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July 19, 2006

M:i:III

M:i:III

監督 J・J・エイブラムス
出演もしくは声の出演 トム・クルーズ、フィリップ・シーモア・ホフマン、ヴィング・レイムスほか
上映時間:126分
(公式サイトはここ

「ア・ムジナ・リブズ…」

Wmcitabashi
3連休のワーナーマイカル板橋は凄いことになっていました。パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェストの先行上映が重なったこともあり、アニメでも実写でもディズニー全て良しと手放しで飛びつくファンや、ジョニー・デップ教の信者たちが押し寄せたこともあるでしょうが、配給各社が自信作の封切のタイミングを夏休み第一弾に合わせたこと、上映中の映画にも人気の作品が残っていることなどで、長嶋巨人並みにエースと4番を集中させた状態になっていることも理由の一つといえるでしょう。

それらの映画の中にはPRだけで観客を騙していそうな映画もあるとの声もなきにしもあらずですが、7月後半には、これまた諸手を挙げて「ジブリ全て良し」とする方々が飛びつきそうな映画も控えています。今度は息子が監督で。多くの人間が観てもいないのにヤフーなどで高い評価を下すという状況は異常ですが、それもジャパニメーションを世界に広めたジブリの功績ともいえます。ただ、国内ではジブリ以外はペンペン草の状態にしてしまったという功罪もありますが。ブレイブ・ストーリー、ちょっと心配です。

さて今回は、ミッションインポッシブルⅢです。ちなみに「2」の表記は「M:ⅰ-2」です。これだけバラバラなのは、同じ文章「です・ます」と「である」がゴチャゴチャだったり、漢数字と英数字が不規則に使われているダメな人のようです。今回の監督はJ・J・エイブラムスです。エイリアスやLOSTなど米国のドラマで製作総指揮として活躍中の人です。気になるのは、余計なキャラを満載して、リヴ・タイラーのプロモーションビデオみたいになってしまったアルマゲドンの脚本を担当していることですが。果たして、CinemaXの評価やいかに。

本編は冒頭から緊迫感に溢れています。インサイド・マンでも同様のシーンがありましたが、あちらはせっかくのシーンを見殺しにする構成でした。この冒頭のシーンをきちんと拾っているかは、後に触れるとして、囚われの身となったスパイの救出作戦は迫力がありましたし、その作戦の失敗によって、主人公、イーサンの動機と観る側の感情移入がなされます。かなり強引な技ともいえますが、良い映画に必要な必要最低条件はそろいました。

ターン1までの評価「A」

イーサンは犯人を捕らえるものの、みすみす逃してしまい、その背後に内部の裏切りがあったことを知ります。これ以上書くとネタバレになるのですが、裏切りは過去同じような映画で使い尽くされていますし、確か劇場版最初のミッション・インポッシブルでも裏切りがあったはずです。あの時は、イーサンが「そういえばおかしかったぞ」と頭の中で過去を振り返って全て説明してしまうという、2時間サスペンスの崖の上ばりの強引な技を使っていました。

ちなみに、冒頭でイーサンが技術を披露する読唇術ですが、これは中盤の大きなカギになります。これを序盤に出すことによって、過去のシリーズを観ていない人でも、このイーサン・ハントという男は平凡なようで実はタダモノではないなと分かりますし、例えば、劇場版リングのように、何かに触ることで全てを把握してしまうという飛び道具のような技能を突然、ひけらかして観客に置いてけぼりをくわせてしまうようなことも防止できます。

ターン2までの評価「B」

ストーリーが進んでも、観客の頭には冒頭シーンがずっと引っかかり続けるのですが、数回の派手なアクションシーンを経て、やっとその場面に到達します。きちんと拾っています。実はそこからストーリーが二転、三転するのですが、一度だけの裏切りじゃ埋もれてしまうぞという、監督の意図があらわれているような感じがします。恐らく、J・J・エイブラムス自体が、トム・クルーズに負けないぐらいスパイ大作戦(邦題)が好きだったんだろうなという感じがします。原作モノやリメイクなどの場合、どの程度作品に思い入れがあるかによって映画の出来が左右されるのは間違いないのですが、思い入れがありすぎて失敗するケースもあるようですし、映像の技術だけで監督を起用して、小さい頃からそのアニメを観ていて思い入れ満々で出演した俳優が結局、CMのナレーションだけで気を紛らすしかなかったという、かわいそうな映画もあります。いっそのこと唐沢寿明に撮らせればよかったのに、キャシャーン。

後半のストーリーはグジャグジャなのですが、なんとなくまとまっています。でも、よく考えるとグジャグジャ。前作に比べるとミンション・インポッシブルの醍醐味であるチームプレイは見所なのですが、よく考えると、面白い道具は使っていても、「ああ、なるほどな」と膝を打つような作戦はほとんどありません。上海のビルに忍び込むシーンも、忍び込むとは程遠いド派手な侵入の一方で、どうやってお宝(?)を強奪したのかは描かれていません。

彼らも、君らスパイか?と問われれば、あれほど街中でドンパチやっているわけですから、胸を張って「こっそり任務を果たしています」とは言えないことでしょう。キーになる犯人達は殺されて、ラビットフットの存在を明かさぬまま終わるのは賛否両論ありそうですが、あまり気にならないということは無理に話をこじつけないのは、観客を混乱させないという意味では良かったのでしょうか。

ただ、監督が焦点を当てたという、スパイの家族という点には回帰しています。終わり良ければ全てよしということなのでしょう。これから先、9・11関連の映画が2本公開されます。どれも美談としての性格が強い映画のようですが、一方であの事件はでっち上げという噂もあります。M:i:IIIはこの辺りのアメリカの闇の部分にチクリと針を刺したような内容でした。もちろん、でっち上げの真偽は分かりませんが。

最終評価「A」

これも賛否両論あるかもしれませんが、シリーズを全く見ていない人でも楽しめる内容であることは、大いに評価できるでしょう。ストーリーや設定において煙に巻かれた感も否めませんが、何も考えずに楽しめる映画も世の中には必要です。ちなみに、テーマ曲も前半はオリジナルに近い変拍子(5/4あるいは10/8)の色合いが濃くなっています。最初の映画化では8ビートにしてスピード感がすっかり殺されていましたが、この点はオリジナルのセンスを生かしているので好感が持てます。劇場版はずっと原題の「ミッション・インポッシブル」をそのままタイトルに使用していますが、やはりテレビ版の邦題「スパイ大作戦」って、センスがありますね。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成18年7月17日
劇場:ワーナーマイカルシネマズ板橋
観客数:200人/262席
感涙観客度数:15%
※各ターンは個人的に設定、感涙観客度数は場内の鼻すすり音で推定。

何も考えず、洋風ジャッキー・チェンの頑張りを楽しんでください。

ついでに紹介!

いわずとしれた、1と2。

スパイ大作戦で検索するとこんなものも。天下のアマゾンで買えます。

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