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May 31, 2007

主人公は僕だった

監督:マーク・フォースター
製作総指揮:ジョー・ドレイク、ネイサン・カヘイン、エリック・コペロフ
脚本:ザック・ヘルム
音楽:ブリット・ダニエル、ブライアン・レイツェル
出演:ウィル・フェレル、エマ・トンプソン、ダスティン・ホフマン、クイーン・ラティファほか
上映時間:112分
(公式サイトはここ

「温度差」

プロデューサーズで鉄カブトを被っていたウィル・フェレル主演の映画です。恐らく彼は今後、日本でもっと有名になることでしょうが、果たしてCinemaXの評価やいかに。

早速ネタばれしてしまいますが、ある日、小説家であるアイフルの朗読が聞こえることに気付いた主人公、クリックが、小説の筋書き通りに殺されてしまうのを防ぐために奔走するという話です。日常生活で筋書きが聞こえるというところが飛び道具なのですが、ちょっと考えすぎて「何故?」と感じてしまうと、最後まで感情移入が出来ないのが難点です。

ターン1までの評価「C」

僕は「何故?」と感じてしまいました。その後のテンポ次第ではそうした疑問も吹っ飛んでしまうのでしょうが、前半は寝てしまうぐらい退屈でした。途中で腕時計が狂い始めるのですが、これも唐突で…シナリオ通りに生きてはいけないと感じる主人公の設定がちょっと面白くなるだけに、何だか策だけに溺れてしまっているのが残念でした。

「主人公は僕だった」は、キャストが地味です。それだけにストーリーのウェイトが高くなるのですが、いまいちノリが悪いのが残念でした。前述の通り、クリックは小説の筋書き通りに人生が流れているのを知るというのは面白いのですが、小説家、アイフルの小説は必ず最後に主人公が死んでしまうという設定で、自分が殺されると大慌てするのはちょっと理解出来ませんでした。

ターン2までの評価「C」

おまけに、アイフルも生身の人間を殺してしまうのではないかと真剣に悩みます。こういう設定でもストーリーは成立するのですが、足りないものがあります。それは「前例」です。アイフルの小説通りに生きて、殺されてしまった人が前例として存在すると、リアリティが増してきます。例えば、「新幹線大爆破」では、ある速度以下に落ちると作動する爆弾を新幹線に設置したという設定なのですが、事前に蒸気機関車に設置・爆破することで登場人物たちが慌てるという行動に説得力をもたせています。映像で観せることで観客にその後の展開を予想させ、ハラハラさせることも出来ます。

前例を加えると、ストーリーが崩れる可能性があるのですが、主人公たちの慌てぶりは、お茶の間でラーメンを食べながら、明日地球が滅びるのを真剣に悩んでいるような、全く次元の違う要素をミソクソにして生きているような気がしてなりませんでした。危機感に温度差がありすぎます。

最終評価「C」

実際にご覧いただければ多くの方が感じると思いますが、結末が曖昧なような気がしました。エンドロールは面白いのですが、この映画のテイストとは全く関係ないのが残念です。蕎麦屋で美味いケーキを出されたような感じ。脈絡がありません。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成19年5月25日
劇場;みゆき座
観客数:25人/183席
感涙観客度数:若干
※各ターンは個人的に設定、感涙観客度数は場内の鼻すすり音で推定。

ついでに紹介!

同じような話ですが、こちらのほうが遥かに面白い「トゥルーマン・ショー」と、ウィル・フェレルの怪演が印象的な「プロデューサーズ」この時は単なる脇役俳優だと思ったのですが…これから日本でももっとメジャーになる俳優といえるでしょう。

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May 27, 2007

パイレーツ・オブ・カリビアン/ワールド・エンド

監督:ゴア・ヴァービンスキー
製作総指揮:マイク・ステンソン、チャド・オマンほか
脚本:テッド・エリオット、テリー・ロッシオ
音楽:ハンス・ジマー
出演:ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイほか
上映時間:170分
(公式サイトはここ

「ゴミ」

パイレーツ・オブ・カリビアンも3作目を数えました。1作目はDVDで観ている途中で爆睡。先入観が全くなく余ったチケットで観た2作目が予想外に面白くて、今回もちょっと楽しみにしていたのですが、これまでまともな映画にほとんど出くわしたことがない「世界同時公開」というのが妙にひっかかるのですが。果たしてCinemaXの評価やいかに。

パイレーツ・オブ・カリビアンの凄いところは、ディズニーランドの定番アトラクション、カリブの海賊で超大作のストーリーをでっち上げたところです。原作があったわけでもないはずなので、これほどの作り話をぶちあげるのはたいしたものだと思います。おまけにこれが予想外の人気となりその後、いくつかのディズニーランドのアトラクション系映画を産むきっかけとなりました。その成功の原因は、何といっても主人公、ジャック・スパロウをジョニー・デップが扮したことにあるでしょう。このことは彼自身、そしてこの映画を一流の映画に引き上げるという相乗効果をもたらしたような気がします。

ということなのでワールド・エンドは、恐らく少子高齢化、人口減時代で危機感が増す東京ディズニーリゾートにおいても、待ち待った映画といえるでしょうが、おやおや…雲行きが怪しいですよ。

ターン1までの評価「C」

ワールド・エンドには、スピード感が全くありません。特にジャックをあの世から呼び戻すまでに上映時間のおおよそ3分の1程度を割いているような気がしました。それで170分ですから、やはり長すぎます。2作目とこの3作目は同時に撮影されたようですから、意味のないアクションシーンがかえってテンポを良くした2作目に比べ、ワールド・エンドは余力で作ったような気がします。余力で作ったといえば、父親たちの星条旗の余力で作ったような硫黄島からの手紙のほうが評価が高くなるケースもあるので何ともいえないのですが。

ワールド・エンドは、時間が経つにつれ頭の中に「?」が増えて行きました。アクションシーンも皆無。出演者は説明セリフばかり。とにかく前半はあの世とか洋上のシーンなので動きもありません。ジャック…というよりジョニー・デップの台詞回しも封印され、今までの長所を全て捨てたような展開でした。

ターン2までの評価「C」

さて、中盤以降はさらに混乱します。誰が味方で誰が敵なのか。いわゆるファースト・ガンダムを観るつもりでZZを観てしまい混乱する感じです。勢力が多すぎます。作り手は頭の中で分かっているのでしょうが、説明不足で何が何だか分からなくなります。こうなると最後はどうなるのか?世界の海賊を集めて派手なドンパチを繰り広げてくれるのか?それだけが唯一の期待となっていきます。

…が、大したことはありませんでした。その場限りで涙を誘おうとするような洋上結婚式、恋人の死?派手な海賊大戦争になるかと思いきや、実際に戦っている船は2隻だけ。まるで、浅尾美和とタレントのビーチバレー対決を見せるために2週間も引っ張ったジャンクスポーツみたいなものです。

最終評価「D」

パイレーツ・オブ・カリビアンの特徴の一つでもある、ちょいコメディもあるのですが、これも2作目までの場の雰囲気とはまるで違うローテンションで繰り出されるので、殺意すら抱いてしまいます。葬祭場で漫才をするような感じです。あるいは、店主こだわりの店に入って、メインディッシュが出てくるまでに「素材の味を大切にしました」と生野菜を食べていて、それでもメインディッシュは美味しいものが出てくるだろうと自分を納得させているところに出てきたのが…ゴミだった。みたいな感じです。ジャック独特の言い回しも後半になってやっと出てくるのですが、それもキレがなく時すでに遅し。

ディズニーやジブリの映画というだけで、子供に安心して観せている親も多いことでしょうが、ワールド・エンドのストーリーは大人にもややこしすぎます。せめて、カリブの海賊の世界に入り込んだようなドキドキするような映像があれば救いなのですが、それも皆無。映像は確かに綺麗ですしB級映画とは格段の違いなのですが、メジャー映画だけにあえてD評価としました。

それにしても世界同時公開の映画に騙されることが多いですね。悪評が知れ渡る前に観客を動員しようという火事場泥棒みたいな根性が見え隠れします。特に日本の映画ファンは、面白くない映画でも無理矢理面白いように思わせてしまう映画会社や広告代理店の偽装工作にコロッと騙されてしまいがちのような気がしますから。特に最近の映画はテレビ局も絡むので、警察が泥棒をするようなルールなき観客動員作戦が展開されがちです。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成19年5月26日
劇場:ワーナーマイカルシネマズ板橋
観客数:400人/549席
感涙観客度数:10%
※各ターンは個人的に設定、感涙観客度数は場内の鼻すすり音で推定。

その場限りの死のシーンに反応して泣いている人もいましたが、僕にとっては泣けるシーンを探し出して無理矢理泣いているか、あるいは感情が壊れているとしか思えないようなひどい映画でした。ちなみにエンドロールの後にもシーンがあるのですが、観ても観なくてもどうでもいいシーンでした。あえてネタばれしますが、10年経ったのに何の変わりもないキャラクター…作りが雑過ぎます。ラストシーン一つとっても、観客を引っ張っておいてやっつけ仕事で観客を煙に巻くワールド・エンドの特徴があらわれているといえます。

小気味いいエンディングとは、X-MEN:ファイナルディシジョンとかククーシュカ・ラップランドの妖精のような映画をいうのです。

ついでに紹介!

小気味いいエンディングの2作品。洒落が効いています。

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May 22, 2007

棚上げ

気になるニュースがありました。松阪市内で少年らが18歳の少女に暴行し右手小指を切断した事件で、両親が松阪警察署に「娘を捜してくれ」と訴えたにもかかわらず、充分な対応をしなかったことが分かった―と報じていました。まずは、被害に遭った少女にお見舞い申し上げますが、警察の不祥事とも取れる報道の仕方に疑問を感じずにはいられませんでした。両親は「娘が帰らないので市内のアパートをしらみつぶしに捜してほしい」と依頼したそうです…これって難しくないですか?

警察が「詳細がわからないと調べようがない」と無碍に両親を追い返すのは少しひどすぎると思うのですが、「松阪市内」としか分かっていないアパートから少女を探し出すのは非常に困難だと思います。被害者が監禁され、居所が推測出来るのに警察が動かず重大な事件になったことは過去何度かありましたが、それと今回の事件は性格が異なるような気がします。事件は後からだと何とでも言えるものですね。

後からだと何とでも言える事件がもう一つありました。2002年に富山県で婦女暴行をしたとして逮捕、服役していた男性がその後、冤罪だったことが分かりました。マスコミがこぞって同情論を展開し、どうして冤罪になったのか、県警や検察に問い質す正義の味方のような報道が繰り返されています。でも、よく考えてください。当時、この事件を「婦女暴行などけしからん!」と報道していたのは誰ですか?

この手の情報は県警などの記者クラブを通じて提供されるので、当時のマスコミも冤罪と疑う余地もなくニュースをそのまま垂れ流していたはずです。「どうして見抜けなかったの?」と批判してもマスコミは責任を取ることはないでしょう。物理的に見抜くのが困難なわけですから。そう考えると、松阪市内の事件で県警を批判するマスコミの姿勢は矛盾しているような気がします。事件の真相を明らかにするのは必要ですが、県警の不祥事などと下手に煽ってメディアスクラムが始まらないことを祈るばかりです。

まさに、自分のことを棚にあげるとは、このことなのでしょう。
Hamamatsuchoneko

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May 17, 2007

リンガー! 替え玉★選手権

CinemaX久々の更新、第136回。

監督:バリー・W・ブラウスタイン
製作総指揮:ティム・シュライヴァー
音楽:マーク・マザースボウ
出演:ジョニー・ノックスヴィル、ブライアン・コックス、キャサリン・ハイグルほか
上映時間:95分
(公式サイトはここ

「ヘタレ」

今回はリンガー!です。知的障害者を扱ったコメディなので、不謹慎だという声も聞かれましたが、米国の興行収入ランキングでは、僅かの間ですが他のメジャー映画を掻き分けて上位に食い込んでいた実績や実力のある映画です。日本ではDVDすら発売されないだろうなと思いましたが、数館の映画館が立ち上がり、公開に踏み切りました。そもそも批判的な意見は見てもいない人が発しているようなので、実際にご覧になって判断してもらいたいものです。ということで観ました。

リンガー!のストーリーは、金策尽き果てた主人公が賭けに乗せられて知的障害者を装い「スペシャル・オリンピックス」というスポーツの祭典に出場するというものです。最初にこの映画を知った時に、知的障害者を扱うのはどうかと思えたのですが、ハリウッドでは既にフォレスト・ガンプやレインマンなどの映画が存在しており、高い評価を得ています。ただ、コメディというのはなかったと思うのですが。

ストーリーから判断すると、主人公が仲間と結託してバレないようにスペシャルゲームに出場して優勝する話なのだなと思いがちですが、大違いでした。ここから先はネタばれになりかねませんが、主人公が障害者でないことは、あっさりとバレてしまいます。しかも、それを知ったのは周囲の障害者、しかも彼らが主人公を勝たせようとする過程でさまざまな友情が芽生えます。

ターン1までの評価「A」

リンガー!は、タッチーな題材を扱った割に、決して偽善的ではなく、差別的な表現をしていません。差別的な発言を繰り返すキャラクターもいるのですが、それはストーリーの中での話。作り手からは、映像や登場人物のセリフを通して優しさすら感じられる映画です。実際に知的障害者の方を家族に持つ方々がどう判断するかは分からないのですが、単館映画としておくには本当にもったいないと思います。

良い映画の要素というのは、①出来るだけ早い段階で観客の感情を引き込むこと②観客を楽しませ「この先どうなるんだろうな」とワクワクさせる③観客に「最後はああなるんだろうな」と予測させる余地がある④その観客の予測を無理のない範囲(あるいは鮮やかに)裏切る―などが挙げられます。映画ではありませんが、ドラえもんの単行本⑥~⑦巻に収録されている「さようならドラえもん」「帰ってきたドラえもん」が典型的なストーリーの一つだといえます。個人的には「エニイ・ギブン・サンデー」も挙げたいのですが。

ターン2までの評価「A」

リンガー!は、良い映画の要素に加えて、主人公がヒロインに恋をしてしまうという王道の展開や、「あべこべ」の利いたコメディもふんだんに盛り込まれています。あべこべとは、普段とは逆の設定で物事を展開させるということで、「男はつらいよ」に代表されるものです。例えば寅さんが、大学教授や警察官など、一般的なステイタスとしては上に位置する人々に平気で説教を垂れるシーンなんかは、この典型だといえます。リンガー!でも主人公が周囲の仲間に不意に励まされたり、説教されたりします。

最終評価「A」

そして、最後は、良い映画の要素に挙げた、観客の期待を鮮やかで裏切ってくれます(ちょっともどかしい部分もありましたが)。主人公はスペシャル・オリンピックスで勝つのか、負けるのか、それは実際に劇場やDVD(発売されるのか不安ですが)でご覧下さい。恐らく今年前半で最高の映画だと思います。ヒロインのキャサリン・ハイグルも魅力的でした。必見!

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成18年5月16日
劇場:シアターN渋谷
観客数:30/102席
感涙観客度数:多数

シアターN渋谷といえば、映画ファンの要望に応えて、「ホテル・ルワンダ」の公開に踏み切った劇場の一つです。大手の配給会社は批判をおそれているのか、この手の難しい映画をほとんど扱うことはありません。ただ、最近はホテル・ルワンダや「太陽」などのように単館で爆発的にヒットをして、さほど批判も集まらなかったのを確認して、シネコンなどで後追いで公開するという、ヘタレともとれる事例も見受けられます。

こうした映画の殆どは、実際に観てみると「どこに問題あるの?」と思えるものがほとんどなので、大手、中堅の配給会社の人々は、「ちゃんと映画を観て判断しているの?」聞いてみたくもなります。

ついでに紹介!

ちなみに「シュリ」も単館映画からスタートしました。その後口コミでブレイクし全国に拡大。映画ファンの全てが面白くない映画も面白いと見せかけるような、映画会社や広告代理店などによるスクラム偽装に流されるわけではないことを実証した好例といえるでしょう。シュリは、実際に起こっている南北対立を扱うということで異常な緊迫感があったことがヒットに繋がったといえます。007は敵視していたソ連が崩壊してすっかり緊迫感がなくなりましたから。

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May 15, 2007

挑戦状

安倍内閣の次の目玉は、地球温暖化対策のようです。事務所経費問題はお茶を濁してうやむやになりつつありますし、多くの国民の関心が薄い国民投票法案は、マスコミは必死になって盛り上げようとしていますが、夏の参院選の大きな争点にはなりえないでしょう。そこで出たアイデアが地球温暖化対策です。聞こえが良いうえに、誰も傷つかない政策なので手っ取り早いのでしょう。もちろん「美しい国、日本」よりは現実的ですが、政策そのものに利権がなかなか絡まないだけに、国会議員や大手企業などにとってよほど旨みのある内容でなければ、恐らく実のないものになってしまうのでしょう。地球温暖化対策は、元軍を打ち破ったのに、侵略戦争ではなかったために鎌倉幕府が御家人に与える土地が得られなかった元寇に何となく似ているような気がします。

さて、物議を醸している熊本の慈恵病院の赤ちゃんポストで3歳の子供が保護されていたが分かりました。個人的には、寒空に放置され死亡する赤ちゃんがいる状況の中で、命の危険にさらされる赤ちゃんを一人でも救うという緊急性を考えると、赤ちゃんポストはあったほうがいいと思うのですが、物心ついた子供を入れるとなると問題が異なるような気がします。そもそも、言葉を発し意思表現が出来るようになった子供をポストに入れること自体、親の神経がどうかしていると思うのですが。子供が不憫でなりません。

病院側はこのことについて、事実か否かについてもコメントしないという、これまでとは正反対の対応をみせていますが、この子供をポストに入れた親の行動は、何か違う意図をもって行われた行動のような気もしなくもありません。意図的でないとすれば、神が人間に与えた挑戦状のような気すらしてきます。赤ちゃんポストに物心ついた子供が入れられるようなことは、誰も予想していなかったはずですから。

例えは悪いですが、子供を筍に例えてみると、地面に出るか出ないかの筍(=赤ちゃん)は、掘って食べる(これも例えは悪いですが、育ての親に託すと考えます)ことも、そのまま置いておく(生みの親が育てる)ことも出来ますが、人の身長ぐらいになった筍(=物心がついて意思表示が出来る子供)は、掘って食べる(育ての親に託す)ことが難しくなります。赤ちゃんポストに反対する意見を聞くと、「赤ちゃんは産みの親が育てるもの」「育児放棄を助長する」以外に「赤ちゃんを物扱いするな」という意見もあります。今までそういう発想はピンと来なかったのですが、物心ついた子供がポストに入れられたことを考えると、人間を「物」として扱う残酷さが余計浮かび上がってしまうような気がします。

今回の一件は、赤ちゃんポストの論争に一石を投じることになるでしょう。反対者からは「だから作るなと言ったんだ」という声も出てくるでしょうが、赤ちゃんポストを設置しなければこういう問題は生まれなかったことになり、大事なところが欠けたまま偽善的な論争に終始した可能性もあります。今回の件について、日本の育児環境も含め、徹底的に議論する必要があるでしょう。

それにしても身重の妻を殺害したり、子供が殺害した母親の首を持って警察に出頭したり、日本は美しい国とは程遠い状況にあります。
Volume

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May 10, 2007

みえないチカラ

安倍首相が、靖国神社に真榊を奉納したかどうかについて、奉納したか、していないのかどうかについても明言しないという姿勢を示しました。これはかつて、靖国神社参拝について、行くか、行かないか、行ったかどうかも明言しないという見解と同じです。靖国神社参拝の是非は別として、この曖昧な姿勢は国民をバカにするにも程があるといえます。国家権力のトップがこの調子ですから、国が乱れるのも当然だと言えます。美しい国家など絵空事。万引犯ととっつかまえて「盗んだかどうか、盗んでいないかどうかも含め、申し上げられない」といっても認められますか?事務所経費の問題を含め、子供でも分かるようなウソが国家の中枢に蔓延しています。

さて、トヨタ自動車が史上空前の経常利益2兆円を超えました。新聞は大フィーバー。今日のテレビのワイドショーもトヨタ自動車を英雄のように扱っています。確かに世界に冠たる企業が日本企業であることは、日本人として誇らしく思わなくもないのですが、大手マスメディアが横並びでここまで褒め称えるのは、どこか気味が悪い感じがします。スポンサーや広告などでの見返りを期待しているのか、格差社会の中で形成された大企業の仲良しクラブの馴れ合いなのかと勘ぐりたくもなります。

その大フィーバー、僕が観たのは「とくダネ!」なのですが、トヨタ自動車の成功の秘訣、向上心があり風通しの良い社風を絶賛していました。まるで社内報です。もちろん、カンバン方式など独自の経営手法や徹底した無借金経営などが、これほどまでの巨大企業を育ててきたともいえるのですが、下請企業などに求めたコストダウンの上に成り立っている部分もあるはずです。その点を踏まえると、みんながハッピーであるはずがないのですが、番組ではトヨタ番?の記者がトヨタ自動車の素晴らしさを説明し、下請け会社の人々や、挙げ句の果てに豊田市民全てがハッピーであるかのように伝えていました。ここまで来ると宗教じみていてちょっと怖い感じがしました。

余談ですが最近、読み終えた本があります。「官僚とメディア」(角川ONEテーマ21)という本です。内容の真偽の程は読者それぞれで判断すればいいと思うのですが、緻密な論理で構成されるパズルは完成度が高いといえます。あれだけメディアで騒がれた耐震偽装の渦中の人物たちは名義貸し、粉飾決算、架空増資など別件で裁かれているのは何故か、そのことをマスコミが触れなくなっているのは何故かについて、疑問に思っていた点が丁寧に解説されています。折りしも東京高裁で逆転有罪となった村岡元官房長官の一件についても矛盾を指摘していて、かなり説得力があると思うのですが。

この本の後半では、タウンミーティングで暗躍した電通を批判しているので、大手マスコミが取り上げることは皆無だと思いますが、最近のジェットコースター事故の報道でもみられる過熱報道、いわゆるメディアスクラムに至る構図などについても分かりやすく解説しています。大手マスメディアのトヨタフィーバーもそうですが、最近特に見えない力によって情報が操作されているような気がするのは、僕だけでしょうか。
Nyanko

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May 08, 2007

命あっての物種

ジェットコースターに関する報道が続いています。事故に至った原因はこれからも究明していく必要があるとは思いますが、やはり犠牲者の葬儀までマスコミが取材に殺到するのは、そこまでやる必要があるの?と疑問を感じてしまいます。また「日本中の遊園地でこれだけ事故が起きていました」とか「エキスポランドは過去2度も人身事故がありました」とか、「調べてみたら、こんなことになっていました!」と国民にチクるような報道も、伝え方によっては混乱を招く可能性があります。

ここ数日の遊園地やその遊具に関する報道は「遊園地は危ない」「乗り物は危険だ」というイメージを植えつけるものばかりで、「安全に気をつけて営業している遊園地は安全ですよ」という愛情が感じられません。もとより疲弊している業界といわれますから、マスコミの過敏な報道が各地の中小遊園地の窮状に追い討ちをかけてしまわないかと心配です。

そもそも遊園地での事故件数などは、業界団体などで把握していても良さそうなものなのに、なかなかそういう機能が我々に見えて来ないのは、少子化に加えて巨大アミューズメントパークに市場を寡占されるなど業界全体が疲弊していることに加え、大きな利権が絡まないので天下りや国会議員が取り付く島がないことが予想されます。良くも悪くも業界に結束力が感じられないのは、これらの点に原因があるのかもしれません。

さて、大関・栃東が引退を表明しました。先場所中に高血圧で休場、検査の結果、隠れ脳梗塞が見つかり、再発の危険性があることが決め手となりました。幸いにも「頭痛が痛い」以外の大きな後遺症はないようなので、本人が決断すれば現役を続行は出来たのかもしれませんが、命あっての物種。死んでしまっては何も出来ませんから、これはやはり英断といえるでしょう。

栃東は、何度となく横綱に挑戦したものの、ひざなどの故障に泣きましたが、今年の初場所ではひざの手術直後に強行出場するという根性を見せるなど人々を勇気付けてきました。本人は「悔いは残っていない」と言っていますが、口惜しくないわけがありません。ただ、大関陥落の危機にあった先場所で勝ち越し後に休場したということは、今後の彼の人生の大きな自信に繋がることでしょう。

栃東は、父でもある玉の井親方(先代・元関脇栃東)とともに横綱の夢は果たせませんでしたが、やはり命あっての物種。後進の指導に命を燃やし、将来の横綱誕生に夢を馳せてもらいたいものです。
Tebukuroneko01

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May 07, 2007

マッチポンプ再び

ビーチバレーの浅尾美和選手が人気です。彼女を発掘したといってもいいフジテレビは露骨で、ジャンクSPORTSでは少し前、何週にもわたって芸能人とのビーチバレー対決を放送しました。この番組は、発掘!あるある大事典Ⅱの突然の打ち切りで時間の穴埋めに貢献したご褒美なのか、ここ最近は安易な番組作りが目立ちます。その中で視聴率稼ぎのドル箱なのが彼女です。その人気に日本テレビやテレビ東京など他局も便乗して、彼女をブラウン管(あるいは液晶、プラズマ管)に何度も搭乗させています。CM後にすぐに彼女が登場するようなふりをして、実際に登場するのは番組の後半だったりするような伝え方はもうすっかり慣れましたが、さらに悪質なものになると翌週まで引っ張ったりします。捏造問題も対岸の火事、喉元過ぎれば暑さ忘れる、テレビ各局は既に緊張感が緩んできているに感じるのは気のせいでしょうか。

その人気に煽られたのかビーチバレーにファンが会場に殺到しています。昨日のお台場には700人を超える観客と100人(!)を超える報道陣。ファンの多くがカメラを片手に会場を訪れ、レンズを向ける…被写体はもちろん浅尾選手。ただ、あまりの過熱振りに会場では報道以外の写真撮影は禁止になっているようです。そのフィーバーぶりをテレビ局はニュースとして面白おかしく報道…マスコミお得意のマッチポンプが始まりました。火をつけたのはあなたたちでしょうに。ファンからの怪しいカメラが向けられていると報道しておきながら、自分達は堂々とセクシーショットを撮影して電波やネット上などに乗せる…節操がないとはこのことをいうのではないのでしょうか。

おまけに、浅尾選手とペアを組む西堀健実選手をセットで扱う振りをして、実際に追いかけているのは浅尾選手ばかり。これは両者に失礼でしょう。美形の選手をペアで持ち上げるのは、少し前のバレーボールのメグカナ(栗原恵選手、大山加奈選手)、最近ではバドミントンのオグシオ(小椋久美子選手、潮田玲子選手)が浮かびますが、テレビカメラなどが追いかけるのは、必ずどちらか片方に偏っています。追いかけられる方、出汁に使われる方のどちらにも失礼だと思います。

浅尾選手は、これまで日本では、インドアのバレーボールの一線を退いたような選手が流れるスポーツというイメージが強かったビーチバレーにおいて、最初(高校卒業後)からビーチバレーで戦っている新しいタイプの選手といえます。それだけに期待は大きいのですが、国内ツアーでは3位に甘んじることが多く、このままでは北京オリンピックへの出場は難しいといわれています。その割にテレビなどではこのペアが国内第一人者で、北京オリンピックに出場して当たり前のような雰囲気が漂うのが気になるのですが。スポーツ選手(あるいはチーム)の強さの捏造報道はこれまでのオリンピックや先日のサッカーW杯でもうこりごりです。視聴者や読者に誤解を与えないようきちんと真実を伝えましょう。

今、浅尾選手と実力のある選手とのペアを「組ませる」という噂が流れています。浅尾選手は視聴率を簡単に稼ぎ出すことが出来るドル箱ですし、大手広告代理店なんかがバックについたりすれば実現してしまう可能性は充分、考えられます。公私ともに仲が良いといわれる西堀選手とのペア解消は考えられないのですが、大手広告代理店には昨年のサッカーW杯で日本代表戦の試合開始時間を変更することが出来るぐらいの力がありますから、もしかしたら噂だけでは終わらないかもしれません。ブームの仕掛けに簡単に踊らされないように気をつけたいものです。
Hatohatohato

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May 06, 2007

見切り

昨日のジェットコースター事故で、大阪府警がエキスポランドに家宅捜索に入りました。テレビや新聞ではその後、別の遊園地で起きたジェットコースターの追突事故を針小棒大に伝えていましたが、事故の絶対数が少ないので、小さな事故を掻き集めるような意味のない報道は今のところ行われていないようです。その分、エキスポランドへの批判を集中させているともいえますが。それにしても出るわ出るわ…パチンコ業界のように利権がからんでいないのでブレーキがかからないのでしょう、折れた車軸の金属疲労の試験を一度も行っていないなど、事故に繋がる決定的な原因からどうでもいい話まで、次から次へと明るみになっています。

今回の事故の原因は、定期点検のあり方にあるのではないかという見方も広がっています。日常点検や平時の維持管理は遊園地任せで、具体的な取り決めがないことに問題があるという見方です。本来はガイドラインのような取り決めがあろうがなかろうが、過敏とも取れるぐらいの対応をするのが当たり前だと思うのですが、緊張感はどうしても長続きしないものです。そういった気の緩みを監視する機能がなかったのが今回の事故につながったといえるでしょう。マーフィの法則にならえば、エキスポランドでは日常茶飯事に微小な事故が起こっていたはずです。

また、一番の問題は、本来1~2月に実施する解体点検をゴールデンウィーク後に先延ばししていたことにあるといわれています。集客に影響を与えたくないという貧乏根性があったのか、この辺りの見切りの悪さが大事故に繋がったといえるでしょうが、この事故のほんの数日前、連休のさなかに利用者に影響を与えることを覚悟して見切りをつけた企業があります。憶えていますか?エア・ドゥ(北海道国際航空)です。機体の定期整備中に不具合が見つかり、ゴールデンウィーク中に1万人弱の利用者を他社便などに振り替える決断をしました。このニュースを報じた当時は、どこか批判的な雰囲気に包まれていたように感じましたが、今になって思うと英断のように思えてきます。最も、利用客の生命を預かる企業としては当たり前のことなのですが。

エア・ドゥは、規制緩和に後押しされ航空業界に参入したものの破綻、全日空の支援などを受けて独立色は薄れたものの頑張っています。機体に余裕がないため度々運休をしているようですが、利用者に少々の不便をかけても安全のためなら仕方がないことかもしれません。もともと羽田空港などでは新参者いじめのように搭乗が面倒なのですから。今度北海道に行くときは、あえてエア・ドゥに乗ってやろうと思います。

それにしても今回の事故で亡くなった方が不憫でなりません。何の落ち度もなかった訳ですから。周辺の人物に亡くなった方の人物像を探るような報道もありますが、お涙頂戴の安易な視聴率稼ぎは怒りすら覚えます。その労力を事故原因の追究や再発防止に繋がるような影響力のある報道に振り向けてもらいたいものです。
Hachimitsu

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May 05, 2007

一瞬の出来事

エキスポランドのジェットコースター、風塵雷神Ⅱで死傷事故が起きました。亡くなった19歳の女性は、何が何だか分からないままこの世を去ってしまったのでしょう。さぞかし無念でならないでしょうし、突然友人や家族を失った周囲の方々の悲しみも計り知れません。まずは、心からお悔やみ申し上げます。僕の記憶違いでなければ、この乗り物が登場した大阪花博の開催時期にもトラブルを起こしているような気がするのですが。

一般的にいわれる絶叫マシンというものは、安全に危険な状態を体験出来る乗り物です。ただ「安全」が大前提にあることで成り立つ乗り物です。これが危険ならアトラクションではなくなります。今回の事故は、車軸が折れたことによるものですが、約15年間一度も交換したことがないとのこと。目視や非破壊検査だけでは判断が難しい部品のはずですから、定期的に交換する必要があったのではないでしょうか。もし、部品交換のコストやメンテナンスに関わる社員のレベルダウンが避けられないようなコストダウンが背景にあるのなら大問題です。

少し前に東京ディズニーランドのスペースマウンテンでも車軸が折れる事故が発生しました。これは設計ミスによるものだと記憶していますが、全くメンテナンスが行われていなかった六本木ヒルズのエレベーターといい、日本の多くの企業はコストダウンを進める一方、コンプライアンスという言葉を免罪符のように使いすぎて、おかしくなっているのではないのでしょうか。

ここ数年、大企業を中心にコンプライアンスという言葉を一つ覚えのように使うようになりましたが、同じ単語であれ、内容は国内あるいは世界共通ではありません。企業やグループそれぞれが設定したに過ぎないものを、絶対安全なものとして一般市民が信用するにはあまりにも頼りないものといえます。特に、エレベーターや絶叫マシンのメンテナンスなどは、利用者には目に見えない部分ですから、万が一というものが絶対にあってはなりません。

コンプライアンスの問題点は、企業やグループから一歩外に出れば、各自が作ったコンプライアンスが効力を失うということです。例えば、我が社はコンプライアンスを遵守していますと胸を張っても、その子会社や孫会社、あるいは下請け会社などが理解していなければ全く意味がありません。それは、談合まみれの公益法人や独立行政法人、天下り企業も同じだといえます。最近の日本をおかしくしているのは、時代の先を行き過ぎている中途半端な欧米化が原因のような気がしてなりません。

今回の事故は、報道ではやんわりと表現していますが、記事の行間を読み解くとかなり凄惨だったことが分かります。重症を負った女性は亡くなった女性の友人でした。この友人や、事故現場の下で食事をしていた来場者などは、相当なショックを受けていることでしょう。この風塵雷神Ⅱを含め日本中の絶叫マシンの製作やメンテナンスを行っている企業、日々点検を行っているアミューズメントパークでは、人の生命を預かっていることを強く感じながら、仕事をしてもらいたいものです。重要性からいえば、一度事故が起きれば大惨事になる可能性が高い航空機のメンテナンスと同じだといえるでしょう。だからこそ、気を引き締めなければなりません。
Momijimo

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May 04, 2007

からくり

地球温暖化に拍車がかかっています。連休中で渋滞情報ぐらいしかニュースがない日本では、今日採択されたIPCCの第4次評価報告書が大きくクローズアップされました。1990年比6%削減を強いられた日本は、既に8%増の状況にあります。一方、8%削減を目標にしている欧州はおおむね達成しているので、「日本はダメじゃないか」と思うかもしれませんが、実は1990年比という部分にからくりがあったりします。

1990年頃に何があったか?それは、ベルリンの壁の崩壊です。省エネ化が著しく遅れた東欧諸国に西側の技術を入れてちょっといじっただけで欧州諸国の数値は著しく改善しました。その証拠に、1995年比でみるとほとんど改善されていないことが分かります。日本の古都である「京都」を冠した議定書でありながら、ノルディック複合やジャンプのルール改正と同じく、欧州に有利なルールになっているわけです。

日本は省エネ大国です。エネルギー効率は世界一。ここ1、2ヶ月で中国やインドの首脳が来日しましたが、それは日本の技術協力を期待して来たようなものです。特に中国は、東シナ海ガス田の共同開発をチラつかせながら、日本の省エネの技術協力を引き出しました。自虐的になりがちな日本人ですが、高い省エネ技術は世界に誇ってもいい部分です。願わくば、したたかな中国との交渉の過程で技術だけが吸い取られることがないようにしてもらいたいものです。

特に中国は、北京オリンピックに向け、ニセDVDをつぶす作業場を公開するなど知的財産の保護に気を使っているようなパフォーマンスをみせますが、話題になっているニセディズニーランドのようなものを野放しにするという別の顔を持っています。僕の記憶違いでなければ、日本のアニメの商標権を中国で申請しても、別の中国企業が取得していて参入の余地がなかったという事例もあるようです。例えば、クレヨンしんちゃんの商標権を取得している企業の商品が、中国に輸出すればニセモノという感じです。

中国の人々は相手の国を飲み込むようなおおらかさがありますが、ビジネスは別。隣国同士の人間として、感情論をぶつけ合うだけでなく、節度のある付き合いをしてもらいたいものです。東シナ海のガス田は、領土問題としては大きなことですが、実はエネルギー問題としては微々たるものだという専門家の見方もあります。領土問題とエネルギー問題を短絡的に結びつけて大騒ぎするテレビや新聞などの姿勢に問題があるのかもしれません。

話は逸れましたが、日本に残された道は排出権取引ぐらいしかありません。首都圏で試験販売が始まったバイオ燃料も、2つの方式が混在していて、今夏にはもう一つの方式の燃料が実証試験として大阪で販売されます。経済産業省や環境省、石油業界のメンツ争いが根底にあるという見方もあるのですが、このバイオ燃料も計画通りフルに利用しても1%削減に相当する程度のインパクトしかなかったりします。

そうなると次の一手は一般庶民への課税ということになります。いま、外郭団体が税金を使って広告代理店にボられながら効果のないCMや、誰が読むのか分からないパンフレットなどを作成して必死にPRをしているように振舞っていますが、最終的には万策尽きたとして、炭素税や環境税など何らかの形で課税するようになるでしょう。地球温暖化対策は必要な取り組みなのですが、相次ぐ公益法人や独立行政法人の汚職を考えると、効果的に税金を使ってくれるのか、心配になってしまいます。
Hatohato

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May 03, 2007

スパイダーマン3

CinemaX第135回目。

監督:サム・ライミ
製作総指揮:ジョセフ・カラッシオロ、ケヴィン・フェイグ
原作:スタン・リー、スティーヴ・ディッコ
脚本:アルヴィン・サージェント
音楽:クリストファー・ヤング
出演:トビー・マグワイア、キルステン・ダンスト、ジェームズ・フランコほか
上映時間:139分
(公式サイトはここ

「ごった煮」

スパイダーマン」を観て続編が出ないよう強く願ったスパイダーマンは既に第3弾になってしまいました。好調な出足と評価される「スパイダーマン3」ですが、意地悪な見方をすれば、実力以上に話題だけが先走りしている「バベル」ぐらいしか競争相手がいないので当然ともいえるような気がするのですが。また、スパイダーマン3は世界同時公開。そして日付変更線の関係でボジョレーヌーボーのように日本が世界最速の公開のようです。ただ、世界同時公開の映画の多くが「不評がバレないうちに世界各地(特に日本)で荒稼ぎしておけ」という残念な作品が多いような気もするのですが、果たしてCinemaXの評価やいかに。

予告編でも黒いスパイダーマンが登場する第3弾ですが、冒頭に登場する謎の黒い物体が一体何なのか。最初のうちはその点で興味をそそられるのですが、本筋には一向に絡んできません。それどころか、いくつものエピソードがとりとめもなく続いて…確認出来ただけで①ニュー・ゴブリンことハリーとの格闘、見せ掛けの和解、真実の和解②サンドマンのエピソードと主人公、ピーターの叔父殺しの真実③ピーターとMJのチープな恋愛ストーリー④エディのエピソードなどなど…これではストーリーが多すぎて混乱してしまいます。複数のストーリーを巧みに絡めた「バベル」とは大違いです。

ターンAまでの評価「C」

後半になってやっと黒い物体がストーリーに絡んできます。これは遅すぎ。興味も期待も萎んでしまいます。それにエピソードが多すぎて…例えば格闘シーンはやはり迫力がありますし、ピーターとハリーの友情物語もそれなりにホロリとさせてはくれますが、話のトーンがあまりに違いすぎるような気がします。例えば、ホームドラマのお茶の間にいきなりUFOが突っ込んで来るような。和洋中、世界中の美味しい料理を集めて鍋に放り込んでかき混ぜても美味しくならないようなものです。

お待たせしました。ようやく、黒いスパイダーマンが登場します。ヒトラーのような風貌になり、すっかり気が大きくなるピーターの行動は面白いのですが、これじゃまるで「マスク」です。それにMJとのチープな恋愛話が絡むと、さらにテンポは悪くなってしまいます。特にジャズバーの寸劇のひどさは「マスク」を通り越して最悪の映画と名高い「マスク2」を彷彿とさせます。

ターン2までの評価「B」

後半は怪獣大作戦です。サンドマン、スパイダーマン、ベノム、ニュー・ゴブリンが入り乱れての格闘です。映像は迫力はありますが、ひとつ忘れていませんか?あの黒い物体が何だったのかを。それが気になってサンドマンの真実やピーターとハリーの友情物語には全く感情移入出来ませんでした。あの黒い物体こそ茶の間に飛び込むUFOです。黒いスパイダーマンの話はそこそこ面白いので、宇宙からの物体みたいな曖昧な説明をせずに、もう少し現実的な設定にするといいのかもしれません。悪いクモが乗り移るとか。それともあれば宇宙クモだったの?

最終評価「B」

後半だけを観ると、それなりにまとまった映画なので、良い映画と錯覚しがちですが、前半があまりにもとりとめがないのでB評価になりました。それでも終わり良ければ全て良し、どうにか形にはなっている映画なのかもしれません。そしてエンディングはまた墓場。ロッキー並みの墓場好き。スパイダーマンも、ロッキーも、今度こそ完結しますようにと祈りつつ締めくくります。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成19年5月1日
劇場:ワーナーマイカルシネマズ板橋
観客数:262人/262席
感涙観客度数:30%
※各ターンは個人的に設定、感涙観客度数は場内の鼻すすり音で推定。

感涙ポイントは2ヵ所。サンドマンが話す事件の真相とピーターとハリーの別れのシーン。何度も何度も言いますが、人が死ねば悲しいのは当たり前。ピーターとハリーはそれなりの積み重ねがあるのでいいのですが、その場限りのノリで泣くのは涙がもったいないような気がします。

ちなみに今回、この劇場では4Kデジタルシネマで上映されていました。冒頭のおなじみ、コロンビア・レディの映像の鮮明さに驚きましたが、アクションシーンの動きが激しいスパイダーマン3では、デジタル特有のブレが気になりました。手書き風でない字幕も気になりましたし…でっかい画面でDVDを観ているようでした。水戸黄門もそうですが、やっぱりフィルムでないと映像は味が出ませんね。

ついでに紹介!

スパイダーマンの前作と前々作。「デアデビル」はここ数年のアメコミの実写化ブームの中で話が暗すぎるせいかコケてしまった数少ない作品。知名度が低い日本でももちろんコケました。

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May 02, 2007

概況(19年4月分)

甲子園を揺るがす特待生問題がクローズアップされています。既にきな臭いと散々噂されていただけに何を今さらという感じもします。どうせ高野連も暗黙の了解を貫いていたことでしょうし。現在、特待生制度などを導入していると申告をした高校は73校にのぼっています。強豪校が名を連ねていますので、夏の大会のことを考えると、出場停止などのお咎めは回避されるかもしれませんので、さらに申告数は増えることでしょう。

申告を行った高校のラインナップをみると、東京周辺や中部、関西などの強豪校が名を連ねていることが分かります。甲子園出場校は各地から有力選手をかき集めた私立高校ばかりになってしまい、地元色が極めて薄い大会になってしまいました。まるで都市対抗野球や、ラグビーの世界選手権のようになってしまっています。この理由については過去の日記で触れたことがありますが、少子化対策が第一に挙げられます。

高校の知名度を上げる方法は、野球、吹奏楽を強くするのが手っ取り早い方法です。吹奏楽については、ここ10年ぐらいは私立高校が中心になっているような気がします。公立校が地道に強い吹奏楽部を育てても、私立高校は資金力にであっという間に地区代表や県代表になってしまう事例をいくつもみてきました。その結果かもしれませんが、全日本吹奏楽コンクールは異常にレベルアップしてしまい金賞を乱発、5年連続金賞受賞の栄誉である小隊演奏も意味をなさなくなり、今は廃止されているはずです。

もちろん、強豪校や有名校は黙っていても選手は集まります。ですが、わざわざ遠く離れた場所にある高校に通うには、それなりの見返りが必要になることは誰にでも分かります。高野連は今になって申告して欲しいといい、特待生制度を導入していた高校側はこういう制度も認めて欲しいと言っています。これまで奇麗ごとばかりを並べ純粋培養で高校球児を育てようとしてきた当事者が何をかいわんやという気もします。

さて、かなり前の話になりますが、選挙中の長崎市の伊藤市長が射殺されました。一部の新聞ではこれまで書き溜めていた社説を吐き出すように「言論の封鎖は断じて許されない」と大演説をぶちましたが、結局は犯人の思い込み、逆恨みのようなものが動機となった事件でした。とはいえ、殺人はどんな理由であれ許されないことです。

その長崎市長選で伊藤市長の娘婿さんが弔い合戦とばかりに出馬しました。一方で長崎市職員だった田上氏が出馬、娘婿さんに同情票が集まるかと思いきや、田上氏が当選しました。新市長は「世襲は良くない」といいましたが、伊藤市長の実の息子なら当選していたかもしれません。それ以外の決め手となったのは、県内出身者と県外出身者の違い、選挙に立候補すると失職してしまう公務員と、地方紙を休職扱いにしてもらうなど退路を残してしまった娘婿さんの立場の違いにあるのかもしれません。娘婿さんの嫁、つまり伊藤市長の娘さんは「仕打ちを受けるとは思わなかった」とその場で崩れましたが、これは犯人への言葉だと信じたいと思います。

選挙戦の途中で伊藤市長がなくなったのは本当に残念ですが、今回の長崎市長選挙は良識ある結果となったと評価する専門家も多いようです。ただ、一般市民が本当に良識を持つようになったかを判断するのは夏の参議院選挙です。まずは投票率で判断しましょう。

さて、4月の概況です。

普段の仕事:60(±0)
シナリオ:40(+5)
その他:0(-5)
(カッコ内は前月比ポイント増減)

「普段の仕事」増減なし

忙しさは変わりません。ちなみに、Sさんは、交通費の支払いを巡って社長に暴言を吐いたとして解雇されかかりましたが、「そういうつもりで言ったのではありませんが、そう聞こえたのならお詫びします」と国会議員や役人のような謝罪で許されました。彼はその後も全く仕事をしていないのですが、マックで時間をつぶしている(しかも何も買わずに飲み物は持ち込み)割に交通費はしっかり請求してくるので、これで再びトラブルが発生しました。

今回のトラブルの発端は、Sさんの交通費の請求書が殴り書きで経路も料金も出鱈目だったため経理の人が「これでは支払えない」と通告。その後、書き直した請求書は合計のみを書いた丼勘定でした。これには経理の人がキレて幹部に報告。「そんなに迷惑をかけるのなら会社を辞めてくれ」とまたもや解雇通告。これに対してSさんは、絶対に会社に残ると訴えながら「これは労働の権利の侵害であり、本来払うべき交通費を支払わないのなら、業務上横領で会社を訴える」と出て行ってしまいました。それが今日のことです。

ちなみに経路と料金が出鱈目なのは最近のことで、以前は一応、ウソでもアリバイ作りをしていました。その方法とは、鉄道会社にいちいち電話をして料金を確認するというものなのですが。しかもその都度番号案内で鉄道会社の電話番号を確認。この作業を自分の机でコソコソやってても周りの人にはバレバレ。しかも番号案内のコストがかかる。本当にアホですよ、この人は。それでいて自分の非は絶対に認めず、せいぜい他人事のように謝ってやるという態度を示すぐらい。

しかも今回はそういう書き方を指導したのはナンバー2のZさんだと責任転嫁をしました。これには、Sさんの理解者として振る舞っていた(いざという時はSさんを裏切りますが)Zさんも逆上、もはやSさんの表面上の味方すらもいなくなりました。それでも彼はこの会社に残るつもりのようです。そりゃそうです、朝と夕方に上司の小言を我慢していれば、そこそこの給料がもらえるわけですから。僕はもうSさんとは必要最低限の会話しか交わしませんが、彼の行動を見ているだけでストレスがたまります。

「シナリオ」5ポイント上昇

引き続き頑張っています。

「その他」5ポイント下落
定期的に行われていた手話講座の残党の集まりは崩壊の危機にあります。この集まりはリーダーのいないペンギンの集団のようなものなので、集団が機能するときは非常に居心地がいいのですが、最近は日時を決めても僕を含めドタキャンをしてしまい中止になるパターンが定着しています。この集まりそのものを批判するわけではないのですが、情報が来たり来なかったり、直前までやるのかやらないのかはっきりしない状態では活動してもあまり意味がないのかもしれません。

スポーツクラブに通ったのは10日。前月比4日増。

~体位の変化(それは、意味が違います)~
「身長」±0cm
「体重」-3㎏

スポーツクラブに通う回数が増えたのもありますが、多忙すぎて一週間の半分ぐらいは昼食を摂る暇がありません。名付けて「お昼ごはん食べられないダイエット」です。その一方でSさんはのうのうとしているわけですから…本当に頭にきます(怒)
Yuyakekoyake

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May 01, 2007

バベル

CinemaX久々の更新。134回目。

監督:アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
脚本:ギジェルモ・アリアガ
音楽:グスターボ・サンタオラヤ
出演:ブラッド・ピット、ケイト・ブランシェット、ガエル・ガルシア・ベルナル、役所広司ほか
上映時間143分
(公式サイトはここ

「うまみ調味料」

女優としては無名ともいえる菊地凛子のアカデミー賞助演女優賞ノミネートで何かと話題になった「バベル」です。ただ、あの大御所が翻訳していなかったり、協賛などで関わっている企業などが有名企業でなかったりしていることから、この話題がなければ単館映画として処分されていた可能性が高いような気がするのですが。最近でも真田広之が微妙な宇宙飛行士を演じたように、メジャーリーグと同様にもはや海外の映画に日本人が登場しても珍しくはない世の中になりましたが、果たしてCinemaXの評価やいかに。

この映画のタイトルは、バベルの塔のエピソードに由来するようです。僕の記憶違いでなければ旧約聖書の創世記、バビロニアの人々が神の存在に近づこうと結託して高い塔を作ろうとしました。これがバベルの塔です。神々は人間たちの愚行に怒り、雷を打ちつけて塔を破壊(聖書には破壊したと記載していないようですが)、人間たちが二度と愚かな行為を繰り返さぬよう、人々の言語を分けてしまったという話です。映画「バベル」でもそれぞれの登場人物が同じような悩みを抱えながらも言語(手話を含む)は全く異なり、時になかなか思いが通じずもどかしく感じるなどなるほどなと思わせる点はあります。

ターンAまでの評価「B」

この映画を観て予想外だったのは、オムニバスではなかったということです。場所や時系列を飛び越える映画は、たいがいがオムニバスでそれぞれのエピソードがブツ切りになっていることが多いのですが、「バベル」は様々なエピソードが実に巧に交差しています。失敗すれば駄作になりかねない挑戦は、評価に値するといえるでしょう。このほか、状況によって観客に先に答えを見せ、もう一つの視点からアプローチするというテクニックも取り入れられています。後述しますが、このテクニックが、良くも悪くも無駄ともいえるぐらいの緊張感を生むエッセンスとなっています。

さて、いよいよ菊地凛子が登場です。彼女は耳の不自由な女子高生、チエコを演じています。もともと演技力はあるといわれていたうえ、表情入りの手話もなかなかリアルです。身体障害者を扱ったドラマを次々にヒットさせたあの大物脚本家のドラマは、例えば手話ですらやたら美化しているので違和感を感じるのですが、手話とは本来、耳の不自由な人々が生きるために使っているものですから、手話表現だけでなく、健聴者から見ると大げさともとれるような表情や仕草を交えることも必要です。綺麗どころの俳優がちょこちょこっと手話を表現するだけでは話になりませんから。

ちなみに「バベル」では手話講座などでは絶対に教えることがない、両手の二本指をバッテンに交差させる表現も出てきます。僕はこの表現を飲み会の席で酔っ払った今は亡き恩師から習いました。日常会話で使う場面は限られていますし、健聴者が耳の不自由な方との手話でこの表現が出ることは、レアケースといえるでしょう。ちなみに「バベル」では字幕で見え難いですがチエコとその友人の会話の頭のほうに出てきますので、どういう意味の手話なのかを確認しながら観ると興味深いかもしれません。

ターン2までの評価「B」

「バベル」は、後半もそれぞれのシーンが絡み合いながら、モロッコと日本とメキシコ、そして時系列をも飛び越えて交錯していきます。どういう風に組み立てると緊張感が増すかとか、映画の構成を勉強するには良い映画かもしれません。ただ、チエコの奇行は最後まで納得出来ませんでした。あまりに感情移入出来ないので、日本のエピソードにこれほどまで時間をかける意味があるのかと思ったほどです。エンディングも日本なのですが、これまたグダグダで…モロッコとメキシコの話だけでも映画としては成立するのかもしれません。

最終評価「B」

「バベル」は大きなテーマを秘めているように感じます。当事者にとっては一大事でも、遠ざかるにつれ当事者の気持ちがダイレクトに伝わることがなくなるということ、震源地で発生した大津波も、遠く離れればさざ波程度になってしまうということです。例えば、「ホテル・ルワンダ」でも殺戮が繰り返されているルワンダの国民の悲しい気持ちは海外には届かず、夕食時にニュースを観て「ああ、可愛そうだ」と思うだけだという旨のセリフが出てきます。ダイレクトに伝わらないのは、距離もあるでしょうが、やはり言葉の壁、言葉の壁による民族や人種の壁による影響も大きいのでしょう。それが、この映画のタイトルに込められた意味なのかもしれません。

ただ「バベル」は、良く出来た映画ですが、感動する映画ではありません。例えば、あってもいいけど、なくてもなんとかなる、うまみ調味料のような映画です。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成19年4月28日
劇場:ワーナーマイカルシネマズ板橋
観客数:90人/154席
感涙観客度数:若干
※各ターンは個人的に設定、感涙観客度数は場内の鼻すすり音で推定。

「バベル」は、映画としては無駄にドキドキさせられるだけで感情を揺さぶられるようなことはありませんが、構成などは極めて挑戦的で高い評価を得られて当然といえる映画です。それだけならまだしも、海外のさまざまな映画賞を受賞し、アカデミー賞にノミネートされたことで、日本では絶賛の嵐が吹きまくっています。個人的には何を観て感動するの?と聞きたいのですが。

日本人は自分なりの杓子定規をもっていないか、持っていても自信がない人が多いのか、他人のふりみて我がふり直す人が多いような気がします。かつて、映画ファンの多くがさっぱり意味の分からないアメリカン・ビューティーやTAKESHIS’を最高傑作であるかのように諸手を挙げて評価したように、今回も流行のように「バベル」を絶賛し、菊地凛子を再評価する傾向にあります。ノーベル賞を受賞したからといって慌てて表彰や勲章を授けたり、だらしないったらありゃしないと思うのは僕だけでしょうか。

ついでに紹介!

文中で紹介した「ホテル・ルワンダ」と仏教徒や神道が中心の日本人が、意味はどうであれバベルの塔に親しみを持つきっかけとなった「バビル2世」犬?や鳥?が好きな人が多い中で僕はポセイドン派。

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