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May 31, 2005

ミリオンダラー・ベイビー

CinemaX第40回。

ミリオンダラー・ベイビー
監督:クリント・イーストウッド
製作総指揮:ロバート・ロレンツ 、ゲイリー・ルチェッシ
原作:F・X・トゥール
脚本:ポール・ハギス
音楽:クリント・イーストウッド
出演:クリント・イーストウッド 、ヒラリー・スワンク 、モーガン・フリーマンほか
上映時間133分
(公式サイトはこちら

「普通なら…」

主演女優、助演男優、監督、作品賞などアカデミー賞を総なめ…ではないものの、最も話題になった映画です。
クリント・イーストウッド、モーガン・フリーマン爺の渋い演技が光ると前評判も高い。果たして噂どおりの映画かどうか、チェックしてみましょう。

まず、気になるのは観客の年齢層の高さです。ちょうどミリオン…向かいの劇場でZガンダムをやっていて、子供たちが駆け込んでいくのが見えたのでなおさら年齢層が高く感じるのかもしれません。ところでZガンダムは、ファーストガンダム以上にテレビ版を観ないと話が分かりにくいはず…ただ、駆け込む子供たちは、当時は精子はおろか細胞一つこの世に存在せず、場合によっては前世で杖をつきながらゲートボール場に通っていたのではないかと思えるほどガンダム世代に絡んでいないガキども…3部作になるというZガンダム、気になりますが、敵味方がややこしい設定はもう一度観るほどの気は起こらなかったりします。

さて、ミリオン…は冒頭から古き良きアメリカ映画の雰囲気をプンプンとさせています。新発売の酢こんぶのよう。登場人物の生活臭もプンプンと臭ってきます。まるで大人の赤ん坊のような映画は、現在の派手なハリウッド映画に比べれば時流に全く乗っていないといえますが、逆にそれが目新しい。ただ、その目新しさだけに注目して金を出す人がいたかは疑問です。きっと、クリント・イーストウッドなど著名人が監督をしなければ実現しなかった映画でしょうし、本人を含めて演技力のある俳優を集めることは出来なかったでしょう。例えば悪いですが、出来不出来に関係なく、国会議員の先生方が積極的に購入し、周囲の人に売りつけて「売れる」イコール「面白い」に発展しそうな森前首相の絵本のようです。内容いかんではなく、作った人に左右されるということですが。たぶん、ジブリでトイレット博士をやっても「教育にいい」とか「名作だ」と評価されるような感じです…説明になっていませんね。

さて、こんな古臭い映画の中にも、しっかりと映画の要素である登場人物の心理の変化と貫通行動が生きています。俳優の演技力といい、基礎がしっかりして足腰が強い映画ということになります。特に1シーン1シーンに無駄がない展開は、まるで20枚シナリオで組みあがっているのではないかと思うほど。従って、シナリオ・センターで悶々と20枚シナリオを書き続けている御貴兄には必見の映画といえるでしょう。もちろん、さりげない小道具の使い方もストーリーの中で生きています。生き物のように。

ミリオン…の欠点は、だらだらとしてしまうところです。途中、話の展開を早めるためにセリフや設定でワープさせてしまうのですが、この時のシーンでやや「やっつけ感」が感じられました。ですが、テーマが重く、見ごたえのある映画です。最近のアカデミー賞授賞作品は、誰よりも金をかけたド派手な映画や、観てもさっぱり意味の分からない映画が多かったような気がするのですが、オーソドックスでアカデミー賞の名に恥じないような映画だと思います。ただ「娘の存在は一体何だったのか」その説明不足に対する不満は残りましたが。

内容だけで考えると、アカデミー賞を争ったアビエイターとは比べ物にならない一流の映画です。問題は前述の通り、今の時代はこういう映画を作るにも著名人が監督をしたという底上げが必要だということです。最近の流れをみると、だんだんと映画は内容で勝負する時代が来るような気もしますが。

最終評価「B」

今回の評価の基準は、「劇場で必ず観るべき映画かどうか」です。だったら、DVDになってからでも遅くはありませんし、夜中に放映していても十分、楽しめる映画です。それぐらい地味~な作品。派手なCGやアクションもありませんし、美しいシーンもありません。いち早く新しくて古い映画を観たい方は劇場へ。いずれにしても必見クラスの映画だといえます。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成17年5月28日
劇場:ワーナーマイカルシネマズ板橋
観客数:約120/262席
感涙観客数:たぶん多い
※感涙観客数は観客の鼻すすり音で推定

ついでに紹介!

クリント・イーストウッドの枯れ具合が味わえる「トゥルークライム」と主人公マーティが「クリント・イーストウッド」と名前を騙った「バック・トゥ・ザ・フューチャーⅢ」

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ミリオンダラーの輝き、そして…

今年度のアカデミーで、作品賞、監督賞、
主演女優賞、助演男優賞の主要4部門を
制覇した話題作。
小学生の時に具志堅用高に魅せられて

Posted by: ムラケン | June 03, 2005 at 12:14 AM

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