« X-MEN:ファイナルディシジョン | Main | 時代のうねり »

September 18, 2006

横並び

間もなく午前11時、吉野家が牛丼の販売を復活させます。1日限定で、それ以降、暫くは数日間の限定のようですが、店頭で牛丼を扱うのは、日本中の残り肉を掻き集めて限定販売して以来のことになります。テレビでは恐らく昼のニュースから、新聞も夕刊からこのことを大々的に報じるかもしれません。今日は休日なのでサラリーマンの姿は少ないとは思いますが、恐らく、有楽町駅前の吉野家などでは、テレビカメラがウロウロしていて、サラリーマンを掴まえては「この日を待っていました」というコメントを引っ張り出し、郊外の店では、家族連れから「多少の不安は残るけど、食べたいものは食べたい」などのコメントを放送するのでしょう。そして、売り切れた店舗で客が暴れただの、超だの行列でトラブルなど、日本列島が牛丼一色に染まったようなまとめ方をするのかもしれません。確かに、吉野家の牛丼は他を寄せ付けない美味さはありますが、だからといって日本中がフィーバーするわけがありません。テレビなどがこのことをどう扱うか、注目してみるのもいいでしょう。

牛丼に関して一つ忘れてならないのは、吉野家以外の牛丼チェーンのほとんどは、牛丼販売を中止せず国産牛に切り替えて販売を続けたり、大手チェーンでも中止後間もなく販売を再開しているということです。テレビや新聞では恐らく、このことに触れることはないでしょう。自分たちが煽るフィーバーに水を差してしまうことになるからです。これまでBSEの危険性を挙げ、米国からの牛肉輸入再開の曖昧なプロセスを批判しする一方、別の顔で、さんざん煽りながら牛丼フィーバーを演出する…その二面性がどうも理解できません。「改悪」された年金問題など様々な政策の欠陥を指摘する一方で、その制度を生み出した根源である小泉内閣を面と向かって批判しないことに似ています。おまけに、小泉首相を扱ったドラマまで放映する…消費者金融に対する手厚い保護が問題になり、「誰のための改革か」と吼えた新聞もありましたが、大手マスメディアのこうした支離滅裂、腰抜けの行動を見ていると「誰のための報道か」と問いただしたくなります。

最近では、麻原彰晃の死刑確定に絡み、テレビ各局はアーレフの上祐史浩代表を引っ張り出しました。中には生中継でインタビューするニュース番組もありましたが、一つの節目とはいえ、何故こうも横並びに上祐氏を引っ張り出したのか、疑問を感じずにはいられません。「一区切りでもあるから、代表からコメントを出したい」というアーレフからの申し出があったのなら少しは理解できますが、テレビ各局からアプローチしたのではないかというのが自然な考えでしょう。そうでなかったにせよ、これまでアーレフを隠れ蓑になおも活動を続ける教団を批判してきた訳ですから、未だに広告塔ともなり得る彼を引っ張り出すことで、信者やその家族に対する差別や偏見の目を助長させたり、信者らの士気(?)を高めたり、入信しようか迷っている人の背中を押したりすることに加担してしまうかもしれないことを考えなかったのでしょうか。

同じく死刑確定に絡み、公安調査庁が全国の教団施設で一斉立ち入り検査を行いました。このことを淡々と報じる辺り、かつてマスメディアで過熱した公安調査庁不要論や、今回の検査の根拠となる団体規制法の危険性をしてきしたのが嘘のようです。今回の検査も何を目的にやったのかは我々一般の人間でも理解し難く「とりあえず何をするか分からないから、調べちゃえ」「怪しいものは封じ込めてしまえ」「公安調査庁の存在感を示してやれ」という意図が見え隠れします。もちろん、そのことにマスメディアが触れる気配なし。これもまた「誰のための報道か」と大いに疑問が残る事件でした。
Cp06

|

« X-MEN:ファイナルディシジョン | Main | 時代のうねり »

Comments

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/49725/11940561

Listed below are links to weblogs that reference 横並び:

» モビット [モビット]
モビット [Read More]

Tracked on September 19, 2006 at 12:23 AM

« X-MEN:ファイナルディシジョン | Main | 時代のうねり »