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October 07, 2005

タッチ

CinemaX第52回目。

タッチ
監督:犬童一心
原作:あだち充
脚本:山室有紀子
音楽:松谷卓
出演:長澤まさみ、斉藤祥太、斉藤慶太ほか。
上映時間116分
(公式サイトはここ?)

「クイズダービー」

来週あたりで公開が終了する「タッチ」です。コミックは1981~1986年、アニメは85~87年。僕はタッチには特に思い入れがなかったりします。実家の店(理髪店)にジャンプとマガジンしか置いていなかったのが影響しているのかもしれませんが、淡い恋愛は小学生のクソガキの心には届かなかったというのが性格なのかもしれません。アニメは中学生の頃ですね。この頃にはガンダムやマクロスに振り回されてアニメからもう足を洗ってしまっていたのかもしれません。日曜の夜、何となく観ることもありましたし、学校ではそれなりに話題になっていたので話の筋は知っています。確か女子生徒はタッちゃん派とカッちゃん派に分かれていたんですね。主題歌は印象的でした。

劇場版は、幼少時からの3人の説明からスタートします。南の母役のゴン中山の奥さんは速攻で死去。電力会社のCMでよく見かけていた生田智子ですが、女優としての露出度はかなり低い印象があります。未だに生田悦子と間違えますし。良いOL。

幼い頃から双子の兄弟と少女が約束した「甲子園に連れて行く」これが、登場人物の動機となり、和也・達也の性格の違いがあいまって「股割き」の状態になるわけです。これが重要です。シナリオスクールでは「リトマス紙」とかいう風に説明されるもののもっとデカい版です。「北の国から」もそう。母親の浮気現場を見た蛍と、そうでない純は、母親への思いという点で「股割き」になります。その差が以降のドラマのエッセンスとなっているわけです。

タッチは、同じ顔をした双子ながら、日常生活はおろかキスに対する思いとか行動とか、反応とか、そういうもので差が表現されます。キャストも王様のブランチに出ている双子、原作も髪型が違うだけでしたが、性格の違いで物語りに厚みが出てきます。ということで、このへんの評価は全て原作が優れているから言えることなので、劇場版のダメなところ、良いところを挙げて考えてみましょう。

『ダメなところ』

×カットがダメ
盛り上がるシーンでいきなりカットが入り別のシーンに飛ぶなどシーンの繋ぎが雑な部分がありました。シーンの並べ替えや繋ぎを丁寧にやれば、もっと盛り上がるシーンになるはず。

×アテレコ(?)がダメ
雨のシーンや球場のシーンなど雑音が多く入る箇所では撮影した映像に自身の声を吹き込んでいるのですが、これがダメ。映画の吹き替えみたいな妙な雰囲気が漂ってしまいますし、南と達也の息遣いは、大げさすぎてエロビデオでも見ているかのようです。

×テーマ曲がダメ
岩崎良美が歌っていた主題歌は、カバーされました。ユンナという韓国出身の女性が歌っています。カバーというと現代風にアップテンポな編曲になるパターンが多いのですが、原曲を尊重しようとしたのか、そもそも原曲がアップテンポだけに苦慮したのか、ベースラインがほとんど同じなのでカラオケでも歌っているようです。これではカバーの意味が全くないように思います。時折チャチャを入れたりエレキギターのダサダサのフレーズが入ったりと「カバーなんですよ」というアピールをしていますが、これがかえって邪魔。ユンナのけだるい歌い方も「×」心がこもらないのならルパンⅢ世みたいに外国人に日本語歌詞で歌わせろいと思いましたが、韓国の人でした(笑)
ユンナの経歴が分からないのですが、少なくとも歌では韓国や北朝鮮の人が日本語を喋る際にありがちな濁点が欠けているように聞こえるような感じもありませんでした。彼女は他の曲を聴く限り声量があり歌唱力があるようですが、原曲を始めて聞いたときの衝撃を考えると、タッチのカバーは少し甘かったように思えてきます。
実際の譜面を見たことがないのですが「あ~な~た~か~ら~タッチ!て~を~の~ば~して~」という部分は、拍子で言えば4分の4が4小節なのですが、歌詞とリズムを考えると、4分の4、4分の4、4分の1、4分の3、4分の4という風に錯覚します(実際にそうなっているのかもしれませんが)。前につんのめりそうな部分がタッチの主題歌の大きな特徴であるわけです。凄い曲です。だから下手にカバーしてほしくないと強く感じます。
この手のカバーで良いなと思ったのは、倖田來未が歌ったキューティーハニーぐらいです。もともとアップテンポで完成度の高い原曲にさらにアップテンポで対抗した向かい酒のような編曲が印象的でした。
エンドロールの曲を歌うのはYUKIなんでした。いい曲ですが、タッチと何の関係があるのか分かりませんでした。
実は脚本を読んで書いた曲で、こちらが「主題歌」のようです。なおさらわからん。

『良いところ』

○死んだ後、和也を一度も登場させなかったところ
達也も南、野球部員など周囲の多くの人間が死んだはずの和也に影響され続けます。このようなシーンは、声や回想、亡霊(?)など映像的に表現すると手っ取り早いのですが、その手法は使われませんでした。脚本や演出では苦労しますが、工夫をして安易な表現を避けると作品に重みが出てきます。一番盛り上がったと思われるテーマ曲が流れる前のシーンは特にそうです。ちなみに和也は死後、一度だけ映像が登場するのですが、これはこの筋の問題にはあたらないでしょう。

○長澤まさみがとにかく良い
タッチは、長澤まさみの演技ばかりが光る映画でした。彼女は東宝シンデレラのグランプリですが、さすがは20年で6回しか行われていない気まぐれなオーディションということもあり、受賞者は存在感のある女優が多いように思います。かつては俳優の入り順ばかりを気にするなど男尊女卑の傾向が強かったといわれる東映とは逆に「まず女優ありき」の東宝ということもあるからでしょうか。とりわけ長澤まさみは存在感があります。確か小学校を出るか出ないかの頃の受賞のはずですが、今の彼女を予想してグランプリを与えていたのなら凄いことです。僕が評価しているのは、物言わぬ演技力、そしてシフトチェンジのいらない容貌です。
俳優は、年齢を重ねるに連れてシフトチェンジが必要になります。例えば女優の場合は、娘役をしていたら、あるときから母親、老婆へと役どころが変わる時期があります。そのシフトチェンジが上手くいけば、役者として需要が出てくるわけです。男性で言えば、一昔前の津川雅彦は、ドラマなどで中年の渋さが光っていましたが、今は老人(?)として味のある演技をしています。これがシフトチェンジ。役所光司は、デビュー時に人気が出て暫くは低迷している感もありましたが、その後は中年へのシフトチェンジで一気に株が上がり、現在に至ります。ただ、年齢的に次のシフトチェンジが近いことが予想されますので注目です。
長澤まさみは、容貌だけをみると少女の若々しさもありますし、時折、演技の中に大人の色気や落ち着きもみせます。簡単に言えば年齢不詳です。恐らく40代、50代になっても雰囲気そのものは変わらないでしょう。つまり、シフトチェンジの必要がないということです。無段階変速。CVT。今後の彼女に活躍が大いに期待したいと思います。

最終評価「A」
粗い部分は少なくはないのですが、原作の秀逸さがその穴を埋めてしまいました。加えて長澤まさみの演技と存在感。長澤まさみに全部。♪チャララララララ~ララ~ララ~…。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成17年10月6日
劇場:シャンテ・シネ3
観客数:13/192席
感涙観客度数:1割程度(観客の鼻すすり音で推定)

単に死ぬということだけでなく、そのことに派生する部分やそれ以前の積み重ねがあると、やはり重みのある「泣き」がやってきます。

ついでに紹介!

高価な劇場版DVD-BOXとさらにクソ高いテレビ版のBOX。
コミックもいいけどやはりアニメの日高のり子もなかなかです。
「ごめん!キミコ!もう逢えない!」 アニメ違い。

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Comments

 タッチフェチなもので見たいと思った映画なのですが、思い入れがかなり強いので、逆に映画館に足を運ばずにおりました・・・まあ、時間的にも無理ではあったのですが・・・

 そうですか。。。南ちゃんは良かったですか・・・ふむふむ・・・本仮屋ユイカちゃんじゃダメだったのかなあ・・・

  「・・・タッちゃん・・・」 ・・・日高のり子扮する所の南ちゃんのこの台詞・・・よくマネっ子したものです・・・それなりにウケてました・・・(グーグーガンモでっすぅ~~ も、ウケた!)

 テレビ版は、毎年甲子園の前になると繰り返し繰り返し放送されていて、飽きもせずに、必ずと言っていいほど可能な限りCHを合わせているのですが、今夏はひどい状況だったのをご存知でしょうか。

 担当者が「あ!いけね!タッチを再放送するの、忘れてた・・・」というテイタラクだったのか、スタートがギリギリ・・・しかも、無理矢理の再編集で・・・おまけに、最終話が甲子園開会式に間に合わず、どうするのかと思いきや、翌日からはまったく別の、韓流ドラマだかなんだかを放映していたのです、
 
 つまり結局、尻切れトンボのお祭りマンボ!

 中途半端なことをするんじゃないっ!
 と、クレーマーになりそうでした・・・

 コトほどサヨウに・・・私はタッちゃん好き・・・    タッちゃん漬・・・ではありません。。。
 
 あ・・・それにしても、コミックが100年も続いていたとは知りませんでした・・・。
 あだち充は・・・いくつじゃ?

Posted by: REE | October 08, 2005 at 01:46 AM

修正しました(笑)

Posted by: yuworldmaster | October 17, 2005 at 06:59 PM

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Posted by: Lawerence | April 25, 2014 at 02:21 PM

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