客と登場人物の感情がかけ離れていれば、感情移入出来るはずがありません。

携帯を取り違えることで展開する映画なのですが、とにかくシーンが行き当たりばったり、登場人物の人格もコロコロ変わって、翻訳に問題があるのかもしれませんが、登場人物は信じられないほど人間味のないセリフを次々と吐いていきます。

会員制秘密クラブの設定も、ただ設定をゴリ押ししているだけで、どうしてそこに人が出入りしているのかが全く描かれていません。途中からはサスペンスというだけあって、スリルのあるシーンをごちゃまぜに織り込むのですが、これも状況によって行き当たりばったり。

それはまるで、そこらへんで拾った漫画雑誌をバラバラにして、適当に読む感じです。こうするとタイトルもページもバラバラなので、話が折り重なって展開することはありません。終盤の「署名」のシーンは、無駄に多いエロシーンを除けば唯一の見所といえるのですが、これはたまたま拾ったページが面白かっただけなのかもしれません。

状況や人物など設定の甘さ、伏線を張り忘れているかのような無計画な仕掛け、偶然がストーリーを支配する行き当たりばったりの構成、特長がなくシーンの都合に合わせただけのセリフなど、反面教師として学ぶにはお手本となる映画と言えるでしょう。

最終評価「E」

文句なしの残念な映画だと思うのですが、CASSHERNは同じ残念な映画でも壮大な印象だったのに対し、彼が二度愛したSは、小粒で残念な映画でした。ただし、原題の「DECEPTION」(うそ)に対して「彼が二度愛したS」という邦題をひねり出したのは評価出来るのかもしれません。「そういえばそうかな」というぐらいの小指の先っちょみたいな部分をタイトルにするのは、高度なテクニックを要しますから。これぞ匠技。

おそらく原題ではピンと来ないのと、本編だけではパンチが足りないので恋愛とエロスとサスペンスで売ろうというあざとさも見え隠れするのですが、何も考えずただ原題をカタカナにするだけという、味もそっけもないタイトルに比べればマシだと思います。

ちなみに、無駄に長いエンドロールも圧巻です。残念な映画を観ると「これじゃいかんよー」と、どうして誰も止めなかったのだろうと思うのですが、これだけゾロゾロと名前が連なると…一揆の血判状を見るようで壮絶な思いがします。

くれぐれも言いますが、この映画は僕の趣味に合わなかっただけなのかもしれません。ひょっとして映画の真髄を理解していないからなのかもしれません。百聞は一見に如かず、こんな映画を買っちゃって、DVDとパンフレットで荒稼ぎするしかなのかなあと思っているかもしれない大手広告代理店のためにも、是非、劇場でご覧下さい。

鑑賞日2008年10月28日/ヤクルトホール

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October 24, 2008

犬と私の10の約束

CinemaXは評価方法の見直しなどを含めて再開に向け作業中ですが、ここで休止から現在までに鑑賞した映画をいくつか紹介していきます。

「犬と私の10の約束」
監督: 本木克英
原作・脚本:澤本嘉光、川口晴
音楽:チョ・ソンウ
主題歌:BoA
出演:田中麗奈、加瀬亮、池脇千鶴、豊川悦司ほか

「素材の旨みが活きている」

犬という飛び道具を使った映画です。しかしながら原作と映画のモチーフとなった犬の十戒が秀逸で、これで全て説明がついてしまいます。犬の人生は人間より遥かに短いので、子供の頃に飼った子犬はあっという間に成長し、老犬となってしまいます。

動物を飼うことでストーリーが展開する映画は、犬であれ、猫であれ、動物を飼っていた人の共通体験(ゾウガメなど別ですが)なので、感情移入をしてもらいやすいなど設定さえ美味くいけば必ず当たる鉄板映画ともいえます。

ストーリーは主人公とこの時間のギャップと人間同士のような葛藤を見事に表現しています。犬が天国に旅立つように、人間の子供もまた生まれてから十数年で家から巣立ってしまうということも。

主人公の親子は、豊川悦司と田中麗奈というSOYJOYコンビで違和感はなくはなかったのですが、2人とも演技力があるためすぐに映画にのめり込むことが出来ました。

最終評価「A」

田中麗奈は旬の時期を迎えましたね。久留米から出てきたときは眉毛が歩いているような視線の鋭い少女でしたが、今は魅力的な女優となりました。中山美穂もデビュー当時は悪夢に悩まされるほど怖い顔でしたが、その後は芸能界に一時代を築く存在となりました。大化けする芸能人は、決して化けるのではなくて、そういう将来性を見越して関係者がスカウトしたり育成したりするんですね。

鑑賞日2008年3月ごろ/ワーナーマイカル板橋

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