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April 06, 2007

東京タワー オカンとボクと、時々、オトン

CinemaX第131回。

監督:松岡錠司
原作:リリー・フランキー
脚本:松尾スズキ
音楽:上田禎
出演:オダギリジョー、樹木希林、内田也哉子、松たか子、小林薫ほか
上映時間:142分
(公式サイトはここ

「下手クソ」

サラリーマン限定、飲み会つき試写会というものに行って来ました。映画を観た後に、居酒屋に移動してあれこれ話し合うというもの。目新しい企画なのか、テレビカメラを含め取材も多かったような気がします。ちなみに、偏見かもしれませんが、試写会の安かろう悪かろうという雰囲気を作っているのは、中高年の女性(もちろん全てではありません)のような気がするので、男ばかりでも何となく上品な感じがしたのは気のせいでしょうか。

さて、リリー・フランキーの同名小説の映像化では恐らく3回目、昭和ブームに絡めてフジテレビが2時間ドラマと連ドラ今回は日テレが3匹目のどじょうを狙います。ブームの後追いは東映のお家芸が始まったのかと思いきや、松竹でした。何を今さらというような気もしますが、果たしてCinemaXの評価やいかに。

この映画は、1つの特長があるように思います。1つ目は、時代を超えたカットバックです。幼少時、上京時、現在がカットバックのように繋がっています。これは、幼少時からだらだらと時系列順に他人の自伝を見せられるこれまでのドラマに比べ、かなり分かりやすいといえます。キャスティングもボクの母親を樹木希林の若い頃を娘の内田也哉子が演じたり、ボクは子役からオダギリ・ジョー手前まで、比較的似た顔の子供を集めたりと、それなりに苦労のあとがみえます。ただ、机上では成功しているようでも、実は樹木希林母娘で演技力が月とスッポンだったりとか、ボク役の子供が途中でいきなり声が高くなったりとか、気にしなくていいような細かいところが妙に引っかかったりしたのも事実です。

ターン1までの評価「B」

特長の2つ目は、ナレーションを多用していることです。一種の飛び道具のようなものなので、観客には登場人物の心情やシーンの状況がダイレクトに伝えられますが、一方で映画全体の動きがなくなり、紙芝居のような映画になってしまいます。カットバックが激しい割に上手いことシーンが繋がっている映画だと思うので、ナレーションを省略して、もう少し冒険してみてもいいのかな、と思いました。

3つ目は、重要なシーンをカットしていることです。そもそも脚本にないのか、監督が演出上カットしてしまったのか、肝心なシーンまで端折られています。僕が記憶している範囲でも①オカンがミズエに指輪を渡す②オカンの臨終③オカンがミズエに宛てた手紙の内容の3つが省略されています。原作には事後報告のような方法で表現している部分もあるのですが、①は別れていてもオカンの前では恋人であり続けねばならない葛藤、③は物語を締めくくるうえで欠かせない要素といえます。箱開けてボクに泣かせるのなら、ミズエも手紙を読んで何で泣いているのか、観客にきちんと説明しないと。観客全員が原作を読んでいるわけではないのですから。そして②は、樹木希林のこれまでの迫真の演技を台無しにするもので、何を意図して省略したのか、さっぱり理解できませんでした。

最終評価「B」

映画自体はそこそこ面白いのですが、先行したドラマの粗悪品だったためか、やはり何を今さらという印象が残りました。そもそもこの原作の内容は、オカンに感情移入できない限り、女性にはなかなか共感を得にくい内容のような気がするので、ベストセラーになったからといって安易に映像化すること自体が間違っているような気がします。ただし、20~40代の男性以外の層も引き込もうと、過去の粗悪品のように「昭和」にやたらこだわったり、配役で女性を惹きつけようという、あざとい考えはみられないので、一応、原作に忠実な雰囲気を持っているのかな、と思います。ミスキャスト?と噂されたオダギリジョーは案外、かっこよくみえなかったですし。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成19年4月3日
劇場:松竹試写室
観客数:65人?/70席?
感涙観客度数:10%程度
※各ターンは個人的に設定、感涙観客度数は場内の鼻すすり音で推定。
男ばかりで気兼ねなく泣けといわれてもそれはそれで酷です。

個人的な話ですが、うちの母親は東京タワーの前半だけ読んで一言「うちのほうが凄い(ひどい)」と。確かに東京タワーに登場するオトンとオカンに比べれば、うちのほうが遥かにバイアスが振り切れているような気がします。ただ、ボクと僕を比べると遠く足元に及ばないのですが。波乱万丈の人生を過ごしてきた僕の母親は、身体が弱り東京タワーの本の後半を読むことが出来ませんでした。先行した粗悪品を観て、これが東京タワーだと思うのもしのびないので、この映画のDVDが出たら贈ろうと思います。そういう意味では、良くも悪くも原作の雰囲気に近い映画だといえます。

ついでに紹介!

原作本と出演者の不祥事でスミが付き、ヒットのタイミングを逃した感のある。東京タワー(大泉版)。連ドラ(もこみち版)を含め「昭和」にこだわりすぎです。ブームとはいえ、何をいまさら。

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Comments

鑑賞日が平成13年になっていますが、これは間違いでしょうか??

Posted by: 聖香 | April 07, 2007 at 06:35 PM

素早いですね(笑)実を言うとここデジャブ以降の回が平成13年になっていました。ご指摘ありがとうございました。

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