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May 10, 2007

みえないチカラ

安倍首相が、靖国神社に真榊を奉納したかどうかについて、奉納したか、していないのかどうかについても明言しないという姿勢を示しました。これはかつて、靖国神社参拝について、行くか、行かないか、行ったかどうかも明言しないという見解と同じです。靖国神社参拝の是非は別として、この曖昧な姿勢は国民をバカにするにも程があるといえます。国家権力のトップがこの調子ですから、国が乱れるのも当然だと言えます。美しい国家など絵空事。万引犯ととっつかまえて「盗んだかどうか、盗んでいないかどうかも含め、申し上げられない」といっても認められますか?事務所経費の問題を含め、子供でも分かるようなウソが国家の中枢に蔓延しています。

さて、トヨタ自動車が史上空前の経常利益2兆円を超えました。新聞は大フィーバー。今日のテレビのワイドショーもトヨタ自動車を英雄のように扱っています。確かに世界に冠たる企業が日本企業であることは、日本人として誇らしく思わなくもないのですが、大手マスメディアが横並びでここまで褒め称えるのは、どこか気味が悪い感じがします。スポンサーや広告などでの見返りを期待しているのか、格差社会の中で形成された大企業の仲良しクラブの馴れ合いなのかと勘ぐりたくもなります。

その大フィーバー、僕が観たのは「とくダネ!」なのですが、トヨタ自動車の成功の秘訣、向上心があり風通しの良い社風を絶賛していました。まるで社内報です。もちろん、カンバン方式など独自の経営手法や徹底した無借金経営などが、これほどまでの巨大企業を育ててきたともいえるのですが、下請企業などに求めたコストダウンの上に成り立っている部分もあるはずです。その点を踏まえると、みんながハッピーであるはずがないのですが、番組ではトヨタ番?の記者がトヨタ自動車の素晴らしさを説明し、下請け会社の人々や、挙げ句の果てに豊田市民全てがハッピーであるかのように伝えていました。ここまで来ると宗教じみていてちょっと怖い感じがしました。

余談ですが最近、読み終えた本があります。「官僚とメディア」(角川ONEテーマ21)という本です。内容の真偽の程は読者それぞれで判断すればいいと思うのですが、緻密な論理で構成されるパズルは完成度が高いといえます。あれだけメディアで騒がれた耐震偽装の渦中の人物たちは名義貸し、粉飾決算、架空増資など別件で裁かれているのは何故か、そのことをマスコミが触れなくなっているのは何故かについて、疑問に思っていた点が丁寧に解説されています。折りしも東京高裁で逆転有罪となった村岡元官房長官の一件についても矛盾を指摘していて、かなり説得力があると思うのですが。

この本の後半では、タウンミーティングで暗躍した電通を批判しているので、大手マスコミが取り上げることは皆無だと思いますが、最近のジェットコースター事故の報道でもみられる過熱報道、いわゆるメディアスクラムに至る構図などについても分かりやすく解説しています。大手マスメディアのトヨタフィーバーもそうですが、最近特に見えない力によって情報が操作されているような気がするのは、僕だけでしょうか。
Nyanko

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