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February 21, 2005

オペラ座の怪人

CinemaXもついに第30回目。

オペラ座の怪人
原作:ガストン・ルルー
製作・作曲・脚本:アンドリュー・ロイド=ウェバー
監督・脚本:ジョエル・シュマッカー
出演:ジュラルド・バトラー、エミー・ロッサム、パトリック・ウィルソン
(公式サイトはこちら
(計測時間160分)

「富士山」

曲や存在そのものは知らない人はないはずのミュージカル。
ジャー、ジャジャジャジャジャーという曲は、CMに使われ
たり、知る人しか知らない例では、BTSJのボディパンプの
曲に使われたり、伊集院光もオールナイトニッポンの第2部を
やっていた頃のテーマ曲だったりします。この時の彼の
肩書きが「オペラの怪人」あの時は、オペラ歌手と名乗って
いたはずなのですが…。

ちなみに、オペラの怪人の曲は思い入れが強かったりします。
中学から大学まで、吹奏楽をやっていたのですが、大学3年
の時東京やそこらの大学の吹奏楽部が集まって年に1回の
演奏会「合同演奏会」っちゅうものをやるんですが、そこで
演奏した曲です。大学の吹奏楽といっても、応援団の一部
として軍隊みたいな大学と軟派な同好会みたいなところが
混ぜこぜで凄い集まりです。大学3年といえば自分が所属
する学内の吹奏楽部では運営に振り回されるわけで
この演奏会は久々にプレイヤーとして集中出来るわけです。
大学4年の時も参加しましたが、プレイヤーとしてではない
のである意味一つの節目の曲でもありました。
本番で協和音→不協和音→不協和音→協和音で終わった
後に会場内に漂った余韻が忘れられません。勝手ながら
評価もAをつけたいのですが、そうはいかないので…。

この映画は、あるアイテムをキーに過去と現在をサンドイッチ
する話です。タイタニック方式。ただ、このアイテムが極めて
重要とは思えず、時々現在(といってもすごく昔なのですが)
に戻ったりするダランと間延びする感じがしました。
それでも見物なのは、過去の輝きを取り戻していくオペラ座。
劇場での予告では嫌というほど見せ付けられた場面ですが
やはり凄い。グラディエーターの実写+CGがあまりにも
衝撃的だったので、その後の歴史モノに対して観客は免疫が
出来ていると思いますが、この映画はCGだけでなく街並みや
多くの人々が住み込んで一つの舞台を支えていた当時の
劇場をリアルに再現しています。それにしてもCGはあらゆる
ものを再現できますね。出来ないのは人の心ぐらいでしょうか。

ターン1までの評価「A」

主人公の女性、エミー・ロッサムは、幼少時よりオペラを学び
テレビ、映画にも出演するなど主役級の俳優の多くが舞台など
をルーツとしていて、歌は吹き替えなしでやっています。
役者とは全然違う声の吹き替えだとしらけてしまうものですが
吹き替え無しでやられてもそれはそれでズバ抜けた出来には
ならないわけで…。特に女性の声の張りが弱く。主役級で唯一
吹き替えだったオペラ座の看板女優の声を一層目立たせて
しまいました。吹き替えばかりで可愛そうなのか、この女優
(ミニー・ドライヴァー)はエンドロールで作曲者が作品のために
書き下ろした新曲を歌っています。声が低くてオペラ向きでは
ない感じですが味のある歌声をしています。是非お聴き下さい。

ミュージカルの実写というものは、シーンや映像的な制約を
受けないので可能性は広がりますが、一方でキャラクターが
行動する際の動機が映画に比べて薄くなる感じがします。
そりゃそうです。セリフは少なく、役者はほとんどの時間「ああ
だー、こうだー、私はこう思うー」とか歌っているわけですから。
シネマ歌舞伎のように、実際の歌舞伎の映像を切り取って
編集しているわけではないので、観客は映画のつもりで観て
内容はミュージカル…このあたりのギャップに苦しんだ人も
多いのではないでしょうか。

ファントムが現れて話に絡んできますが気になるのは主人公
「クリスティーヌ」が幼い頃の恋人である貴族とファントムの間
を行ったり来たりするわけです。ネタバレするつもりはありません
がこの話は、一人の優柔不断な女が行ったり来たりする間に
何人もの人が犠牲になる話です。何ともだらしない女性です。
その間も「私はああだー、こうだー」とか2人の悲しい男たちは
「俺はー、こんなにお前をー」とか歌っているわけです。
ふと時計を見ても一時間半ぐらいしか経っていないのにその後
は「おいおい、またこっちいっちゃったよ」「あれ?またこっち?
しかも含み笑いして」とかクリスティーヌの破天荒な行動で残り
時間をつぶしていきます。この時間が長い!これが、フランス人
の国民性なのでしょうか。少なくとも今の日本人の大雑把な
倫理観というものとは、少し外れているような気がしないでもあり
ませんが、これはこれで「女心」と評価する女性が多ければ僕の
頭の中に「こういうのも女心」とインプットしてシナリオに使います。

ターン2までの評価「B」

歌というものは、音楽+言葉という最強のコラボレーションだと
思います。小説やドラマがまともに立ち向かっても適わないもの
だとも考えています。従ってミュージカルの実写というのは映画
としては強烈なジャンルのはずなのですが存在感はあるものの
歌によって相手(観客も含む)の心を動かすことは出来ても歌を
受けた側の登場人物の心をなかなか表現するのが難しい。
「心が変わりましたー」とか歌うのは非常に滑稽なので。
ファントムや貴族の行動…特にファントムの行動は首尾一貫
しています。一方でクリスティーヌの行動を理解するのが難しい。
この映画はファントムに感情移入して観るというのが正しいの
かもしれません。実際、主人公ですし。ただ、その割には登場が
あまり早くないので、あの浮気な小娘を追っかけて置き去りに
なってしまうような気もしますが。クリスティーヌの友人を演じた
ジェニファー・エリソン、若いのに老け顔な気もする不思議な女性
ですが、綺麗でした。結局は原作があるので話を振り回すことが
出来ないと思いますが、貴族は別にクリスティーヌの知り合いで
ある必要もないと思いますしジェニファー演じるメグ・ジリーは中性
な設定なので何かしらロマンスを入れると、少し見応えが出てくる
のかもしれないと思いました…勝手ですね。

最終評価「B」

映像は最高ですが、競売で落とすアイテムや前後と途中を現在で
挟むタイタニック方式が空振り気味であったことと、上映時間が
やたら長すぎることがマイナスでした。詰めれば1時間半ぐらいで
終わる内容だと思います。長けりゃいいってものではありません。
ファントムは魅力を感じる俳優でしたが、ヤングうつみ宮土理の
ようなクリスティーヌは、絶世の美女とも言い難く(ファン&関係者
の方、すみません)、魅力があるといわれた声もこちら側は決して
そうは受け取れないのもいまいち流れに乗ることが出来ない理由
なのかもしれません。
何度も例えに出しますが、スターウォーズ(Ⅳ)のレイア姫のホロ
グラムを見て、ルークは「綺麗な人だ!」と股間を膨らませて
(ないと思いますが)命を懸けて救おうとするんですが、観客は
決して自分の命を懸けるような絶世の美女とは思えないような
ものです。そう考えると映像って両刃の剣ですね。

冒頭の富士山の意味は、皆さんでお考え下さい。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成17年2月20日
劇場:ワーナーマイカルシネマズ板橋
観客数:約250人/549席
感涙観客度数:20%
※感涙観客数は観客の鼻すすり音で推定

万が一、ファントムに感情移入が出来ていて、終盤のシーンで
偶然気を失って主人公たちの支離滅裂な行動を観ずに、直後の
サルがシンバルを叩くシーンで目覚めれば泣くことが出来るかも
しれません…お試し下さい。

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Comments

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