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September 16, 2005

愛についてのキンゼイ・レポート

CinemaX第51回目、イチロー。

愛についてのキンゼイ・レポート
監督 ビル・コンドン
製作総指揮:フランシス・フォード・コッポラほか
脚本:ビル・コンドン
音楽:カーター・バーウェル
出演:リーアム・ニーソン 、ローラ・リニー 、クリス・オドネルほか
上映時間118分
(公式サイトはこちら

「薄い」

「無修正」という話題ばかりが一人歩きしている映画です。確かにそうなんですが…。

主人公は、1948年にこれまでスポットライトが当てられることのなかった姓についての傾向についてまとめたキンゼイ・レポートを発表した、アルフレッド・キンゼイ博士という人物です。11PMの中でもレポートが何度も紹介されていたとのことですが、いかんせん11PMは大人の番組。一方の僕は小学校前後でしたから、とんと記憶がありません。
11PMの印象的なテーマ曲は、高校時代の吹奏楽の講習で他校の連中が余興で演奏していましたが、オープニング゙テーマに加え、エンディングの「ワ~ワ~ワ~ワ~」まで再現していました。大人です。当時は「水曜日は釣りの話ばかりでエロくない」って知っていると大人でした。後に裏番組でトゥナイトが登場し、過激さでいうと11PMを圧倒する存在でしたが、後に九州ローカルで「ドォーモ!」という番組が始まってしまい、いろいろな意味で青少年をがっかりさせてしまいました。笑顔でも目が笑っていない女性が出ていましたね。
ちなみに、即興で生まれたという11PMのテーマですが、鉄腕アトムも半ば即興で出来たようです。記憶違いでなければ、作曲者が曲のイメージがさっぱりうかばず路頭に迷って早朝の山手線を周っている間にやっつけで作ったとか。この辺はちょっと自身ありません。検索してもヒットしなくなってくるのもので。

20世紀初頭の西洋の性教育は、宗教上の概念などに捻じ曲げられて社会の奥底に封じ込められていました。「30mlの精液は1.2リットルの出血に値する」「少年期のマスターベーションは脳障害を引き起こす」などはもちろん人種差別の意識も加わって「ニグロ(ママ)は性の衝動を抑えられない傾向にある」など根拠のない知識が一般化されていました。今でこそバカバカしい話ですが、物事に対する見解は常に流動するもの。少なくとも僕が子供の頃は当たり前だった「部活で水を飲むな」「うさぎ跳びはガンガンやれ」も今は根拠のないこととして扱われていますし、このほかにも「虫歯は削って埋めろ」が一般的だった虫歯治療は、詰め物では食べカスを100%防ぐことが難しいことや人間自身の治癒能力が意外に高いことが分かり、今では歯科検診のときも傷をつけない配慮がなされています。時代によって価値観は変わってくるわけです。忌み嫌われるアスベストも昔は奇跡の鉱物としてもてはやされていたわけですから。

歴史上、ヨーロッパなどの国々では同性愛が美しく、異性愛は子孫を残すための手段とみられていた地域もありました。歌舞伎などの変遷をみても同性愛の意向が根強かったことが分かります。日本でも平安時代まで夜這いが一般的だったりと恋愛とは往々にして生々しいもので決して美しいだけのものではなく、クソ真面目な西洋の宗教ももともとは酒池肉林の宴=祭というものもあったようです。こうした祭はその多くが性に関する部分を剥ぎ取られ、単なる民の娯楽として残っているものが多いようです。特に説明もなく道祖神を祭っているだけでだとか(ダイレクトな形態なので説明はいらないかもしれませんが)。
天皇の一世一代の行事である大嘗祭だって、そういう部分(つまり新天皇が…とか)が残っていると言う噂もあります。あくまで噂ですが、本来はそういうことがあってもおかしくはないような気がします。祭を神聖なものと崇めすぎなのかもしれませんね。全知全能の神ゼウスだって、雨水とかいろんなものに化けて身内から何から犯しまくっているわけですから。
ついでに「正常位」とは、記憶違いでなければ明治政府だかが条例で定めたものだと記憶しています。男性上位という思想からでしょうが、こういうネーミングを行うとそれ以外の体位が「異常位」と思えてきますね。フェミニストのみなさん、「正常位名称廃止運動」というのはいかがですか?

キンゼイ博士は、当時のねじまがった性についての情報に囲まれた環境を前に、データベースの収集を開始します。この動機もしっかりしていて比較的見易い映画ですが、このぶっ飛んだ家族に感情移入出来る人はどれだけいるでしょうか。もともと熱愛(?)関係にあったキンゼイ博士と妻の家に居候している助手(♂)は、博士を食い、助手はキンゼイ博士の妻を食ってしまいます。しかも3者合意の上で。これでは子供がグレてしまうのも無理がありません。今の世の中にあっても先進的過ぎるぐらいですから。
性に対するキンゼイ・レポートは男性版から発刊され、大ベストセラーに。その後、女性版を発刊するもこちらは大バッシングを浴び、キンゼイ博士は歴史の表舞台から姿を消します。社会が性に関する膨大な情報を受け入れるだけのキャパがなかったんでしょう。かといって昔の人は真面目な訳ではなく、映画の中で紹介される情報では、今の性と何ら変わりがありません。違うのは、情報の露出度が高くなっているという点だけでしょう。「現代人の乱れた性」というものは「今どきの若者は」という言葉と共通するのかもしれません。

みなさんお待ちかね(?)の無修正のチ○コやマ○コのシーンですが、別に淫靡に感じませんでした。映像ではなくキンゼイ博士がスライドに映し出して紹介するというシーンです。そのものの部分だけであり、剃毛処理を施しているので、粘土細工程度にしか思えませんでしたし。これにボカシやモザイクをかけるとかえって滑稽になりますから、そのまま映像として流すのは自然なように感じられました。大河ドラマ「秀吉」で竹中直人がチ○コ振り乱しながら泥レスをするシーンをNHKが知りながらオンエアしていたのと同じです。
ちなみに、CMなどテレビで子供がチ○コ振り回してOKな境界線は「毛があるかないか」だそうです。だからといって抜いても剃ってもNGになります。昔、アンダーヘアーNGだったころ、AVで一本一本抜いた毛を撮影するとビデ倫の審査には通ったという話があります。いつの間にかアンダーヘアーが認められるようになったのですが、これも特に法律が変わったとかいう根拠があるわけではありません。警察が動いたかそうでないか…微妙なラインですね。

「最終評価B」

キワモノ感もある映画ですが、普通の映画として考えてもこの程度の評価です。特に面白くもなく、つまらなくもなく、と言った感じです。実話の映画化というのは本当に難しいですね。エリン・ブロコビッチ、クイズ・ショウ、最近ではアビエイター…事実は小説より奇なりなわけで、本来はフィクションであるはずの映画に採用する場合は、実話ばかり重視すると肝心の部分が崩れてしまうわけです。かといって実話を完全に無視した話には出来ませんし。同じく実話をもとにしたシンデレラマン、密かに期待しているのですが、どうでしょうか。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成17年9月8日
劇場:シネスイッチ銀座
観客数:80/182席
感涙観客度数:不明(観客の鼻すすり音で推定)

それにしてもおっさんが多い映画でした。どいつもこいつも「無修正」に惹かれて来た方々なのでしょうか。

ついでに紹介!

キンゼイ博士の夫人役、ローラ・リニーがトゥルーマン・ショーで主人公の妻を演じた作品。はにかむ笑顔が印象的な女優です。

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Comments

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