« 手のひら返し | Main | 電車男 »

June 19, 2005

優先すること、されるべきこと

JR福知山線が全面復旧しました。早朝にはJR西日本社員らが黙祷を捧げ、一番電車には垣内社長が運転席に乗車して、敬礼して事故現場を通過しました。敬礼じゃなくて、手を合わせたり、頭を下げるべきだろうという感じは強くしますが。それよりも異様なのは、沿線でキリンの首のように伸びるクレーンでした…マスコミ各社が調達したクレーンです。こういう時はスクープもクソもありませんので、一社に代表させて、同じ画を撮ればいい。あれではまるで、物見遊山でもしているかのようです。それにしてもあれだけの事故が起きていながら、墓石のような石碑一個を立てるだけで運転再開というのは解せません。

ここ数日はやっと航空業界の異変を問題視する報道が相次ぎましたが、いくら面白おかしいとはいえ、兄弟喧嘩を優先するあたりに問題を感じます。航空機による事故は、一旦起きると大惨事を免れない特殊なものですから、兄弟喧嘩の行方に激論を交わしているような暇はないことが分かります。という間にも、例えば、いわゆる「花田勝さん」が登場したりなんかすると、一斉にそちらに報道が傾いてしまうんでしょうね。どうでもいいじゃないですか。

航空業界による一連の事故は、業界再編・合理化と価格競争による効率化による影響が大きいといわれています。特にJASと合併したJALの事故が多いことからも、両社の連携と合理化による人の削減が問題視され、先日起こったカートを出したままの着陸や、機長による計器の復旧ミスのように、明らかに理由が解明できるような初歩的なミスも出てきています。この一つ一つが大惨事につながりかねないわけです。

JALとの競争激化で効率化を余儀なくされているANAだって同じ。内側からの浄化に時間がかかるようなら、外から突っついていくしかないわけです。マスコミの存在価値はそこにあります。とはいえ、多くのマスコミは一企業として、営利を目的にしなければならない部分もありますが、経営上、優先されることと、人命がかかっている重大案件などマスコミの使命として、優先されるべきことを線引きしていく必要があります。これがあいまいだと、そのうち重大事件はテロップで下のほうで小さく流しながら、テレビショッピングを延々と垂れ流し続けるキー局が出てくるかもしれません(そんなことないか)。

数年前、各地の工場などで事故が相次ぎましたが、あれも合理化・効率化による影響が大きいといわれています。それまでの流れだと、作業を行う際は、人件費が抑制できるなどの理由で外注することが主流でしたが、それでは安全管理が出来ないと、今では出来るだけ社内で行う風潮にあるようです。下請けが自社でやるとも限りませんし。それまでは、事故が起きて蓋を開けてみると知らない会社の社員が出入りしていたなんてこともあったと聞いています。これも、経営上優先するべきことと、人命はもとより企業生命にも関わるような大事故を未然に防ぐという優先されるべきことの線引きが進んできているあらわれともいえます。

ただし、何度も言うように企業のコンプライアンスに対する考えは、やっと日本に浸透し始めたばかりであり、単なるパフォーマンスのように叫んでいるような企業も少なくないようです。いざ「安全は最優先されるべき」とあれこれ取り組みの能書きを垂れながら、実際にどのように取り組んでいたかは、事故が起こった時にしか分からなかったりするのが一番の問題といえるでしょう。

|

« 手のひら返し | Main | 電車男 »

Comments

 文句なく、理屈なく、許せないものは許せないのです。
 血縁が関西に集中しているので、犠牲者や関係する方がどなたかがいらっしゃるのではないか・・・恐れてはいた事ですが、伯母のとても親しい方の娘婿の方が、4人のお子さんをおいて、この事故の犠牲者になられたそうです。
 伯母の娘・・つまり私の従姉妹の夫です。
 
 10年前の阪神淡路大震災の折にも、この伯母の孫・・・私の従姉妹の3歳になる息子が間接的であれ、犠牲者になりました。

 この2つの件は、残念ながら傍観者にはなれません。

 ふるさとが壊れていく切なさ・・・
 家族と連絡が取れない苦しさ・・・
 そして、いわれなく、別れを告げなければならなかった人々への追悼の想い・・・
 ぬぐえないまま、今日も1日を終える私です。
 
 マスコミのあり方に、私も一家言持っています。
 けれど、その一翼を担う人と暮らし、糧を得ている私は、何をどう言えば良いのか・・・
 世間的な様々な批評は、時には家族や大事に思う友人からも受けるのです。
 本音と建前・・・などと言い放つつもりもありませんが、心に荷物を抱える私です。

 この件に関しては、いずれまた、じっくりと・・・
 
 若貴問題も、傍観者・・・ただの観客としては、「面白いじゃん!」と言えなくもないですが、恐らく当事者にしてみれば「必死」なのだと思うのです。
 1日1時間、1分1秒・・・他人からしてみれば滑稽でも、当事者にしてみれば、それこそ命を削っての一瞬だと思うのです。
 
 今、そうせざるを得なかった彼を、心からお気の毒だと思います。
 
 一生懸命突き進んでも、理解されない事など、人生においては多々あること・・・
 でも、当事者は魂をそがれます。
 
 数ヶ月、魂を削りながら、血の涙を流しながら、それでも家族に悟られないよう暮らしてきました・・・
 愚かかもしれませんが、私は彼を笑えません。
 願わくば、愚かしいマスコミの餌食に、「あなた」がならないよう、賢く生きて欲しい・・・

 とりとめなくなりました・・・ごめんなさい。
 
 優先すること・・・
 優先されるべき事・・・

 それは、恐らく「たいせつな人」の笑顔です。

Posted by: REE | June 20, 2005 at 10:57 PM

ダブっていたので、一方を削除しました♪

Posted by: yuworldmaster | June 21, 2005 at 12:21 AM

お手数おかけ致しました・・・
ごめんなさい。

Posted by: REE | June 21, 2005 at 10:10 PM

Post a comment



(Not displayed with comment.)




TrackBack

TrackBack URL for this entry:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/49725/4617083

Listed below are links to weblogs that reference 優先すること、されるべきこと:

« 手のひら返し | Main | 電車男 »