« 主役捏造・主役不在 | Main | 既得権益 »

April 16, 2007

情痴アヴァンチュール

CinemaX第133回。

監督:グザヴィエ・ジャノリ
脚本:ジャック・フィエスキ、グザヴィエ・ジャノリ
音楽:アレクサンドル・デスプラ
出演:リュディヴィーヌ・サニエ、ニコラ・デュヴォシェル、ブリュノ・トデスキーニほか
上映時間:107分
(公式サイトはここ

「一反もめん」

東急の株主優待券にはA券とB券があります。一般的にはB券が価値があり、間違って買ってしまったばかりに観てしまった情痴アヴァンチュール、ちょこっとリュディヴィーヌ・サニエが気になる今日この頃ですが、果たしてCinemaXの評価やいかに。

情痴…は、冒頭から暗めの映像とどうでもいいような情景をだらだらみせつけられます。これはフランス映画ならではといえます。邦画でこういうテイストを真似た映画もありますが、英語で俳句をやるのと同じ。邦画では馴染みません。そんな映像が流れた後に主人公、ジュリアンは、美しい女性、ガブリエルが夜の街を裸足で歩いているのを目撃します。序盤は、なんとなく気になる彼女を追い回すという展開です。

ジュリアンがガブリエルに対する、さりげなく、それでいてストーカーさながらで大胆な追いっぷりは、観ている側もひきこまれます。夢遊病を題材に扱っているのですが、キャラクターが直接的に病名を口にすることなく、モンタージュ?によって上手く説明されています。この辺りの設定は、昔ちょこっと話にしようと思っていただけに期待が持てます。ガブリエルの徘徊も「再発」ということでごく自然に説明されています。

ところで、フランス映画の多くは、登場人物が常に下心で動いているような感じがするのは気のせいでしょうか。下心といってもハリウッド映画のようにちょっと共通体験をするとすぐに寝てしまうような直接的なものではないのですが、登場人物の多くが、上品にふるまいながら、結局は下心だけで行動しているような印象を受けます。

ターン1までの評価「B」

情痴…は、出足が良かったものの中盤から失速しはじめます。まずは、ガブリエルが何故か突然ジュリアンとその恋人、セシルの家にやってきます。簡単に接点を作ったという感じでかなりご都合主義の展開です。おまけに、このセシルというキャラの設定がいい加減で、どうでもいいことばかり喋るナレーションは、セシルのモノローグであるにもかかわらず、彼女の行動は行き当たりばったりで、せっかくいい流れで展開しようとしていたストーリーを破壊してしまいます。

ターン2までの評価「C」

後半はもうやりたい放題です。何の脈絡もなくかつてレズだった片鱗をみせたり、浮気相手を簡単に家に上げたり、状況によって会うことを許したり、気まぐれで怒ってケンカしてみたり、いきなり引っ越してみたり、とにかくガブリエルとジュリアン、セシルによる、ご乱行(乱交ではない)のオンパレード。映像が綺麗なのが救いなのですが、フランス人とはこういういい加減な人たちが多いのだと錯覚してしまいそうです。そもそも、彼らの善悪の基準がさっぱり分かりません。

さらに問題なのは、誰が主人公だか分からなくなってしまうというところです。ナレーションはセシル、行動の中心はジュリアンだったのですが、どうも終盤の主役はガブリエルのようです。例えば、海のトリトンの原作本のような主人公が簡単に変わってしまう困った映画です。

最終評価「D」

ゲゲゲの鬼太郎が何度目かのリニューアルを果たし、再びお茶の間に登場しました。今回は便乗して実写版の映画も公開する段取りです。ヤッターマンやガッチャマンも実写かが予定されていて、最近、予告で目にするのは歌謡曲をモチーフにしたオムニバス映画です。安易に昔のコンテンツを利用しすぎのような気がします。これでは頭を使わない安易な開発を続けるパチンコ業界と同じです。

前置きが長くなりましたが、情痴アヴァンチュールは一反もめんのような映画です。出だしはなかなかなのに、一反もめんの尻尾の先のようにうやむやになって終わってしまう…いい役者を揃えただけにもったいない映画といえます。ちなみに今回の文章自体にまとまりがなく、どこか投げやりな感じなのは、この映画のせいです(笑)

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成19年4月13日
劇場:シネマスクエアとうきゅう
観客数:20人/224席
感涙観客度数:皆無

ついでに紹介!

フランス映画のテイストさながらといえる「隠された記憶」僕はこの映画の良さがさっぱり分かりませんでしたが。フランス映画(厳密にいえば日仏合作)で記憶に残るのは「薬指の標本」ですが、どことなくその雰囲気が漂う「マッチポイント」もおすすめです。

|

« 主役捏造・主役不在 | Main | 既得権益 »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/49725/14689612

Listed below are links to weblogs that reference 情痴アヴァンチュール:

« 主役捏造・主役不在 | Main | 既得権益 »