« 論点 | Main | マッチポイント »

August 29, 2006

森のリトル・ギャング

CinemaX弟99回。

監督:ティム・ジョンソン、キャリー・カークパトリック
製作総指揮:ビル・ダマスキ
原作: マイケル・フライ、T・ルイス
脚本:レン・ブラム、ローン・キャメロン、デヴィッド・ホセルトンほか
音楽:ルパート・グレグソン=ウィリアムズ
声の出演:ブルース・ウィリス、ギャリー・シャンドリング、スティーヴ・カレルほか
(日本語吹替え版:役所広司、武田鉄矢、石原良純、夏木マリ、BoA、友近、カンニング竹山ほか)
上映時間:84分
(公式サイトはここ

「種蒔いて収穫せず」

更新が長らく滞っていました。今回もCGアニメです。アニメが好きというわけではないのですが、最近の洋画はCGアニメの乱発、実写はシリーズモノや何か有名なキャラクターがその地位に至るまでというビギンズものが増えているので、選択肢が狭まっているような気がします。一方で邦画は無理に映画にする必要のない無駄撃ちばかり…映画人気がどこまで続くか心配になってきます。例えば、視聴率の稼ぎ頭からあっという間に転げ落ちた巨人戦の凋落ぶりを踏まえると、他人事ではないような気がするのですが。

さて、今回は字幕版を選択しました。多くの映画は字幕、吹替えを併映しているのですが、この映画は吹替え版だらけ。毎回、この手の映画では「声優初挑戦」タレントを含む素人声優のヘタレ仕事が気になるのですが、この映画は脇役までタレントや俳優で固めるという徹底ぶり。キャラクターの見た目の可愛さや本編の短さを考えるとこういう方法でも簡単にやっつけられると考えたのでしょうか。

もちろん、声優と俳優の中間的存在の人(戸田恵子とか)や声優を器用にこなすタレントもいますが、中には論外ともいえる人もいるわけで…日本には専門職の声優がいるので、わざわざハリウッドの真似をしなくてもいいような気がするのですが。RJの声を担当したフルース・ウィリスは可もなく不可もないという感じでしたが、こうした有名俳優を声優として起用するにも、日米ではレベルが違いすぎているような気がします。声優の安心感を実感するには依然として人気が続く「パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト」 の吹替え版をご覧になるといいでしょう。人気映画にもかかわらず盲点を突くように声優陣で固められています。ジョニー・デップの微妙な息遣いは字幕版でしか体感できませんが、吹替え版はやっぱり声優だなとあらためて感じさせられます。

さて、森のリトル・ギャングは、原題は「OVER THE HEDGE」で内容のまんまです。都市開発のスピードが速く、僅か一冬で周囲を住宅地に囲まれてしまった悲劇の野生動物たちが主人公です。都市化が進み人間とペンギンと共生するようになってしまったオーストラリアのどこかの街のような雰囲気です。動物達は、生垣の向こうの家に忍び込むと食べ物などを簡単に手に入れられることを知り、ためらいながらも次第にギャングとして暗躍し始めます。その一方で主人公のRJは、仲間が集めた物資をクマに上納することを計画しているわけで…詳しいあらすじは公式サイトや他の映画批評サイトを確認して頂くとして、主役級のキャラクターの映画での目的がはっきりしているのは、この映画で評価すべき点といえるでしょう。

ターン1までの評価「B」

森のリトル・ギャングの欠点は、範囲があまりにも狭すぎるということです。ファインディング・ニモでは息子のために壮大な距離を旅する父親、アイス・エイジポーラー・エクスプレス、最近のカーズも相当な距離を移動しています。アニメとは、実写では不可能なスピード感やカメラアングルを表現できるというメリットがありますが、森のリトル・ギャングでは、空飛ぶカート(?)やテンションの高いキャラクターのハミーが活躍する後半のシーンぐらいです。この2つのシーンが、この映画の数少ない見所ともいえるのですが。

ターン2までの評価「C」

封切後しばらく放映されていたCMでドン亀のヴァーンが「君も家族だ」と言っていたように、ベタなセリフの応酬でRJは、クマとの約束を破棄してあっさり改心してしまいます。これが突然すぎますし、実は作品の冒頭で哀愁感を漂わせる要素となっていた都市開発についても、何の解決もされないまま、主人公とクマとのドタバタ劇で終わってしまいます。面白いテーマとなり得る設定なのに、冒頭の説明に使っただけであとは放置。種蒔いて収穫せず。もったいない話です。

森のリトル・ギャングは、主人公の心の変化という要素はムリムリに押し込められているので映画としては成立しているように感じますが、パンチのなさが目立ちました。戦術もなく選手が右往左往するだけのヘタレなサッカーを観ているようです。まあ、キャラクターが可愛くて観ているだけでどうにか楽しめるのは救いだと思いますが。

最終評価「C」

CGアニメの乱発もさることながら、いろんなタレントを実力を考えないままに声優に初挑戦させる、観客を小バカにしたようなキャスティングは、いい加減に考え直してほしいものです。劇場まで足を運び、高い金を払って映画を観ているわけですから。そんなことで観客が稼げるのなら東京フレンズなんかは大ヒットです。観客はそんなにバカじゃない。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成18年8月11日
劇場:テアトル池袋
観客数:20/162席
感涙観客度数:
※各ターンは個人的に設定、感涙観客度数は場内の鼻すすり音で推定。

ついでに紹介!

東京フレンズの元ネタ。ファン向けにDVDでちょこっと作るのと、映画そのものを楽しみたいフファンを含め多くの観客を相手にするのとはレベルが違うことを認識してほしいもの。

|

« 論点 | Main | マッチポイント »

Comments

I pay a visit daily some websites and sites to read articles or reviews, but this web site gives quality based articles.

Posted by: databaseadministratoren | April 06, 2014 at 11:14 PM

It's really a great and useful piece of information. I am satisfied that you simply shared this useful information with us. Please keep us informed like this. Thanks for sharing.

Posted by: Sima | April 22, 2014 at 08:07 PM

At this time it seems like Drupal is the preferred blogging platform out there right now. (from what I've read) Is that what you're using on your blog?

Posted by: Elisabeth | April 25, 2014 at 02:06 PM

Its such as you learn my thoughts! You appear to understand so much approximately this, like you wrote the e book in it or something. I think that you simply could do with a feew percent to pressure the message home a bit, however instead of that, that is excellent blog. A great read. I'll definitely be back.

Posted by: Tyson | June 26, 2014 at 07:45 AM

Wow, amazing weblog layout! How lengthy have you been blogging for? you made running a blog look easy. The full look of your website is fantastic, let alone the content!

Posted by: Fidel | August 15, 2014 at 02:39 AM

Heya i am for the first time here. I found this board and I find It truly useful & it helped me out a lot. I hope to give something back and help others like you helped me.

Posted by: Felton | August 26, 2014 at 10:34 PM

I delight in, lead to I found just what I was looking for. You have ended my four day long hunt! God Bless you man. Have a nice day. Bye

Posted by: Anthony | August 26, 2014 at 11:44 PM

It's impressive that you are getting thoughts from this paragraph as well as from our dialogue made here.

Posted by: Mayme | September 05, 2014 at 09:15 AM

Hi there to all, because I am genuinely keen of reading this webpage's post to be updated daily. It includes good data.

Posted by: Sabrina | February 16, 2015 at 02:50 AM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/49725/11581948

Listed below are links to weblogs that reference 森のリトル・ギャング:

» 鉄板少女アカネas堀北真希ちゃん [瞬★旬!キーワード〜このヒトだあれ?]
堀北真希ちゃん主演でドラマ化決定。 10月15日スタートのTBS系日曜劇場「鉄板少女アカネ!!」(日曜後9:00)に堀北真希ちゃんが主演する。 ・・・ [Read More]

Tracked on September 14, 2006 at 09:18 AM

« 論点 | Main | マッチポイント »