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July 29, 2006

内輪ウケ

谷垣禎一財務大臣が次期総裁戦に出馬する意向を示しました。堰を切ったようにテレビに出演しまくる谷垣氏ですが、政策論争をしたところで総裁選の行方を左右するのは我々国民ではなく、国会議員です。安倍政権誕生は何とも阻止したい大手新聞社は、よくやったと賞賛しますが、谷垣氏が打ち出すアジア外交を重視したいとか、地方との絆を大事にしたいとかいうのは雲を掴むようなあやふやな話です。消費税は2010年台半ばまでに10%とやや詳しく触れていますが、これだってどうなるかは分かりません。「小なる理解力」しかない国民は、人気投票に巻き込めば後は何をやっても許されるというのが、政治家の考えではないかと思えるほどですから。

谷垣氏といえば、加藤の乱で「あなたは親分なんだから、行っちゃダメですよ」と泣きながら茶番劇を演じていたことが思い出されます。彼らは真剣なのにどうして茶番に見えるかといえば、内輪で盛り上がっているからです。歴史上、自分が犠牲になった人は数多くいますが、共感を呼ぶケースというのは①理由が理不尽であるにもかかわらず犠牲になった②自ら犠牲になって多くの人を救ったなどが挙げられるでしょう。特に救われた人々の分母が大きければ、それだけ共感を呼ぶ確率が高くなるといえます。

過去を振り返ると、「社員は悪くないんです」と泣きながら会見をした旧山一證券の社長は、外から見れば茶番にしか見えませんし、最近でも茶番劇を行っていると噂される会社があります。パロマです。

パロマ側では、一酸化炭素中毒事故を踏まえ、今さらながら遺族へのお詫び行脚を行っていますが、何故かそこには副社長の姿しかありません。周囲には「副社長が先代社長や若社長など創業者一族を守るために矢面に立とうとしたのではないか」という声もあります。弁慶の立ち往生のように本人は悲壮感をもって遺族の元を訪れ、自ら集中砲火を浴びようとしたのかもしれませんが、結果は「社長はどうした」という別の集中砲火を浴びました。副社長の惨状は、社内(おそらくもう一部の社員に過ぎないでしょうが)ではお涙頂戴であっても、周囲から見れば茶番劇に過ぎません。

パロマでは、先代社長(父親)が就任して短期間でトラブルに巻き込まれた若社長(子供)を気の毒に思っているとの噂も聞きますが、それにしても陣頭指揮をとることを理由に遺族への謝罪は部下に行かせるとは何事か。今は公衆電話を探し回るような時代でもなく、連絡を取ろうと思えばいつでも出来る世の中です。地位の上げ底で社長になった二世、三世の社長は、下積み経験がなくイエスマンを除く純粋な社員からみると創業者に比べて物足りなさを借りる部分もあるようですが、パロマの場合はその典型なのかもしれません。

世襲というのは、社員の士気を上げるなどメリットも少なくはないと思いますが、取締役会もろくにやらないナアナアな会社と、安全に日夜努力しているような会社が、一般には同じ会社のように見えるというのは、恐ろしいことだといえます。世襲の会社を分析する時は、跡継ぎがどのような仕事をしているかに注目する必要があるでしょう。そこそこの規模の会社で、20代で取締役なんかに起用して、現場にも行かせないような会社なら注意しなければなりません。

世襲といえば、今回の次期総裁戦への出馬が予想された人は全て世襲で国会議員になった輩です。地位も名誉も生活レベルも上げ底で、それで一般庶民の窮状が分かるのかは疑問です。一流大学に入るにも学費がかかるため、高学歴も世襲になりつつあるといわれています。この流れは、ひいては官僚も世襲ということにも繋がりかねません。日本は民主主義といわれながら、いつの間にか封建社会のようになってしまったのでしょうか。
Shimneko

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