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December 23, 2004

戦争のはじめかた

CinemaX25回

戦争のはじめかた

監督:グレゴール・ジョーダン
出演:ホアキン・フェニックス、エド・ハリス
(公式サイトはこちら
(計測時間98分)

1989年西ドイツ駐留の米軍の話。
冷戦も終結に向かい、最近では最も世界が平和ボケ
していた頃の話。日本ではバブル景気が盛り上がって
いた頃。たった10数年前なのに、今とは違う世界が
ありました、と懐かしく思います。

なので作品に登場する米軍も平和ボケ。いろいろな
悪事に手を染めます。画面が暗くて古臭いのが気に
なりますが、テンポはいいように感じられます。シーン
が小刻みに変わるのに違和感がないのは、相当に
脚本が練られているという証拠なのかもしれません。
内容も地味なのかと思いきや、お金を使うところは
使っています。無茶苦茶と思えるシーンも兵隊がやる
から納得できます。南北が対立する構図を描いた
「シュリ」がリアリティがあり、冷戦が終わってしまい
「007」シリーズにリアリティがなくなったのと同じです。

ターン1までの評価「B」

中盤に入って登場人物の対決の構図が現れます。
欲を言えば、恐らく一回観ただけでは完全に把握でき
ない人が多いであろう人物関係です。上官と部下の
対決の構図がもっとはっきりすると、もっともっと面白く
なるのかもしれません。ただ、霞がかかったような映像
とテンポのあるストーリー展開は、この映画の特徴だと
思うのであまりメリハリをつけると作品の雰囲気その
ものを壊しかねませんが。

ターン2までの評価「B」

この作品には問題があります。主人公の心の変化が
ないこと。「悪事はいかんな」と改心するわけでもない。
主人公の心が見えないので、観客はそのまま傍観者
となってしまいます。心の変化がないのはシナリオの
セオリーに反します。例えばこのシナリオをその辺の
シナリオスクールに持って行ったりすると、ボロカスに
批判されるでしょうが、これからはこういう映画も評価
されるべきかもしれません。「心の変化がない映画は
いかん」といいながら、例えばそういう要素が全く感じ
られないアメリカンビューティをたまたまアカデミー賞を
受賞したからといって激賞する人が多いのも事実。
逆に、こういう映画ばかりなのもうんざりです。相変わ
らず邦画ブームに乗って、シナリオのセオリーも勉強
せず「勘」で映画を撮るような若手監督が多いような
気がします。観客が傍観者でいるのが許される映画
というものはそれなりに魅せる映画であり、疑問を感じ
させる隙もないようなテンポのある映画であることを
忘れてはなりません。ホラーの次は純愛ブーム…くそ
くらえです。

最終評価「B」

何となく眺めていれば面白い作品です。例えば大晦日
の夜なんかにやっていたら、眠気も消えていつの間にか
空が明るくなっているような映画です。全国ロードショー
は少しきつい感じがします。アメリや17歳のカルテの
ように宣伝の方法を工夫すれば、大化けする可能性も
あるような気もしますが。

最終評価「B」

この作品は言わんとすることは良く分かる映画(Diary
XXXでもよく取り上げるテーマ)なので、個人的には
A評価でもいいと思うのですが、とにかく邦題とポスター
のセンスが悪すぎました。原題はBuffalo Soldiers。
邦題はイラク情勢にかこつけようとしたのでしょうが
もう少し頭を使って人間の本質を突くようなネーミングを
して欲しかった。でなければ原題のままのほうがマシ。
ポスターもセンス悪すぎです。僕は面白くないオーラを
感じてチケット売り場を何度も離れてしまいましたし。

ちなみに17歳のカルテ、あの邦題も最悪でした。これも
当時話題だった「17歳」にかこつけたのでしょうが本編
には関係ない。セコい蜘蛛の糸を張ってもその場では
集客効果があると思いますが、後々恥ずかしくなります。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成16年12月21日
劇場:シネカノン有楽町
観客数:30人程度/257席
感涙観客数:皆無
※感涙観客数は観客の鼻すすり音で推定

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