何か変だ
JR福知山線の事故で犠牲者が100名を超えました。痛ましい事故を見るたびに、何事もなく生活するのはいろいろなことがいろいろなバランスで支えていることによって成り立っているのかなと思います。そう考えると、一瞬にして何もかも失った犠牲者や遺族の方々が不憫でなりません。
テレビや新聞では、こぞってオーバーランや脱線のニュースを取り上げています。日記で何度も触れましたが、ある事故後に関係のない場所で似たような事件が起こるのは、連鎖して起きているというわけでなく、マスコミがわざわざ大きく取り上げていることも原因です。20メートルは問題ですが、3メートルのオーバーランでも大きく取り上げて「運転士に過度なプレッシャー」と結論付けたり、常磐線特急とトラックとの衝突事故も、歪曲してわざわざ「脱線事故」と報じています。確かに脱線はしているんですが、けが人も少なく本来は地方紙や大手紙の地方版に載る程度の事故です。それなのに「また脱線です」とぬけぬけと報じるニュースキャスターの神経もどうかしています。
JR西日本のオーバーラン回数の多さを問題視する新聞もありました。JR各社にも取材するのはご苦労なことですが、JR東日本は未回答なのに「最も多い」「異常な多さ」と騒いでいます。JR西日本と同じく営業エリアが広く、都市圏の通勤電車を抱え本数が多いJR東日本がある程度の数字となっていることは素人考えでも分かります。例えば、JR東日本とJR四国では列車の運転本数だけを比べても天と地ほどの差があるはずです。JR東日本がオーバーラン件数のデータを持っていないとは考えにくいので、運営状況がそれぞれ異なるJR各社を並べて単に回数だけで比較されることに疑問に感じて出さなかったのでは…というのは考えすぎでしょうか。はたまた報じる側が「これでは都合がわるい」と消してしまったか…これは考えすぎですね。
また、これはJR西日本の情報公開に対する姿勢に問題があるのですが、マスコミはこぞって労組に取材して正論のごとく報じています。JR労組ならJR側と敵対していないはずですが、本来、企業と労組は相対するものです。片方だけ取材して全てであるかの如く報じるのは、問題があるような気がするのですが。
今、NHKでNHK予算の国会審議のもようがダイジェストで放送されています。前会長の国会での参考人招致を報じなかったことに対する批判を反省してか、最近はこの手の話題も出来るだけ時間を割いて放送しています。今回も今後のNHKの決意みたいなものも織り交ぜて放送していますが、週刊誌の情報に染まってしまった国民の眉は、ちょっとやそっとじゃ乾かないでしょう。冒頭「視聴者の方の意見を聞いて」とあり、メールやFAXで意見を求めるのかと思いきや、各省庁の審議会に引っ張りだこのお抱え評論家、見城某女史が視聴者を代表して質問するというものでした。それが、台本を読むように誰でも知っているようなことを聞いて、おべんちゃらを言うだけ…郵政民営化についてもそうですが、この人は、いつもいつも強い側の味方になって都合の良いことしか言わない印象があります。
NHKには、NHKにしか作れないなと思う見事な番組がたくさんあります。不祥事が問題になった後も番組そのものの質は全く落ちていません。それだけ豊富な資金があるからでしょうが、こんな茶番劇のような番組を作るのなら、淡々と審議を流して、余った時間を他の番組に割くべきだと思います。地上派デジタル化の暁には、今のBSのようにタダ見は出来なくなるようですので、受信料の支払い拒否はそこで一段落となるようです。仮にNHKの幹部が、それまでの辛抱などと考えているのなら、今後は番組の質そのものが落ちてくるかもしれません。これまでの体制に問題があってボロボロと垢が出ているわけですから、組織全体に影響が出ないとは言い切れません。
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