« June 2006 | Main | August 2006 »

July 29, 2006

内輪ウケ

谷垣禎一財務大臣が次期総裁戦に出馬する意向を示しました。堰を切ったようにテレビに出演しまくる谷垣氏ですが、政策論争をしたところで総裁選の行方を左右するのは我々国民ではなく、国会議員です。安倍政権誕生は何とも阻止したい大手新聞社は、よくやったと賞賛しますが、谷垣氏が打ち出すアジア外交を重視したいとか、地方との絆を大事にしたいとかいうのは雲を掴むようなあやふやな話です。消費税は2010年台半ばまでに10%とやや詳しく触れていますが、これだってどうなるかは分かりません。「小なる理解力」しかない国民は、人気投票に巻き込めば後は何をやっても許されるというのが、政治家の考えではないかと思えるほどですから。

谷垣氏といえば、加藤の乱で「あなたは親分なんだから、行っちゃダメですよ」と泣きながら茶番劇を演じていたことが思い出されます。彼らは真剣なのにどうして茶番に見えるかといえば、内輪で盛り上がっているからです。歴史上、自分が犠牲になった人は数多くいますが、共感を呼ぶケースというのは①理由が理不尽であるにもかかわらず犠牲になった②自ら犠牲になって多くの人を救ったなどが挙げられるでしょう。特に救われた人々の分母が大きければ、それだけ共感を呼ぶ確率が高くなるといえます。

過去を振り返ると、「社員は悪くないんです」と泣きながら会見をした旧山一證券の社長は、外から見れば茶番にしか見えませんし、最近でも茶番劇を行っていると噂される会社があります。パロマです。

パロマ側では、一酸化炭素中毒事故を踏まえ、今さらながら遺族へのお詫び行脚を行っていますが、何故かそこには副社長の姿しかありません。周囲には「副社長が先代社長や若社長など創業者一族を守るために矢面に立とうとしたのではないか」という声もあります。弁慶の立ち往生のように本人は悲壮感をもって遺族の元を訪れ、自ら集中砲火を浴びようとしたのかもしれませんが、結果は「社長はどうした」という別の集中砲火を浴びました。副社長の惨状は、社内(おそらくもう一部の社員に過ぎないでしょうが)ではお涙頂戴であっても、周囲から見れば茶番劇に過ぎません。

パロマでは、先代社長(父親)が就任して短期間でトラブルに巻き込まれた若社長(子供)を気の毒に思っているとの噂も聞きますが、それにしても陣頭指揮をとることを理由に遺族への謝罪は部下に行かせるとは何事か。今は公衆電話を探し回るような時代でもなく、連絡を取ろうと思えばいつでも出来る世の中です。地位の上げ底で社長になった二世、三世の社長は、下積み経験がなくイエスマンを除く純粋な社員からみると創業者に比べて物足りなさを借りる部分もあるようですが、パロマの場合はその典型なのかもしれません。

世襲というのは、社員の士気を上げるなどメリットも少なくはないと思いますが、取締役会もろくにやらないナアナアな会社と、安全に日夜努力しているような会社が、一般には同じ会社のように見えるというのは、恐ろしいことだといえます。世襲の会社を分析する時は、跡継ぎがどのような仕事をしているかに注目する必要があるでしょう。そこそこの規模の会社で、20代で取締役なんかに起用して、現場にも行かせないような会社なら注意しなければなりません。

世襲といえば、今回の次期総裁戦への出馬が予想された人は全て世襲で国会議員になった輩です。地位も名誉も生活レベルも上げ底で、それで一般庶民の窮状が分かるのかは疑問です。一流大学に入るにも学費がかかるため、高学歴も世襲になりつつあるといわれています。この流れは、ひいては官僚も世襲ということにも繋がりかねません。日本は民主主義といわれながら、いつの間にか封建社会のようになってしまったのでしょうか。
Shimneko

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 28, 2006

パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト

CinemaX第96回。クンロク大関。

パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト
監督:ゴア・ヴァービンスキー
製作総指揮」ブルース・ヘンドリックス、エリック・マクレオドほか
脚本:テッド・エリオット、テリー・ロッシオ
音楽:ハンス・ジマー
出演:ジョニー・デップ、オーランド・ブルーム、キーラ・ナイトレイほか
上映時間:151分
(公式サイトはここ

「声優ガンバレ」

パイレーツ・オブ・カリビアンの第2弾です。映画をもとにしたアトラクションが多いディズニーランドで、逆にアトラクションをもとにした映画が何本か製作されました。その一つが、パイレーツ・オブ・カリビアンです。原作もない映画なのに大ヒットしたのが「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」でした。僕は寝不足だったせいか秒殺で眠ってしまった映画でもあるのですが。

2匹目のどじょうを狙う「デッドマンズ・チェスト」は、先行上映から前作のファンや「ディズニー映画全て良し」という信者、ジョニー・デップのファンなどで大盛り上がりでした。ジョニー・デップ本人も来日していますが、広告代理店の強引なPRでどうにかこうにかスタートは観客を騙せたあの映画に比べれば地味なものです。3匹目のどじょうも一気に撮影しているようです。かくしてパイレーツ・オブ・カリビアン3部作、骨まで捨てるところがない鮟鱇のようになっています。

ちなみに今回は、東映株主優待券の最後の1枚を使いました。3、4月で2枚、5、6、7月で3枚という中途半端なチケットを上手いこと使いきるのは大変です。2枚あれば、渋谷TOEI②ブレイブ・ストーリー(何故かこの劇場の場合は2枚必要)、ところが1枚ないので、バルトの楽園をもう一回観るか、パイレーツ・オブ・カリビアンを観るか、選択肢は事実上1つでした。バラバラに切って使える東宝などと違い、株主優待券の使いづらさ一つとっても、今の東映の迷走を物語っているような気がしてなりません。

本編スタートです。今回はスケジュールの関係もあって、吹替版でした。パイレーツ…のヒットに不可欠だったジョニー・デップの息遣いが全く伝わらないのは残念でしたが、これだけ話題性のある映画なのに、意外にも吹替版はプロの声優陣で固められていました。ということなので、話題作りのために無能なタレントや芸人、アイドルを声優に起用するという、声優で飯を食っている人々をバカにしているような吹替ではないので、安心して観ることが出来ました。

この映画、やっぱりジャック・スパロウを演じるジョニー・デップ一人が支えているといっても過言ではない映画です。無茶苦茶なジャックの性格も魅力ですし、最初に紛れ込んでしまう島のシーンは、全体の構成上、あれほど長くする必要は全くないと思うのですが、次から次へと趣向をこらしたアクションが続きます。「良くこんなこと考えるよな」と感心してしまいます。良い映画はシーンが横ではなく立体的に重なっていくものだといわれますが、これも一種の立体感なのかもしれません。何も考えず、ボーっと観ていられます。

ターン1までの評価「B」

円形の檻、背中にくくりつけられたままの竹竿(?)、水車など、この映画ではあらゆるものがアトラクションで、強引にアクションシーンに繋げられています。強引ですが、それをねじ伏せているのは、やはりジョニー・デップの存在感といえるでしょう。ストーリーでは確かに、主役級の人物が決して巡り合う確率が極めて低い状況でいとも簡単に再会してしまったり、サイコロとカギを使った賭けなどの行き当たりばったりの展開もあちこちにあります。それは、1作目のヒットに味をしめ、話を無茶苦茶にこじつけながら2作目、3作目と調子に乗った「オースティン・パワーズ」の強引さほどではないですが、良く考えるとツッコミどころが結構あります。

宝箱を巡っての騒動も典型的なドタバタですが、そういう展開でも見入ってしまうのは、意外にしっかりしたストーリーとCGの力でしょう。亡霊(?)たちといい、巨大タコといい、さすがに金をかけたCGは観客を惹きつけます。一つだけ疑問なのは終盤、キーラ・ナイトレイ演じるエリザベスがジャックを船に繋ぎとめてしまったところでした。タイタニックで船が沈没した後、ローズが凍死したジャックを沈めてしまうシーンは話題になりましたが、これらは男女で理解度の差が出る部分なのかもしれません。

ターン2までの評価「B」

ラストシーンは、第3弾への繋ぎの部分になります。ネタバレに注意しなければなりませんが、次回作は主役級のキャラクターたちは、地球の果てにジャック・スパロウを捜索に行く話のようです。そこに、ジャックを船に繋ぎとめてしまった(詳しくは映画を観て下さい)エリザベスも加わっています。ジャックを繋ぎとめてしまったことを何となく後悔しているようなエリザベスと、ジャックは人柱として船に残ったんだと信じているその他のキャラクターとの心境の差がキーになることでしょう。キャラクターに上手い「傷」を入れたことで、話に厚みが増してくることでしょう。

3部作の第2弾というのは、往々にして展開がダラダラして、状況説明だけに終始しがちで評価が低い映画が少なくはないのですが、デッドマンズ・チェストは間延びした感もありますが、ジャック、エリザベスなどのキャラクターが何となく心変わりをしそうになるという、映画としての重要な要素もこっそりと組み込まれています。破天荒な映画のようで意外に骨がある映画といえます。何よりも原作なしで短期間で壮大な物語をぶち上げようとする意欲は評価したいと思います。

ターン3までの評価「B」

最後のオチは、予測の範囲を超えていませんでしたが、観客の頭のどこかに引っかかっていたものをしっかりとフォローしてくれるのは、好印象です。吹替版では、エンドロールの最後に声優陣の名前が地味に紹介されますので、途中で席を立つことなく、彼らの仕事を労ってあげましょう。やっぱり、声優はプロの声優にやってもらうのが一番です。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成18年7月27日
劇場:丸の内TOEI②
観客数:30/360席
感涙観客度数:不明
※各ターンは個人的に設定、感涙観客度数は場内の鼻すすり音で推定。

ついでに紹介!

前作「パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち」と幼心には難しすぎた「すすめ!パイレーツ」の復刻版。よく考えると、この映画も「ミッション・インポッシブル」に対する「スパイ大作戦」と同様に多くの日本人が馴染んでいるネーミングと映画のタイトルが乖離している悲しい作品ですね。一般的には「カリブの海賊」なので、わざわざカタカナまみれにするより、こちらのほうがすっきりしたのでは? なんて思います。

| | Comments (0) | TrackBack (1)

July 26, 2006

保身

千葉県内の小学生教諭が下着を盗むため被害者宅に「何度も」侵入し、窃盗と2件の住居侵入容疑で千葉地検に書類送検されましたが、「被害者が穏便に済ませたいと言っている」「加害者、被害者の双方が近くに住んでおり、被害者が実名公表を希望しなかった」などを理由に事実を明らかにしなかった千葉県教育委員会に批判が集まっています。

結果的に「被害者側が名前を出してほしいと話した」と説明し、実名が公表されました。市立都賀の台小学校教諭、佐藤正一元(42)。義務やら権利やらいう言葉が大好きな彼らが果たして何を守るために実名公表をしなかったのか、さっぱり分かりません。父兄や生徒の圧力に耐えられず、心を病む教師が増えているといいますが、「何度も」侵入して下着を盗む行為が、魔が差したとでも言うのでしょうか。

いずれにしても、ニ転三転する会見が問題になっていなければ、加害者の実名がこれほどまで大きく扱われることはなかったでしょう。あまりにもお粗末です。

さて、保身といえば、一つ忘れていました。イラク、サマワから陸上自衛隊が撤収しました。この出来事自体は少し前のことですが、この件で、ニュースなどで不思議な解説が付け加えられていたのを憶えていますか?「撤収の模様をキャンプ地内で取材することになっていたが、額賀防衛庁長官が確認をしていなかったために、取材が出来なくなった」という話です。

少しややこしいので、かいつまむと、サマワに乗り込んで取材するはずだったのに、額賀長官が「撤収あたっては念には念を入れなければならない」と取材陣をシャットアウトしたわけです。もっと簡単に言えば、「記者クラブなどの会員が集って、最後のサマワをせっかくなので物見遊山しようと大挙して押しかけたが、話が違っていた」ということです。

知る権利を侵害されたとでも訴えんばかりですが、こんな内輪話をニュース番組を通じて一般の視聴者に言い付ける理由なんかどこにもない訳で、「撤収の映像が撮影出来ず、ロイターの借り物映像しかつかえないのは、私たちの失態じゃなくて、防衛庁長官のせいなんだよ」と言わんばかりです。こういうのを、ミソクソといいます。あほか。

イラク戦争前後で何度も触れましたが、日本の大手マスメディアは、常に安全な場所でしか取材をしようとしません。社員の命を守るという理由は理解できますが、だったら現地の市民を「特派員」に仕立て上げて自分達の手で取材をしているふりをしたり、クウェートからぬくぬくとイラクの惨状を今、見聞きしてきたかのように報じるのはやめてもらいたいものです。

特に、イラクへの攻撃がひと段落するや否や、ヘルメットを被り、米軍の戦車に同乗してイラク入りし、戦争とはこんなにひどいものですという取材をするのは、日本人として本当に恥ずかしくて見ていられませんでした。最近では、日本のメディアの北朝鮮ツアーが記憶に新しいですね。さすがに出される情報をそのまま鵜呑みにすることはなくなりましたが、物見遊山には変わりありません。北朝鮮の出す情報にいちいち疑わしいとケチをつける報道をみるたびに、マスメディアそのものの信頼が低下しているように感じたのは、僕だけでしょうか。

いずれにしても、イラクに派遣された自衛隊は無事に撤収することが出来ました。世界各地に派遣された自衛隊は、いずれも目立った事故がなく任務を推敲しているようですが、日本国内でも安全はタダとは言えない状況になっています。国内外問わず、国会議員などは自分は汗をかくことなく簡単に自衛隊を出動させてしまいますが、特に海外で自衛隊が無事に任務を遂行していることは、奇跡に近い状況であるかもしれないことを肝に銘じてもらいたいものです。いつ、大変なことが起こっても不思議はないのですから。
Allstar01
保身でもう一つ。日経新聞の社員がインサイダー取引で逮捕されました。文字通り景気の良い話ばかり取り上げ、企業からのリークまみれであることから、日本経済の大本営発表、財界の機関紙と揶揄される新聞として、極めて恥ずべき行為といえます。この男は、株式分割の情報を仕入れて事前にその会社の株を購入し、分割直後に売り抜けるという、最も簡単な方法でボロ儲けをしていたようです。珍しく経済ネタではない、昭和天皇の発言メモをスクープしたからといって、天狗になっている場合ではありません。

重要なニュースや決算など、上場企業の株価を左右するような情報は、殆どが証券市場が閉まる3時以降に発表されます。マスコミなどがそれ以前に入手することは、原則不可能です。それはここ数年特に厳しくなっています。仮に入手出来たとしても、それは締め切りの関係とか、便宜上の手続きして対応されるだけで、見て見なかったこととするのが鉄則です。それを悪用すると際限がなくなってしまいますから。ただ、日経新聞だけでなく、こうした噂はあちこちから聞こえてきますから、個人の犯罪なのか否か、社内や業界内に蔓延している問題ではないか、検察当局には徹底的に調査してもらいたいものです。過去の例になぞらえると、メディア自身の自浄作用なんかは100%期待出来ませんから。
Allstar02

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 24, 2006

日本沈没

CinemaX弟95回。ニッチン。

日本沈没
監督:樋口真嗣
原作:小松左京
脚本:加藤正人
音楽:岩代太郎
出演:草なぎ剛、柴咲コウ、豊川悦司、大地真央、及川光博ほか。
(公式サイトはここ

「沈没」

強大な広告代理店の力もあってか、製作委員会のメンバーであるTBS以外のテレビ局でも強引な宣伝が行われた日本沈没です。あの若手俳優2人の恋愛劇が大ブレーキになっているとか酷評も多い映画ですが、遅ればせながらCinemaXに登場です。

日本沈没は、小松左京の小説を原作にしたもので、前回は1973年の映画化。僕が生まれた直後なのでリアルタイムではもちろん、これまでも観た経験はありません(いずれレンタルで観ようと思います)。斜陽の時代を迎え、文芸作品の次の一手を模索していた日本の映画界は、日本沈没のヒットでやや息を吹き返し、その後は小松左京の原作を次々に映画化していきましたが、ン十億円をドブに捨てた1984年の「さよならジュピター」でトドメを刺されたとするのが、通説のようです。

ちょうどこの頃にフランシス・コッポラやスティーブン・スピルバーグや、ジョージ・ルーカスの一世一代の仕事、スターウォーズが日本に侵略してきたことや、松本零士をはじめとするアニメの人気が高まってきたことも奇妙に符合しますが、仮にハリウッド勢を押し返すような面白い映画を作り続けていたのなら、今の日本の映画界というものはもっと違った方向に向かっていたのかもしれません。例えば、不動産屋さながらの東宝も長く培ったノウハウを高い水準で維持できたことでしょうし、地場の映画館が頑張って営業を続けられる環境も続いているかもしれません。

日本沈没の監督は、ローレライの樋口真嗣氏です。ローレライ自体が面白かったので、割と良い印象を持っています。さて、本編スタートです。

映画やドラマでは、主役級の人物の登場の仕方が重要なのですが、この映画は、それぞれの特徴をもって、あっという間に登場してしまいます。その後のタイトルもレトロで、キャストやスタッフを紹介する文字も、古き良き日本映画を髣髴とさせてくれます。ハリウッド映画が当たっているからといって、西洋かぶれになる必要はないことが分かります。だって、日本の野球の応援もそうじゃないですか。

ところが日本沈没は、時間が経つにつれ不可解な点が見え隠れしてきます。まず、柴咲コウ演じるハイパーレスキュー隊です。新潟県中越地震での捨て身の活躍が印象的な東京消防庁のレスキュー隊ですが、何故、柴咲コウなの?という感じもなくはありません。後に大臣として出演する大地真央もそうですが、映画などでこれまで男所帯といわれたような職業に安易に女性が登用されているのをみると、逆に違和感を感じてしまいます。男女平等の世の中といわれますが、まだまだ現実は程遠いように思います。映画がそうした雰囲気を変えるきっかけとなるのは良いことだと思いますが、度が過ぎると、製作側が良い顔をするために、無理に女性を押し込めているという感じがしてなりません。

映画は終始、自衛隊や東京消防庁などの機器自慢に終始します。中でも異様な姿が印象的な地球深部探査船「ちきゅう」は、古くからの計画に基づいて建造されたとされていますが、中国が東シナ海で資源開発を始めて、慌てて予算を計上して建造した船だというほうが自然だといえるでしょう。「地球深部探査」という仰々しい役目を負っていますが、東シナ海を掘るため。国内の石油開発会社に掘削権が与えられたはずですが、決めたのは中川前経済産業大臣の頃。一説には親中派の二階氏が経産大臣に就任して白紙撤回されているとされていますから、これでは足並みが揃うはずがありません。あほか。

そんなことで、作ってはみたものの宙ぶらりんになった船が、映画撮影でリサイクルされているわけです。建造費はもちろん税金で賄われています。一番喜んでいるのは、海洋研究開発機構の半役人の方々と、思わぬ面白い船が撮影に使えた製作委員会の方々かもしれません。海洋研究開発機構は、独立行政法人。何度か触れたことがありますが、独法は一応、民間企業のような扱いなので、経営に失敗すると幹部の首の挿げ替えもあり得るという、従来の公益法人よりは厳しい(?)沙汰が待っているので、映画撮影に協力するのも、一般向けのパフォーマンスの一つといえるでしょう。

最終評価「F」

つい、最終評価を下してしまいましたが、この映画の残念な点を検証してみましょう。

○脚本が残念
製作者が思ったことを順繰りに、キャラクターに喋らせているだけのように感じます。シーンにはそれぞれ、観客に伝えるべきことがありますから、キャストの性格に応じて、会話や行動をさせなければなりません。ただ、観客に与えたい情報を順繰りに喋らせているだけでは、キャラクターはその意味の一つである通り「性格」ですから、性格を描けなければ、キャラクターに無理な恋愛やお涙頂戴の寸劇をさせるのではなく、単に日本が沈没するというアクションだけを観せたほうがマシということになってしまいます。

○人物設定が残念
余計なキャラクターや設定が多すぎます。特に物語の根幹を成す草なぎ剛演じる潜水艇技師(?)とレスキュー隊員との恋愛は必要なのかとすら思ってしまいます。トヨエツ演じる研究者と大地真央演じる大臣が元夫婦であるとか。人物の相関図がややこしくて面白くなるのは昼メロぐらいですから、アクションがウリの映画にこんなものを持ち込んでも、かえって映画のテンポが悪くなるだけのような気がするのですが。

○沈没が遅すぎる
地震は発生しますが、日本が沈没し始めるのは後半です。キャラクター達は沈没するすると言いながら、のほほんと恋愛や研究が思うように進まないことを悔しがっている訳です。火の手が上がる前から火事の心配をしているようなもので、これではスピード感が全くありません。

○履歴書通りで残念
これは過去、何度か触れました。シナリオスクールなんかでは、人物設定にあたり、細かい履歴書を書けと言われます。それがキャラクターのセリフや行動のエッセンスになる訳で、何もシナリオの中でその履歴書を説明しろと言うわけではありません。ところが、ストーリーが破綻した映画やドラマには、この失敗をしているケースが多いような気がします。その一つが日本沈没。しかも自分で呪われたようにベラベラ喋ってしまいます。これでは、スピード感が落ちてしまいます。

○恋愛劇が残念
日本沈没は、潜水艇技師とレスキュー隊員の恋愛劇が根幹となるのに、その展開があまりにも稚拙なことが気になります。気がついたらいつの間にかお互いが惹かれ合っているわ、後述の最後の夜のシーンでは「好きだ」とダイレクトに口にしてしまいます。もうちょっとひねって欲しいところ。かつて恋愛ドラマのカリスマと崇められた北川某女史が、化粧品のCMで、数十秒で恋愛を描きたいと意気込んで注目されたところ、結果は松嶋菜々子に「好きになったかもしれない」とダイレクトに言わせてしまうという禁じ手同然の脚本を書き上げ、底の浅さを露呈してしまったことを思い出します。

○最後まで残念(ネタばれ注意!)
最後は、草なぎ剛が展示中の潜水艇で潜って日本を救うのですが、覚悟して逢いに行ったレスキュー隊員の彼女には「イギリスに行く」と嘘をつきます。そのまま朝まで一緒に居て、こっそり消える。そのまま日本を救えば、少なくとも僕の感動のツボには触れていたかもしれません。ところがこの男は「実は嘘でした」と手紙を残す。しかも、これからどういうことをするのかと詳しく説明をする始末。嘘だったというのは、後日(例えばラストシーンの大臣会見)知ればいいわけで、無理に再会シーンにもっていって涙を誘おうとする魂胆がミエミエです。せっかく面白くなりそうな要素だというのに。美味しいマグロが手に入ったからといって、一切れだけ置いて周りをツマだらけにするような姑息な手段は考え直してもらいたいものです。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成18年7月22日
劇場:ワーナーマイカルシネマズ板橋
観客数:180人/262席
感涙観客度数:20%
※各ターンは個人的に設定、感涙観客度数は場内の鼻すすり音で推定。

日本沈没は、前作を観た人、観ない人も「日本が沈んじゃうの?」と期待して観に来ているわけですから、CGがいくらショボいといわれようとも、余計なサイドストーリーは取っ払って、ガラガラ壊れていく「日本」を主役にすべきだったと思います。映画も遊園地と同じく、非日常感を提供することも重要ですから。非日常感を提供する一方で、恋愛劇を描くというのは、出会ってすぐにキスしたりセックスをしてしまうハリウッド映画には可能でしょうが、やはり日本映画では無理があるようです。冒頭のタイトルやテロップは古き良き日本映画を踏襲したわけですから、無理に恋愛劇を押し込むような西洋かぶれの設定は本当に残念でした。

前頭の力士があっさり負けるのは仕方がありませんが、派手なメディアジャックを繰り広げて横綱級のPRをしておきながら、あっさりと負けてしまうのは、少なくとも僕からの視点では重罪です。試写会なんかで関係者が「この映画は面白くないからスタートが肝心だ。派手にPRをして短期間に観客をダマしてしまえば儲けられる」と思ったのではないかと勘ぐりたくなるほどです。月イチゴローでなかなか鋭い視点で評価を下す稲垣吾郎氏でさえ、日本沈没に対しては高評価を下すグダグダ状態ですから。

ついでに紹介!

1973年版「日本沈没」と封切間近の「日本以外全部沈没(原典:小松左京、作:筒井康隆)」の原作本。日本沈没の原作本は、バリエーションを含めいろいろあるので、ご自分でお探し下さい。ちなみに、日本以外…のほうが、物理的でなく内容的に映画化が難しい思うのですが。
もう一つは、トップをねらえ!Vol.3。人知れず地球を救うこととはどういうことか、一番逢いたい人に逢えずに使命を果たすということはどういうことか、このDVDを観れば、よーく分かります。主人公が「ごめん、もう逢えない!」と叫ぶセリフに全てが込められています。Vol.1、Vol.2と併せて必見です。

| | Comments (0) | TrackBack (2)

July 23, 2006

初動と風向き

東武東上線で死傷事故が発生しました。母親が死亡、娘がケガ。まずは、母親の冥福を祈ります。当初は心中の噂もありましたが、現場は開かずの踏切で、男性がくぐって行った後をついていき、跳ねられたようです。JR埼京線と東上線が合流するためやたら距離が長い踏切でもあります。もう一つ下った踏切では、中州のような土地があるのですが、ここに行くにはかなり迂回しなければなりません。

問題なのは、母娘の事故のきっかけを作った男性の行動です。横断歩道でも見受けられるのですが、赤信号でササッとわたる大人が多いことが気になります。赤信号では止まる、というのが基本で、自分ひとりがそれを守らずに事故に遭うのは仕方がないという面もありますが、それ以前に周りへの影響を気にかける必要があるでしょう。特に子供への影響には注意しなければなりません。大人になって社会のルールを完璧に守る人は殆どいないと思いますが、それは、赤信号で横断してはいけないなど社会のルールというものを理解した上での行動であることが前提です。つまり、基本がしっかりとしていることが前提です。

僕も車が全く通らない交差点で赤信号で足止めを喰らったら、周りを見てササッと渡ることもあります。ただ、周囲に小さな子供がいる場合は別。少なくとも小学生ぐらいまでは、赤信号で止まることを守ってもらいたいですから。誰でも教習所では、停止線を絶対に越えないように止まるはずです。でも、それは免許を取得して一般道を走ってみるとケースバイケースだということが分かります。もちろん、止まるなということではなく、停止線できっちり停まるだけでは交通が混乱することもあるという意味で。

それはあらゆるものに共通します。文字を崩して書くのは、楷書できっちり書くことが前提になっていますし、何度か触れたことがありますが、ジャズなどでトランペットやサックスを激しく吹くのは、きっちり基礎練習をした上で初めて音として成立します。最初から壊して吹いていると、良い音になりませんから。ピカソの絵もしかり、です。

今回の事故では、最初にくぐった男性の行動はあまりにも軽はずみですし、それに追随してしまった母親の行動は、少なくとも子供を連れていた状況では批判されても仕方がないといえるでしょう。東武線では、遮断機が降りた踏切で横断があった場合、安全確認という理由でこれ見よがしに停車して、踏切で待っている人をさらに待たせてしまいます。見せしめともとれる処置ですが、無理に横断している人がその場にいるはずもなく、そういうケースが増えれば増えるほど、正直者がバカをみる状況に拍車がかかってしまいます。

国土交通省は、開かずの踏切対策を打ち出しています。この対策は、道路を作ることを目的にガソリン税などから集めた道路特定財源をこっそり流用して行われています。周囲の目が厳しいので国交省はこういうコソドロみたいな予算の計上の仕方をするといわれていますが、悲惨な事故が後を絶たない以上、この際、大々的に道路特定財源を使いますよと言ってもいいのでは?と思ってしまいます。道路特定財源も離れですき焼きと批判される、離れの財源であり、一般財源化で一般会計の赤字の穴埋めをすべきとの議論も出ていますが、妙なリゾート施設を作って失敗するよりは、よっぽど有効な使い道だとも思えますし。

さて、山本圭一氏が茨城ゴールデンゴールズの遠征に帯同中、未成年者との淫行で逮捕されました。吉本興業は即日解雇。萩本「欽督」は球団の解散を発表して物議を醸しました。欽ちゃんにこれほどまで同情が集ったのは、人気はもとより、いち早く会見に応じ球団の解散を表明した初動体勢の速さにあるでしょう。金儲けが指摘され「私はド素人」と信じられない言葉を吐き、未だに日本の金融の舵取りを続けている福井日銀総裁や事故の可能性を把握しているにも関わらず公表せず、施行会社に責任を押し付け、後日発言を翻して謝罪したパロマの社長に比べると雲泥の差です。

報道の風向きとは恐ろしいものです。マスコミは総じて国民の人気の高い方向になびくように思うので、欽ちゃんの行動を批判するメディアは僅かでした。サッカー日本代表のジーコ前監督も歴代の代表監督が受けたような逆風を受けることはありませんでしたし、高い支持率にバックアップされた小泉首相も、批判していたのは夕刊紙などが中心で、大手メディアが面と向かって批判するようなことはありませんでした。

欽ちゃんはファンや周囲の同情に応え、球団の存続を表明しました。地元に密着する球団が増えて面白さが増したように思うプロ野球、文字通り超地域密着型の四国アイランドリーグ、そして社会人野球の注目度アップは、欽ちゃんの功績が大きいといえます。球団設立をぶち上げた時、彼がこれほどまで徹底的にやってくれるとは思わなかった人が多いことでしょうし。

山本氏の件については、今後の捜査を見守る必要があります。「夜、タレントの部屋に行く女性にも問題があったのではないか」という批判もありますが、それは一般的なモノの見方であり、部屋に行った時点でその後の事態を予測出来ていたかは疑問です。何よりも未成年ですし、本当に世の中、いろんな考えの人がいますから。山本氏に襲われるなんか、微塵も思っていなかった可能性もあります。ただし、未成年であっても飲酒は禁止されていることぐらいは分かっていたはずですから、この点は批判されても仕方がないことでしょう。

芸能界は特に身内に甘いと言われ、初犯なら忘れた頃に芸能界復帰し、「犯人」を温かく迎え入れる傾向にあります。特に人気が高く、事務所が強い芸能人なら、その過去に決して触れないように何故かメディアも全面的にバックアップします。山本氏に関しては、既に同情論も噴出しています。この女性が山本氏に18歳以上と語っていた情報もあるようですから、実際の刑罰は軽いもので済むかもしれませんが、社会に与えた影響が大きいことを考えると、これまでのように芸能界が「良く帰ってきた」と迎え入れるのは難しいのかもしれません。

加えて、酒気帯び運転で信号無視をして、一般の女性を乗せていたと釈明していたにも関わらず女優を乗せていた中村獅童氏も同様です。まあ、誰を乗せていたかはどうでもいいのですが、世間に大きな影響のある人の行動にしては軽率過ぎるような気がします。酒気帯び運転だって、信号無視だって罪は罪です。彼の今後の対応と周囲の受け入れ方にも注目する必要があるでしょう。特に人気のある人ほど、周囲は何事もなかったかのようにもみ消してしまいますから。
Shimbashi

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 19, 2006

M:i:III

M:i:III

監督 J・J・エイブラムス
出演もしくは声の出演 トム・クルーズ、フィリップ・シーモア・ホフマン、ヴィング・レイムスほか
上映時間:126分
(公式サイトはここ

「ア・ムジナ・リブズ…」

Wmcitabashi
3連休のワーナーマイカル板橋は凄いことになっていました。パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェストの先行上映が重なったこともあり、アニメでも実写でもディズニー全て良しと手放しで飛びつくファンや、ジョニー・デップ教の信者たちが押し寄せたこともあるでしょうが、配給各社が自信作の封切のタイミングを夏休み第一弾に合わせたこと、上映中の映画にも人気の作品が残っていることなどで、長嶋巨人並みにエースと4番を集中させた状態になっていることも理由の一つといえるでしょう。

それらの映画の中にはPRだけで観客を騙していそうな映画もあるとの声もなきにしもあらずですが、7月後半には、これまた諸手を挙げて「ジブリ全て良し」とする方々が飛びつきそうな映画も控えています。今度は息子が監督で。多くの人間が観てもいないのにヤフーなどで高い評価を下すという状況は異常ですが、それもジャパニメーションを世界に広めたジブリの功績ともいえます。ただ、国内ではジブリ以外はペンペン草の状態にしてしまったという功罪もありますが。ブレイブ・ストーリー、ちょっと心配です。

さて今回は、ミッションインポッシブルⅢです。ちなみに「2」の表記は「M:ⅰ-2」です。これだけバラバラなのは、同じ文章「です・ます」と「である」がゴチャゴチャだったり、漢数字と英数字が不規則に使われているダメな人のようです。今回の監督はJ・J・エイブラムスです。エイリアスやLOSTなど米国のドラマで製作総指揮として活躍中の人です。気になるのは、余計なキャラを満載して、リヴ・タイラーのプロモーションビデオみたいになってしまったアルマゲドンの脚本を担当していることですが。果たして、CinemaXの評価やいかに。

本編は冒頭から緊迫感に溢れています。インサイド・マンでも同様のシーンがありましたが、あちらはせっかくのシーンを見殺しにする構成でした。この冒頭のシーンをきちんと拾っているかは、後に触れるとして、囚われの身となったスパイの救出作戦は迫力がありましたし、その作戦の失敗によって、主人公、イーサンの動機と観る側の感情移入がなされます。かなり強引な技ともいえますが、良い映画に必要な必要最低条件はそろいました。

ターン1までの評価「A」

イーサンは犯人を捕らえるものの、みすみす逃してしまい、その背後に内部の裏切りがあったことを知ります。これ以上書くとネタバレになるのですが、裏切りは過去同じような映画で使い尽くされていますし、確か劇場版最初のミッション・インポッシブルでも裏切りがあったはずです。あの時は、イーサンが「そういえばおかしかったぞ」と頭の中で過去を振り返って全て説明してしまうという、2時間サスペンスの崖の上ばりの強引な技を使っていました。

ちなみに、冒頭でイーサンが技術を披露する読唇術ですが、これは中盤の大きなカギになります。これを序盤に出すことによって、過去のシリーズを観ていない人でも、このイーサン・ハントという男は平凡なようで実はタダモノではないなと分かりますし、例えば、劇場版リングのように、何かに触ることで全てを把握してしまうという飛び道具のような技能を突然、ひけらかして観客に置いてけぼりをくわせてしまうようなことも防止できます。

ターン2までの評価「B」

ストーリーが進んでも、観客の頭には冒頭シーンがずっと引っかかり続けるのですが、数回の派手なアクションシーンを経て、やっとその場面に到達します。きちんと拾っています。実はそこからストーリーが二転、三転するのですが、一度だけの裏切りじゃ埋もれてしまうぞという、監督の意図があらわれているような感じがします。恐らく、J・J・エイブラムス自体が、トム・クルーズに負けないぐらいスパイ大作戦(邦題)が好きだったんだろうなという感じがします。原作モノやリメイクなどの場合、どの程度作品に思い入れがあるかによって映画の出来が左右されるのは間違いないのですが、思い入れがありすぎて失敗するケースもあるようですし、映像の技術だけで監督を起用して、小さい頃からそのアニメを観ていて思い入れ満々で出演した俳優が結局、CMのナレーションだけで気を紛らすしかなかったという、かわいそうな映画もあります。いっそのこと唐沢寿明に撮らせればよかったのに、キャシャーン。

後半のストーリーはグジャグジャなのですが、なんとなくまとまっています。でも、よく考えるとグジャグジャ。前作に比べるとミンション・インポッシブルの醍醐味であるチームプレイは見所なのですが、よく考えると、面白い道具は使っていても、「ああ、なるほどな」と膝を打つような作戦はほとんどありません。上海のビルに忍び込むシーンも、忍び込むとは程遠いド派手な侵入の一方で、どうやってお宝(?)を強奪したのかは描かれていません。

彼らも、君らスパイか?と問われれば、あれほど街中でドンパチやっているわけですから、胸を張って「こっそり任務を果たしています」とは言えないことでしょう。キーになる犯人達は殺されて、ラビットフットの存在を明かさぬまま終わるのは賛否両論ありそうですが、あまり気にならないということは無理に話をこじつけないのは、観客を混乱させないという意味では良かったのでしょうか。

ただ、監督が焦点を当てたという、スパイの家族という点には回帰しています。終わり良ければ全てよしということなのでしょう。これから先、9・11関連の映画が2本公開されます。どれも美談としての性格が強い映画のようですが、一方であの事件はでっち上げという噂もあります。M:i:IIIはこの辺りのアメリカの闇の部分にチクリと針を刺したような内容でした。もちろん、でっち上げの真偽は分かりませんが。

最終評価「A」

これも賛否両論あるかもしれませんが、シリーズを全く見ていない人でも楽しめる内容であることは、大いに評価できるでしょう。ストーリーや設定において煙に巻かれた感も否めませんが、何も考えずに楽しめる映画も世の中には必要です。ちなみに、テーマ曲も前半はオリジナルに近い変拍子(5/4あるいは10/8)の色合いが濃くなっています。最初の映画化では8ビートにしてスピード感がすっかり殺されていましたが、この点はオリジナルのセンスを生かしているので好感が持てます。劇場版はずっと原題の「ミッション・インポッシブル」をそのままタイトルに使用していますが、やはりテレビ版の邦題「スパイ大作戦」って、センスがありますね。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成18年7月17日
劇場:ワーナーマイカルシネマズ板橋
観客数:200人/262席
感涙観客度数:15%
※各ターンは個人的に設定、感涙観客度数は場内の鼻すすり音で推定。

何も考えず、洋風ジャッキー・チェンの頑張りを楽しんでください。

ついでに紹介!

いわずとしれた、1と2。

スパイ大作戦で検索するとこんなものも。天下のアマゾンで買えます。

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 17, 2006

結局は…。

KAT-TUNがドコモのでCM歌っている曲、食いつきの部分が違うんですけど、思いっきり「PAPILLON」のリズムじゃないですか。カバーばっかり歌っている島谷ひとみが日本語版を歌っていたあの曲です。心地良いリズムもあれだけパクってオリジナルのようにガンガンCMを流されると殺意を抱きそうです。恐らく、世間一般的にはパクりのパの字にもならないのでしょうが、SMAP以外のジャニーズって、あんまり良い曲をもらえないことが多いような気がします。せっかくレコード会社を作ったというのに。

一方で、SMAPは、最近はめっきり寡作ですが、出せば当たるという状況。ジャニーズでは端パイにされ、B’zのように強烈なバックアップがないのに、この状況は見事だと思います。「Dear WOMAN」は、当たり障りのないおめでたい歌なので、今までこういう曲を出したアーティストは失速することも少なくはないのですが、資生堂の原点であるTSUBAKIの名を冠した商品との大々的なタイアップもあって、売れています。この曲の印象的なところは、サビの部分でコードとは関係なく同じ音階で「フィン、フィン」という音が続いているのですが、これが曲全体に緊張感を生み出して、都会的な雰囲気を醸しだしています。

まあ、資生堂も何人いるの?というぐらい女優などを起用しまくっているわけですから、ゴージャスな雰囲気がするのも当たり前ですね。カネボウを打ち落として、国内敵なしということを派手に印象付けるCMといえます。

さて、パロマの湯沸器による死亡事故が問題になっています。改造をした、しないという点がクローズアップされていますが、基本的には過去問題になった自動車のリコール隠しや回転ドア、エレベータなどのトラブル隠しと同様の問題といえます。少なくともパロマが社内調査をして、改造が横行していることを把握していた数年前にこの事実を公表していたら、その後の死亡事故は発生していなかったのかもしれません。

公表しなかった理由については、消費者に無理にマイナスイメージを植えつける必要を感じなかったのか、企業事態がトップに情報が上がらない隠蔽体質であったのかは分かりませんが、これも粉飾決算を含め、同じようなことをして失敗した企業が山ほどあります。もちろん、パロマがこれに当てはまるのかは今のところ断定できませんが、最も怖いのは、隠蔽体質が横行して優等生のふりをしている企業が、優良企業に混じっているということです。それは、世襲である企業に多いような気もしますが、長期政権を敷いている企業でも同様なことがいえます。政権が長くなればなるほど、周囲はイエスマンばかりになってしまいますから。

もう一つの問題が、利用者のクレームです。パロマの件では、安全装置を作動させないようにするという改造が問題になりそうですが、六本木ヒルズでの回転ドアも同様でした。機械文明といいますが、誤作動は避けられず、安全のための精度を上げればかえって利用しにくくなるものも多いようです。世間からは安全を守れという声も聞かれますが、一方で利用者は安全とは時として不便さにも繋がるということを覚悟しなければなりません。例えば、東武線の踏切事故では、安全管理を徹底すれば、開かずの踏み切りとなってしまい、結果的に利用者のクレームに押し切られた形で、文字通り決死の覚悟で踏み切りを操作していたという面もあるようです。我々は、安全と利便性の双方を追うという、都合の良い考えは改めるべきなのかもしれません。もちろん、企業には二兎を追うような努力はしてもらいたいのですが。
Wanwan

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 09, 2006

インサイド・マン

CinemaX弟93回。消化試合第2戦。

監督:スパイク・リー
出演:デンゼル・ワシントン、クライヴ・オーウェン、ジョディ・フォスターほか
上映時間:128分
(公式サイトはここ

「壊し屋」

消化試合第2回戦は、アンケートに答えて当たったワーナーマイカルの平日券の消化です。オーメンなどいくつか候補はあったのですが、ちょっと硬派な臭いのするインサイド・マンにしてみました。雨の後のグレーのようなぼやけた感じのする映画は、見応えのあるものも少なくはないのですが、CinemaXの評価やいかに。

インサイド・マンは、冒頭から面白そうな映画の雰囲気を漂わせています。オープニングのテロップ(?)は、パッケージングされた一体的なものを感じますし、冒頭の男が話している禅問答のような語りかけも絶妙で、この男が本編にどのように関わっているかはかなり後にならないと判らないのですが、観客はずっと頭の中に引っかかり続ける訳です。このなかなか憎い手法です。

と、褒めてみたのですが、この映画は、犯人グループが銀行に押し入り、人質を監禁してからが問題です。刑事は外にいますが、映画の多くは銀行という限られた空間の中です。潜水艦映画並みの緊張感が出てもいいはずなのに、やたら緩慢になります。情報をやたら隠してしまったり、観客を置き去りにするようなストーリー展開に終始してしまったあまりに、せっかく観客の頭の中に冒頭の男の語りかけが植え込まれているのに、その後の設定の不味さで帳消しにしてしまいました。

さらに大問題なのは、主人公の刑事の性格です。緊張感があるしーんで突然、妙なジョークを言ったり、やたら女にだらしなかったり、彼のどうでもいい性格が映画をぶち壊しにしてしまいます。どうせ人間性を出したいのならLAコンフィデンシャルの主人公みたいな奇人にすれば面白みが増すのにと思うと残念でなりません。

ちなみにシナリオ講座では、登場人物の人間関係や生い立ちなどを詳細に履歴書にまとめろと教えられますが、これで失敗するケースは、履歴書通りの性格をストーリーに混ぜてしまうことです。こうした履歴書は、例えば、登場人物がAかBを選ばなければならないという場合にどちらを選ぶのか決める際のエッセンスになるだけで、その後のシーンで同じようにAとBを選ぶことを迫られた場合、登場人物の性格がブレないようにするためのものです。Aを選べば、観客は「やっぱりな」と思いますし、仮にBを選べば、その理由が必要になるわけで、どこでどのように心が変化をしたからBを選ぶのかを描くと、それがドラマになるわけです。

最終評価「C」

主人公は、あのデンゼル・ワシントンです。ピンク・パンサーでのジャン・レノの壊れ具合には驚きましたが、インサイド・マンでは、デンゼル・ワシントンが演じる主人公の映画の「壊し」具合にがっかりしました。アイデアが面白いだけに、非常に残念です。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成18年6月30日
劇場:ワーナーマイカルシネマズ板橋
観客数:15人/94席
感涙観客度数:皆無
※各ターンは個人的に設定、感涙観客度数は場内の鼻すすり音で推定。

ついでに紹介!

名前が似ているだけの「インサイダー」日本では最近、言葉自体も流行しましたね。ちなみに、この時はぽっちゃりしていたラッセル・クロウがオファーを受けながらも逃げ回り、最後は身体を引き締めて撮影に臨んだ「グラディエーター」の精悍な顔つきには驚きました。

| | Comments (0) | TrackBack (1)

July 07, 2006

バルトの楽園

CinemaX弟92回。消化試合第1戦。

監督:出目昌伸
出演:松平健、ブルーノ・ガンツ、高島礼子、阿部寛ほか
上映時間:134分
(公式サイトはここ

「アレフガルド」

CinemaXも久々の更新です。6月半ばに目を傷め、映画どころではなかったのと、この時期は例年になく不作で、積極的に観ようと思う映画がなかったというのが理由です。それでもバルトの楽園を選んだのは、使い勝手が極めて悪い東映の株主優待券を利用しなければいけないからです。この優待券が曲者で、切り離し無効で有効期限付き、劇場や映画が限定されるという株主軽視(僕は株主ではありません)といわれても仕方がない代物です。下手に放置すると最後は観る映画がなくなったり、仮面ライダーなどを観ざるを得なくなるという、恐ろしいことになりかねないので、少しはまともな雰囲気のするバルトの楽園を選びました。ちなみに、楽園は「らくえん」ではなく「がくえん」と読みます。

さて、相変わらずタイムリーエラーのような邦画を配給する東映ですが、このバルトの楽園も何故今の時期に登場したのか、いまいちピンと来なかったりします。ドイツ兵捕虜が登場する話ですから、もしやドイツW杯に合わせたのでは?と考えても、あまりにもかけ離れすぎです。とりあえず松平健とブルーノ・ガンツを起用すればどうにかなるだろうという軽いノリでとっかかったのでしょう。

さて、映画は冒頭からテンポが悪く、タイトルが入る場所もタイミングが悪いような気がしました。おまけに、映画の中で四六時中、曲が流れるのが気になります。これも「楽園」だからでしょうか。ちょっとコミカルなシーンまで曲が流れるので、ちょっとしたコントみたいです。主人公のひげ自体がコントといえばコントなのですが。言語の設定にも違和感を感じました。登場人物がシーンによって通訳を介さずに喋ったり、そうでなかったり、気にならない人はどうでもいいことですが、外国語に敏感な日本人には気になる部分も多いはずです。

ターン1までの評価「B」

その点、英語というものは強いです。フランス軍の話だって、ロシアのパン屋が主人公の話だって、彼らが英語を話しても、特に違和感を感じることはありません。もちろん、日本人だからかもしれませんが、地球とは全く関係ない遠い世界の話とか、遥か未来、あるいは大昔の設定の映画でも、登場人物が英語を話しても特に違和感は感じません。SAYURIが日本人にとって違和感アリアリなのは、日本風の映画なのに、登場人物が英語を話すというところにもあるでしょう。

そのSAYURIで、子役に抜擢された大後寿々花が、バルトの楽園にも出演しています。しかも、SAYURIと全く同じ青い目をして。中山忍が町娘の役で出ているのは、年齢的にかなり厳しいと思いますが、見た目の年齢はここ10年ぐらい停止しているような人なので大丈夫なのでしょう。ちょい役で使うにはちょっともったいないですね。

バルトの楽園では、ドイツ軍捕虜の勤勉さが描かれています。収容所の中を一つの街のようにした松江豊寿という陸軍将校も立派ですが、そこで暮らし、新聞まで発行していたドイツ軍捕虜の能力に驚かされます。ゲルマン人の勤勉さは日本人にも共通するものがあるということは、何度も聞いたことがありますし、先日、ドイツ大使館のパーティに出席した際、テーブルの料理を取ろうと出席したドイツ人がズラリと整列していたのには驚かされました。この時は、クロークもなく棚に荷物を置きっぱなしの状態でしたが、何故か安心して「放置」することが出来ました。偏見かもしれませんが、イタリア大使館で同じことをしようとしたなら、どんなに重くても荷物を抱えたまま行動するでしょうから。

ターン2までの評価「B」

バルトの楽園は、RPGの街の中のような広がりが逆にストーリーの脈絡のなさに繋がってしまっているという感じがしなくもないですが、一部の登場人物の心の変化が、映画としての要素を担っています。青年将校、ドイツ軍捕虜の脱走兵、松江家のお手伝いさん(?)は、それぞれドイツ兵、日本兵を憎んでいますが、後半に心変わりをします。これがなければ、映画として成立せず、単なるドンチャン騒ぎの映画としか評価されなかったことでしょう。

クライマックスは、第九です。ベートーベンの『交響曲第九番』(歓喜の歌)は、日本では何故か年末にこぞって演奏されますが、この時の収容所の演奏が、日本初とのことです。青空の下で反響板があるホールのような演奏が聞こえるのは違和感がかなりありますが、エンドロールでカラヤン指揮の第九を聴けるのは、ちょっと得をした気分です。年齢層が高い観客が、エンドロールでほとんど席を立たなかったことも、第九の人気を裏付けるというものでしょう。僕の前に座っていたおばちゃんは、自動書記のようにゆらゆらと揺れながら聴いていましたし。

バルトの楽園は、維新後苛められ続けた会津藩出身の将校が作った、珍しい収容所があったということを世間に認識してもらうということでは、存在価値のある映画といえるかもしれません。ブルーノ・ガンツは、本当におまけのような存在でしたが。

最終評価「B」

バルトの楽園は、登場人物が喋っている途中でズームをするカメラワークが多用されていました。確か1960~70年頃に流行った手法で、妙な古臭さを感じるのですが、最近はテレビでもまれに見かけるようになりました。時代は巡っているということなのでしょうか。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成18年6月30日
劇場:丸の内TOEI
観客数:30/510席
感涙観客度数:不明
※各ターンは個人的に設定、感涙観客度数は場内の鼻すすり音で推定。

ついでに紹介!

ブルーノ・ガンツを観るなら「ヒトラー~最期の12日間~」Cinemaxのレビューはこちら

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 06, 2006

引き際

福岡ソフトバンクホークスの王監督が、胃の腫瘍を摘出するために戦列を離れることになりました。「胃の腫瘍を早く摘出しなければならない」「早く発見出来て良かったと思っている」など、奥歯に物が挟まったような表現は、どこか逸見正孝氏の会見を思い起こします。彼はその後、病魔と壮絶に闘い旅立っていきました。やや痩せた顔で涙を浮かべる王監督に「早く帰ってきて」「帰ってきてくれるに決まっている」など周辺はエールを送りますが、「きっと首位を突っ走って優勝してくれると信じている。いつ戻れるか判らないので、そうとしかコメント出来ない」と述べる王監督の人間性に心を打たれます。本来なら「早く戻ってきて、優勝するよう頑張りたい」とコメントするはずですから。

王監督は2000年、病魔に倒れ復調は難しいとみられていた藤井(将雄)選手と契約更改を行い、亡くなった翌年も契約更改をしています(ごっちゃん、合ってる?)。彼の背番号15は欠番。ホークスの選手は、マスコット「ハリーホーク」にユニフォームを着せた藤井ハリーをベンチに置いて戦っていました(継続中?)。福岡ソフトバンクホークスは、ダイエーから球団を引き継ぐにあたり、王監督を副社長に据えました(合ってる?)。それは、悲しいぐらい弱かった福岡ダイエーホークスを長期政権で支えてきた王監督の存在を追認するものでした。ただ、大阪からフランチャイズを福岡に移してまだまだ日が浅いホークスは、まだまだ監督やコーチになれるような人材が不足していると感じます。体調が許せば、王監督にはまだまだ続けて欲しいと強く感じた会見でした。

福岡ソフトバンクホークスは、昨日の会見で王監督が入院する病院名を明かす代わりに過度な取材攻勢を行わないよう呼びかけました。その代わり、出来るだけ多くの情報を提供することを約束しました。王監督はWBCの第1回大会の優勝監督でもあります。彼の栄光を汚すことのないよう、復活の日までそっとしてあげてほしいと強く願います。僕は東京ヤクルトスワローズファンなので、連夜の「代打オレ」に喜んでいるだけでしたが、故郷は九州です。これからは出来るだけホークスの選手の活躍にも目を向けたいと思います。

さて、サッカーの中田選手が引退表明後、やれ俳優になれだとか、弁護士になれだとか、Jリーグの監督になれだとか、極端なものではサッカー協会のキャプテンになれだとか、彼の多彩な才能を予見してさまざまな「命令」が飛び交っています。恐ろしいほど彼の評価が上がっていますが、これも引き際が絶妙だったからなのかもしれません。ブログでのコメント以外に未だにちょっとしたVTRしか存在ず、彼をマスコミ嫌いにしてしまった張本人たちが右往左往しているのはちょっと痛快なような気がします。「引退の真相に迫る」と言いながら、周囲の人のコメントとか、過去のVTRを流す程度しか出来ないのですから。

引き際は重要です。北海道日本ハムの新庄選手や、サッカー、フランス代表のジダン選手も今期限りでの引退を表明しています。新庄選手の場合は表明がかなり早くて反発も多いようですが、だからこそ彼のプレイを焼き付けようとするファンが球場に殺到しているのかもしれません。ジダンしかり。また、引き際ではありませんが、耐震構造の偽装問題でヤリ玉に上がったヒューザーは、社長が醜態をさらし続けたのに対し、シノケンはいち早く住民の保障に乗り出し逆に株を上げました。記憶違いでなければ、ゴールデンタイムにテレビCMを流すほど信頼度は回復しています。数年前、目薬に異物混入するとの脅迫を受けた参天製薬があっという間に商品を回収し、完全包装に切り替えたのも見事でしたが、こうした対応の早さが物を言うことは多々あります。

その一方で、対応が遅く(というより進んでいない)、引き際の悪い輩が世の中を闊歩しています。「役職に恋々とするものではない」といいながら道路公団総裁にしがみついていた人、「職務を全うする」と言いながら結局は辞職に追い込まれた官僚や国会議員。そして最近もマネーゲームの元締めのような存在でありながらマネーゲームを行い「ド素人」とすっ呆けたことを言った日銀総裁、村上氏に秘書給与を肩代わりしてもらっていた元官僚の民主党議員。彼らも「職務を全うする」ということで、辞職せずに今も居座っています。

日銀総裁の言い訳にはあきれ返るばかりですが、この民主党議員が問題。秘書給与の肩代わりを受けた議員は敵対する政党から厳しい追及が行われるはずなのに、今回はウヤムヤ。この及び腰は、村上ファンドに絡む国会議員が与野党問わず多いのではないかと勘繰らずにはおれません。そしてその及び腰を放置するマスコミにも、ひょっとしたら何らかの息がかかっていたのではと思えてきます。財界に大きな黒幕がいることも噂されていますし。

未練たらしい人々に腹を立てるのがバカバカしくなります。そんなことより今はただ、王監督の「健闘」を祈るばかりです。
Hannyaneko

| | Comments (0) | TrackBack (0)

July 05, 2006

今後の対応

ついに昨日「代打オレ」が実現しました。古田選手兼任監督が審判に自ら代打を申し出、打席に入るという歴史的瞬間…初球を叩いて大飛球でしたが、オールスターのファン投票に選出されたこともあり、もっともっと試合に出て欲しいものです。

さて、本日未明から北朝鮮がミサイルを6発ぶっ放しました。そこだけに注意していると、韓国の調査船が日本の排他的経済水域に侵入し、何故か事前に通告すれば日本政府が目を瞑ってくれることになっている中国は、通告すら行わず無断でこれまた調査船を送り込んでいます。まさにやりたい放題。

その一方で政府は官房長官がのん気に会見を行い、ワサワサと関係閣僚が集まって今後の対応を協議する始末。これは何度も見せられたパターンですので、たいした結論が出ないことは国民は何となく判ります。厳重に抗議するぐらいのものでしょう。このように周囲の国に舐められ放題で、これで愛国心を持てというほうが無理というものです。ましてや若者のエセ愛国心の炎が燃え上がるサッカーW杯では日本はあっという間に予選敗退してしまっているわけですから。

横田めぐみさんの夫、同じく拉致被害者である金英男さんとその家族が再会をしました。横田夫妻は孫娘に逢いたくても、それで拉致問題の終結を恐れて我慢しているのに、足並みはバラバラ。北朝鮮の韓国人拉致が初めて明るみになりそうなタイミングだったのに、南北離散家族の再会というどさくさに紛れたようなイベントで、当の金氏が「海で漂流していたところを助けてもらった」と発言してしまい「日本人は俺のことをほっとけ」と言われてしまう始末。そしてそのことに大きく反発することなく、与えられた情報通りに報じてしまうマスコミ。今回の報道でも我々が知りたいのはミサイルの種類や射程ではありません。マスコミ各社の見解なのです。与えられるニュースを垂れ流すだけでなく、政治を動かすほどの見解を示してこそが、マスコミの存在価値といえるでしょう。

日本は、韓国、中国とテーブルの上では握手をしていても、下では蹴りあいをしている…この構造を変えるのは並大抵ではありません。それに今はテーブルにもついてもらえない状態です。だからこそ、彼らは平然と人の家に土足で上がることが出来るのかもしれません。第二次大戦の敗戦後、朝鮮など戦勝国以外の人々が、あちこちの日本人の家を占拠しました。出征していた主が戻ってきて、何年間もトラブルになっていたケースもあるようです。彼らの行動は「今までひどいことをやられたのだから、何をやっても許される」という考えに基づいていたとも聞きます。

それから60年、韓国や北朝鮮、中国の人々は今も「日本人はひどいことをやっていたのだから、何をしてもかまわない」と思っているのでしょうか。円借款や食糧援助をする時だけニコニコして、次の日から批判を始めるという構図は何度も見てきました。それでもなお、彼らのことを信じようとするだけの日本政府の行動がどうも腑に落ちません。経済制裁には、いぜんとして北朝鮮などと太いパイプがある(と思っている人も含む)国会議員などを中心に慎重論もありますが、ここまでやられて、何もやらないというのでは、もはや国民が黙ってはいないでしょう。

何度もいいますが、この状態で国を愛せというのは、無理です。もちろん、戦争は避けなければならないのですが、黙っているだけでは、何も始まりません。米国の威を借りたいところでしょうが、北朝鮮はイラクのように石油が出るわけではありません。世界の警察だって、給料(つまり見返り)がなければちゃんと動いてはくれません。仮に北朝鮮の国民が将来、経済成長の土台を築くほど勤勉だとしても、将軍様の代わりに大統領を崇拝するとは考えにくい。となると、日本が火中の栗を拾わされるのは誰にでも判ることです。

ここは、日本政府の「今後の対応」に期待しましょう。それでもなお、日本は隣国が撒き散らした小便を小言もいわずただ拭き続けるだけなら、もうこの国は終わりです。
Kandaneko

| | Comments (0) | TrackBack (1)

July 03, 2006

限界

サッカー、中田英寿選手が引退を表明しました。ココログ一つとってもサーバーの動きがのろいので、みんなこぞってこの歴史的な出来事の「ような」ことについて更新しているのでしょう。残念だ、とか、もっとやってほしい、とか。僕はそんなことはどうでもいいのですが、次期代表監督として交渉が進んでいるオシム監督の下で走る中田選手の姿はみてみたかったような気がします。「もっと走れ」というのは、2人が共通する考えのようですから。

さて、9時半過ぎのニュース速報から、10時台の各局のニュースは、こぞってこの話題を取り扱っています。日記の最後に「引用、転載を禁止します」という類の注意書きを無視して、テレビ局は引用をしまくっていますが、それだけ傲慢でも許されるのが、大手マスコミということになるのでしょう。ただ、ニュースの出所は同じ、中田選手のホームページです。これとてアクセス競争に勝てば、誰だってタイムリーに知ることが出来る情報です。それを自分達のスクープのように取り扱うのに違和感を覚えます。

インターネット時代において、マスコミが最も気にしたのは、視聴者や読者が情報をリアルタイムで入手できることでした。それは、マスコミの死活問題となりかねませんから。結果として記者クラブ制度や企業のリークなどがこの危機を救ったことになるのでしょうが、企業や官庁は一般に公表するベースの情報とそうでない情報を使い分けるという、いびつなリリースを行うようになっています。そういう構造だからこそ、某大手経済紙が某大手石油会社の子会社が率先して値上げしているような提灯記事のようなものを書いて、一般市民は、ガソリンはきちんと値上げされているのだなと錯覚してしまうのです。

今、マスコミは中田選手本人のコメントの確保に躍起になっていることでしょう。一説には本人のコメントを収録したVTRがあるようです。俺が日本を背負っていたと発言していても許されるのは、恐らく彼ぐらいのものでしょうが、ブラジル戦後のピッチで一人で寝転んでいたことといい、大手マスコミはもとより日本国民を右往左往させる壮大なる演出は、今の彼にしか許されないことでしょう。

気になるのは、中田選手の今後です。若い頃はサッカーよりもMBAや弁護士資格取得のほうが興味があるんじゃないだろうかとか言われていましたが、本人はサッカーに関わりたい意志を持っているようです。既に巷のサラリーマン連中は、三浦和良選手とコンビを組ませて、セブンイレブンのイメージキャラクターに起用してみてはどうかなどというアイデアも出ているようですが。もちろん、2人の背番号にちなんで。繰り返しますが、惜しむらくは、オシムジャパンで彼の姿がみたかった。
Nekoneko

| | Comments (2) | TrackBack (0)

July 02, 2006

概況(18年6月分)

小泉首相のアメリカ珍道中が、テレビや新聞で面白おかしく取り上げられています。多くの重要法案が先送りされたり、あるいはやっつけで可決されたりしたのに、そんなことはどこ吹く風です。高齢者の医療費負担増を性急な法案可決で切り抜けたり、国民の総論と勝手に米国牛肉の輸入解禁に踏み切ったりしたのは、プレスリーのサングラスを掛けておちゃらけるためだったのかと思うと、あまりにも日本国民を軽視しすぎなのでは?と考えてしまいます。

マスコミも同様です。珍道中に同行して取材出来ることに興奮しているのか、裏に隠れるこれらの問題点を指摘するような思考回路はもはや停止中。アメリカ大統領にこれだけもてなされるのは、日本はもちろん、海外の首脳としては異例中の異例と持ち上げますが、日本はどうしていつもアメリカなど海外の視点というものさししか使えないのか、落胆してしまいます。国内では全く評価されない田中耕一さんがノーベル賞を受賞すると、国内の関係する学会などがこぞって後追いで賞を贈ったのも同様です。だから、いい人材は海外に逃げてしまうわけです。

ワールドカップでも、クロアチアはこう評価している、オーストラリアはこう見ている、ブラジルは意外に日本を警戒しているなど、海外の視点ばかり気にしていました。対戦国の会見にまで入り込んで、「日本をどう思うか?」なんて聞いて一喜一憂しているのは、何のために大挙してドイツに繰り出して取材しているのか、さっぱり分かりません。

さて、久々の更新は先月の概況。DiaryXリスタートです。

6月の重心指数
普段の仕事:55(+5)
シナリオ:15(-5)
その他:30(±0)
(カッコ内は前月比ポイント増減)

~5月の概況~
「普段の仕事」5ポイント上昇
やり損、やらないもの得の傾向が一層強まっている会社にほとほと嫌気がさしてきました。コップの水は満杯です。あと一滴で溢れてしまいそうな状態です。会社のSさんは、必死に仕事にしがみつきながら醜態をさらしているような状態ですが、何度か転職を経験し、社会の底辺のような状況も見てきた僕にとっては、会社にしがみついたり、転職先は同じような業種からチョイスしなければならないということにたいした意味があるとは思えません。あと一滴がいつ落ちてくるのか、少しでも、未然にコップの水を抜くことが可能なのか、自分でも気になるところです。

「シナリオ」5ポイント下落
大昔はこの数値が落ちてくると原因となるものを排除してきたので、当時なら即転職の状況ですが、そこまではいかないまでも、予想以上に深刻です。秋頃までに少なくとも1本は仕上げたいところです。

「その他」横這い
スポーツクラブに通ったのは3日。前月比2日減。HIPHOPのレッスン料みたいな感じです。筋力の低下が深刻で、膝、肘などを簡単に傷めてしまいます。6月は前半に眼を傷めて長時間字を読むことが出来ない状態でした。真剣に今の仕事ことを考えなければなりません。


~体位の変化(それは、意味が違います)~
「身長」±0cm
「体重」±0㎏

前年同月に比べれば5~6㎏増、体力、筋力は計り知れないぐらい低下していることでしょう。
Ryogokuinu

| | Comments (0) | TrackBack (1)

« June 2006 | Main | August 2006 »