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April 28, 2006

別物

横田めぐみさんのご両親が、今日にもブッシュ大統領と会うことになりそうです。アメリカが拉致問題の解決に関してバックアップしてくれるとなると頼もしいことですが「何故この時期に?」という感じもしなくはありません。海兵隊のグアム移転の移転費用を日本側が負担することへの批判や、普天間基地移設問題などに関する問題で各地の住民が反対しているということに対する懐柔策とするならば、問題です。拉致は拉致、移転は移転、別物として考えなければなりません。

ホリエモンが保釈されましたが、マスコミのフィーバーぶりに戸惑っている方々も多いのではないでしょうか。時代の寵児と持ち上げながら、逮捕されると一転して袋叩き。そして、保釈されるとまた殺到してフラッシュを浴びせる…マスコミの今の姿勢は、崖下に落ちた裸の王様が這い上がってくるのを静観(過熱する報道は『静』観というには程遠いですが)している状態なのでしょう。そしていざ、ホリエモンの有罪が確定すると足蹴にしてまた崖下に落とし、無罪となると再び注目を浴びせてホリエモン再起の動きを追う…話題としてはどっちに転んでもおいしいのでしょう。

ホリエモンは、やはり発言や行動などから、良くも悪くも周囲の人間を惹きつける天性の才能のようなものが備わっているのでしょう。ただ、ライブドア問題とは別物。本人は否認をしていますが、完落ちしてしまった側近達の供述や彼自身の過去の発言などから粉飾決算に関わった可能性は大きいとみる人が圧倒的です。存在や話題性だけを追うのではなく、問題の本質を追求するのが、テレビや新聞などマスコミの役割といえるでしょう。

JR福知山線の脱線事故から1年が経ちました。テレビや新聞では、1年を振り返って事故に遭った人などの動向を追う報道が目立ちました。ただ、お涙頂戴だけでは、全く意味がありませんし、事故を思い出したくない被害者も多いことでしょう。そんななかでもワイドショーなどでは、被害者や残された遺族の傷を再びかきむしるような報道もありましたし、JR西日本に対しても「停車時間が延びただけ」だの、ダイヤグラムと睨み合いをしながら重箱の隅をつつくような「ゆとりダイヤ」への批判も目立ちました。それでいて、ただ騒ぐだけで、一体どうすれば解決するかという提示はありませんでした。

当時の日記でも触れましたが、JR西日本が過密ダイヤを組むのは、ドル箱と呼ぶには程遠い山陽新幹線と地方のローカル線をてんこ盛りで押し付けられ、稼ぎ頭は私鉄とがっぷり四つの大阪周辺の在来線という厳しい状況のなかで、JR東日本、東海並みの収益を求められるという、いびつな分割民営化も理由の一つであるといえます。過密ダイヤを解消するには、電車の本数を減らせばいい…それは誰にでも分かりますが、それがなかなか出来ないという根本的な問題を考えるべきでしょう。

思い起こせば、一年前は熾烈な報道合戦で、被害者に事故のことを根掘り葉掘り思い出させたり、遺族に対しても傷口をさらに広げるような報道が目立ちました。加えて、JR西日本にいくつもある労組のうち、たった一つの組合が主張する声を従業員全体の声と誇張するかのように報じたり、あまりにも一方的な報道が目立ち、その陰で航空会社によるトラブルが相次いでいました。多くが整備不良によるもので、今思えば、その後のJALの内紛の予兆ともとれるべき「人災」ばかりでした。テレビや新聞では、そのことが極めて小さく報じられ、あるいは黙殺され、マスコミ各社は話題性のある脱線事故関連のニュースばかりだけでなく、どこそこの線で何メートルオーバーランしたとか、全国の鉄道で日常茶飯事に起こっていることを、あたかも大事件のように報じていました。

その後、奇跡的に航空業界では大事故はありませんでしたが、マスコミ各社は相変わらず通り一辺倒な報道を繰り返しています。耐震偽装問題も動きはありましたが、関わった人物は、核心に触れることのない「別件」での逮捕です。政治家が絡んでいたことさえ、忘れ去られようとしています。マスコミ各社は今ごろ、ホリエモンの肉声を収録することに躍起なのでしょうが、そういう無駄な労力を費やすのなら、忘れ去られようとしている、いわゆる5点セットなどについて、有耶無耶にならないよう継続的に報じていくべきではないでしょうか。
Victor

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