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February 02, 2006

偽善

社会保険庁は、年金未納者について医療費全額負担、医師等に対しては医療費の保険請求をさせない仕組みの検討を始めたらしいですね。年金は払わないが、医療費の全額負担は避けたいと国保は渋々支払っている人が結構いるのですが、いいとこどりをさせないという強行策は、一定の成果があるでしょうし、賛同する人が多いかもしれません。特に、天引きで逃げも隠れも出来ないサラリーマンを中心に。

社会保険庁がこれまでスッた金を戻せよといいたいところですが、不祥事が発覚するごとに頭を下げていた役人の方々は、既に人事異動でどこかに行ってのうのうと仕事をしていることでしょう。旧道路公団、成田空港、防衛施設庁の談合で明るみになったように、官僚の天下りは今でもしっかりと行われています、ただ、民間企業へのダイレクトの天下りは禁止されているので、公益法人にワンクッション置いて、天下ることが常套かしつつあります。この間も給料や退職金が支払われるわけですから、明らかに人件費の無駄です。元は税金ですから。それならば民間企業にダイレクトで引き取ってもらい、税金を財源としない給料を支払ってもらった方がまともにすら思えてきます。

ここで何度も触れたことですが、数年前は公益法人改革といいながら、減ったのは僅かです。公益法人同士の合併も1+1=2の焼け太り。それ以外にも独立行政法人という立場が極めて不透明な半役所があちこちに作られて、公益法人が減ったように見せかけています。今でも中央官庁の中や虎ノ門界隈に突然、聞いたこともない独法が湧いて(?)いたりします。独法とは、その名の通り出来るだけ独立採算を目指して、失敗した場合は経営責任を負わせるという半官半民のような存在ですが、、プロパーで汗水流す方々はともかく、幹部は次々と首をすげかえられますから、いざという時も責任はとらないでしょう。それ以前に、どこまで行ったら失敗なのか、なかなか失敗を失敗と認めず、責任もろくにとらない役所が不採算法人を潰すような大鉈を奮うとは到底、考えられません。

例えば、年末や暑気払いなど特別な時に「今日は会社の経費だ、何でも食っていいぞ」と言われると大概は「よし、じゃあ今日は普段食べない豪勢なものを注文するか」となります。それは、会社の金だからです。コスト意識のないタイプの役人は、始終この発想で経費を無駄使いをしているといえます。一方で2人の乳飲み子を抱える専業主婦の妻にレストランで「何でも頼んでいいわよ」と言われても、普通のサラリーマンならおいそれとステーキを頼む奴はいないでしょう。それは、家の金だからです。行政改革が急務とされていますが、大阪市の役人をはじめ、組織を刷新してもこうしたコスト意識を持つ役人が育たないと、またどこかで無駄使いを始めてしまうことでしょう。

ところで、社会保険庁が実際にこうした対策をとった場合、平等という言葉の大好きな人々が「不公平だ」とか「医療を受ける機会は公平に受けるべき」とか、ごもっともなことを唱えだすことでしょう。それはそれで正論ですが、「年金なんか払ってもどうせ戻ってこないから」と時流に乗って支払わない人間がいるのも事実です。NHKの受信料不払いも同じ。不祥事が目立ったNHKですが、プロジェクトXの後番組のように手間隙かけた非常に面白い番組を作る能力もあります。隠れてそうした番組を見ながら、時流に乗って受信料は支払い拒否をするというのでは、我侭ないいとこどりでしかないといえます。

大阪市内の公園でのホームレス退去は、マスコミや支援者と呼ばれる方々が入り乱れて騒然としていました。博覧会を開催するため「汚いものは取っ払う」という行動は、古くは天皇行幸から、あちこちで開催された博覧会など毎度のように行われています。オウム信者の子供を自治体がこぞって受け入れ拒否したように、排除するだけでは何の解決にもならないことは目に見えています。先日、どこかの裁判所で公園を住所として認めるという判決がなされましたが、あの判決では、だからといって公園に住んでいい訳ではないという見解も示しているはず。そこを切り取って報道するメディアにも恣意的なものを感じてしまいます。

大阪府は、16歳未満の子供のカラオケボックスなどへの立ち入りを午後7時までとしました。ただ、厳しすぎるという反発に親子同伴なら午後10時までという例外(?)も盛り込んだようです。寄せられた意見の中で「親子の団欒を奪うのか」というものもあったとのことですが、いったい誰の意見なのでしょうか。子供の健全育成に命を燃やすPTAの方々が諸手を挙げて賛成しているシーンが浮かんでいますが、例えば、テレビなどは昔と違いほぼ24時間番組を垂れ流していますし、コンビニの登場で昔のように夜は何も買えないということもありません。そういう生活スタイルは変えずに、規則だけを変えるだけで昔に戻れという発想に無理があるような気がするのですが。

健全育成といいながら、無菌室の中で親の徹底監視で育てられた子供は、誰から見ても素晴らしいお子様に育つ可能性もありますが、一方で突然変異してあちこちで事件を起こしているのも事実です。大阪府は門限(?)を午後7時までとして、子供たちに何をやってもらうことを想定しているのかを明確に示す必要があるかと思います。家に帰って団欒せよということならそれでもいいでしょうし。建前だけの賛同を取り付けるような上っ面の規制を作るようなら、教育現場を混乱させただけの週休二日制のようなお手盛り仕事と同じです。

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