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March 06, 2005

落とし穴リベンジ

前回は、前振りに終止してしまい、本題に進めませんでした。
今回は、ちょっと硬い話をしてみましょう。素人知識で書きましたので至らぬ点が多いことと思いますが、読み流してやってください。

先日(といってもかなり前ですが)、京都議定書が発効しました。昨年、参加が絶望視されていたロシアがひょいと批准し、発効しました。既に皆さんが報道で見聞きしている通り、もとより参加など眼中にない経済成長著しい中国と、骨抜きルールを示して対策を行っているふりをしている米国が参加していないので、効果のほどは未知数ですが、地球環境を守る大きな一歩といえるでしょう。残念なのは、京都議定書の参加に意欲的だった米国でそのままゴア大統領が誕生していれば米国はきっと議定書に参加して世界的な取り組みとなっていることでしょう。そして、今なおニューヨークには国際貿易センタービルが双頭の鷲のようにそびえていることでしょう。

さて、京都議定書が発効して「これで地球が救われる」と他人事のように受け止めてはいけません。我々庶民にも覚悟が必要になってきます。
まず、京都議定書発行前後に仲間由紀恵のCMを目にしたことと思います。「エネルギーを湯水のように使う時代は終わりました」のような感じのCM。これも税金で作られています。京都議定書の発効により、次のスケジュールが予想されます。
①省エネへの取り組み
省エネへの取り組みは産業部門でかなり進んでいます。自動車など運輸部門の省エネ効果も上がっています。最も遅れているのが民生部門。この取り組みが必要になりますが、国は「省エネしましょう」というだけで何も方策を示さない。一人一人がスイッチをこまめに切ったりするなど小さな行動による省エネ効果はバカになりませんが、行動する側は目に見えた効果が得られないのでついついエネルギーを使いがち。電力会社などエネルギー業界も省エネを訴えますが、無碍にエネルギーが使われなくなると自分の首を絞めるようなものなので100%真剣にPRしているかといえば疑問です。結局、目に見えた効果が得られなかったとして予想されるのが次のスケジュール。
②環境税の導入
「省エネをしなかったあなたたちが悪い」とばかりに一般庶民に負担を強いる環境税ですが、ガソリンなどに上乗せする方法も考えられています。ただ、ここで気をつけなければならないのは、エネルギーを十把一絡げに考えてもいいのかということです。例えば電気はクリーンといわれますが、一般家庭の段階で使えば、灯油のように燃焼するわけでもありませんから二酸化炭素の排出も少なくクリーンです。ただ、送電ロスや発電のための原料を運んだり、燃やしたりするエネルギーは考慮されていません。原子力が最も効率の良い発電ですが、発生する廃棄物を考えると手放しで喜べないのが実状です。エコキュートの「空気でお湯が沸く」は嘘ではありませんが、イメージと誇張を結びつけたコピーは、まさにアイデア勝利といえます。
クリーン性で注目される燃料電池も燃料である水素を作る過程でエネルギーが必要です。現在の技術では石油や天然ガスから改質する方法が一般的です。仮に、空気や水から効率的に水素を取り出すことが出来るようになったとしても、発電システムを廃棄する段階のエネルギーが問題となってきます。ハイブリッドカーは燃費も良く環境に優しいといわれますが、実はシステムの耐久性能と廃車の際のエネルギーが大きく、将来問題となってくる可能性があります。ただ、環境税によりこれらの問題が本当に解決されるならば、導入にはある程度の理解が得られるかもしれません。懸念されるのは次のスケジュール。
③どのように管理するか
環境税を導入したとして、それを対策に回す必要があります。環境税導入のゴタゴタで分かるように、もとより環境省と経済産業省の足並みは揃っていませんが、仮にこの点をクリアしても環境対策の既得権益に群がるハイエナをどうするかが問題となります。省庁再編などで触れたことがありますが、多すぎる公益法人への批判の集中をかわすため、艦長は独立行政法人という中途半端な組織を作り天下り先にしています。トップに座ると批判を浴びるので役員として天下りしたりとか。環境税という莫大な税金をどこが管理するのかが問題になります。
前述の仲間由紀恵のCMを行った省エネルギーセンターのような既存の組織がやればいいのですが、エネルギー関連だけでも毛色は違えど「省エネ」という観点から重複することをやっている公益法人が複数存在することから分かるように、おそらく新たな組織を作ってくることでしょう。独立行政法人地球環境機構とか、財団法人地球温暖化対策センターとか。それを100歩譲ったとしても、次の課題が待ち受けています。
④運用の問題
これが一番の問題です。環境税を財源とする環境対策は、まさに日々研究が進んでいる分野でもあり、今日明日にスタートするという性質のものでもありません。そこで環境税をプールし運用するという意味不明な行動に出ることが予想されます。「運用」といえば、庶民が身を粉にして支払った社会保険や雇用保険を素人運用して大失敗した例があるように、役人が商売をするとろくなことになりません。一方で「プール」といえば、高速道路の通行料金に代表されるように通行料金のプール制で古い高速道路の無料化を先送りし、あちこちに不採算の道路を作った日本道路公団の例が記憶に新しいと言えるでしょう。これもある種の運用失敗ともいえますが。あまり詳しいことは把握していませんが、自動車リサイクル法も購入時に支払う将来の廃車時のリサイクル料金をプールする公益法人みたいなものがあるようです。自動車の路上放棄が減るのは歓迎すべきことですが、こうした権益に群がる役人や政治家をみると効果が何分の一に減少するように思えてなりません。
⑤おまとめ
仮に環境税が導入され、その収入を環境対策に使う場合は環境特定財源などという呼ばれ方をするようになるでしょう。ただ、これを一般財源として自由に使う方法も検討されているようです。自動車に乗る人が支払う揮発油税や自動車税などと違い、エネルギーは誰もが日々使うものですから、環境税が導入されると実質的な増税となります。この場合はどこにでも使える金ですから、国の莫大な借金に充てたり、恐らく見直されることがないであろう議員年金に充当されたりするかもしれません。仮に特定財源だとしても、あいまいな国ですから解釈により自由に使われるようになります。例えばガソリンにかかる揮発油税などによる道路特定財源は、道路を作ったり修復したりするために使われる財源ですが、今では拡大解釈されて踏み切りの立体交差や公園の設置にも利子補給と呼ばれるようなからくりで使われています。これを「流用」といいます。
京都議定書発効で「国が何とかしてくれる」と安心せず、注視する必要があるでしょう。諸手を挙げて喜ぶだけでは、内容も知らないのに欽定憲法に大喜びした明治時代の臣民と同じです。

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Comments

all the time i used to read smaller posts which as well clear their motive, and that is also happening with this paragraph which I am reading here.

Posted by: Felica | May 04, 2014 at 04:43 AM

Today, I went to the beach with my kids. I found a sea shell and gave it to my 4 year old daughter and said "You can hear the ocean if you put this to your ear." She placed the shell to her ear and screamed. There was a hermit crab inside and it pinched her ear. She never wants to go back! LoL I know this is totally off topic but I had to tell someone!

Posted by: Angelina | May 10, 2014 at 12:06 PM

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