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February 17, 2005

野田版鼠小僧

CinemaX28回目。

野田版鼠小僧
作・演出:野田秀樹
出演:中村勘九郎、坂東三津五郎ほか。
(公式サイトはこちら
(計測時間 未計測)

「意義ある方法」

シネマ歌舞伎とよばれるジャンル。
初めて歌舞伎に触れるような人や、桟敷やS席に座れない
貧乏人が手軽に楽しめるよう作られたような映画。例えば
一幕見で場の雰囲気を味わってシネマ歌舞伎を観れば
頭の中で桟敷並みの臨場感が合成される…はず。
CS歌舞伎チャンネルのスタッフが撮影したらしいので映画
としての撮影方法とか云々は抜きにして考えてみましょう。

まず、中村勘九郎の作りすぎたような演技はさておき先日観た
渡辺えり子作「今昔桃太郎」しかり「パンチ七之助」の演技の
上手さが目立ちます。中村福助も女形として美しいのですが
パンチはさらに若さが加わります。現状ではハリウッド進出?も
果たし、勘九郎から勘三郎へとレールが引かれた兄を超える
勢いとなったパンチ。暫くは黒子に徹するといわれていますが
軽はずみな行為で数ヶ月を棒に振るのは勿体無いですね。
特に時期が時期ですし。

本編スタート。途中、やはり寝てしまいました。
野田秀樹の演劇を舞台もしくはビデオなんかで何度か観て
いますが悉く寝てしまいまっています。こういうとファンに反感を
買いそうですが、言葉遊びみたいなのがどうも馴染めません。
上手く説明できませんが、早口で「これがあれで、あれがこれで、
ああなって、こうなって」と言うと、「だから何なの?」と突っ込みを
入れたくなる。おまけに哲学的過ぎて…それを本人がセリフを
言いながら吹き出したりなんかすると「組み立てているなあ」
と思います。毎回、そこで吹き出しているのにつられて観客も笑う。
そういうのを連発されると、くだらんネタ(しかもオリジナルでない)
を駆使して街中で若い女の子を笑わせて毒牙にはめるズボンずり
下げ男を見るような殺意がこみ上げてきます。
フォローしておきますが、基本的に面白いんですよ。
ただ、ジブリと同じように神格化して「全て良し」とする人も多い。
野田氏も人間です。そうそう面白いものばかりを作ることが出来る
わけではないと思いますから。

野田版鼠小僧は、一般的な鼠小僧とはかけ離れた話で、よくも
ここまでというぐらい雁字搦めな設定でした。それを違和感なく
するすると解いて展開していくのが彼が天才といわれる所以なの
かもしれません。後半になると眠気も吹っ飛び話に引き込まれ
ましたし、このほか、坂東三津五郎が出てくるといくらボケ役(?)
でもキッと引き締まる雰囲気など歌舞伎というものを存分に楽し
めたような気がします…そもそも、歌舞伎とは何なのでしょうか。
能に始まり歌舞伎、狂言と派生した(と習った記憶がある※)中の
歌舞伎は、少年歌舞伎をルーツとしていますが、その後派生した
女歌舞伎を含め風紀が乱れるということで禁止され、結果として
男も女形として演じる野郎歌舞伎となりました(と習いました)。
すぐに寝てしまう古典なんかは「ああ、歌舞伎だな」という感じが
しますが、こういう芝居を見ていると北島三郎や五木ひろしの座長
公演などでやる芝居などと何ら変わりがないような気がします。
違うのは一部の役者に世襲制があるように伝統があるということや
セットが大掛かり、見栄を切ると声がかかるということぐらいで
極端に言えば下北沢のアングラ劇とも変わらないといえます。
さすがに下北沢の劇場に行くのに着飾る通う紳士淑女はいません
が芝居を見ることが特別だった時代はともかくそうではない現代は
歌舞伎を観るために見栄を張る必要はないのかもしれません。
上手く説明できませんが、伝統だ何だと梨園を聖域として金持ちの
方々が取り囲み崇め奉る風潮には違和感を感じます。
十八世中村勘三郎は間違いなく国民に愛される歌舞伎役者になる
でしょうが、だからといって崇拝する必要もないと思います。
彼もそれを望んではいないでしょう。彼があちこちで新しい試みを
行い、歌舞伎を身近にしようとする行動からも推測出来ます。

さて、このシネマ歌舞伎、もっと広くやってもいいかもしれません。
NHKやCSの専門チャンネルで放送されたりしていますが、臨場感
は生の劇場には到底及びません。ところがシネマ歌舞伎はある
程度の臨場感は得られます…ちょうど中間的な存在です。
歌舞伎座で初めて芝居を観た時、初めて「親にも見せたいな」と
感じました。歌舞伎座、南座、博多座などに通えず生の歌舞伎に
触れられない人は沢山居ます。一方で地方都市での歌舞伎は
どうしても一線級の役者を揃えるのは難しい。そういう点でもシネマ
歌舞伎はいいのかもしれません。シネコン全盛のいま、スクリーンを
確保するのは大変かもしれませんが、例えば公民館などで放映する
方法も考えられます。地方都市にハコモノは多いですし。
野田版鼠小僧は、全体的に楽しめましたが、広い舞台でありながら
動きが少なかったように思います。広い劇場内では通りにくい早口の
台詞回しは、シネマ歌舞伎ではきちんと聞き取ることは出来ましたが
小さな動きもカメラでしっかりフォロー出来る。シネマ歌舞伎の長所を
引き出せたかというと少々疑問です。渡辺えり子作の今昔桃太郎は
ダンスなど見せ場が多いので是非、シネマ歌舞伎で観てみたい。

「最終評価-」
今回は評価ナシということで。番外編としてカウントすることも考え
ましたが、実績を増やすという点で第28回目終了。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成17年2月4日
劇場:東劇
観客数:400人以上/435席
感涙観客数:少数
感涙観客数は観客の鼻すすり音で推定

※日本の演劇は能→狂言(現在は能と狂言がセット)と阿国(遊女)
歌舞伎(女歌舞伎)から若衆歌舞伎(少年歌舞伎)→野郎歌舞伎
(現在の歌舞伎)へと変遷…有識者からの情報。ありがたや。

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Comments

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