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October 22, 2005

ファンタスティック・フォー

CinemaX第54回目。

ファンタスティック・フォー
原作 スタン・リー、ジャック・カービー
製作総指揮:スタン・リー
監督:ティム・ストーリー
脚本:マイケル・フランス、マーク・フロスト
音楽:ジョン・オットマン、ミリ・ベン=アリ
出演:ヨアン・グリフィズ、ジェシカ・アルバ、クリス・エヴァンスほか。
上映時間106分
(公式サイトはここ

「ビビューン」

ファンタスティック・フォーは、アメコミ原作モノです。一時期は活況を呈したアメコミ原作モノですが、実際にはスパイダーマン以降、ヒット率が落ちているようです。そのなかでファンタスティック・フォーは、米映画界で予想外のヒットとなり、日本で上映されることになりました。まるでビビューン(→後述)のような映画ですが。

ファンタ…を簡単に説明すれば、宇宙線を浴びて不思議な力を手に入れるというものです。それ以外にほとんどドラマがなく、ベン(ズシーン?)の生き方にほんの少し内容があるぐらいです。特に元カレ、かつては恋仲だったリード(ビビューン?)と元カノ、スー(バシャーン?)は、くっつく・くっつかないというもどかしい状況を一生懸命表現しようとしているにも関わらず、全く感情移入出来ないという惨状です。セリフのやりとりも感情があるようで実は何もないのは、時代設定が分からない、主人公に魅力がないという点に問題がありそうです。
時代設定が分からないという部分に関しては、現在なら現在、少し先の話ならそうと説明してもらわなければ観客は置いてけぼりをくらってしまいます。例えばものすごく未来の話、全く別の星の話なら、風景などで表現する方法もありますが、やはり観客が生活している現在との接点を明確にすると感情移入もしやすくなります。
例えばバック・トゥ・ザ・フューチャーもしっかりとした時代設定が行われ、現在との接点が明確に示されていますし、あのオースティン・パワーズだって、いつの時代の話かをきちんと示しています。一方でフィフス・エレメントやポストマンは、おぼろげながら時代設定(ものすごく先の未来)が示されていますが、現在との接点が全くないために感情移入がしにくかった映画だといえるでしょう。
そう考えると、いつの時代のどこの話だか分からないようなスターウォーズは、キャラクターやメカニックのデザインがしっかりしていて、当時としては驚異的な撮影技術で観客を圧倒していなければ、単なる駄作に終わっていたのかもしれません。

ターン1までの評価「C」

主人公に魅力があれば、映画は見ごたえが出てきます。例えば正義の味方である必要はありません、強くなくてもいいですし、極悪人でもいい。観客が感情移入出来る部分があれば魅力的名人物になります。主人公が味気なく、周囲の人間に個性が出てしまうのは、素人シナリオによくありがちなんですが、ファンタスティック・フォーも同じような状況になっています。主役級の人物が進化を遂げた後は、アクションシーンはかなり見ごたえがあるのですが、ビビューンとバシャーンのくっつく・くっつかないという部分になると途端にテンポが鈍ります。もしかしたらセリフもさることながら、訳にも問題があるのかもしれません。

ターン2までの評価「B」

ファンタスティック・フォーに足りないものは他にもあります。「葛藤」「貫通行動」です。葛藤でいえば、例えばスパイダーマンは、主人公が特殊な力を得た代償にいろいろなものを失います。そこで悩みながらも悪と戦うところに観客は感情移入が出来るわけです。一方でファンタ…は、ゴム人間になろうが、火の玉になろうが、透明になろうがズシーン(?)を除き特に葛藤を感じるような部分がありません。個人だけでなく、人間関係で葛藤があっても作品に厚みが出てくるのですが、メンバーは途中、仲違いをする部分でも亀裂が浅いため中途半端に終わっています。
貫通行動も深刻です。メンバーは火の玉男を除き「元の身体に戻りたい」という動機から研究を進めるのですが、その熱意が伝わってきません。いくら貫通行動があっても、切羽詰った動機がなければ惰性で行動しているのと同じです。例えば、妖怪人間ベムとその仲間の「人間になりたい」という思いの一心で行動するのに比べると、ファンタ…の動機の薄さ(?)を感じることが出来るでしょう。

自分の姿と人生に葛藤しながら力を発揮するベンが唯一、血の通った人物のような気がします。原作がコミックですから人間的な部分を求めるのは酷なのかもしれませんが、生身の人間が演じる映画なので、決して切り捨ててはいけない部分だと思います。そう考えると、不完全な良心回路に苦しむキカイダーの設定というのは、当時としては斬新であり、多くの人々の心を惹きつけたのは当然ともいえるでしょう。

「最終評価B」

橋の上のシーンとか、終盤の街中でのシーンは迫力がありました。特にベンが走りまくるシーンにあわせて割と大きな地震(茨城県の一部で震度5弱)が起こりましたので相当に緊迫感がありました。観客が何人か逃走するなかで何事もなかったように上映を続けた劇場は根性があるというか、鈍感というか…。

幼い頃、超神ビビューンというヒーローものがありましたが、ベンを見て「ズシーンやんか」と思ったのは僕だけでしょうか。ビビューンや確か逆回しで水から飛び出してくるバシャーン、岩の塊のようなズシーンは、異彩を放つ特撮ヒーローものとして強烈な印象が残っています。ヒーローものといえば、今やイケメンを主人公に使う戦隊モノや石ノ森章太郎が死んだのをいいことにやたら変質した仮面ライダーが一般的になっていますが、アクマイザー3とか、宇宙鉄人キョーダインとか、続編はまずないなという込み入った番組が多かったように思います。
リアルタイムでは観ていませんが、「ルーロルロロ」とか「ズドドドバーン」など擬音を多用した主題歌に驚愕した超人バロム1や時代は下がりますが、これまた主題歌が「オーオオーオーオオー」ばかりの大鉄人17(ワンセブン)とか実写、アニメ問わず面白い漫画がいっぱいでした。だいがいの作品に石ノ森章太郎が絡んでいるというのが強烈ですが。今は別人と化した林寛子(扇千景ではない)の初々しさがまぶしい、がんばれ!レッドビッキーズやその続編も石ノ森章太郎ですね。
大鉄人17には、確か敵が作った18(ワンエイト)というのが登場するのですが、最後に「にいさああああん!」と言って爆死するのがあまりにも印象的で今でも忘れられません。

さて、ベンとズシーンはどちらかがパクリなのか、はたまたトランペットとコルネット、サイとカバのように別のルートを歩みながらも進化を経て近い場所にたどり着いたのか、疑問が残るところですが、検索によるとファンタスティック・フォーは1961年誕生、超神ビビューンは1976年放映開始。少なくともベンやズシーン以外のキャラの見てくれが似ていないことから、偶然近いところにたどり着いたのかもしれません。ゴールドライタンとサンシャインのように。

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似ていると思うベンとズシーン。

f4
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ベンとズシーン、それぞれの仲間たち。

…写真、パクりまくってすみません。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成17年10月19日
劇場:シネマメディアージュ
観客数:10/94席
感涙観客度数:若干(観客の鼻すすり音で推定)

機械的な人物設定の中でベンの生き様だけが救いだといえるでしょう。

ついでに紹介!

バロム1の強烈な主題歌、未体験の方は是非!

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