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June 16, 2006

腹の立つことばかり

サッカーW杯、オーストラリア戦での誤審がクローズアップされていますね。終盤、ペナルティエリア内で駒野選手が倒されたあのプレイです。福西選手が猛烈に審判に抗議してました。あれがPKになり、得点されていれば、残りの試合時間を考えても最悪、同点で終わっていたことでしょう。誤審だからといって勝ち点をもらえるわけではありませんが、日本人にとって、自分自身を納得させる材料が出来たのは、せめてもの救いかもしれません。ドーハの悲劇、柔道・篠原選手の幻の金となど、後世まで語り継がれることでしょう。

ただ、この誤審問題を帳消しにする方法が一つだけあります。日本の決勝トーナメント進出です。例えば、WBCで不可解な判定により米国に負けたといっていい日本は、その後、世界一になったことでこの誤審は日本人の頭の中には「いい思い出」として昇華されています。デービッドソン氏もバラエティに登場するぐらいですから。クロアチア戦、ブラジル戦は正直、観るのも辛いのですが、これからが重要です。

さて、日本銀行の福井総裁が村上ファンドに出資していた問題もクローズアップしています。総じてけしからん奴だという論調になっていますが、問題なのは自らの政策が株価に影響を与えやすい日銀総裁の立場にありながら、ファンドに出資し、株を保有していたということです。遡れば株を保有していた総裁もいたかもしれないので微妙ですが、少なくともファンドを解約した時期が今年2月という、絶妙なタイミングなのは問題視されるべきでしょう。

一方で気をつけなければならないのは、「村上ファンドに出資していたから、悪人だ」という論調です。これは一歩間違えば誹謗中傷ともとれます。あれだけ持ち上げていたホリエモンが逮捕されるや否や袋叩きにし、遡って彼と関係のあった企業や人間まで犯罪者のように叩くのと似ています。別な言い方をすれば、後から法律を作って、遡って罪に問うようなものです。あとから何かやったり言ったりするのは誰でも出来ますから。

テレビや新聞では福井総裁に対し「説明責任を果たせ」という厳しい指摘がなされています。一部の新聞は無茶苦茶な報道で記者のメモ一つ示して説明することすら出来ないのに、何が説明責任だと言いたくもなりますが、この説明責任という言葉、どうも時代遅れになっている感じがします。

説明責任とは、それなりの力のある人や立場の人が、利害関係のある人に説明をする性質のものです。つまり、マスコミは、利害関係のある人に代わって、取材対象から説明を聞くということになります。例えば、税金などの無駄使いに関しては、国民に代わってマスコミが政府などに問いただすということになります。我々があんなに抑圧的にモノを聞けるとは思いませんが、マスコミの本質はそこにあると思います。

ただし、説明を聞く当事者がそれぞれ…例えば中央官庁や地方自治体、業界団体の建物の中に記者クラブを作っていることで批判の筆が鈍るという指摘は、あちこちで聞かれます。例えば、テレビ番組などで税金の無駄使いを指摘する場合は、クラブ担当記者が真っ向から攻めるのではなく、遊軍の記者が動き回っていることも少なくないようですし。

リークやニュースリリースの投げ込みまみれで説明責任を求める際の元ネタすら収集する能力が退化し、個人情報保護と騒ぐマスコミは、一方で特定の人物の情報は平気で暴いたり、誰彼かまわず「説明責任」という言葉を振りかざすような時代になってしまいましたが、結局は当のマスコミ自身が騒ぎまくった4点セットすら、未だに何も解決することなく、さまざまな問題が放置されたままうやむやなっています。

いくつか例を挙げると、防衛施設庁はトカゲの尻尾切り、耐震偽装問題は外堀すら埋められず、米国産牛肉はやがて輸入され、村上氏は結局、鼻クソ程度の罰金を払うだけで余生をのうのうと送り、野党も飛び火を警戒して村上ファンド関連の問題には手が出せず、先日の医療過誤の判決では、逮捕された医師は有罪なものの執行猶予がつき、やろうと思えば医者を続けられ、組織的な隠蔽を図った病院はそのことを判決で指摘されただけで終わり(病院側は隠蔽そのものを否定していますが)などなど。

オリックスの宮内会長は、村上ファンドの出資に対してノーコメントを貫いていますが、これはある意味頷けます。説明責任をすべき立場にはありますが、先ほども述べたとおり村上ファンドに出資しているからといって悪人であるわけではありませんから。会見でマスコミが「ダンマリを決め込むつもりですか」といつものように正義の味方ばりの姿勢で問いただす場面もありましたが、そんなことを聞く前に、山積している世の中の理不尽な疑問点を一つ一つ検証してもらった方がよっぽど存在価値があるような気がするのですが。
Ajisai

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