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March 13, 2006

茶番

皇太子ご一家が東京ディズニーランド、東京ディズニーシーを訪問しました。何もこれが茶番といっているのではありません。愛子さまだって子供ですから、東京ディズニーリゾートは一度は行ってみたい場所でしょう。ただ、一般市民のように気の向くままに外出すると混乱を招きます。皇族の子供さんたちが外出する際は、ダミーの両親役&ボディガードのような人がくっついて行くことも多いようですが、愛子さまは顔に特徴がありすぎて(父親にあまりにも似すぎて)なかなかそうもいかないことでしょう。ちなみに今回は、テレビ局がこぞって報道していますから、今日の夕刊や明日の朝刊でも報じられることでしょう。もし、記者クラブが宮内庁に「取材をさせろ」と言ったと仮定すると、これには伏線があることが推測されます。
久々にここ何週間か、週刊新潮を読んでいます。週刊新潮では数週間前から、皇太子ご一家が上野動物園や東京ディズニーリゾートに出かける準備をしていることを伝えていました。先日、ご一家が上野動物園に出かけた時は、今回のように大々的にカメラに取り囲まれることはありませんでした。休園日ということもありますが、テレビや新聞には全く(僕の知りうる限り)報じられない一方、週刊新潮では記事と望遠レンズで撮影したような写真が掲載されました。
恐らくこのことに業を煮やした宮内庁の記者クラブあたりの人々が、東京ディズニーリゾートに皇太子ご一家が出かけるのなら、みんなで取材させろとでもいったのでしょうか。お出かけの情報も週刊誌から得たのではないかと疑いたくなるほど。ちなみに、各省庁などにある記者クラブに入れるのは大手の新聞社やテレビ局などだけ。週刊誌は門前払い(某大手経済紙系の週刊誌は別かもしれませんが)のようです。各業界の専門誌も同様に別の記者クラブを作っていますが、大手メディアが牛耳る記者クラブとは差別的な扱いを受けているケースが殆どだと聞きます。これも報道の自由なのでしょう。
ちなみに、こうした記者クラブを廃止し、マスコミ各社から猛反発をくらったのが田中康夫長野県知事。今も変わっていなければ、長野県庁内の記者クラブは情報ルームのようなものになり、市民も入れるようなスペースになっているはずです。あの時の反発ぶりを振り返ると、マスコミ関係者がまるで一般市民と同じにするなと奢っているようなものです。給料のバカ高い会社もありますが、マスコミとは一般市民を高い地位が見下すような存在なのでしょうか。むしろ逆でしょう。

先日、日本銀行が量的緩和の解除を決めましたが、当日、テレビカメラが日銀の記者クラブの中を撮影していましたね。各社の記者やカメラマンがニヤニヤしながら待ち構え、幹事(この人も記者)と思われる人間が高校センバツさながらに電話を受け「量的緩和を解除、広報ルームに集ってください」と呼び込みをします。まるでお祭り騒ぎ。テレビ・ラジオはその晩のトップニュースで、翌日には大手紙が一斉にこのことをトップで報じたのは言うまでもありません。おまけに見出しも内容もほとんど同じという判押し状態。テレビ局が何を意図(ひょっとして仕事自慢?)しているのかさっぱり分からない映像を流してくれたお陰ではかなくも「冷暖房完備の部屋の中でニュースを待っていれば、トップ記事さえ書くことが出来る」ことを露呈してしまいました。ちなみに小泉首相を囲んでいるのは官邸の記者クラブの人々で、あの場にはクラブ以外の記者は入れません。もっと閉鎖的なのは司法関連の記者クラブで、会員でないと事前に何の情報も入ってこないと聞いたことがあります。
IT社会が進む中で、企業や官庁はホームページを通じてニュースリリースを出すようになりましたので、記者クラブへの資料配布(投げ込み、といいます)と同時に更新されるということも増えましたが、存在感が薄くなると感じたマスコミが危機感を感じているのも事実。他方であちこちで情報を開示しろといいながら、手軽に一般市民がニュースソースが得られる傾向が進むことを懸念している人も多いようです。実に矛盾していますが。情報を開示しろというのは、自分にだけ開示してくれることを望んでいるのでは?と勘ぐりたくもなります。

テレビや新聞では「発表した」と表記されるニュースが多いことが分かりますが、これは企業や官庁などがニュースリリースとして発表したもの。各メディアによってニュースが出される理由などの周辺情報の解説などでそれなりに独自色が出ますが、基本的には一般市民でも同じタイミングで手に入れることが可能なネタです。「明らかになった」という記事は、メディアの独自の取材によるすっぱ抜きもありますが、ほんの一握り。相手側のリークか、他社が報じたネタの後追いと察知されないように時期をずらしてすっぱ抜いたように見せかけている書き方もあります。このほか、会見などの場で政治家や企業や官庁の幹部が喋った内容などをもとに記事にすると「明らかにした」と書くこともあります。
本来は、何々会見の場で誰それが喋ったことまで報じると丁寧なのですが、紙面や時間の関係で省略されたり、すっぱ抜きとみせかけるためにあえて報じないという噂もあります。某大手経済紙が掲載する企業系の「明らかになった」は、殆どがリークという話もありますし、道路公団民営化問題で推進委(というかあの人)が直接流しているとしか思えない調査資料みたいなものが「明らかになった」といって連日掲載されたのは、球界のドンがボスを務めるあの新聞でした。リークを受けるというのはそれだけ信頼があるという見方も確かに出来ますが。

日銀のニュースはあくまで量的緩和を解除しただけ。ゼロ金利は維持。今後、世間が大騒ぎしてローンに殺到したりすると金利が上がる可能性はありますが、マスコミが報じることで大騒ぎになるのは当たり前。他人の家に火をつけながら、火事だと叫びながらカメラを回しているようなもの。マッチポンプ。日銀のニュースは、翌日の一面を飾るなということが簡単に予想できましたが、数年前の毎日新聞のように数日間張り込んで「神の手」と称された考古学者の捏造報道のようなすっぱ抜きも期待していました。あの時は毎日以外の新聞のトップ記事は判を押したように同じでした。
ちなみに、夕刊紙ですが東京スポーツのこの日のトップ記事は確か「ネッシー怒る」だったと記憶しています。東スポは、大手メディアや同業他社が同じようなネタを報道し始めると、その間隙を縫うように全く違う記事を扱う傾向にあります。むしろそれを使命と感じているのではないかと思えるほど。確か、日本中のメディアが白装束の集団を面白おかしく追いかけるなか、突然、宇宙人のニュースを報じたのは東スポでした。この揺さぶりが、名実ともに日本一の夕刊紙と呼ばれる所以なのでしょう。同じようなことをやれば埋もれてしまう…マスコミ各社の中で東スポが最も危機感を感じているのかもしれません。
otoshimono

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