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March 12, 2005

Uボート 最後の決断

CinemaX第32回目。

Uボート 最後の決断
原作:ジョン・E・ディーバー
監督・脚本:トニージグリオ
出演:ウィリアム・H・ベイシー、ティル・シュヴァイガーほか
(公式サイトはこちら
(計測時間98分)

外側は緊張感ある戦争、内側は閉鎖された空間での人間ドラマが展開されるせいか、当たり率の高い潜水艦映画。今回やいかに。
冒頭シーンは、Uボートの進水の様子など当時の映像と時代背景が説明されますが、この次の本編の冒頭ともいえるシーンが雑なように感じました。こうした冒頭のやっつけ感がこの映画をチープにしているのではないかと思えるほど。
冒頭シーンは重要です。テレビドラマだとチャンネルを変えられてしまうので閉鎖的な箱に観客を閉じ込めてしまう映画以上に重要です。変わった映画の観方に、最初にクライマックスを観て、その後、冒頭シーンを観る方法もあります。名作ほど「ああ、なるほど」という始まり方をしているとか。お試し下さい。
劇中を通じて感じるのは、ドイツの無骨な兵士とヤンキーな米兵士との対比。ミサイルや潜水艦で効率良く戦果を挙げてきたドイツですが、第2次大戦をこの国とともに戦っていたのは不思議な感じがします。結果的に戦勝国となったイタリアは別として、例えば、日本がヨーロッパのど真ん中にあったり、ドイツが朝鮮半島にくっついていたりしたならば、第二次世界大戦の戦況はどうなっていたのでしょうか。
そう考えると、当時はやむを得ない部分もありましたが、アジアの小国である日本が欧米列強を相手に戦争を仕掛けたことは無謀だということがいえるでしょう。ただ、決して戦争を美化するつもりはありませんが、日本人はそういう勇気を持っていたことだけは誇りに思っていいのかもしれません。何もかもダメだダメだというよりは…本題に戻ります。

ターン1までの評価「B」

熟年夫婦の誓いなどカセが丁寧に散りばめられていきます。いきなり2画面になったり、テレビドラマの雰囲気がプンプンしますが、これもこの映画の味なんでしょう。ちょうどCSでドリフ大爆笑をやっており、決裂前のいかりや長介と志村けんが2画面でコントをやっているのを思い出しました。出前を頼むいかりやの電話をちぐはぐに受ける老いた職人、志村けんの構図です。後に2人の絡みはなくなり、もしものコーナーの魅力は薄れていきます…本題に戻ります。
この映画は、進めば進むほど面白くなってくる作品です。特に敵味方が同じ艦に乗るというシチュエーションは、外から見ると笑ってしまうぐらい面白い。敵味方といっても、今のライバルだのその程度のものではありません。心から憎み、相手の存在自体を否定する者同士が少しづつ連帯していくのは本当に見物です。感動します。心が動くという要素は大切だなとあらためて感じてしまいました。
加えて丁寧な構成。緊張感あふれる中にもタバコやネックレス(?)などの小道具が散りばめられています。特にタバコは男と男を繋ぐ強い道具ですね。今は少し威力がなくなってきましたが。

ターン2までの評価「A」

心の動きからこの映画を評価するならば、全体の動きのパワーは大きいものの、個別にみると実は小さかったりします。このあたりがクローズアップされれば、後世に名を残すような名作となりえたかもしれません。それでも、確実に観客の印象に残る映画ですが。
この映画で最も心が動くのは、ドイツ側の艦長なんですが、この変化が納得の範囲ではあるもののあまりにも急すぎて残念でした。ネタバレはこれ以上しませんが、この人が死んでしまうのが是か非か。ハリウッド映画にありがちな、主役級の余計な行動でさらに問題が困難になるような「あー、よけいなことするなよ感」が強ければ、もっと引き締まったような気がします。いずれにしても艦長の死は、何かしらの特効薬という感じではないので、それほどの理由がないのなら生きていてもよかったのかもしれません。

最終評価「A」

かっこいい男たちの話です。同時期に潜水艦映画「ローレライ」が放映されていますが、その記憶が吹っ飛ぶほどストーリーは面白く熱中できました。特にクライマックスで米兵が仁義をきってあえてUボートを沈めてしまうシーン。日本人の大好きな展開といえます。熟年夫婦のねちっこい愛情が多少邪魔な感じもしますが、全般的には傑作といえるでしょう。
ところで、制作費はローレライと比べてどうなんでしょうか。この映画は日本では単館上映に近い状態ですが、市場そのものがデカいので、世界的にはローレライと比べ物にならないのではないかと。こと映画は制作費ばかりが注目されますが、これからはキャストへの出演料抜きの金額も公表してもらいたいものです。ローレライしかり、北の零年しかり。大物キャストの食い扶持が増えることが映画を面白くなくしたりする一面もあるのではないかと。一方で大物の名演技で素晴らしい映画に仕上がるという一面もありますが。

「Uボート 最後の決断」は必見。残念ながら上映は終了してしまいましたが、レンタルDVDや深夜映画などで見かけた際は是非、ご覧下さい。繁華街の小さな映画館などで上映される可能性もありますが、その場合はハッテン場でないか十分調べてから出かけたほうがいいでしょう。潜水艦映画は劇場が最適。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成17年3月10日
劇場:日比谷スカラ座2
観客数:30/183席
感涙観客数:不明
※感涙観客数は観客の鼻すすり音で推定

ついでに紹介!

DVD版「Uボート 最後の決断」と往年の名作「Uボート」ディレクターズ・カット。
ディレクターズ・カットに大当たりなし。

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