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July 23, 2006

初動と風向き

東武東上線で死傷事故が発生しました。母親が死亡、娘がケガ。まずは、母親の冥福を祈ります。当初は心中の噂もありましたが、現場は開かずの踏切で、男性がくぐって行った後をついていき、跳ねられたようです。JR埼京線と東上線が合流するためやたら距離が長い踏切でもあります。もう一つ下った踏切では、中州のような土地があるのですが、ここに行くにはかなり迂回しなければなりません。

問題なのは、母娘の事故のきっかけを作った男性の行動です。横断歩道でも見受けられるのですが、赤信号でササッとわたる大人が多いことが気になります。赤信号では止まる、というのが基本で、自分ひとりがそれを守らずに事故に遭うのは仕方がないという面もありますが、それ以前に周りへの影響を気にかける必要があるでしょう。特に子供への影響には注意しなければなりません。大人になって社会のルールを完璧に守る人は殆どいないと思いますが、それは、赤信号で横断してはいけないなど社会のルールというものを理解した上での行動であることが前提です。つまり、基本がしっかりとしていることが前提です。

僕も車が全く通らない交差点で赤信号で足止めを喰らったら、周りを見てササッと渡ることもあります。ただ、周囲に小さな子供がいる場合は別。少なくとも小学生ぐらいまでは、赤信号で止まることを守ってもらいたいですから。誰でも教習所では、停止線を絶対に越えないように止まるはずです。でも、それは免許を取得して一般道を走ってみるとケースバイケースだということが分かります。もちろん、止まるなということではなく、停止線できっちり停まるだけでは交通が混乱することもあるという意味で。

それはあらゆるものに共通します。文字を崩して書くのは、楷書できっちり書くことが前提になっていますし、何度か触れたことがありますが、ジャズなどでトランペットやサックスを激しく吹くのは、きっちり基礎練習をした上で初めて音として成立します。最初から壊して吹いていると、良い音になりませんから。ピカソの絵もしかり、です。

今回の事故では、最初にくぐった男性の行動はあまりにも軽はずみですし、それに追随してしまった母親の行動は、少なくとも子供を連れていた状況では批判されても仕方がないといえるでしょう。東武線では、遮断機が降りた踏切で横断があった場合、安全確認という理由でこれ見よがしに停車して、踏切で待っている人をさらに待たせてしまいます。見せしめともとれる処置ですが、無理に横断している人がその場にいるはずもなく、そういうケースが増えれば増えるほど、正直者がバカをみる状況に拍車がかかってしまいます。

国土交通省は、開かずの踏切対策を打ち出しています。この対策は、道路を作ることを目的にガソリン税などから集めた道路特定財源をこっそり流用して行われています。周囲の目が厳しいので国交省はこういうコソドロみたいな予算の計上の仕方をするといわれていますが、悲惨な事故が後を絶たない以上、この際、大々的に道路特定財源を使いますよと言ってもいいのでは?と思ってしまいます。道路特定財源も離れですき焼きと批判される、離れの財源であり、一般財源化で一般会計の赤字の穴埋めをすべきとの議論も出ていますが、妙なリゾート施設を作って失敗するよりは、よっぽど有効な使い道だとも思えますし。

さて、山本圭一氏が茨城ゴールデンゴールズの遠征に帯同中、未成年者との淫行で逮捕されました。吉本興業は即日解雇。萩本「欽督」は球団の解散を発表して物議を醸しました。欽ちゃんにこれほどまで同情が集ったのは、人気はもとより、いち早く会見に応じ球団の解散を表明した初動体勢の速さにあるでしょう。金儲けが指摘され「私はド素人」と信じられない言葉を吐き、未だに日本の金融の舵取りを続けている福井日銀総裁や事故の可能性を把握しているにも関わらず公表せず、施行会社に責任を押し付け、後日発言を翻して謝罪したパロマの社長に比べると雲泥の差です。

報道の風向きとは恐ろしいものです。マスコミは総じて国民の人気の高い方向になびくように思うので、欽ちゃんの行動を批判するメディアは僅かでした。サッカー日本代表のジーコ前監督も歴代の代表監督が受けたような逆風を受けることはありませんでしたし、高い支持率にバックアップされた小泉首相も、批判していたのは夕刊紙などが中心で、大手メディアが面と向かって批判するようなことはありませんでした。

欽ちゃんはファンや周囲の同情に応え、球団の存続を表明しました。地元に密着する球団が増えて面白さが増したように思うプロ野球、文字通り超地域密着型の四国アイランドリーグ、そして社会人野球の注目度アップは、欽ちゃんの功績が大きいといえます。球団設立をぶち上げた時、彼がこれほどまで徹底的にやってくれるとは思わなかった人が多いことでしょうし。

山本氏の件については、今後の捜査を見守る必要があります。「夜、タレントの部屋に行く女性にも問題があったのではないか」という批判もありますが、それは一般的なモノの見方であり、部屋に行った時点でその後の事態を予測出来ていたかは疑問です。何よりも未成年ですし、本当に世の中、いろんな考えの人がいますから。山本氏に襲われるなんか、微塵も思っていなかった可能性もあります。ただし、未成年であっても飲酒は禁止されていることぐらいは分かっていたはずですから、この点は批判されても仕方がないことでしょう。

芸能界は特に身内に甘いと言われ、初犯なら忘れた頃に芸能界復帰し、「犯人」を温かく迎え入れる傾向にあります。特に人気が高く、事務所が強い芸能人なら、その過去に決して触れないように何故かメディアも全面的にバックアップします。山本氏に関しては、既に同情論も噴出しています。この女性が山本氏に18歳以上と語っていた情報もあるようですから、実際の刑罰は軽いもので済むかもしれませんが、社会に与えた影響が大きいことを考えると、これまでのように芸能界が「良く帰ってきた」と迎え入れるのは難しいのかもしれません。

加えて、酒気帯び運転で信号無視をして、一般の女性を乗せていたと釈明していたにも関わらず女優を乗せていた中村獅童氏も同様です。まあ、誰を乗せていたかはどうでもいいのですが、世間に大きな影響のある人の行動にしては軽率過ぎるような気がします。酒気帯び運転だって、信号無視だって罪は罪です。彼の今後の対応と周囲の受け入れ方にも注目する必要があるでしょう。特に人気のある人ほど、周囲は何事もなかったかのようにもみ消してしまいますから。
Shimbashi

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