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August 17, 2006

論点

また台風が接近しています。今年は猛暑も手伝って、日本近海では台風が発生しやすい状況にあるようです。時折大地に打ち付ける激しいスコールのような雨は、幼い頃体験した夕立のような趣もなく、日本が熱帯化していることを実感させてくれます。それにしても予報の当たらないこと。日記で何度か触れましたが、気象予報士制度が始まり、ピンポイントや時系列でのきめ細かな予報が出るようになったのはいいのですが、一方で予報の大外れが目立ってきているような気もしなくもありません。数時間前に予報を変えられても困りますし、外れたからといって予報士が理由をずらずら並べて言い訳をするのも見苦しいような気がします。

台風10号は今後、九州などに上陸する可能性が出てきましたが先日、テレビなどで「いよいよ上陸か」「首都圏を直撃か」と世間を煽りまくってはしゃいでいた割に関東の南をかすめただけの台風のように寸止めで回避するかもしれません。第一、この台風10号だって当初の予報とは違う動きをしているわけですし。天気予報とは時に災害に繋がり命にも関わるほど重要なことです。最近ではよりオリジナリティを求めるような予報士も増えているような気がします。予報士個人のこだわりも分かりますが、慎重に発表してほしいものです。

さて、根室沖で漁船がロシアの警備艇に拿捕されました。一人は死亡。まずはお悔やみを申し上げます。麻生外相が呼びつけたロシアの駐日臨時代理大使といきなり握手する光景は不可思議でしたが、日本国内ではロシアへの非難が高まっていますし、テレビや新聞もこの事件を大々的に扱っています。漁船の乗組員を銃撃して殺すというのはあまりにも行きすぎですが、今回の問題について、どうも歯切れが悪い感じもしなくはありません。この歯切れの悪さについて考えてみましょう。

まずは、この事件は北方領土問題が絡んでいます。漁船が拿捕された海域は日本固有の領土の周辺、つまり領海であり、銃撃を受けるいわれはないのですが、ロシア側も領有権を主張していますので、このことを理由に現時点で速やかに問題を解決するのは難しいでしょう。漁船は、便宜上日本が引いている日ロ中間線を越えてカニ漁をしていました。この線は北方領土を放棄するものではなく、これを越えるとロシアに拿捕される可能性がありますよ、というものです。それを越えて操業をしていたのですから、厳密に考えると漁船の側にも落ち度がなかったとはいえません。

この問題を山陰沖に置き換えます。山陰沖でも韓国など他国船籍のカニ漁が問題になっています。彼らは資源保護のため日本では禁猟になっている期間でも領海に入り込んで根こそぎカニを捕獲していきます。海上保安庁は警戒をしていますが、事前事後を通じていろんなルールにがんじがらめになり、北朝鮮の工作船に発砲するのがやっとの状況ですから、密漁を行っている漁船もそんなぬるい警備だといざとなったらカニかごを捨てて逃げてしまいます。ちなみに今回拿捕された漁船もロシア警備艇に拿捕される前は必死にカニやカニかごを捨てていたといいますから、領土問題は抜きにして、漁船の乗組員にとって、不本意ながらこれは密漁だという後ろめたさはあったのかもしれません。

ここで注目しなければならないのは、山陰沖で密漁を繰り返す他国船籍の漁船の乗組員に対する日本人としての感情です。日本人からみれば極端な話「銃撃して船を沈めてしまえ」とか「そんな悪いことをする乗組員は殺してしまえ」と思いませんか?北朝鮮の工作船が海上保安庁の巡視艇から銃撃されて爆沈するのをみて、清々した人は多いはずです。今回の事件で亡くなった乗組員は、ロシア警備艇の流れ弾に当たったとの見方もありますが、この船が密漁(ロシア側から見て)を繰り返していたのではないかとの情報もありますから、ロシアの警備艇でカラシニコフを手にした乗組員はもっと違った感情を抱いていたのかもしれません。自分たちの内にも秘めているかもしれないこういう感情を抜きにして「拿捕は不当だ」と主張するだけというのは、あまりにも偽善的すぎるような気がします。

もちろん、殺せと思うのと実際に殺すのとでは大違いですし、今回のロシアの行動は非難されるべきでしょう。もう一つ注意しなければならないのは、漁船の乗組員への同情一辺倒だったマスコミが今後、どのように主張を変えてくるか、です。特に最近のマスコミは変わり身が早いですから、惑わされないように注意する必要があります。テレビや新聞では今回の事件について、領土問題を先送りしていたことに原因がある、と誰でも分かりそうなことを高飛車に主張していますが、彼ら自身もこの種の問題に何度も食いついては、核心に触れることなく吐き出してきたのではないかという気がします。マスコミに煽られて、暫く国内では北方領土問題への関心が高まるでしょうが、例えば秋篠宮妃殿下が男児を産んだりなんかするとそれまでの論調は消し飛んでしまうことが懸念されます。問題を先送りにしないためには、マスコミが常に監視をし、国民の関心を高めていくことが必要だと思います。太陽系に惑星が増えたことを大々的に報じている場合ではありません。
Zoomin

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