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January 10, 2005

ゴジラ FINAL WARS

CinemaX第26回目。

ゴジラ FINAL WARS
監督:北村龍平
脚本:三村渉、桐山勲
出演:松岡昌宏、菊川怜、宝田明
(公式サイトはこちら
(計測時間140分)

ゴジラです。劇場で観るのは1984年の復活ゴジラ以来
約20年ぶり。通算でものび太の恐竜の恐竜(’80)と
同時上映で再上映されたモスラ対ゴジラを含め3回目。
当時はドラえもんは単独で公開できるほど信頼感が
なかったのか、藤子不二雄作品などを加えた同時上映
という形がとられていたと記憶しています。僕はガンダム
世代ですがおそらく僕らの世代はドラえもん世代ではある
もののウルトラマンや仮面ライダーの世代とは微妙にズレ
ているようです。個人的にウルトラマンはレオまで、仮面
ライダーはストロンガー、ガンダムは百歩譲ってZまでと
いう線引きですが。僕はゴジラ世代ともずれているようです。
ゴジラはメカゴジラの逆襲(’75)以降、復活まで約10年
を要します。当時は2~3歳でその後、リアルタイムでは
知らないものの、周囲の親兄弟や上級生から少なからず
ゴジラの刷り込みが行われたはずですが復活後のゴジラ
はスタート時の怖いゴジラに近く、人間を積極的に救うわけ
でもなく話が進みます。「こりゃちょっと違うぞ」と思った中学
生時代の僕たちは、ビオなんとかとか、デスト某というケバ
い怪獣にもついていけませんでした。実際に盛り上がった
のはもっと下の世代なわけで…僕らの世代がガンダムや
マクロスの続編に「こんな部品が一杯ついたのはガンダム
じゃねえよ」とか「何でバルキリーの中でギター弾くんだ?」
と難癖つけるのに似ています。

これだけコケにしておいて観にいったのは「FINALWARS」
だからです。巨大な不動産屋に成り下がって(上がって?)
しまった東宝は、洋画を放映して時折、時流に乗った映画を
出涸らしになるまで作ってボロ儲けしています。ホラーとか
最近では純愛とか。パワーダウンは否めないものの「100
%良い物だ」と信じて止まない熱狂的なファンが多い宮崎爺
を担いでくればとりあえずはヒットするわけです。この手の
ファンのみなさんは「ジブリ」と言うだけでネコのように耳を
立てる訳ですから(言葉が過ぎました)その中でもゴジラは
ドル箱。どうみても恐竜でしたが、ハリウッド進出も果たして
いますのでガメラ、ガッパだの怪獣映画華やかかりし頃の
中では松井級のキャラクターだといえます。そんなゴジラが
終わるわけですから観ておかなければ。そのほかシナリオ・
センター時代の二人の講師が初代ゴジラに関わっていた
ということも理由の一つです。当時の話もさんざん聞かされ
ましたし。

さて、ポケモンショックを起こしそうなビリビリのオープニング
から本編に入ります。フセインとかスキャットマン・ジョン風
な風貌のドン・フライが吹き替えで登場します。陳腐な吹き
替えは、昔の日本映画そのままでこの間観た映画では
千葉真一がどこかの作戦会議に出ていて、思い切り日本
語で喋るのに向こうは英語に日本語をかぶせる。こういう
時は日本語は不利ですね。例えばどんな未来の話でも昔
の設定でも宇宙人が出てきても、英語を話していれば違和
感は不思議と感じない。それは、英語が世界共通語の要素
が強いからといえます。逆に宇宙人が日本語を話すと非常
に違和感を感じます。まあ、ゴジラに出てくる宇宙人もバリ
バリの日本語を喋るわけですが。次のシーンでは松岡昌宏
とケイン・コスギが格闘技みたいなことをやっています。訓練
のようですが、意味不明です。それで負けた松岡に「これが
実戦なら死亡だ」と注意する上官、ところが勝ったケインにも
「調子に乗るな」と叱る。世界から精鋭を集めた地球防衛軍
ですが精神はずぶずぶの日本人です。そこに登場する隊員
がミュータントだとか彼らが地球にはないDNA(?)を持って
いるだのいきなり話されてもついて行けない設定が次々と
出てきます。最近のゴジラシリーズを観ていないのですが
これは定番の設定なのでしょうか。ここで置いていかれると
後の話がさっぱり分からなくなるので必死に頑張りました。
ケインはもう少し日本語が上手くなればなあ…カタコト日本
語では役柄が限られてしまいますね。

懐かしい怪獣が出てきます。ラドン、エビラ、ヘドラ、クモンガ、
カマキラス、アンギラス、変化球でミニラなど。一番嬉しかった
のは個人的にゴジラに出てくる怪獣の中では一番強いと信じ
て止まないキングシーサーが出てきたこと。ドアラのような
細身の不気味なアンバランスな姿は健在。当時の作品では
確か穴に落ちて動けなくなりましたが。右目で光線を受けて
左目で返すという恐ろしい特技も持っています。本編では
残念ながら彼の強さは発揮できませんでしたが、頭の中では
ずっと歌が流れていました。「キ~ング、シ~~~サ~~~」
ところで、FINALWARSにはキングコング、メガロ、ガバラ、
ジェットジャガー、メカゴジラなどは出てきません。これは多分
話がぶち壊しになるからだと推測できます。メカゴジラはそれ
を操る悪い人が必要で宇宙人とキャラがかぶりますし、キング
コングとかジェットジャガーを出してしまえば絵的に何が何だか
訳が分からなくなります。ジェットジャガーの存在を知った時は
幼心にもショックでしたから。せいぜい設定によって姿を現した
り消えたりするワイルドカードのようなジャイ子的存在のミニラ
を出したのが精一杯でしょう。もちろんモスラも出てきます。
モスラは作品によって敵や味方になるゴジラやアンギラスなど
と違って一貫して人間の見方です。なので痛めつけられると
最も心が痛みます。ザ・ピーナッツの配役で有名な小美人は
長澤まさみと大塚ちひろ。赤の他人なのに良く似ていましたね。
一瞬マナカナ?と焦りましたが。Diaryで何度か触れましたが
モスラは中村真一郎、福永武彦、堀田善衛という著名な作家
(文学者)が原作です。ゴジラに出てくる怪獣のなかでモスラ
だけがエピソード付きで多くの日本人が強烈に印象を残して
いる理由の一つともいえます。聞いたところによると、ゴジラを
観て面白いと感じた3人が「俺たちも面白いのを考えるよ」と
言い本当に話を考えて来たのがモスラだったとか。従って
モスラだけがはっきりとした原作者つきというわけで昔の関係
者は現在のゴジラでモスラを扱っても原作者を表記しないこと
に「原作者に失礼だ」と残念に思っているとか。FINALWARSの
冒頭に箔をつけたいのか田中友幸、円谷英二、本田猪四郎
に捧ぐとテロップを流している場合ではないんです。

ちなみに、ハリウッド版ゴジラと思しきジラという怪獣も出て
きます、エリマキのついたジラースではありません。見た目も
そのまんまですし本編でもハリウッド版であることを想像させ
るようなセリフが出てきます。ハリウッド進出で小躍りしながら
も、どこからどう見ても恐竜にしか見えないゴジラの風貌に
東宝の関係者が「せめて背びれはつけてくれ」と泣きついた
とかいないとか。本編でも圧倒的に弱かった「ジラ」ですが
版権の問題もあるかもしれませんが、ハリウッド進出の実績
だけを残して存在そのものを抹消したい思惑も見え隠れします。

なかなか話が進みませんね。この映画の欠点は、人間ドラマ
の部分になるととたんに陳腐になることです。登場人物が
「何故こんな時に?」というようなセリフを吐いたり、ロイヤルの
社長が歯を出すような微妙なタイミングで余計なリアクションを
します。しかも意味不明。加えてメカニックデザインもどこか
安直な感じがします。主役級の人々がアルマゲドンみたいに
ごっそりと乗り込む轟天号なる戦艦は、ヤマトの波動砲の穴に
エッチな感じで突っ込んだドリルミサイルを彷彿とさせるメカ。
普段飛んでいる時までドリル回さんでいいだろうとツッコミを
入れたくなります。人間ドラマの部分にはこういうところが
いっぱい。反面、怪獣のシーンは迫力があります。もともとCG
のなかった頃の怪獣ですから、ラドンが飛ぶとどれぐらい衝撃
があるのかとかがよく分かりました。今更ながらゴジラが吐く
火炎も迫力です。最初のゴジラは工夫してもエクトプラズムに
しか見えませんでしたし。
さて、冒頭には少し出てくるんですが、1時間以上が経過して
やっとゴジラが登場です。鳴き声は迫力があります。日本まで
の長い道のりで数々の怪獣と戦いますがこれも面白いと思い
ました。実はバカげた戦い方もあって「少林サッカー?」と思う
ような部分もあります。このあたりの部分は「ゴジラらしくない」
と反発する味方もあるようですが以前はシェーまでやっていた
ゴジラです。ゴジラシリーズには笑い話のような内容もありま
した。初代の怖い怖いゴジラを神格化する味方もありますが、
こういうユニークな部分も決して棄ててはならない部分だと
思います。それに対比して人間ドラマの部分がやはりひどい。
マトリックスやスターウォーズを彷彿とさせる映像も出てきます
が、こちらは何故か役者の陳腐な演技と意味不明のセリフが
融合して不快感を醸し出してしまいます。

最終評価「B」

人間ドラマの部分のみでは「D」です。これだけ意味不明な
わけですから話をややこしくせずに「どういうわけか今までの
怪獣が甦って、ついでにゴジラも甦って、あちこちで戦い始め
ちゃった」ぐらいの設定でもいいのではないでしょうか。キン肉
マンみたいですが。劇場内のあちこちで子供に自慢げに解説
している父親の姿を見ましたが、確かに子供にとっては今の
怪獣のようにドギつくないシンプルな怪獣は新鮮でしょうし、
大人にとっては懐かしい怪獣が次々と最新の技術も加わった
迫力ある映像で再現されているわけです。観客は人情とか
そういうものではなく怪獣がドッタンバッタン暴れるのを期待
しています。その期待に応えられなかった部分では残念な
映画でした。これでゴジラはFINALWARSのはずですが主役
は最後の最後まで「これが始まり」とか意味不明のセリフを
吐きます。今回、ゴジラは浅間山に沈んだわけでもなく南極
で凍り漬けになった訳でもありません。海に帰っただけです。
一方でアルマゲドンのように大勢の無駄なキャラクターが
ゾロゾロと動きまくる地球防衛軍の作戦はFINALWARS作戦
だったような気がします…詐欺?そういえば東宝は数年前
にも「ゴジラ死す」とぶちあげながら姑息に続けた前科があり
ます。ゴジラがなくなるのは寂しいですが、僕のように最後の
ゴジラということで劇場に駆けつけた人も少なくはないはず。
約束を守ってゴジラは封印してください。でなければ原作者
の松本零士から権利を奪い「さらば」「永遠に」「完結編」とか
ぶちあげながら、逮捕直前まで「またヤマトをやる」と嘯いて
いた西崎義展と同じじゃないですか。もうヤメテ~!

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成17年1月10日
劇場:ワーナーマイカルシネマズ板橋
観客数:100人程度/130席
感涙観客数:若干
※感涙観客数は観客の鼻すすり音で推定

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Comments

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