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June 15, 2007

ボラット/栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学

監督:ラリー・チャールズ
製作総指揮:ダン・メイザー、モニカ・レヴィンソン
脚本:サシャ・バロン・コーエン、ピーター・ベイナム、アンソニー・ハインズ、ダン・メイザー
音楽 エラン・バロン・コーエン
出演:サシャ・バロン・コーエン、ケン・ダヴィティアン、ルネル
上映時間:84分
(公式サイトはここ

今回は「ボラット/栄光ナル国家カザフスタンのためのアメリカ文化学」です。全米興行収入でも長く上位に君臨した実績のある映画でもありますが、一癖もニ癖もある映画は日本の大手配給会社は及び腰になるもの。最近では「リンガー!替え玉★選手権」と同じく単館上映に近い状態でのスタートとなりますが、果たしてCinemaXの評価やいかに。

ボラットは、アメリカ文化に関する番組を制作するため、カザフスタンから国営テレビのレポーター、ボラットがやってくるという設定なのですが、既にこの時点で脱線しています。冒頭からウズベキスタンやユダヤ人をコケにしたりと恐らく当事者は笑えないのだろうなあというネタなのですが、単にドタバタしているわけではなく、小さな笑いもフリ→オチで構成されているので、くだらないなあと思いながらつい笑ってしまいます。

ターン1までの評価「B」

その後も政治家にゲイの話をしたり、フェミニストに女性を見下すような発言をしたりと、タガの外れ具合が逆に痛快に思えてきます。周囲に気を使いすぎて何でもかんでも蓋をして、結局毒気がなければ味気もない映画ばかりを量産してしまう日本のメジャー?映画とは隔世の感があります。それにしてもアメリカは個人主義の国ですね。この映画を観ると、壁を造ってひたすら外部との無用な関わりを避けようとするアメリカ人達の姿に寂しさすら感じてしまいます。日本も欧米化が進んでいるといわれますので、ボラットのような映画を作ろうとすると、都市部では同じような光景が撮影できるのかもしれません。

賛否両論ありながらも笑いにつつまれるボラットですが、後半はやや息切れしてきます。観ている側も飽きてくるのでしょうが、前半は丁寧に作られていた笑いも大雑把になってきているような気がします。ホテルで男同士が素っ裸で格闘するのはこの映画の一番のアクションシーンとも言えるのですが、何しろ汚い(笑)

ターン2までの評価「B」

ボラットは、ノリだけで作られたような映画ですが、実は主人公の貫通行動が存在します。ホテルの有料放送?をきっかけに「パメラ・アンダーソンに会いたい」と。80年代の中高生が「聖子ちゃんに会いたい」というノリに近いのですが、主人公は実直に、北米大陸を横断しながら彼女との遭遇を目指します。動機は不純ですが、貫通行動があるということで、その辺の下手な映画の上を行く作品となります。ボラットはふざけて作った映画のようで、筋のない作り手が自分に酔いながら作ったような映画とは全く異なることがわかります。

作り手に話が聞けるなら、何故、パメラ・アンダーソンを選んだのかを聞いてみたいような気がします。調べてみると、パメラ・アンダーソンは、アメフト観戦で偶然スクリーンに映し出されたことがきっかけでタレントの道に進み、後にPLAYBOYの表紙を飾り、豊胸後ドラマに出演、結婚、離婚、婚約、婚約破棄の調停、ベジタリアンで化粧品会社の動物実験反対、毛皮反対などの動物愛護運動を積極的に行う…アメリカンドリームを実現し、自分の意のままに生きるという、アメリカの縮図のような彼女を選んだのは、一種の皮肉かもしれません。

最終評価「B」

笑いどころの多い映画ですが、中には悪乗りともとれる部分があり、心の底から笑い転げるというわけにはいかない部分もありますが、人種の坩堝といわれてまとまりがないが故に、個人主義で生きていくしかないアメリカ人の暗部みたいなものを風刺しているといえます。平等という名のもとにかつては虐げられていたマイノリティが優遇されている実状をチクッと風刺したりなんかもしています。

と、強引に受け取れば時代を切り取った映画だといえるのですが、頭をからっぽにして観るのが一番かもしれません。たった84分の映画ですが、トラック競技で最も過酷といわれる400メートル走を何本も走るような映画なので、気合を入れて観るとくたびれてしまいそうです。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成19年5月23日
劇場:シネ・アミューズ/ウエスト
観客数:80/132席
感涙観客度数:不明
※感涙観客度数は、劇場内の鼻すすり音で判定

聞けば、撮影のほとんどが電波少年を髣髴とさせるアポなしのため、アメリカでは「ダマされた」と訴訟が相次いでいるとか。まさに訴訟国家、アメリカならでは。日本でも「どっきりカメラ」という番組がありましたが、当時トラブルはあまりなかったと聞きます。恐らく当時は、ダマされた人がカメラが回っているという「威力」で思わず許してしまう部分があったのかもしれません。それと同じことを今やるとトラブルが続出することでしょう。何故なら、今はちょっとコネや運があればテレビの向こう側に回れる時代、テレビも昔ほどの「威力」もないはずですから。

一方でテレビ局などの大手マスメディアは、表向きは妙な倫理観を掲げてしまい身動きがとれなくなっています。そのくせ健康情報番組での捏造やハニカミ王子への暴走など、個別の行動が支離滅裂になっているのも事実です。そう考えると、最初からアポなし突撃取材の方針を掲げ、数多くのトラブルを生み出してきた進め!電波少年という番組は、あの時代において画期的だったのかもしれません。特に松村邦洋が出演していた初期の頃は観ている側もヒヤヒヤするほどの内容でしたから。

ついでに紹介!

400メートル走つながりということで「炎のランナー」と、このテーマ曲をタイトルに使っていた「ハイパー・オリンピック」のゲームミュージックを収録している「コナミ・ゲームミュージックVol.2」中高生時代は小遣いを貯めてはゲームミュージックのレコードを買い漁ったものでした。当時は、ビデオゲームに限ってみれば、シンプルかつ印象に残る名曲が多いナムコ、作曲はいまいちでもFM音源に加え変調・連符・変拍子と技術の最先端を行っていたカプコン、たかがゲームミュージックのくせにストーリー性があるコナミなどが秀逸でした。

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Comments

わーこの映画、某絵師が、「すっごいバカ映画」って社内メールでみんなに宣伝してたんです。私も来週末観に行く予定なんですが、まだ上映してるかしら…。映画の上映期間がいまいち分からない私です。

Posted by: erika | June 15, 2007 at 06:35 PM

シネ・アミューズはロングランっぽいですよ。
http://www.cineamuse.co.jp/index.html
こちらからご確認を。
ちなみに月曜日はヒゲ割引です。

Posted by: yu-worldmaster | June 17, 2007 at 08:25 PM

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