« あるコーヒー豆屋の叫び | Main | ブラザーズ・グリム »

November 04, 2005

ティム・バートンのコープス・ブライド

CinemaX第55回目、マツイ。

ティム・バートンのコープス・ブライド
製作総指揮:ジェフリー・オーバックジョー・ランフト
監督:ティム・バートンマイク・ジョンソン
脚本: パメラ・ペトラー、キャロライン・トンプソン、ジョン・オーガスト
音楽:ダニー・エルフマン
声の出演:ジョニー・デップ、ヘレナ・ボナム=カーターほか
上映時間77分
(公式サイトはここ

「緊張感」

あの監督はどういうような映画を撮るとか、全く気にならないのですが、…チョコレート工場からそう時間が経っていないので今回は珍しく先入観がある状態で観ました「この監督は、イカレポンチな映画を撮る」という具合に。

それにしてもティム・バートンのコープスブライドというタイトルは如何なものかと思います。巨泉のクイズダービー、巨泉の世界まるごとHOWマッチみたいなノリです。まどろっこしいことをせず「コープスブライド」だけで良かったのかもしれません。上映時間も短いですし、シンプル・イズ・ベスト。

本編スタート。ストップモーション・アニメということもあり、映画そのものは独特な雰囲気ですが、導入部は…チョコレート工場と同様に見応えがあります。これから物語が始まりますよ…というようなドキドキ感すら感じられます。そして、主人公(ビクター)とヒロインであるビクトリア、コープスブライドが相次いで登場します。この映画はまどろっこしい説明は抜きで、テンポがいいのが最大の特徴です。物理的にダラダラとシーンを長くするのは命取りなので緊迫感もあります。

ターン1までの評価「B」

あえて短所を挙げるならば映像が暗くて観難いということなのですが、中盤まで観進めるとこれすら仕掛けであることが分かります。あの世とこの世の映像表現のちょっとした皮肉も監督の才能と言えるのでしょうか。そして、あの世のミュージカル仕立てのお祭騒ぎでこの映画のイカレ具合がピークに差し掛かります。テーマそのものが暗く、映像もダーティな部分が多いですが、お子様方もこの部分は大喜びするのではないかと。トロンボーンを拭いていてトランペットの音がするのが気になりますが。この手の音間違い(?)とか、実写によくある運指違い(?)はある意味定番なので目をつぶるしかありませんが、他の部分にリアリティを追求するのならどうしてここを邪険にするんだという気もします。楽器経験のある人間って結構多いはずですから…話が逸れました。

人間関係でいえば、研ナオコを連想させるコープス・ブライドをはじめ、ビクター、ビクトリアの主役級の人間のいずれもが決して悪人ではないところが秀逸です。真の悪人は3人ぐらいしかいません。不意に人を傷つけてしまうこと、傷つけざるをえないような展開は、西洋人よりもむしろ日本人に理解しやすいといえます。題材や見た目こそイカレポンチですが、案外王道を行っている映画ともいえます。

ターン2までの評価「A」

あっという間に訪れるクライマックスのシーンでは、ビクターがどちらをとるかという人生を左右するような問題に直面しますが、悩む間もなくここはあっさりと進んでしまいます。ビクターが主体的に動くようなシーンがあれば、もう少しストーリーに厚み出たのかもしれません。コープスブライドの行動は日本の古典芸能のよう。人形浄瑠璃とか、古典歌舞伎とか。

最終評価「A」

上映時間が短く、時間だけで判断すれば劇場が割引料金を設定してもいいような気がしますが、実写はもちろんのこと、アニメやCGより遥かに手間と時間がかかるストップモーション・アニメですから、スタッフの労力を考えれば2倍、3倍の料金が欲しいぐらいともいえるでしょう。前述のようにシーンの無駄撮りは命取りになる映画ですから、緊張感があります。これは、フィルムが高価だった頃の映画撮影に通じるものがあります。シナリオを書いて、シーンをバラバラにして並べ替えや削ってやっと撮影に入るような感じです。テレビドラマは時間の制約がありますが、映画は常識とされる時間内であれば特にありません。
それでいて3時間を超えるような映画の割に内容が水のように薄かったりする映画に出会うと腹が立ちます。監督の我侭で長くしているのも問題ですが、最近ではDVDの普及によりディレクターズカットという無駄シーンを盛り込んで水増しした映画も少なくはありません。時間的制約からやむなく削除したのなら別ですが、本来はゴミ箱に捨てられたシーンを入れて間延びしないわけがありません。最近の悲しむべき風潮です。
シーンを水増しして失敗した代表例は、ニュー・シネマ・パラダイス、泣く泣く削除した例は…愛のコリーダ?別の意味ですが。あと、映画ではありませんがドラゴンクエストⅡ。メモリの制限からシーンや背景、アイテムの多くが削除されました。それだけに内容が濃く、ドラゴンクエストシリーズで最も評価が高いゲームの一つとされています。関係ないですか。

テーマや映像が暗いのでお子様のために一本という感じではありませんが、どこかディズニーランドのホーンテッドマンションに共通する雰囲気、途中のミュージカル仕立ての映像は楽しいです。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成17年11月3日
劇場:ワーナーマイカルシネマズ板橋
観客数:90/154席
感涙観客度数:不明(鼻すすり音ではほとんど検知出来ませんでしたが、じんわり感動している人が多かったような気がします)。

ワーナーマイカルシネマズ、予告編前の映像がポップコーン砲からシンプルなものに変わったようです。

ついでに紹介!

クリスマス商戦にぶつけたいのかわざわざDVD化を遅らせた感のあるポーラー・エクスプレスがついに発売。ついでにアラン・シルベストリのセンスが光るサントラもどうぞ。電車でも爆睡必至。

クリスマスと言えば、踊る…真下正義は公開は夏なのにクリスマスの話でした。きっと、今年のクリスマスにぶつけてくるんでしょう。大人の商魂見え隠れ。

|

« あるコーヒー豆屋の叫び | Main | ブラザーズ・グリム »

Comments

Hello there! This is my first visit to your blog! We are a collection of volunteers and starting a new initiative in a community in the same niche. Your blog provided us beneficial information to work on. You have done a extraordinary job!

Posted by: Eugene | April 20, 2014 at 11:02 AM

Oh my goodness! Impressive article dude! Many thanks, However I am experiencing difficulties with your RSS. I don't understand the reason why I cannot join it. Is there anybody else getting identical RSS problems? Anyone that knows the answer will you kindly respond? Thanx!!

Posted by: Niklas | April 23, 2014 at 08:49 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/49725/6890204

Listed below are links to weblogs that reference ティム・バートンのコープス・ブライド:

» The Blog [The Blog]
I would love to be able to come back and write a post about how we are developing, or have picked up a show based on a [url=http://exidiqe.info/Ml8xMzgwMjI=]comment[/url] posted to the blog. [Read More]

Tracked on June 03, 2007 at 06:09 PM

« あるコーヒー豆屋の叫び | Main | ブラザーズ・グリム »