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August 12, 2005

殿様商法

インペリアルトレジャー汐留が、わずか半年で閉店しました。
店名ではピンと来ないかもしれませんが、汐留のオフィスビル街の一角にある、復元された旧新橋駅の中に入っていた飲食店です。
かつてここにあった新橋駅は、「♪汽笛一声新橋を~」の新橋駅です。現在のサラリーマンのオアシスである新橋駅は、もともとは烏森駅で、旧新橋駅が貨物駅である「汐留駅」に改称された際に由緒ある駅名「新橋駅」を拝借したわけです。
ちなみに実際にあった「新橋」は、この旧新橋駅から銀座に向かう途中にあったはずです。汐留汐留といっても、地名で言えば東新橋ですが。日テレは新社屋が出来る前に電波少年で人間を住まわせたりしてましたね。後の企画でも逃げ出してしまった男性(名前忘れた)と真中瞳が同居生活を断念する時にベロベロのキスをしたのもこの場所でした。あれは一体何だったんだろう。
さて、この旧新橋駅ですが、せっかく復元したのに、実際にいってみるとがっかりした記憶があります。まず、プラットホームに上がれない。動物にしつけでもするように「立ち入り禁止」のプレートがあちこちに立ててあります。線路の切れ端のようなものもあるんですが、これも立ち入り禁止のプレートがベタベタ。これではただの石(のような)造りの建物を見るだけ。何を楽しめというんでしょう。
料理も1000円前後で安くはないんですから、こんな殿様商売で儲かるはずがありません。オフィス街ということもあり、一定の飲食需要(?)はあるはずですが、テレビで紹介された時だけ一般客がズラリと並ぶ、昼間にクソ高いバイキングをやる真っ黒い店を除き、ファーストフードや弁当屋に長だの列が出来てしまう状況から判断すると、戦略そのものが間違っていたといえるでしょう。
駅舎のプラットホーム側にはご丁寧にも自動ドアがあるんですが、開かずの扉。プラットホームにテーブルと椅子でも置いて、店の利用者ぐらいプラットホームに乗せれば面白いと思うのですが、ぼくの記憶の限りでは、そういうことはしていなかったようです。申し訳程度に銀河鉄道999のジオラマのプラモデルのような感じの植木(?)のオブジェが置かれています。クリスマス時期にお目見えしたものですが、今は年中問わず登場します。ということは、生木ではないのでしょう。
少なくとも旧新橋駅に魅力があれば、汐留には土日にも銀座から人が流れて来るわけですから客を呼べないわけではないはずです。新興ベッドタウンや、自治体が整備する公園などには、「何だこれ?」というようなやっつけの建物が必ずあり、いつまで経っても利用されず死に対と化してしまうことが多いのですが、この旧新橋駅もやっつけ感がぷんぷんと漂います。まずは、プラットホームを開放すべきでしょう。
どこの誰が建てて、運営しているのかは分かりませんが、日本の鉄道黎明期を支えた駅が復元されたのですから、もっと開放すべきだと思います。申し訳程度の博物館ではなく、もっと大々的に新橋の歴史が分かるような展示とか、あるいはホテルとして利用するとか。貴重な建物の割りに、思った以上にいろんな場所にまで入り込める東京駅の駅舎を見習えばいいと思います。
汐留エリアは、また全体の整備が完了していないにもかかわらず、新橋駅から遠くなるにつれ、街そのものが廃れていく雰囲気が漂っています。まだ完成していないはずのイタリアの町並みを再現した地区は、誰もいないセットのような雰囲気で、鳴り物入りで入った大手書店は、駅からの距離があるため、いつ行っても閑古鳥。マニアックな本があるので個人的には好きなのですが、この店に来るまでに書店が何箇所かありますから、大概の人はそこで用が足りてしまいます。
最近思うことは、汐留は、開発した人々の予想通りの集客が得られているのでしょうか。そのけん引役となる日テレは、今年もしゃかりきになってイベントをやっています。さすがに最近は、フジテレビのように社屋にお客を招き入れることなく「お前らその辺の庭で遊んでろ」というような殿様の姿勢は薄れてきましたが、毎年、イメージカラーが違うだけで内容は殆ど同じです。これでは人は集められません。新橋エリアで最も混雑しているのは、ポケモンスタンプに親子が群がる新橋駅ですから。
東京は、再開発が進み、晴海、六本木、大崎、品川、そして汐留など、石を投げればおしゃれな(つもりの)街に当たるような状況になっていますが、どこに行っても雰囲気は同じで個性もクソもありません。
東京は、おしゃれな(つもりの)街の過剰供給状態にあるのでしょう。
kyushiodome1

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