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November 06, 2006

制度ウオッチャー

臓器移植のあり方がいま、問われる事態になっています。兄弟医師の移植ネットワークも凄いですが、どうせ取り出したものだからどう使おうがいいじゃないかという兄の万波誠医師の開き直りも負けてはいません。肝臓では発症までの時間差を利用したドミノ肝移植というものがありますが、癌などの病気で摘出したばかり腎臓ですら需要があるということは、それだけドナーの少なさを物語っているのでしょう。絶対的なドナーの数もさることながら、臓器移植制度そのものに欠陥があるのかもしれません。死体からでも臓器移植が可能な腎臓ですらこの有様ですから。

見境いなく行われる臓器移植は、最近話題になった代理出産のケースに似ているような気がします。たった一つのケースをみれば、腎臓病に苦しむ患者が救われるという美談ですが、それが野放図に繰り返されると話は別。マスコミも兄弟意思やそれを取り巻く人間の行為ばかりを追うのではなく、臓器移植制度とその実態について、国民が理解を深めるように促すのも必要ではないでしょうか。

さて、農林水産省が、海外の日本食レストランに認証制度を設定すべく動き出しました。海外でメチャメチャな日本食を口にしてがっかりする人も多いことから、すぐにでも制度化してくれとの声もきかれますが、今回も有識者会議を集めて審議会を開き、まず制度化という流れで審議を重ねて答申を示し「これが民意だ」と予算要求をして制度化する安易なお役所仕事。他に方法はないのでしょうか。

有識者会議はともかく、これから注目しなければならないのは、農林水産省が直接認定を行わない場合、どこに作業を委託するかということです。お役所にとっては数年前の公益法人改革などどこ吹く風ですから、例えば、新たに財団法人日本食認定センターとか、独立行政法人日本食研究機構とかいう天下り先が作られないか注意しなければなりません。また、既存の認定制度に同じようなものがないかどうかにも注目しましょう。縦割り行政の悲劇でエコマークや省エネラベルのように、コンセプトは同じじゃないの?というようなものも世の中にはありますから。

また、既存の公益法人に委託する場合、その法人が普段、どういう仕事をしているかにも注目すると、いろいろなものが見えてきます。制度そのものが邪な発想で立ち上げられた場合は、特定の公益法人の救済だとか、特定の業界に金が還流される仕組みになっていたりします。これまでも様々な省庁の天下り団体で、表沙汰にはなっていないものの、予算の流用はあちこちで発生していますから。

このほか、認定制度そのものが将来にわたって品質を維持出来るか、その仕組み自体を研究するのも面白いかもしれません。かつては企業などがこぞって取得したエコマークも、結局は金で買えるマークのため、消費者からの信頼が低下したという見方もあります。このほか家電量販店などでやたらとみられるようになった省エネマークも、いつの基準の何%なのかがさっぱり分からず、多くの消費者が内容を理解出来ずにとりあえずマークのあるものを買っている実状を踏まえると、経済産業省や省エネルギーセンターが胸を張るほどの効果はないといえるでしょう。

新しい制度が立ち上がるというのは、①時代の要望②外圧③利権④話題性のいずれかに当てはまるといえます。利権にしがみついているという印象が強い国会議員が農林水産大臣に就任していきなり飛び出した制度ですから、③ではないかと勘繰りたくもなりますが、いずれにしても海外で安心して日本食が食べられるのは良い事だといえます。ただ、もしも特定の誰かの財布が潤うだけで、国家財政をさらに苦しめるような制度になるのなら、これは時代に逆行していると言わざるを得ないでしょう。今後の動向に注目しましょう。
Tennozneko

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Tracked on November 13, 2006 at 02:56 PM

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