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September 07, 2006

おめでたい

秋篠宮妃紀子さまが男子を出産しました。まずはおめでとうございます。昨日のテレビは、うんざりするほど皇族方の映像を見ることが出来ました。紀子さまの身体を張った壮大なプロジェクトは、超高度な男女の産み分けが試されたのかもしれないなということが推測されます。それ以上に微妙な空気が感じられるのは、現在の皇室典範では将来的に系図が少しズレてしまうこと(天皇家から弟宮=つまり秋篠宮家に皇位継承権が移動してしまうこと)、皇室典範改正に関する騒動に釘を刺すという、何だか政略的ともとれるようなタイミングで男子が誕生したことなどが挙げられるでしょう。

仕組まれたようなタイミングで皇室に男子が誕生したことに少し引っかかるものを覚えた人も多いかもしれませんが、皇位継承権が兄弟や親族の間で異動するのは歴史上、ありふれたことですし、政略的に男子を誕生させるということも珍しいことではありません。たまたま何代か続けて長兄が皇位を継承してきたまでのことで、我々一般庶民が皇位継承とはそういうものだと思い込んでいるだけに過ぎないといってもいいでしょう。今回は特に、国内の盛り上がりも最高潮です。愛子さまが誕生した時は、皇室にお子さまが誕生したという点では国内ではお祝いムードにシフトしましたが、微妙な空気が流れていたことは確かです。当時、男女平等の社会といいながらもこの空気は何だ?と疑問に感じたことを思い出します。

今回のお祝いムードも偽善の香りがプンプンしていました。今回こそ男子誕生に間違いなかろうという雰囲気で溢れていたので、こいのぼりまで準備する商店街まであらわれましたが、パンダの出産ではないのですから、生まれた子供に過度な期待をかけられるのが何だか気の毒に思えてなりません。産まれたのは男子なので、彼は国民がギリギリと押し付けている重圧を背負いながら育っていかなければなりませんし、仮に女子だったとしたら、微妙なエピソードを背負って生きていかなければなりません。仮に魂が順番に肉体に詰められてこの世に生を受けるようなシステムなら、前後の魂はそのへんの家にポンと産まれ、とある魂だけが24時間公務という物凄い運命を背負って産まれてくる…この差は何なのだろうと考えれば考えるほど、夜も寝られなくなりそうです。

女性天皇、女系天皇を目指す皇室典範改正はこれでクールダウンすることと思われますが、前にも日記で触れたとおり、女性の社会参加という流れに乗って、なにが有識なのかが分からない有識者の皆さんを集めて行われた、たった数回の会議によるとりまとめを契機に長らく父系で継承されてきた天皇家の流れを変えてしまうことは、時期尚早の感が否めませんでしたから、先送りすることも悪くはないでしょう。ただ、内親王は結婚すると臣籍降下するというルールでは、将来的に皇族そのものが減少してしまいます。

そこで、あらためて旧宮家を皇族に戻すという考えが浮上しています。皇族の男子誕生でこの話題は立ち消えになるかと思いきや、テレビでは最近でも両論併記ということで時折、持ち上がります。最も注目されるのが旧皇族の家系で育ったあの若者です。ここで何度か触れましたが、彼はいろいろなエピソードを持っていて、父親から「お前には職業選択の自由はないと言われた」というものの、様々な肩書きを背負って社会に登場しては消えていたのを目撃した人が大勢います。そんな僕も、ガソリン添加剤を売る彼に出くわしたことがあります。職業が選択出来ずに、あの仕事をやっていたのかなあと首を傾げてしまいます。まあ、どうでもいいことですが。

偽善といえば、山口の高専生殺害容疑で指名手配されていた少年と思われる遺体が発見されました。指名手配しても名前や顔すら分からず、一般市民も情報提供のしようがないなかで、こうした結末になる可能性があることを予想していた人は少なくないはずです。少年法という壁があるにせよ、バイクや服装の特徴を小出しにして情報提供を求めるとは、山口県警は一体何がやりたかったのでしょうか。少年は事件発生直後に自殺した可能性が高いとみられていますが、何があっても少年犯罪者の人権を尊重するという偽善的な判断だけで身内だけで捜査を進め、殆どないと言っていい情報で一般市民から情報を募る…それで警察が説明するように最大限捜査に努力したといえるでしょうか。

少年が仮に数日間逃走して、手段がなくなり自殺したとするならば、捜査の手をこまねいている間に自殺してしまった桶川女子大生ストーカー殺人の主犯の男のケースに酷似しています。秋田での2児殺害事件でもそうでしたが、警察の初動捜査の手ぬるさが事件を大きくするケースが多発しているように思います。殺害された高専生の両親は「同級生には20歳の人もいる」とコメントしていました。仮に容疑者があと数ヶ月早く産まれていれば、公表された情報をもとに即座に逮捕され、動機が判明し、一生をかけてでも罪を償うことを求めることが出来たはずです。犯罪と年齢に関する問題は、度々クローズアップされます。日付変更線のようにどこかに線引きをしなければならない問題なのですが、今回のような特殊なケースでも頑なに実名や顔写真の公表を拒み続けた山口県警の頑固さ、偽善的な態度、そして硬直的ともいえる少年法の考え方そのものに疑問を感じます。

マスコミにも不信感を抱いてしまいます。和歌山毒物カレー事件などによる行き過ぎた報道を反省して、凶悪事件に関する報道では横並び精神が一層強まったとされる大手メディアですが、秋田2児殺害では加害者を追い回しながら、彼女が逮捕されるまで一切報道せず、逮捕されるや否や、映像を残り一滴まで垂れ流すという陰険さが目立ちました。今回もそうです。容疑者の遺体が発見され、実名や顔写真が公表されるや否や、写真からモザイクを外し、実は分かっていたんだよとばかりに今まで蓄積していたことを一滴残らず垂れ流そうとしています。これで少年法の矛盾を突く資格はあるのでしょうか。

ジョンベネちゃん殺害容疑で男が逮捕されましたが後日、無関係であることが判明されました。いかにも怪しげな風貌も手伝って、アメリカのマスコミはこの男の過去の履歴から素性まで細かく報道する一方、ジョンベネちゃんの家族までも容疑者扱いにした当時の過熱報道を自ら批判していました。当時からアメリカからのニュースソースを鵜呑みにしてしまっていた日本のマスコミは今回も同調していましたが結局、当時と同じ轍を踏んでしまいました。大手メディアの方々は、こういうのは横並びだから大丈夫と思うかもしれませんが、今はインターネットで個人間で情報がやりとり出来る時代です。与えられたソースを料理するだけでは、そのうち存在価値そのものがなくなる可能性があることを肝に銘じるべきでしょう。
Himawariri

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