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December 19, 2004

ターミナル

久々のCinemaXです。実はこの場所、カテゴリー別に
反映するのを忘れていまして、慌てて修正しました。
やっぱりCinemaXやS・Reportを日記と味噌糞にする
のは違和感ありますね。昔のように別のスペースに移動
しようか迷っているところです。

CinemaX第23回目。

ターミナル

スティーブン・スピルバーグ監督作品
出演:トム・ハンクス、キャサリン・ゼタ=ジョーンズ
(公式サイトはこちら
(計測時間145分)

「右肩下がり」

スティーブン・スピルバーグ、ジョン・ウィリアムスという
個人的にはゴールデンコンビと思う2人の作品。最近は
そうでもないことが多いんですが、今度こそはと信じて。

設定はある程度ネタばれしているので、そのまま扱い
ますが、架空の国、クラコウジア出身のナボルスキー
(トム・ハンクス)が、米国に向け離陸した後、突然母国
がクーデターに遭い、国籍が中途半端になってしまうと
いう冒頭。この場合は米国がクーデター政権を国と認め
なければ、ナボルスキーの立場がなくなってしまうわけ
で、国と国の中間のような空港に足止めされるわけです。
ミャンマーとか新ユーゴとかの例で考えても案外ありそう
な話。面白いところに目をつけたなと思いました。
空港では全く言葉が通じないんですが、このもどかしさが
悲しい。話が面白いかどうかは後で述べるとして、この
作品は終始、トム・ハンクスの演技力でもっているような
ものです。言葉がほとんど分からないまま主人公はいろ
いろなことを発見して、RPGのように成長していきます。
もともと設定が面白いので話にのめりこむ事が出来ます。

ターン1までの評価「A」

ヒロイン、キャサリン・ゼタ=ジョーンズが出てきます。
ラックスのCMに出ていた人です。主人公がずっと孤立
無縁の状態なので、少しでも優しく接してくれるだけで
もの凄い美人に見えるのが不思議です。
この後はトム・ハンクスの演技が光ります。僕はパンチ
ラインという映画が好きなのですが、トム・ハンクスは
アカデミー主演男優賞に2度輝きながら、一方で大外れ
の映画にも多数出ています。恰幅はよくなりましたが
今でもB級映画に出ていた頃の雰囲気を残してくれて
いるところは貴重です。例えば、このあたりで繰り返し
同じようなシーンがあるんですが、やはり彼の演技が
面白く、とても間延びしているようには感じられません。
話の随所にオチがあるんですが、これはあちこちに伏線
をバラまいて拾うという形式です。だから笑えます。
1時間15分あたりを過ぎて、彼はヒーローになります。
一気に仲間が増える。この辺が作品の「光」の部分と
いえます。例えば、光の部分が強い映画は、終わりに
悲しい部分を持っていくとワッと観客が泣けます。
個人的には、ニューシネマパラダイスとか、ライフイズ
ビューティフルとか。ところがこの映画は…。

ターン2までの評価「A」

実際に本編を観てほしいのですが、ポケベルを投げる
シーンから、人物たちが何を考えているのか分からなく
なります。劇中のキャラが下らない漫才をして劇中の
観客が大爆笑しているような感じ。リアルな観客は置き
去りです。ポカーン。実はこの当たりで最も観客は泣き
そうになるんですが(感涙度数はここら辺が最高でした)
とにかく後の展開が悪い。ヒロインの行動もしっちゃか
めっちゃかですし、主人公も何をやっているのかさっぱり
分からない。理解を示してきた周囲の人間の行動も
意味不明で、敵対してきた人物たちも突然、無茶苦茶
な行動をします。キン肉マンで死んだはずの仲間たちが
突然よみがえるような荒唐無稽さ。挙句の果てにその
ボス(警備局長とかナントカ)は、最後にニヤける始末。
ルパンを取り逃がした銭形がニヤけるのは何となく分か
りますが、この作品は後半に進むにつれ、キャラクター
の性格が壊れていくのが非常に残念でした。

ここまでキャラもストーリーもぶっ壊すのなら、挽回する
ために必要なのはオチだけです。オチが凄いとグッと話
が引き締まるものです。終わりに凄いどんでん返しが
あるのかなと期待していましたが…あとは実際に観
て判断することをおすすめしますが、少なくとも缶の中身
はたいしたことがないと思いました。このエピソードは
なくても映画として成り立つんじゃないかと思うぐらい。

最終評価「C」

とにかく、もったいない。設定も面白く、前半はテンポが
いい作品なのですが、話の途中で誰かが横槍を入れた
としか思えないぐらい変質してしまっています。これだけ
の「光」を持っている映画です。例えば、主人公と仲間の
別れの部分をうまく描けば、観客をワッと泣かせることが
出来ます。作る側がそういう意図がなかったのかもしれ
ませんが、非常にもったいないと感じた作品。
トム・ハンクスの演技力は素晴らしいです。ご覧あれ。

ところで、ジョン・ウィリアムスの映画音楽、最近ショボい
のが多いですね…。ジュラシック・パーク以降、あんまり
いいのがないように思うのですが。スピルバーグも同じ。
A.I.に「ダマされた!」と思ってからかれこれ何年経つ
のでしょう。ゴールデンコンビと信じているだけに悲しい。

~鑑賞メモ~
鑑賞日:平成16年12月18日
劇場:ワーナーマイカルシネマズ板橋
観客数:250人程度/296席
感涙観客数:50人程度(ただし、途中の場面で)
※感涙観客数は観客の鼻すすり音で推定

久々に混雑した劇場でした(平日昼とかが多いので)
シネコンはやはり日本映画の原動力になっていますね。
人々が映画館に戻ってきているのがよく分かります。
その波におごることなく、恥ずかしくないような映画を
作って欲しいものです。特に日本の映画人の方々。

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