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March 28, 2006

許容範囲

更新が滞っている間にいろいろなことがありました。特にWBCでの日本の優勝は、ギリの準決勝進出のため、本当に世界一かという声もありますが、シドニー、アテネのソフトボールを思い出してください。最後の最後、たった1敗しただけで日本は金メダルを逃しました。今回はその逆。準決勝では「宿敵」やら「因縁の対決」やら日本だけが熱くなる日韓戦を制し、決勝でキューバを破りました。負けてもなお相手を尊重するキューバの人々の姿勢はいかにも日本的で、印象を良くした人も多かったはず。ともあれ、世界初というのは印象に残るもの。
宇宙開発に例えると、世界初の宇宙飛行士、女性初の宇宙飛行士、人類初の月面着陸を果たした宇宙飛行士…どれも名前は出てきますが、2番目はなかなか思いつきません。それと同じ。スポンサーがつかないとか、米国の準備不足の間隙を縫って優勝したとの声もありますが、勝ちは勝ち。

さて、大相撲も見応えがありました。千秋楽は、魁皇と栃東が勝って、なおかつ朝青龍と白鵬が優勝決定戦でぶつかるという僕の頭に描いたシナリオ通りの展開でした。それにしてもモンゴル勢を中心とした外国人勢の活躍が目立ちます。このほかにも韓国、グルジア、ブルガリア、ロシア…十両全勝優勝の把瑠都はエストニア。春場所の番付では幕内42人中12人が外国人力士です。もはや特別扱いする必要がないほど浸透してきています。
大相撲の国際化は避けては通れない道といえるでしょう。朝青龍は完璧なまでの強さ、琴欧州は甘いマスクが人気ですが、白鵬の人気は少し異なるような気がします。白鵬の強さは、下半身の安定感にあります。いかにも日本風の腰の重さを持つ相撲スタイルと、最後まで気を抜かず、寄り切った相手の身体を土俵から落とさないよう大事にかばう姿も印象的です。注目すべきは、白鵬の姿にかつての北の湖などのような、強い日本人力士の投影しながら応援しているということです。やはり多くの相撲ファンは、強い日本人力士を待ち焦がれているのでしょう。
外国人力士は、日本人と良く似ているモンゴル人中心ですが、これからヨーロッパ勢の白人、やがては身体能力に優れた黒人が本格的に力士として活躍する時代が来るかもしれません。その時、日本の相撲ファンはどこまで許容できるか、気になるところです。もちろん、国際化は素晴らしいことだと思いますし、そうなることで、多くの日本人がいまいちピンと来ない「国技」相撲という観念が固定化されることにもなるでしょう。

春のセンバツ高校野球が地味に行われています。清純さ、さわやかさをウリにする高校野球ですが、その一方で今回は卒業生の飲酒で出場を辞退した高校もありました。高校野球にはダーティな部分が多いことは、普通の高校に通っていた人なら誰でも感じているはず。それなのに、虫も殺さずオナニーすらしない無菌青年の集団のような行動を押し付ける高野連や、そのことを強く印象づけるようなマスメディアの報道も気になります。
さて、今回の代表校をざっと調べてみると、出場32校中13校が私立高校でした。正確な比較は行っていませんが、私立高校の割合は恐らく一昔前よりは増加しているような気がします。出場校全体に占める比率は41%。平成15年時点で全国の5,450校のうち、私立高校は1,318校。比率は24%。高校野球の公私比率の歪みが良く分かります。
私立高校では、少子化対策としてサッカー、野球、吹奏楽、バトンなどを強化するケースが目立っています。知名度を上げて、受験者、入学者数を確保するためです。超有名私立を除き各校とも生き残りに必死なのですが、一方で学校が露骨なビジネス路線に走ることに批判的な声があることも確かです。
一昔前は、強豪の有名私立高校に有力選手が集まり、宝くじに当たるような確率でレギュラーを目指して日々練習するという構図だったようですが、今では、全国各地にミニ強豪私立のような高校が乱立し、有力選手もあちこちに散らばる傾向にあります。特に、高校数が少ないという地方の競争率の低さを利用して難なく甲子園に出場する高校もあります。
こういう高校が入り混じって戦う訳ですから、面白さが半減してしまうのかなと思うのですが、それ以上にひどいのは、地方の代表校でありながら、地元出身者が殆どいない代表校もザラということです。これでは全然面白くない。僕の地元でも隣の私立高校はいつの間にか強豪校となり、甲子園の常連となりつつあるのですが、地元民の応援の熱は予想以上に低い。それは、全国からの寄せ集めだからです。
WBCが盛り上がるのも、サッカーの代表戦が突出して人気があるのも、イチローや中田がいるからだけではありません。国と国がぶつかり合うから。規模は違えど高校野球も同じです。この状況で「地元を代表して」という言葉は成り立ちません。高校野球ファンの許容範囲も限界があるものと思われます。それでいて、高校野球ファンの高校球児のさわやかさを国民に押し付ける高野連や、大会の一部始終を感動巨編として垂れ流すマスメディア…そろそろ転換点に差し掛かっているのではないでしょうか。
hanahana

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