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September 10, 2005

容疑者室井慎次

CinemaX第49回目

容疑者室井慎次
監督:君塚良一
出演:柳葉敏郎、田中麗奈、哀川翔ほか
上映時間117分
(公式サイトはこちら

「テーマソング」

交渉人真下正義に続く、踊る…シリーズ劇場版第4弾(たぶん)。ギョーカイ挙げてPRしまくりなのに、地味だの何だのと前評判がいまいちな作品、果たしてCinemaXでの評価やいかに。

冒頭からいきなり、新宿の街中を大勢の人間が警察官を追うというシーンから始まります。早朝の撮影かと思いきや、セットらしいです。ご苦労なことです。その割に効果が感じられなかったりして。
さて、田中麗奈の登場です。綺麗になりましたね。最初は立派過ぎる眉毛がそのまま歩いているような印象だったのですが、久留米の田舎娘も洗練されてきたということでしょうか。タレントを引っ張ってくる人は、一般人とは違った眼力があるんでしょうね。万人ウケするような綺麗さの女性ではなく、少し個性のある子を引っ張ってきます。デビュー当初の中山美穂は、シワシワの唇とドラキュラのような八重歯がとても怖く「こんなのがアイドルなの?」と表紙を飾っていた中1時代だかを捨てた憶えがあります。辻仁成と結婚して本当に嫌いになってしまいましたが。
そう考えると、2世タレントが存在感だけでなかなか売れない理由も分かります。スタートこそ上げ底ですが(あるいは、幕下付け出)、よほどの個性がないと生き残れません。加山某の娘(息子ともども露出が少ないですが)や多岐川某の娘などはその典型。美形なのは当たり前。美男美女が集まる業界内の愛の結晶ですから。問題はその後です。それほどキャリアがあるとは思えない割に何故か腫れ物に触るような扱いをされる三船某の娘は別ですが。七光りの典型かと思った関口某の息子は、絵や音楽を起用にこなすので意外に芽が出てくるかもしれません、俳優意外で…話が逸れてしまいました。

この映画は終始、リアリティのない雰囲気に包まれています。刑事にはとても見えない刑事たち。リアリティのない警察署の建物、記者会見の風景。何故このような演出をするのか意図が理解できません。味がくそまずくても見た目がやたらおしゃれなラーメン屋みたいです。おまけに、回想やナレーション、ややこしい対立の構図。踊る…シリーズの成功は、公務員にはキャリアとノンキャリという人種がいることを世に知らしめたところにあります。それが、この映画では派閥と言うややこしい対立。回想シーンも随所に挟み込まれてテンポも悪く感じられました。室井の逮捕の理由もいまいち分かりませんし。テレビシリーズでの警部補の権限を巧妙に扱ったシーンなど、踊る…シリーズによくありがちな「あー、なるほど」と思わせたいのなら、あまりにも工夫がないように思います。
田中麗奈の扮する女性弁護士のトラウマも良く分かりませんでした。実際に観ていただければ分かるのですが、それだけの大きな傷を負う割に、いざエピソードとして引っ張り出しても後のケアが雑。美味い肉に噛み付いてもそのまま池に落としてしまう犬のようです(byアンデルセン)。何もかも欲張りすぎ。セリフも欲張りすぎ(この点は後で触れます)。
それでも、このシリーズはキャラが立っていると言う強烈なバックアップがありますので、よほどつまらないストーリーを考えない限り、中の上ぐらいの映画になってしまうわけです。スリーアミーゴスの登場シーンではやはり笑いを誘いますし、「青島」という単語が出てくると、我々観客の頭の中に、唇を青くしてどこかで頑張っている青島刑事のイメージが浮かびます。「和久さん」の単語が出てくるとさすがにジーンとしましたが。いかりや長介が亡くなっても、踊る…シリーズの中で和久さんはちゃんと生きているんですね。実は、感動したのは「ここだけ」でしかも話の筋と何の関係も「なし」そういうわけで、途中から「寝てもいいよセンサー」が働いてしまいました。平面でのっぺりした登場人物たちが模擬法廷のような感じでやりとりをするシーンで爆睡。

最終評価「C」

踊る…シリーズであり、説明の必要がないキャラが多い設定でこの評価です。あえて踊る…シリーズとせず、見知らぬキャラを揃えるなど下地のないなかで製作された場合は評価は地の底に落ちるでしょう。それだけテンポのノロイ映画です。ノロイ?お約束どおり、セリフについて考えてみましょう。登場人物は皆、いいセリフを言おうとするんですが、これが多すぎるとかえってウザったくなり、クソ映画への傷口をさらに広げてしまいます。思えばキャシャーンも禅問答みたいなセリフが多かったですね。
作品中、1つ、2つ程度いいセリフがあるとその良さが際立つんですが、容疑者…は、小難しいセリフを言う登場人物があちこちから湧き出してくる状態ですから、哲学者の集団のようになってしまうわけです。限られた空間でセリフだけで展開するのは舞台的といわれればそれまでですが(例えば「仙台に行った:といっても実際にその映像が出てこないところとか…記憶違い?)。

最後のグダグダした展開もさらに印象を悪くしてくれました。雪が降って、室井さん異動しちゃうんだな、と登場人物がしみじみと思っているシーンがグダグダ、空港で室井と女性弁護士がまったりするシーンもグダグダ。とにかくグダグダ。話に置いてけぼりをくらった観客は、そんなに室井さんにしみじみしていませんから、感動しているのは劇中の人物連中だけ。そこそこまとまっているとはいえ、これまで荒稼ぎをしてきた踊る…シリーズの業績から考えるとパッとしない映画でした。

これまどの踊る…シリーズの殆どの脚本を書き、今回初めて監督としてメガホンをとった君塚良一氏は、最初の劇場版を書く時「書くだけの理由がないと脚本は書かない」と言っていました。それだけテレビシリーズの完成度が高かったという裏返しでもあります。ご存知の方も多いかと思いますが、最初の劇場版は、電車内で猛スピードでジャンプをめくる小学生を見て、そういうスピード感のある映画にしたいというものでした。第2弾も「何の理由があって書いたの?」と問いたくなるややグダグダの映画でしたが、容疑者…はもっとひどい。
是非、君塚氏が「容疑者室井慎次」で「何を書きたかったのか?」「何を理由に書こうとしたのか?」を聞いてみたいものです。「お金!」というのも立派な理由だとは思いますが。前評判から交渉人…ほどスピード感がないという話を聞いていましたので、君塚氏の真骨頂である人間ドラマみたいなものを期待したのですが、リアリティのないアングラ劇をみるようでした。現実離れしている交渉人…のほうが「ああ、あるかもな」と思えたぐらいですから。交渉人…は、君塚氏は原案のみの参加です。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成17年9月3日
劇場:ヴァージンTOHOシネマズ六本木ヒルズ
観客数:400/644席
感涙観客度数:10%程度(観客の鼻すすり音で推定)
その場限りのエピソードで泣けるからといって良い映画と判断してはいけません。

ついでに紹介!

DVD、買えるものなら買ってみろ!

こちらは本当におすすめ。
テレビシリーズのシナリオのほか、各人物のサイドストーリーや当時低視聴率に路線変更をも考えた(室井&すみれのラブストーリーとか)エピソードが面白い。
人知れずスタートして低視聴率を驀進するも口コミで人気が出て、再放送のたびに視聴率が上がるのは、ファーストガンダムの展開に似ていますね。

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Comments

先日、一連の布教活動と言うことで、室井ギバちゃんがテレビに出ていらっしゃいました。

そこでのお話・・・

ギバパパは、お子さんと試写をご覧になったとか・・・「お子さんの反応は?」と言う司会者に、ギバちゃんは、こんなことをおっしゃっていました。

「しばら~く、おとなしく見てたんだけど、そのうち、俺のことを引っ張るんだよ・・・『ねえ、ねえ、パパ・・・』って・・・だから、なに?って聞いたらね、言われたんだよね・・・

  『 織田裕二は? 』」

・・・ そういう映画・・・なんですね。

Posted by: Ree | September 11, 2005 at 04:12 PM

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Posted by: Pearl | April 25, 2014 at 08:01 PM

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