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July 28, 2006

パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト

CinemaX第96回。クンロク大関。

パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
監督:ゴア・ヴァービンスキー
製作総指揮」ブルース・ヘンドリックス、エリック・マクレオドほか
脚本:テッド・エリオット、テリー・ロッシオ
音楽:ハンス・ジマー
出演:ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイほか
上映時間:151分
(公式サイトはここ

「声優ガンバレ」

パイレーツ・オブ・カリビアンの第2弾です。映画をもとにしたアトラクションが多いディズニーランドで、逆にアトラクションをもとにした映画が何本か製作されました。その一つが、パイレーツ・オブ・カリビアンです。原作もない映画なのに大ヒットしたのが「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」でした。僕は寝不足だったせいか秒殺で眠ってしまった映画でもあるのですが。

2匹目のどじょうを狙う「デッドマンズ・チェスト」は、先行上映から前作のファンや「ディズニー映画全て良し」という信者、ジョニー・デップのファンなどで大盛り上がりでした。ジョニー・デップ本人も来日していますが、広告代理店の強引なPRでどうにかこうにかスタートは観客を騙せたあの映画に比べれば地味なものです。3匹目のどじょうも一気に撮影しているようです。かくしてパイレーツ・オブ・カリビアン3部作、骨まで捨てるところがない鮟鱇のようになっています。

ちなみに今回は、東映株主優待券の最後の1枚を使いました。3、4月で2枚、5、6、7月で3枚という中途半端なチケットを上手いこと使いきるのは大変です。2枚あれば、渋谷TOEI②ブレイブ・ストーリー(何故かこの劇場の場合は2枚必要)、ところが1枚ないので、バルトの楽園をもう一回観るか、パイレーツ・オブ・カリビアンを観るか、選択肢は事実上1つでした。バラバラに切って使える東宝などと違い、株主優待券の使いづらさ一つとっても、今の東映の迷走を物語っているような気がしてなりません。

本編スタートです。今回はスケジュールの関係もあって、吹替版でした。パイレーツ…のヒットに不可欠だったジョニー・デップの息遣いが全く伝わらないのは残念でしたが、これだけ話題性のある映画なのに、意外にも吹替版はプロの声優陣で固められていました。ということなので、話題作りのために無能なタレントや芸人、アイドルを声優に起用するという、声優で飯を食っている人々をバカにしているような吹替ではないので、安心して観ることが出来ました。

この映画、やっぱりジャック・スパロウを演じるジョニー・デップ一人が支えているといっても過言ではない映画です。無茶苦茶なジャックの性格も魅力ですし、最初に紛れ込んでしまう島のシーンは、全体の構成上、あれほど長くする必要は全くないと思うのですが、次から次へと趣向をこらしたアクションが続きます。「良くこんなこと考えるよな」と感心してしまいます。良い映画はシーンが横ではなく立体的に重なっていくものだといわれますが、これも一種の立体感なのかもしれません。何も考えず、ボーっと観ていられます。

ターン1までの評価「B」

円形の檻、背中にくくりつけられたままの竹竿(?)、水車など、この映画ではあらゆるものがアトラクションで、強引にアクションシーンに繋げられています。強引ですが、それをねじ伏せているのは、やはりジョニー・デップの存在感といえるでしょう。ストーリーでは確かに、主役級の人物が決して巡り合う確率が極めて低い状況でいとも簡単に再会してしまったり、サイコロとカギを使った賭けなどの行き当たりばったりの展開もあちこちにあります。それは、1作目のヒットに味をしめ、話を無茶苦茶にこじつけながら2作目、3作目と調子に乗った「オースティン・パワーズ」の強引さほどではないですが、良く考えるとツッコミどころが結構あります。

宝箱を巡っての騒動も典型的なドタバタですが、そういう展開でも見入ってしまうのは、意外にしっかりしたストーリーとCGの力でしょう。亡霊(?)たちといい、巨大タコといい、さすがに金をかけたCGは観客を惹きつけます。一つだけ疑問なのは終盤、キーラ・ナイトレイ演じるエリザベスがジャックを船に繋ぎとめてしまったところでした。タイタニックで船が沈没した後、ローズが凍死したジャックを沈めてしまうシーンは話題になりましたが、これらは男女で理解度の差が出る部分なのかもしれません。

ターン2までの評価「B」

ラストシーンは、第3弾への繋ぎの部分になります。ネタバレに注意しなければなりませんが、次回作は主役級のキャラクターたちは、地球の果てにジャック・スパロウを捜索に行く話のようです。そこに、ジャックを船に繋ぎとめてしまった(詳しくは映画を観て下さい)エリザベスも加わっています。ジャックを繋ぎとめてしまったことを何となく後悔しているようなエリザベスと、ジャックは人柱として船に残ったんだと信じているその他のキャラクターとの心境の差がキーになることでしょう。キャラクターに上手い「傷」を入れたことで、話に厚みが増してくることでしょう。

3部作の第2弾というのは、往々にして展開がダラダラして、状況説明だけに終始しがちで評価が低い映画が少なくはないのですが、デッドマンズ・チェストは間延びした感もありますが、ジャック、エリザベスなどのキャラクターが何となく心変わりをしそうになるという、映画としての重要な要素もこっそりと組み込まれています。破天荒な映画のようで意外に骨がある映画といえます。何よりも原作なしで短期間で壮大な物語をぶち上げようとする意欲は評価したいと思います。

ターン3までの評価「B」

最後のオチは、予測の範囲を超えていませんでしたが、観客の頭のどこかに引っかかっていたものをしっかりとフォローしてくれるのは、好印象です。吹替版では、エンドロールの最後に声優陣の名前が地味に紹介されますので、途中で席を立つことなく、彼らの仕事を労ってあげましょう。やっぱり、声優はプロの声優にやってもらうのが一番です。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成18年7月27日
劇場:丸の内TOEI②
観客数:30/360席
感涙観客度数:不明
※各ターンは個人的に設定、感涙観客度数は場内の鼻すすり音で推定。

ついでに紹介!

前作「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」と幼心には難しすぎた「すすめ!パイレーツ」の復刻版。よく考えると、この映画も「ミッション・インポッシブル」に対する「スパイ大作戦」と同様に多くの日本人が馴染んでいるネーミングと映画のタイトルが乖離している悲しい作品ですね。一般的には「カリブの海賊」なので、わざわざカタカナまみれにするより、こちらのほうがすっきりしたのでは? なんて思います。

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