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October 26, 2006

パンドラの箱

パナウェーブ研究所の代表が亡くなりました。テレビや新聞では白装束の集団を「日本中を騒がせた集団」と表現していますが、「マスコミが日本中を騒がせているように面白おかしく取り上げた集団」というのが正しいでしょう。話題になる数年前から各地をキャラバンしていたのに話題にもならず、ごく一部のテレビ局などが潜入取材を試みると、オウムばりの過剰な反応を示す集団の信者(?)の行動が異様で面白く、鬼ごっこのような取材が行われたのは記憶に新しいところです。結局この集団は移動することもままならず、ある土地に根付き活動を続けながら、カラスの餌付けなどを行い近隣住民とトラブルになり、テレビなどで定期的に住民達の怒りの声を取り上げていましたが、あの集団を定住させるよう追い込めたのは誰かを考えると、典型的なマッチポンプの構造だということが分かります。

さて、高校での履修不足が問題になっています。テレビや新聞では、この問題の根幹が机上でものごとを判断する文部科学省などと学校現場との乖離であることにあまり触れることもなく、履修不足が発生している都道府県や学校、単位の数ばかりが競うように報じられています。マスコミはいま、教育現場において開けてはならなかったパンドラの箱を開けようとしています。恐らく、金融問題などのような利権や強い力が働くような問題ではないので、箱の中は根こそぎ暴かれることでしょう。

履修不足が発生している学校の種別をまだ把握していないのですが、恐らく、公立高校が中心になっていることが考えられます。また、原因の一つに週休2日制の導入に関係していることが考えられます。週休2日制の導入で、絶対的な授業時間は減少しました。一方でゆとり教育の方針に基づき、補修などを詰め込むことが許される風潮にないばかりか、水曜日は早めに授業を終了したりするなど学校現場では「100円で200円のものを買え」と命令されているような理不尽なカリキュラムを強いられる状況になっています。週休2日制度導入当初から、正課クラブやホームルームなどの時間を削って授業を行うということが問題になっていましたが、その後問題にならないなと思いきや、一部の高校では水面下で受験に役に立たない授業が削られていたことになります。

全ての高校が週休2日制を導入すれば、これほど大きな問題にならなかったのかもしれませんが、制度の導入当初から大きな格差が発生していました。それは、進学率の高い私立高校を中心に土曜日を休みにしなかったことです。表向きは休日ということにして、土曜日に集中的に補習を行っていた学校もあります。これでは授業数に格差がつくのが当たり前で、公立とはいえただでさえ進学状況の改善に躍起になっている学校現場では、格差を埋める方法を考えなければなりません。そこで、受験には関係のない授業が削られるということになったのだと考えられます。

恐らく、履修不足の学校はさらに増える可能性がありますし、公立だけでなくより進学実績の確保に貪欲な一部の私立高校でも同様のことが行われている可能性があります。そして、開けてはならないパンドラの箱の中を暴けば暴くほど、醜い責任転嫁の状況が浮き彫りになってきます。まずは「生徒から受験に関する種目を集中的に勉強したい」と言われたといって世界史などの授業を削った学校側、そして「卒業出来なくては困る」という生徒たち。単位不足を知らなかった生徒には気の毒ですが、父兄を含めて「今までの卒業生はそのまま卒業している。我々だけ卒業出来ないのは不公平だ」という声には身勝手さを感じます。

履修不足は、かつて奇妙な事象と取り上げられたものの、実は日本中のあちこちで起きていたガードレールの謎の突起物のように、ごく身近に発生している問題といえるでしょう。テレビや新聞などでは、これだけ大きく取り上げたのですから、そのまま放置せずきちんと問題提起をしてもらいたいものです。例えば、学校現場で自分たちより優秀な人間を輩出することなく、いつまでも優越感に浸れるようなゆとり教育を浸透させて妙な人間を社会に送り出し、混乱させてしまった文部科学省などの官僚や、自分達のコピーのように権利や義務、自由や平等ばかりを訴える妙な子供ばかりを育ててしまった日教組など教員集団のあり方について、とか。でなければ、今回もまた文部科学省がそこそこの特例を出して生徒を卒業させ、その後は何が学識経験なのかさっぱりわからない、学識経験者を集めて検討させて「これが民意だ」ということで制度を面倒くさくない程度にちょこちょこっと変えるだけの誤魔化しで煙にまかれかねませんから。
U2101
U2102

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