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April 25, 2005

真夜中の弥次さん喜多さん

CinemaX第36回。

真夜中の弥次さん喜多さん
原作:しりあがり寿
監督・脚本:宮藤官九郎
出演:長瀬智也 、中村七之助、小池栄子ほか
上映時間124分
(公式サイトはこちら

「口直し」

十返舎一九の『東海道中膝栗毛』をベースにしたしりあがり寿の傑作マンガ『真夜中の弥次さん喜多さん』とその続編『弥次喜多in DEEP』を、人気脚本家の宮藤官九郎が映画化。主演はTOKIOの長瀬智也と中村七之助。お伊勢参りに向かう弥次さんと喜多さんをユーモラスたっぷりに描く…yahoo!MOVIESのコメントそのままパクリ。
自分でコメントする気力もなく…。

映画を見ながらノートをさらさらとメモをとるんですが、真夜中…はわずか15行しか書きとめることが出来ませんでした。ただ、長ければいいものというものではなく、A4の紙2枚の裏表にびっしり苦情を書いたキャシャーンは記録的な長さですし、逆に面白すぎてメモを取り忘れたものもありました。真夜中…が短いのはそういう理由ではありませんが。

本編は寅さんチックな雰囲気でスタートします。冒頭のYAJI×KITAのロゴも何を狙いたいのか早速不信感増大。
映画の題材は、ホモ、クスリとシナリオ学校では「扱っちゃいけないよ」と注意されるタブーがいっぱい。時代設定もメチャクチャです。「常識」という目で見ようとするとバカを見てくたびれるので、そういうものを全て捨て去って、産まれたまんまの自分でこの映画にぶつかることが必要です。服を脱ぐという意味ではなくて(当たり前か)

脂の乗った長瀬智也と早々と禊を済ませた中村七之助など登場人物には魅力があります。阿部サダヲも強い。七之助の父親、中村勘三郎も登場します。キャストでは中村勘九郎なので、泥酔パンチ事件がなければとっくに公開されていたことが推測されます。キャストや宮藤官九郎独特のセリフまわしは魅力があるんですが、全体の流れをさえぎる小道具を散りばめたような演出とジェットコースターの勢いもない割に蛇行するストーリーが観ているものを混乱させてしまいます。整髪料のCMが印象的で音痴な娘役として出演した清水ゆみは可愛いですね。ややこしい組み合わせのハーフかクウォーターなんですよね、確か。小池栄子もいい演技をします。当たり外れの大きい博打的深夜ドラマ、美少女Hからデビューした彼女ですが(確か)、真夜中…で新たな可能性が垣間見えた感じがしました。

宮藤官九郎全て良しと信奉する方々には申し訳ないですが、彼が監督や演出で自ら映像を作るという能力は万人ウケしないような気がします。舞台演出と映像の演出は別物です。上手く説明できませんが、立体的な空間のとらえ方は何の恐れもなくいろいろな方向に思考が広がる子供のような感覚をイメージさせますし、独特のセリフまわしも観客の感情をゆさぶることも少なくはありません(特に今放映されているタイガー&ドラゴンとか)。いろんな意味で天才的な才能を持っていると思いますが、映像を作る際にはその才能が邪魔をしているのではないかと。まるで、散らかった家の階段のようです。歩くたびにレゴのかけらとかウルトラマンのソフビ人形を踏んでいるような感じ。これで映画に集中しろというのはどだい無理なわけで…。

映画を観てよくよく考えてみると、前半、中盤、後半と話の質が変わっていることが分かります。原作を読んだことがないので何とも言えませんが、欲張らずどこかの部分だけ掘り下げてもよいのかと。オムニバス形式の展開も面白いですけどね。キャストを変えても舞台ならもう一度観てみたい。

最終評価「判定不能」

この映画は、塩辛など珍味のような映画です。たまに観るのはいい。観るとまた、いい映画が観たくなる。そんな口直しの映画としてご覧になるといいでしょう。熱狂的な宮藤官九郎ファンを除き(通ぶってクドカンなどと決して呼べません)。あえて評価をつけろというなら、EとかFをつけてしまいそうですが、簡単に評価できない部分もあります。個人的評価なら、伝説の作品キャシャーン並みということになりますが、変に格好をつけていないという部分で異なります。キャストの頭の上に「?」が浮かんでいる幻覚さえ見えてくるキャシャーンとは違い、真夜中…は、監督やキャスト面白がって作っているという雰囲気は伝わってきました。それがこの映画の救いなのかもしれません。

きのこが当分、食べたくなくなりました。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成17年4月23日
劇場:ワーナーマイカルシネマズ板橋
観客数:35/130席
感涙観客数:若干
※感涙観客数は観客の鼻すすり音で推定
適当に鼻すすり音が聞こえます。

ついでに紹介!

連続ドラマ「タイガー&ドラゴン」の源流、今年1月に単発で放送された「三枚起請の回」男たちの刺青の意味が分からない方、何でヤクザが落語をやっているのか未だに疑問に思っている方におすすめ。
もう一本は真夜中…に登場する「ひげのおいらん」これ以上何も語る必要はないでしょう。

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