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November 10, 2006

見限り

タウンミーティングでのやらせが発覚しました。2001年から始まったタウンミーティングは、小泉内閣が行った特徴的な取り組みの一つともいえますが、発端の経緯は、田中康夫前長野県知事が始めた「車座集会」に対抗したものだという噂もあります。田中氏は当時「あれは車座集会の猿真似、しかも出席者が予め決められているので民意が反映されない」類のことを言って反発していたことを思い出します。熱心な支援者がいる某与党の集会ならともかく、投票率が5割を切るような政治に無関心な人で溢れかえっている世の中で、こうした集会に市民が積極的に参加して、活発な意見交換が行われるというのは、コンセプトそのものが誤っていたといえるのかもしれません。

そして、ここで噴き出したやらせ。安倍首相の「美しい国へ」発刊日にいわゆる富田メモが財界の機関紙ともいえる日本経済新聞にスクープ記事として掲載されました。これまでの一面トップ記事のほとんどが、大手企業のリークとか、景気が良くなっているとか、上場企業のボーナスが増えたとか、株価が上がったとかいう内容であったことを考えると、極めて異質な記事が紙面を飾ったことは記憶に新しいところです。ほかにも教育基本法改正に取り組む安倍内閣の足を引っ張るように、いじめを苦にした自殺や高校の履修漏れが発覚しています。このタイミングの悪さは、単に偶然では片付けられないような気がします。

安倍内閣では、森内閣から長く続いていた首都機能移転担当大臣が消えました。首都機能移転は、1990年に国会で決議され「いつかは分からないが、そのうち移転する」ということになっていますが、期限に加えて首都の機能を全て移転するのか、皇居まで移転するのかなどさまざまな課題が残されたままになっています。人口の一極集中を避け、都市部の環境問題も緩和できるなどメリットが大きいといいながら、実効性が全くないという、まさに壮大な田舎対応といえます。この担当大臣が消えたということは、首都機能移転に関する見限ったということなのでしょう。結局は栃木・福島、 岐阜・愛知、三重・畿央の人々をぬか喜びさせただけでした。

そう考えると、今さら飛び出したタウンミーティングでのやらせは、面倒臭い行事を見限るには格好の材料となるのでしょう。タウンミーティングに借り出される大臣など国会議員にとっても、直接票には結びつかないような地方にいちいち出向いてお手盛りの議論を繰り返すのは難儀でしょうから。安倍内閣は、このやらせの実態把握が終わるまで、タウンミーティングを中止して、その後は安倍内閣なりのミーティングを開くと言ってはいますが、恐らく今のような規模ではなくなるでしょう。やらせを演出した官僚の処罰も考えているようですが、たとえ更迭してもとかげの尻尾切りに過ぎず、当事者は出世の芽を奪われてもどこかに天下って悠々自適な老後を送ることは約束されるのでしょうから。全て出来レース。ばかばかしい限りです。
Hanahanahana

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