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June 24, 2005

イン・ザ・プール

CinemaX連日の更新、第42回目。

イン・ザ・プール

監督:三木聡
原作:奥田英朗
脚本:三木聡
音楽:坂口修
出演:松尾スズキ、オダギリジョーほか
上映時間101分
(公式サイトはこちら

これまで直木賞を含めさまざまな賞にノミネート、受賞し「空中ブランコ」で念願の直木賞受賞を果たした奥田英朗原作「イン・ザ・プール」の映画化。実は原作本は「空中ブランコ」→「イン・ザ・プール」と読みました。空中ブランコの方が面白いと思ったんですが。

松尾スズキ演じる精神科医、伊良部一郎が、オダギリジョー、市川実和子、田辺誠一が演じる、悩める患者を治療するというもの。と、響きは普通ですが、治療方法がかなり強引で、そこが醍醐味でもあります。空中ブランコでも設定は同じ。患者の症状と治療法が違うだけ。ところがこの映画には、大きな落とし穴が…。

ということで、もう評価しちゃいましょう。
最終評価「D」

原作では、それぞれの患者の話がオムニバス形式で収録されているんですが、映画ではとにかく嫌というぐらいストーリーを交差させています。交差させるなら交差させるで、どこかで患者同士につながればまだいいんですが、それぞれのストーリーは全く関係ありません。いわば立体交差。これではテンポが悪くなり、僕のような頭の悪い観客はすぐに置き去りになってしまいます。個々では面白いストーリーを無理矢理混ぜて、一体何を狙っているんでしょうか。

例えば「ふぐちり」「松坂牛ステーキ」「最高級チーズケーキ」があったとします。いくらおいしいからと言って、どんぶりに全部ぶちまけて、混ぜて食べたらおいしいかといえば、NOです。「イン・ザ・プール」は、このやってはいけないことを見事にやっています。おまけにこの手の邦画にありがちな、生活観の全くない、妙にお洒落なセットや小物は、リアリティをさらになくし、怒りを増大させる素晴らしい雰囲気を醸しだしています。

ちなみにプログラムに掲載されていますが、監督の三木聡氏は映画化に当たり、プロデューサーに「原作とは少し違った形になるけど、いい?」と言ったようです。惨劇はここから始まっています。おまけに「原作ファンのみなさま、期待とちがっても許して!」と叫ぶ始末。自らの才能を信じて撮ったのなら、最後まで責任をとるべきだと思います。茶化されると余計腹が立つ(怒)

劇場で販売されているプログラムの中には、長いこと映画を観ていると、本編は駄作でもひたすら面白いと叫び続けているようなプログラムに出くわします。印象的なのは、「オール・アバウト・マイ・マザー」「キャシャーン」など。これらは、本編とは裏腹にプログラムだけは面白さをひたすらPRしています。おまけに高価。イン・ザ・プールのプログラムは、さほど高価ではありませんが、スカスカの行間とデカい字から考えると、通常のプログラムの2~3倍に匹敵する効率の悪さです。

登場人物の行動も簡単に先読み出来ますし、おまけにベタ。キャストから考えると、劇場の少なさが目立ちます。おまけに直木賞作品の映画化であり、本来は、もっと大々的に封切られるはずの映画ではなかったかと推測されます。制作年が2004年となっているあたり、どこかで何かがブレーキになってコケたとしか考えられません。ただ、ブレーキをかける人がいたことがまだ救いかもしれません。キャシャーンは…。

原作モノの映画化、テレビドラマ化のパターンは、映画は割と原作に忠実に製作して、アレンジを加えてテレビドラマ化をすることが多いようです。アレンジを加えると大概、面白くなくなる作品が多いんですが(リング、解夏、電車男?)、イン・ザ・プールはその逆を行くつまらなさ。ちなみに同じ精神科医を阿部寛が演じるテレビドラマ「空中ブランコ」が、イン・ザ・プールの封切直前に放送されましたが、同じ作品と考えると、イン・ザ・プールの駄作感がさらに増してしまいます。前売券も高い。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成17年6月18日
劇場:シネプレックスわかば
観客数:17/117席
感涙観客数:なし
※感涙観客数は観客の鼻すすり音で推定

駐車場しかなかった東武東上線若葉駅近くにできたモールに誕生したシネコンです。シートは革張り…おえっ。白いソニックと同じ臭いがします。そろそろ「革張り→高級」という連想はやめませんか?一昔前の「金持ち→ステーキ」のような時代遅れ感が寂しいです。

余談ですが、下妻物語を観ました。おもしろいですね。リアリティが全くないのに、何故か違和感がありません。それは、セリフが生きているから。ちなみに、この映画も生活感のないお洒落なセットや小道具が満載なのですが、それを扱いこなすキャラクターが劇中に生きているので、やはり違和感がないわけです。意味のないお洒落は、意味がありませんから。キャシャーンで、家族で写真撮影をするシーンは、画面中が花だらけでしたね。それはそれで綺麗なんですが、意味がないので僕にとっては目が疲れるだけとしか思えないわけです。下妻物語、ご覧になっていない方は、必見です。

キャシャーンばかりコケにしてすみません。

キャシャーン大好き!

…。

ついでに紹介!

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Comments

オダギリはどうだったのオダギリは!?
オダギリのためだけに見に行きたかったんだよな~、でも行けそうにない。

Posted by: ムン | June 24, 2005 at 04:43 PM

オダギリジョー、田辺誠一とか、好きな出演者がいる人は、観るといいかもよ。特に前出の2人は、話の展開が退屈な分、いい男度が増している感じ。
それにしても。公開している劇場が少なすぎるよね。

Posted by: yuworldmaster | June 24, 2005 at 06:40 PM

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