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February 09, 2006

インスタント思考

ジャーナリスト宣言をした朝日新聞ですが、その広告を観て「そっか、今までジャーナリストじゃなかったから、へんてこりんな記事や社説が載ってたんだ」と変に納得した人も少なくないはずですが、女系天皇の安易な容認に慎重な姿勢を示す三笠宮殿下に「もう喋るな」と釘を刺す社説を最近、掲載しました。
昨年も確か教科書検定を巡って、産経新聞と水面下で蹴りあいをするような泥仕合を繰り広げた朝日新聞の社説ですが、「発言をもう控えては」の見出しに卒倒しそうになりました。皇族を批判すると言うタブーに敢えて挑戦するという思い切りの良さは、ジャーナリスト宣言の賜物(?)かもしれませんが。
ただ、この社説については、100%批判するのは気が引けます。週刊誌でも大々的に取り上げられ、ブログや掲示板でも風潮に乗って徹底的に批判するケースがみられますが、朝日新聞が社説でこういう問題を再度投げかけたということは、それなりに意味があるといえるでしょう。皇室典範改正における最大の問題は、インスタントラーメンを作るかのような拙速さにあるわけですから。
あれこれ商売に手を出してコロコロ職業を変えている元皇族のボンボンが過去を覆い隠して、この問題に便乗してやたら畏まった本を出したのには「ズルいな」とは思いましたが、そういう話はともかく、何が「有識」なのか良く分からない人々にまず、女系天皇ありきという議論をちょこちょこっとさせて引っ張り出した方針が、皇室典範改正のベースになっていることが、そもそもの問題といえるでしょう。不謹慎な例えになるかもしれませんが、裁判だって、被告に証言させるのですから、少なくとも有識者会議には皇族にも意見を述べる場を設ける必要があるのではないでしょうか。
出来レースをさせるために、ちょくちょく役所は彼らの意図する方向性に出来るだけ異を唱えなそうな人ばかりを集め審議会を開き、ここで作成された報告書を法案や予算案作成の根拠にしたりします。国を動かす民意とは、この程度です。仮に運悪く委員にゴン太が混じってしまったら最終報告書でこの人の意見を「付帯意見」として取り入れ丸く治めて、よほど力のある人でない限り、次回からこういう人は呼ばれることが少なくなります。
適当に報告書を読んで、短い会議に出て、お金と審議会委員という名誉も得ることが出来るのですから、美味しい話です。もちろん全ての人がそうではないと思いますが、普段から大学教授や企業の幹部など別の職業をもっていたり、複数の審議会や検討会、委員会の委員を兼任している人はザラですから、聖徳太子みたいな人でない限り、全力集中は無理だということが分かります。
男女平等に異を唱えるのには勇気がいる世の中になりましたが、何でもかんでも平等ならOKという風潮には疑問を感じます。前にもここで述べたことがありますが、皇室典範改正問題には、男女平等という今どきの風潮に世論が安易に乗っかっているような気がしてなりません。

さて、追い風を感じたのか、「今ごろ?」と思いたくもなる人を含め国会議員の多くが反対を唱え始めた皇室典範改正問題ですが、さらに混乱を招くことが報道されました。「紀子様ご懐妊」です。件の問題とタイミングがあまりに絶妙で、テレビ局はバカの一つ憶えみたいにこの話題ばかり報じ始めました。そうやってマスメディアが煽れば煽るほど国民は踊らされ、いわゆる4点セットの問題などどこ吹く風という風潮になりかねません。
紀子様関連の少ないネタの出所は同じようなものなので、秋篠宮様がどこに行かれた、紀子様はどういう予定をこなされたと報じるのは同じことばかり。皇族ですから公務をこなすのは当たり前でしょう。バカか。それに報道が過熱すればするほど、秋篠宮様や紀子様ご自身、それ以上に皇太子ご夫妻に大きなプレッシャーがかかることは言うまでもありません。
そのうえ、今の皇室典範だと男なら継承順位3位だとか、女ならダメだとか、9月ごろに抽選が行われる「くじ引き」でもしているかのよう。あと何ヶ月か待てば皇室に子供がコロンと出てくるという、インスタントラーメンのような思考を国民に植えつけるような報道合戦に戸惑いを感じるのは僕だけでしょうか。

それにしても秋篠宮ご夫妻は、何かを意図して事を起こしたのか、それとも偶然なのか、聞けるものならそこを聞いてみたいものと思います。偶然ではないとするばらば、宮内庁の「紀子様に頑張ってもらいたい」という不謹慎な発言に対抗したものなのか、男子の誕生で全ての混乱を終結させようと考えたのか、皇室典範が改正されると内親王の宮家創設が認められることなどを踏まえ…。このままではやがて臣籍降下する内親王の行く末をどれほど案じているかは、我々一般国民には知り得ない部分ですが。
その皇室典範改正は、これまでの積極派も慎重な姿勢を示すなど少しブレーキがかかってきました。拙速な改正は論外として、議論を続けるか(先送りという意味ではない)、廃案にするかは、今国会で決めるべきでしょう。仮に秋篠宮家に内親王が生まれて改正問題がぶり返すようなら、後出しジャンケンと同じ。卑怯です。
tvtosan

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